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転生少女は救世を望まれる〜平穏を目指した私は世界の重要人物だったようです〜  作者: 蒼井美紗
1章 環境改善編

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44、仕事二日目

 次の日。私は昨日と同じようにお父さんに送ってもらって街中に入り、少し早めにロペス商会の本店に到着した。裏口から中に入ると、ちょうどジャックさんが更衣室から出てきたところだった。他にはポールさんと、もう一人優しい雰囲気の男性がいる。


「おはようございます! 今日もよろしくお願いします」


 挨拶は大事だと思って笑顔で声をかけると、三人は私と同じように笑顔で挨拶を返してくれた。そしてジャックさんは私に近づいてきてくれる。


「今日も早いな。昨日はかなり頑張ってたってニナに聞いたけど、疲れてねぇか?」

「あのぐらいなら全然大丈夫だよ。ジャックさんはどう? 本店での仕事は大変?」

「そうだなぁ、かなり大変だ。でもやりがいがあって楽しいぞ」


 そう言ってニッと笑みを浮かべたジャックさんは、めちゃくちゃカッコよくて、ここにスマホがあったら確実に連写していた。

 本当にジャックさんってこの制服が似合ってるよね。それに長髪ポニーテール! 今まで男性は短髪一択だと思ってたんだけど、長髪に目覚めそうだ。長髪イケメン……推せるっ!


「レーナがその格好してると今まで通りでなんか落ち着くな。そうだ、更衣室入る前にそこで待っててくれるか?」


 ジャックさんは突然何かを思い出したような顔をして、男性用の更衣室に入っていってしまった。そして数十秒ほど待っていると、すぐに戻ってくる。


「これ、レーナにあげようと思ってたんだ。商会員になれた祝い? みたいな感じだな。後は俺が本店勤務になれたのはレーナのおかげもあるから、そのお礼も兼ねて」


 爽やかな笑みを浮かべて渡してくれたそれは、新品の櫛と整髪料だった。櫛はスラム街でジャックさんが貸してくれてたやつと絵柄違いのお揃いで、整髪料は全く一緒だ。


「もらって良いの……?」

「もちろんいいぞ。レーナだってここで働くなら、今まで以上に綺麗にした方が良いだろ?」

「ジャックさん……ありがとう!」


 ジャックさんマジでイケメンすぎる。私も今度何かお返しをあげよう。十日後に給料が入ったら、そこまで高くないものなら買えるよね。

 ジャックさんは私のおかげだって言うけど、どちらかといえばジャックさんのおかげで私が今ここにいるんだから。


「お前、そういうこともできるのかよ! 行動までイケメンとかどうなってるんだよ!」


 私が感動していたら、ポールさんがそうツッコミを入れた。その意見には完全に同意だ。ポールさん、私と気が合うね。


「レーナには世話になったし礼をしただけじゃねぇか。ポールもレーナに何かあげればいいだろ?」

「うっ……そうだけど、俺があげてもイケメンな行動にならないんだよ! やっぱり顔か、顔なのか!」


 確かにポールさんがこれからよろしくねって何かをくれたとしたら……めちゃくちゃ嬉しいし感動するだろうけど、イケメンとはならないかな。めっちゃ良い人! ってなる気がする。

 やっぱり外見は大切だよね。いや、もちろん内面はもっと大切なんだけど、それに良い外見も加わると最強なのだ。ジャックさんはその最強だから。


「じゃあ私、着替えてきますね」


 ジャックさんとポールさんの話は長くなりそうだったので更衣室に向かい、今日は一人でしっかりと着替えた。そしてジャックさんからもらった整髪料を少しつけて櫛で梳かし、綺麗に髪の毛を紐で縛り直す。


 姿見に自分を映すと……完璧だ。めっちゃ綺麗。この格好になると気が引き締まるな。


「あっ、レーナちゃんおはよう」

「ニナさん、おはようございます」


 休憩室に戻るともうジャックさんたちはいなくて、ニナさんだけがいた。


「制服ちゃんと着られてるわね」

「はい。今日もよろしくお願いします!」

「ふふっ、レーナちゃんは本当に可愛いわね。よしっ、じゃあさっそく仕事をしてもらいましょうか。授業は午後の予定だから、午前中はまた昨日に引き続き計算よ。今日は遠い場所の配達しかないから、レーナちゃんの配達はお休みね」


 今日の午前中はずっと計算なのか。それならかなり進められるかな。一週分はやり切ることを目標に頑張ろう。


「分かりました」

「あっ、そうだ。あと廊下に置いてある木箱を雑巾で拭いて綺麗にして、二階の倉庫に仕舞っておいて欲しいの。頼めるかしら?」

「もちろんです!」


 私の返答を聞いたニナさんは満足そうに微笑んで、私に雑巾の場所や使い方を教えてから仕事に戻っていった。


「よしっ、まずは木箱の片付けからやろうかな」


 こういう仕事はスラムでもよくやっていたからかなり得意だ。ただ雑巾がスラムだったら新品の服に仕立てるほどに綺麗な布なのがめちゃくちゃ気になって、汚れを拭くのを躊躇ってしまう。多分おろし立ての雑巾なんだろう。


 ……この雑巾より、私のワンピースの方が雑巾っぽい。


 そう思ったけどその事実はとりあえず忘れることにして、私は木箱の汚れを雑巾で綺麗に拭き取った。そしてこの体では少し重い木箱を一つずつ丁寧に二階へ運んでいく。


「ふぅ、終わった」


 綺麗になった木箱が倉庫に並んでいる様は壮観だ。やっぱり掃除ってこうじゃなくちゃね。スラムの掃除はありえないほど汚いをちょっと汚いにする作業だから、私的には達成感があまりなかった。


 二階から一階に戻って手を綺麗に洗った私は、今度は計算の仕事をこなそうと資料室に向かい、資料室に一人いた商会員の男性と少しだけ話をしてから資料に向かった。

 ここからは数字の世界だ、頑張ろう。

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