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第3話 恋愛とミステリーについて

恋愛とトリックこの相性の謎を解く!

 こんにちは、あるいはこんばんは。

 今回のテーマは、


『恋愛作品にミステリー要素は合うのか?』

 である。


 今回は感想欄からの質問への解答になる。

 ただし今回も吾輩の独断の考察なので、まあ参考程度に。


「しっかり予防線張ってますねー」


 仕方ないだろ、こっちは何も専門家という訳でも無いし⋯⋯。

 そもそもコメンテイターの専門家の言う事だって疑わしい時があるしな。

 まあ話を始めようか。




 まず結論から言おう。

 恋愛とミステリーは相性が良い!


「おーそうなんですか!」


 とくに最近では『安室の女』とかいう集団まで生まれている。


「コナンの⋯⋯ですね」


 女の貢ぎパワーで映画収入が100億を突破したとかなんとか⋯⋯これは凄い情熱だと吾輩思う。

 男のファンにはここまでの熱量は無いと感じる。


「女の方が熱心だと?」


 女は瞬間的に燃え上がり、すぐ消える。

 男は継続的に燃え続けている⋯⋯といった違いかな?

 まあ男女の感性の違いだろうから、そこは気にしない。


 まあいくらイケメンの安室目当てでも本当にミステリーが興味無ければ、コナンの映画が100億も行くことはなかっただろうから、確実に女性のミステリーファンは居るのだ。


「おー、結論出ましたね!」


 ただしこの質問の答えはネット小説での話を想定しないといけない。


「なにやら風向き変わりましたか?」


 さっきも言った『安室の女』だが、基本映画での話でテレビ版でその話題は無かったように感じる。


「映画とテレビ⋯⋯、一緒じゃないんですか?」


 コナンの場合はだいぶ違う。

 コナンの映画はミステリーというよりはアクション映画の色が濃いからな。


「じゃあ安室の女はミステリーファンじゃない?」


 そうとも言えん、なにせ数が多すぎるからな。

 たとえ3割だけがミステリーファンだったとしても相当な数になる。


 これがネット小説サイトに全員来るとは限らないが。

 つまりミステリーファンと恋愛ファンの共通の読者層の女性は多いと予想できる。


「では恋愛作品でもバンバントリック書いたら喜ぶ、ですね!」


 それがそうとも言えない気がする。

 吾輩が知る恋愛とミステリーの融合作品には、


『まんが家マリナシリーズ』

『星座シリーズ』

『万能鑑定士Qシリーズ』


 このあたりかな?


「けっこう少ないですね」


 もっとあるんだろうが吾輩が触れる機会があったのはこのくらいだ、という話だ。


 そして少ないから比較には尚早かもしれんが、この作品は2つのグループに分けられる。


「古いと新しいですか?」


 それもあるが⋯⋯女性向けか、大衆向けかだな。


 まんが家マリナ・星座は古い作品でコバルト文庫という女子学生をターゲットにしたレーベルだ。


 一方、万能鑑定士の方は角川文庫という別に女性に特化したところじゃない。


「それで何が違うのです?」


 探偵役が違うのだ。


 コバルト文庫⋯⋯つまり女の子向けだと主人公は探偵⋯⋯というよりは名探偵の彼氏の助手ポジションだ。

 基本ヒロイン目線で物語は進んでヒロインが謎を解こうとするのだが詰めが甘い。


「そこで彼氏登場ですか?」


 そう、謎を解ききれなかったり逆上した犯人に襲われピンチになる。

 そこを颯爽と彼氏⋯⋯スパダリが美味しいところをかっさらう!


「きゃー素敵ですの!」


 このスパダリには謎を解く頭脳はもちろん、時に暴力にも屈しない逞しさがある。

 そこに女の子はメロメロになる寸法だ。


 つまりミステリー仕立てなのはスパダリのカラーを『頭脳派』にしたい為と考えられる。

 しかもいざとなれば武力も隠し持つ有能ぶりだ。


「つまりミステリーは、ただの舞台装置という事ですか?」


 こういう作品を愛する読者は、スパダリのカッコよさを望んでいるが謎解き自体興味無いかもしれない。




 次は万能鑑定士の方だが、こちらは角川文庫で漫画や映画とメディアミックスもされている。

 このことからターゲットを女性だけに絞っては居ない。


 それが理由かはさておき、こちらの探偵役は女主人公だ。

 スパダリ枠はちょっと頼りない助手ポジションになる。


「おーカッコいい女探偵ですね」


 さらに言えばこのQシリーズは『人が死なないミステリー』というのをキャッチコピーにしている。


「人が死なない⋯⋯珍しいですね」


 あくまでも謎解きだけで話を魅せたいという作者の気持ちかな?

 この作品はとにかく伏線回収が見事でラスト30ページくらいでどんでん返しが楽しめる、良エンタメだ。


 さらに鑑定士という主人公のキャラを生かしたすさまじい量の雑学が多く乗ってて、読んだ後は読者に賢くなった気分を与えるのだ。


「べた褒めですね」


 しかしそれも読んでもらえればの話だ。


 明らかにこの作品は素敵な女主人公で読者の興味を引いているからな。

 つまり作者は純粋なミステリーファン以外も取り込もうと、女主人公という広告塔で読者を増やしているのだ。


「伯爵みたいな人をですか⋯⋯」


 否定はせん。

 実際女主人公じゃなかったら読んでなかったと思うし⋯⋯。


 こうして2つのタイプを見比べると傾向が見えてくる。


 1 カッコいいスパダリのための舞台としてのミステリーである。

 2 本格派なミステリーを手に取りやすくするために魅力的な主人公にする。


「両極端ですね」


 中途半端はイカン⋯⋯というジャンルなのかもな。


 いずれにしてもキャラに魅力が無いと読んでもらえない。

 これが大前提だ。


 そのうえでキャラを目立たせるのか、謎を提供するのか、どちらを優先するのか選ぶことが必要⋯⋯かな?


「結局どうすれば?」


 正直言って良質のミステリーを書ける作者と、それを求める読者は少数派だと思う。

 とくにネット小説なんかでは。


 だから吾輩のお勧めは、すっぱりキャラの魅力を前面に押し出す方が良いと思うぞ。


 しかし時代の流れなのか女主人公よりも上位互換のスパダリ無双劇場は、読者の反感を買う気がする。


「じゃあどうするのです?」


 鮮やかに謎を解く女主人公と、逆切れした犯人から主人公を守るイケメンガーディアンのコンビとかが恋愛ミステリーでは受けそうな気がする。


 とはいえこの設定は探偵と被害者が別人の作品だったらだ。

 連載ならこっちだけど短編だと探偵と被害者は同じ人物の方が纏まりやすい。

 ならこの場合はやや短慮な女主人公を助ける名探偵スパダリの組み合わせかな?


 最後にまとめると⋯⋯、


 女性向け恋愛作品にミステリー的な要素はアリである。

 しかしそれが目障りになりすぎない、単純なものが良い。


 こんなところだろうか?


 最後に付け加えると女性は⋯⋯、


『暴力で解決する男は嫌い、でも女を守れない頼りない男はもっと嫌い』

 である。


 知的で優雅に⋯⋯時に野蛮で危険な男。

 それを描くにはミステリーが一番かもしれないな。


 それではまた次回、ごきげんよう。

お読みいただき、ありがとうございます。

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