カザー星系の部下といやがらせ(3)
「あそこのお店へ入るのよ」
ミケア・ミレイちゃんが3人組に言う。
「なんだ?」
「なんか食べ物屋さんみたいだが… う。まさか。俺たちを殺してお肉の材料とか、骨としてなんかの原材料にするんじゃないだろうな」
「え。まじ? ねえ。ほんとなのか?」
3人組の顔がひきつる。
すごくニコニコしながらミケア・ミレイちゃんが「さあ。どうぞ…」とだけ言い、腕をお店のほうへと向ける。
3人組は入るしかない。
お店の中へ入る。
ウエイターが…「何名様ですか?」
ミケア・ミレイちゃんが…「この5人で… あたし達のこと知っているわよね…」
ウエイターが…「はい。ミケア・ミレイさま。シマ様…その他ですね」
「そう…じゃあ。おまかせで…」ミケア・ミレイちゃんが席の前へ立ち、3人組へもテーブルへつくように言う。
「な。なあ。これって最後の晩餐というやつか?」
「そうかもしれん。この後黒焦げか?」
「そうなのか? 可愛い顔して恐ろしい…」
ちょっと待っていると料理が運ばれてきた。
なんかよくわからないスープ。
お野菜。
じゅーじゅーいっているお肉。
麺のような、それでいてマカロニのような…でも違うようなもの。
「最後よ…食べなさい…」ミケア・ミレイちゃんが言う。
「おい。最後だってよ…」
「おいしそうだが…喉をとおらない」
「お。おれも…」
せっかくの料理を3人組は手をつけない。
ミケア・ミレイちゃんはため息をついて…「ねえ。あなた達。せっかくの料理用意したの。食べないの? ねえ。食べないとどうなるかわかる?」ニコっとしてから言う。
「でもよ。食べたあと。ずどんとされて。俺たち黒焦げだろ?」
「そーだ。そーだ。そこまでひどいことを俺たちがしたのかよ」
「そーだそーだ」
3人組は言う。
どん。ミケア・ミレイちゃんがテーブルをこぶしで叩く。
「そんなことしないわよ…黒焦げとか… 大人しくしていればね…食べないとほんとに黒焦げになるわよ…」ニコっとして言う。
「こええ」
「なあ。食べようぜ…どうせどうなるかわからないし…」
「そうだ。うまそうだし…」
3人組は手をつける。
はぐっと食べる。
「なんだこれ。うめえ」
「ほんとだ。このスープ。味が深い」
「このお肉。ジューシーだぜ…こんなの今までくったことない…」
はぐはぐ。勢いよく食べ始める3人組。
あっというまにすべて食べてしまう人。
ミケア・ミレイちゃんが立ち上がる。
そして3人組のそばへと行く。
ミケア・ミレイちゃんがそばに来たのを見て「ひっ」
思わず声を出すリーダー。
「これ…」ミケア・ミレイちゃんがお肉6切れをそれぞれ3人のお皿へと取り分ける。
「いいのか?」
「あたしにはちょっと多いから… これ限定品だから今日だけ。数もこの人数分しかないの…
お値段は…そうね。あなた達のお給料1か月分より多いかも…この1食だけで…」
ミケア・ミレイちゃんが言い、自分の席へと戻る。
シマ君は「ね。ねえ。これ。そんなに高いの?」シマ君はほぼ平らげてしまっている。残り1切れのお肉。
ミケア・ミレイちゃんは残りの1切れのお肉をシマ君にあげる。
「いいの?」
「うん。これ以上食べると太っちゃうし…」
☆☆☆
食後。軽いアルコールらしいものが入っているお飲み物が運ばれてくる。
「ねえ。取引しない? あなた達の機械。あたしに預けてくれない? ちょっとだけ…」
リーダーがミケア・ミレイちゃんの顔を見る。
「なあ。おい。それって…ナニするんだ?」
「えへへ。内緒。ここは異世界だからカザー星系にも探知されないし…ここでやっていることはばれない。あなた達を監視する人もいないし…ねえ? どう? 断ったらどうなるかわかる?」
非常にニコニコしながら言うミケア・ミレイちゃん。
リーダーは部下2人の顔を見て…
「そんなことできるわけないだろ…なあ」部下に聞く。
ミケア・ミレイちゃんは…「協力してくれたら…そうね。たまに好きなだけおいしいものを食べさせてあげる…ここで…
そして…お望みのものをこの世界にいる間だけあげる。お城でも…町一つでも…
綺麗な女の人をいくらでもとか…もちろん自分たちの世界には持って帰れないけど…」
「なんだよそれ…そんなことできるわけがねえだろ…どこか1国のお姫様やお偉いさんか…権力がないと…」
リーダーは言うが…
ミケア・ミレイちゃんはお店のテレビをつけるように言う。
テレビには…ミケア・ミレイちゃんが映っていて、会見を開いていた。
先月のもの。姉の誕生日を祝う場所。各国のお偉いさんと思われる人や各国をあげて盛大に祝っている。ミケア・ミレイちゃんもお姫様が着るようなドレスを身に着けている。頭には姉より目立たないものの、光り輝く宝石をつけたカチューシャをつけている。
「おい。あれ見ろよ…まじかよ…」
「はあ。あれ。君か?」
「はえ?」
テレビの映像と目の前のミケア・ミレイちゃんを見る。
そしてシマ君も映っている。
「国賓のシマ様からプレゼントです」ナレーションで音が入り、シマ君が映し出される。
姉と対等な立場として、シマ君がプレゼントを渡す。
「まじかよ…」
ぽかんとしてみる3人組。
「な。なあ。権力ありそうだぜ…うちのボスより権力あるんじゃないのか?」
「リゾート地400個どうみても…こっちの話に乗ったほうがいいんじゃないか?」
「でもばれたら殺されるぞ…」
3人組はひそひそと相談し始めた。
「安心して…ばれないようにするから…」ミケア・ミレイちゃんが言う。そして合図をする。
綺麗なお姉さん達数名がはいってくる。
それぞれ3人組の隣に座る。
「あら。結構男前ね…」お姉さん達が3人組のリーダーの顔にさわる。
「このおひげすてきね」お姉さんは部下の1人の太ももをなでなでしながらセマる。
「え。あ。そうかい?」でれでれになる3人。
それを見ていたミケア・ミレイちゃんは小声で「ちょろいわね」とシマ君に言う。
そして…シマ君をじっとみている。
ミケア・ミレイちゃんを見ず、きれいなお姉さん達を見ていたシマ君はミケア・ミレイちゃんを見る。
「あ。えーとなにかな…」ちょっとあせった感じで言う。
「ねえ。綺麗なお姉さん達を見ていなかった?」
ちょっと機嫌が悪くなるミケア・ミレイちゃん。
ちょっとあせってシマ君は言う「そ。そんなことないよ…観察していただけ…それと。えと。
えーと。お姉さんがつけている首飾りとか靴とかいいなと思って…どこに売っているのかな?
ぽくからミケア・ミレイちゃんにプレゼントしたいなと…」
じー。ミケア・ミレイちゃんはシマ君をじっとみる。
「ほんと?」
「本当 ウソだったら黒焦げになってもいい」
「そう…じゃあ信じる。もし浮気とかしたらわかるわよね?」
意地悪な笑みを浮かべてミケア・ミレイちゃんが言う。
「そ。そんなことないよ…僕の瞳には君しか映ってないから…ほら。みのるお兄さんとヒメルみたいに…」
「ま。まあ。そうね。あたしもそうだと思う…」シマ君はミケア・ミレイちゃんの頭をなでて耳のつけねをこりこりした。
そして…ミケア・ミレイちゃんのしっぽを手にとって触ろうとしたとき…
「おい。あの2人できているんじゃないか?」
「ちゅーはしたんだろうな。次のステップは何かな」
「若いっていいなあ」
という声。
あ。僕たち以外にもいたんだった。
シマ君はあわてて普段のようにする。
「おほん。さて…どう? 考えは決まった?」
「なあ。ばれないんだよな…」
「うん。私の管轄する技術陣に任せればだけど…
あと。あとね…協力するって言ってから実は裏切ったらどうなると思う?
本気で黒焦げにするから…」
非常にニコニコしながら言う。
「わ。わかった。ばれないのならいい…それに本当にお望みのものをくれるんだよな?」
「うん。あたしはウソつかない…あなた達も裏切らないでよね。殺したくないから…」
本気の表情を見せるミケア・ミレイちゃん。
TMRの宅配ボックスから機械を取り出すボス。
それとミケア・ミレイちゃんの付き添いの人に手渡す。
「3時間ぐらいかかるから…ここで好きにしてていいわよ…
もっともこのお店から出るときはあたし達の部下がついていくけど…
この町のどのお店にも自由に出入りできるし…あたしの名前を出せばタダだから…
悪いことしたらこの件はなしね。すぐに黒焦げだから…」
ミケア・ミレイちゃんは立ち上がる。
「ねえ。シマ君。これからのこと相談しましょ」
「へ? どこに行くの?」
「内緒」
ミケア・ミレイちゃんはシマ君の手をとる。
それを見ている3人組。
「あれ。尻にしかれているな」
「そうだな」
「でも…若いっていいなあ」
それぞれいう3人組。
そして…
「ねえ。何か武勇伝とかない? 面白い話とか」
「あたしも聞きたい…」
綺麗なお姉さん達が3人組に聞いてくる。
「そうだな…あれは2年前のミッションでのころの話だ…」
3人組のリーダーは話し出した。
☆☆☆
元の世界へと戻ってきた3人組とシマ君。ミケア・ミレイちゃん。
追跡用の位置情報の記録は異世界だと記録されていないが、空白の期間があるので、3人組はアジトにずっといたことにした。
記憶のほうも操作して重要なところは消す。それ以外のところはあいまいにしておく。
☆☆☆
次の日…
「あんたたち。やめなさい」
ミケア・ミレイちゃんが言う。
「は? またあんたたちか…お子様はお仕事の邪魔しないの」
「ほら。飴あげるから…帰んな…」飴を2個手に握らせる部下。
「ありがと」ミケア・ミレイちゃんは飴を受け取り、自分の口へほうりこむ。
「やめないとひどいよ」シマ君は部下に言う。
「なんだ。やってみろよ」部下は手を動かしながら言う。
各地へ自動ドアを設置するために指令を出す作業をこなしている部下たち。
ミケア・ミレイちゃんは入り口近くにある天井からさがっている紐を引く。
がん。
がん。
がん。
天井から大きなタライが落ちて来て、ちょうど3人の頭の上へと落ち、直撃する。
「あ。はははっおもしろーい」ミケア・ミレイちゃんが言う。
「いてえな…ものすごく痛いぞ…涙が出たし…」
「このやろ。目から火花が出たぞ…」
「衝撃でしっこちびった」
「は? きたねえな…トイレいって来い」
ああ。と言い、部下の1人は席をはずす。
「ねえ。やめないの?」ミケア・ミレイちゃんは聞く。
「ああ。仕事だからな。くっそまだ頭がいてえ」
「頭ががんがんする」
ミケア・ミレイちゃんは2本目のひもを引いた。
ざばぁ。
今度は白い粉が天井からふってきた。
そして3本目のひもをひく。
ばさっと頭から粉をかぶり…
その上から3本目の紐により、水が少量ふってきた。
「うわぁ…」シマ君が思わずつぶやく。
「あれ。片栗粉。お水をかぶったからどろどろになっちゃう。ふっふっふ」
意地悪な笑みを浮かべるミケア・ミレイちゃん。
「うわぁ。ひどいなぁ」
たぶん机の上を綺麗にするまでは業務が中断される。
「このやろう…」リーダーが席を立つ。
「逃げるの」ミケア・ミレイちゃんがシマ君の手を引いて部屋からでる。
3人組は追いかけてくる。
実はリーダーだけ内容を知っていた。追いかけるのも本気ではない。
姑息な意地悪を仕掛け続けるミケア・ミレイちゃんだった。




