ゴブリン転生 1-5
「ふぅ~」
「疲れたか?」
「ちょっとだけね」
俺らの目の前には大量の野菜、今日はカボチャを収穫している。
何でも冒険者ギルドの明日のランチがカボチャメインらしく、大量のカボチャが必要ということで駆り出されている。
「おぉい、そろそろ休憩だぞ~」
牛の魔物ミノタウロスが声をかけてきた。
「今行く!」
「こっちは終わったよ!」
「おお、早いな」
「皆慣れてきてるから」
「そうかそうか」
俺らの成長が嬉しいのかニコニコしている。
うん、俺ら前の菜園では活躍できてたけど、ここだとほぼ足手まといだったからな。
「おつかれさま」
「ありがとう」
「はいこれ」
「ん?これは……」
渡されたのは、湯気の立つスープとパン。
「ひよこ豆のスープだ。冒険者から貰ったのを植えたら死ぬほど増えてな」
「いただきます!」
「あー美味い」
「あれ、なんか力が湧いてくるような」
「あぁ、これ回復効果あるやつらしい」
「まじか!?」
「なんでも特殊な状況で爆発的に増えて以来、そこから株分けされたひよこ豆は特殊な効果がついたみたいだな」
「ちなみに効果は?」
「疲労回復、病気の治癒、栄養補助、傷もかすり傷程度なら治る」
「凄いな」
「だが、薬草よりは効果が劣るし、ポーションに加工も出来ない」
「そうなのか」
「あと、ひよこ豆は1日で元の10分の1まで増えるからな」
「は?」
「植えると次の日には倍の量になって、また倍に増える」
「……すげぇ」
「だから、食わないと他の作物が埋まる」
「マジか!?」
「俺らはもう飽きてるからな、お前らが食ってくれ」
こうして、俺らはこの自己主張が強すぎる不思議な食べ物に巡り合った。