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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
再びカザー星系とのやりとり
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カザー星系の部下といやがらせ(1)

 カザー星系。


 そして、部下3人組のうちできない子達。

「なあ。任務はなんだっけ?」

「聞いてなかったのか?」

「聞いてたぞ。最初の5分ぐらい…」


「あのなぁ…」リーダーが言う。

「大丈夫ですぜ。ボイスレコーダーをONにしておいたので…ぽちっと」

 録音されているはずが入っていなかった。


「どうした?」

「動いてなかった。充電わすれてました」


「あのなぁ…任務の内容だ。読んどけ…」タブレットに似たデバイスを見せる。


 ここはカザー星系の惑星上の公園。

 明日から任務で地球へと移動しないといけない。

 主に活動する場所は、日本だが拠点にする場所の近くにアパートを借りることにしている。

 

「おい。だいたいわかったか?」リーダーが言う。

「でも。なんでこんなタイトル…こんなところに住めない!作戦」

 タッチしてページをめくりながら概要を読む部下。


「マイクロロボットを放出して、ネコを操って、新しい星系の惑星へ通じるドアを開けておく。

その後。こんなところに住んでいられるかと思わせるいやがらせをする。

新しいところには、金がありざっくざくと言いふらす」


「そっか。それで地球人の80%が移動したらゴーサインを出すんだったな。

その後警告を出して、残りの人が避難するしないにかかわらず、3週間後にどかんと…惑星を破壊するんだと…」


「そっか。成功したら報酬はあるのか?」

「あるぞ。リゾート地1年分だと」


「なんだぞれ?1年使えるのか?それともリゾート地を400個くれるのか?」


「最初に聞いたとき、1年という期間ではないそうだ…」


「やった。400個。リゾート地を俺たちにくれるみたいだ…やっほー

後で売り払えば金になるぞ…じゃあやる気がでた。がおー」


 それぞれ3人の部下は、地球での任務に必要なものを支給されたTMRの宅配ボックスの中に入れ始めた。


☆☆☆


 地球。クロの時代。


 こっそり、空地へと移動する3人組。移動はTMRを使う。支給品なので行先は限られているし、時間移動機能はない。


 宅配ボックスからマイクロマシンを放出する機械を取り出す。

「ぽちっと」部下の1人がボタンを押す。ボタンを押すと、目に見えないか、見えるかぐらいの小さい機械があたりに広まっていく。


「まずは第1段階。これで2週間ぐらい待つだけだ。そのあと裏路地に青い光でできているドアがあれば、成功だな…」


「そうだな。まずはアパートに戻るか。買い物に行かないといけないし…食費は経費でおちるんだっけ?」


「ああ。一日1000円な」


「は? 1000円」


「そっ。3人でだ」


「げっ。けちくさい…食費切り詰めて、あとでお酒でも買おうぜ…

うるさい上司もいないしよ…」


「まあ。そうだな…まずは業務用スーパーか?」

 情報を集めるのが上手な部下が言う。


「そのスーパーで物を買うと安いのか?」


「そうみたいだ…」


「あのな。思ったんだが…そこでものを買ったら業務をしないといけないんじゃないのか?」


「そうなのか? 業務っていうことはお店をやらないといけないのか?」


「そうか。じゃあ無理だな。コンビニというのもあるが…」


「コンビニってのはなんだ」


「小さいお店らしい」


「小さいのか。手のひらに乗るぐらいか?」


「まあ。そうかもな…品揃えが少ないのか、自動販売機のジュース1、2本しか売っていないんじゃないのか?」


「じゃあ近所のスーパーでいいか」


「まあ。そうだな…」

 微妙に地球のことをわかっている部下により、業務用スーパーでの買い物はやめて、普通のスーパーでの買い物になった人達。


☆☆☆


 2週間後。例の空地。


「お前たち。今すぐやめなさい。回収の命令を出して…」ララお姉さんがびしっと指を指して言う。


「はあ? でっかい長耳族のお姉さんよ。一回放出したら止まらないのよ」

「そうだ。ばーか」

「ばーか」

 部下は3人でララお姉さんに言う。


「くー。ばかっぽい人にばかって言われるとむかつく…」どん。

 ララお姉さんが足でどんと地面を踏み下ろす。


「まあまあ。ねえ。あのね。言うことを聞いてくれたら金貨15枚あげる。1人5枚ずつ…」

 キララが言う。


「何?ほんとうかそれ…」

「おい。どうする? リゾート地1年分とどっちがいいんだ?」


「さあ。リゾート地にもよるが、リゾート地のほうがいいんじゃないか?」

「そっか。じゃあ。今スグ金貨150枚くれ。そうしたら言うこと聞いてやる」


「おい…」10倍になっているが…

 リーダーは「まかせておけ」と言い、キララの横まで歩いていくリーダー。


「まずは5枚ずつね…」キララはリーダーに5枚にぎらせる。


 そして…リーダーは部下のところへ戻っていき。

「おい。見ろよ。金貨だぜ? ってお菓子じゃねえか」

 金貨に似たおかしだった。チョコだ。


「おい。食料だぜ。これはありがたくもらっておくか。くっそ。酒買うんじゃなかった」


「日々振り込まれるはずの1000円の設定をかえて、20000円使ってしまったのはだれだよ…

酒とつまみを買いやがって…見てたら俺も飲んでくってしまった。だから腹へってるんだよ…」


「なあ。食べものくれよぉ」


「何?。あんたたち…」ララお姉さんはためいきをついた。さすがにほんわかお姉さんもあきれる。


 それをみて意地悪な笑みをうかべてキララがいった。

「言うことをきかないと…」キララはTMRの宅配ボックスを操作する。


「何? やるってのか? ああん?」リーダーが言う。


「お前たちの目の前で…」言いながらキララは宅配ボックスからほかほかの肉まんを仲間の数だけ出す。そして「はい。ユキ君。そしてララお姉さん…」


「あ。ありがと…」


 ほかほかの肉まん。宅配ボックスの中に入れていたので、時間凍結の技術でほかほか。

 じつにうまそうだ。


 ごくんと部下たちの喉が鳴る。

 そして…

 はむっとララお姉さんが食べる。


 キララもユキも食べる。


「ああ。おい。くってるぞ」

「おい。よこせ…」

「はらへったなぁ」

 それぞれ言う部下とリーダー。

「ちくしょう。よくも…よくも…俺たちの前で…」

 言っている間に、ほかほかの肉まんをすべて食べてしまったキララ達。


「ちくしょう。帰るぞ…腹が減って仕事にならん」

「覚えていろ」

「ばーかばーか」

 3人組はどこかへ帰っていく。


「ねえ。何なの?」ユキはキララに言う。


「調べていたとおり、ばかっぽいね…あの3人…」

 キララは帰るよ。とみんなに言った。


☆☆☆


「お前たち。今すぐやめなさい」ララお姉さんがびしっと指を指して言う。

「おまえたち。いますぐやめなさい」ララちゃんもお姉さんの真似をして言う。


「でっかい長耳族のお姉さんとちびっこよ。もう無理なのよ…あたりを見て見ろよ…」

 ねずみ。無数に機械からでてきて、住宅地のほうへと走っていく。どうみてもハムスターではない。


「何あれ、あんなにいると気持ち悪い…」ユキはキララに言う。

 ユキはキララの腕を指でつかみ、キララにくっつく。


「ねずみを住宅地に大量発生させて、住民にこのあたりには住めない!と思わせるのさ。隣町に移動してから2か月後に同じことをする。さらに引っ越しさせる。そのうちお金が無くなって、新しい星系の惑星へ、青い自動ドアを通じて移民してしまう予定だ。くっ。はっはっは。そして俺たちはリゾート地1年分をゲットだぜ」


「何それ…まあ。いいか。ねえキララなんとかして」ユキはキララに言う。


「うーん。なんとなくだけど失敗するんじゃないのかな…」キララは言った。

 ある程度の数を出してから「今日はこのぐらいかな」と部下は言い、機械を停止させる。


「ねえ。もうすぐお昼だし…この時代の町にはうまいラーメン屋さんがあるんだけど…そこの海鮮ラーメンが美味らしくて、海苔もいい味だしているみたいなんだよ。行かない?」


「へー。それはおいしそう…塩味?それとも醤油味?」ララお姉さんがキララに聞く。


 ぐー。ここからでも聞こえるぐらい大きいお腹の音が鳴った。

「畜生。俺たちの目の前で食べ物の話をするな。腹が減るだろう」

「そーだそーだ。お前なんか。油揚げでも生で食べていればいいんだ。お前はニンジンな…」

 部下は言う。


 でも…無視をしてキララは言う。

「塩と薄い醤油ベースのがあるよ… 殻は手でひっぱると簡単にとれるようにしてくれているエビのトッピングもあるみたいで…」

「いいね。じゃあ。いこ」


 ユキは3人組を見た。

 ぐー。

 ぐー。

 ぐー。

 3人組のお腹から大きい音が鳴る。

「畜生。腹減った。昼だし…かえるぞ…袋ラーメンがあったな?」

「あと1つだけだ」

「何?」

「くっそ。3人で分けるか…おい。帰るぞ…」

 3人組は歩いていく。


 そして…

 3人組のアパートの中。

「にゃんじゃぁこりゃあ」リーダーは言った。

 さっきのねずみ。部屋の中に全部いるみたいな感じで大量に床の上を歩いていた。


「あっ。忘れてた」

「は? なんだ忘れてたとは」

「機械の実験をしたときに、1匹だけねずみを出したのさ。このネズミが外に行かないように、ビーコンをこの部屋に置いておいたのを忘れていたな。ビーコンのほうへと向かうように脳にプログラムしたままだった」


「どうするんだこれ?」

「宅配ボックスの中に入れろ…でないと。このアパートに住めなくなるぞ…」

「くそっ」

「あー。俺たちの袋ラーメンが…」

 ラーメンのパッケージが食い破られて中身はもうなかった。


☆☆☆


 その後…ララお姉さん。ララちゃん。キララ。ユキはラーメン屋さんで海鮮ラーメンを注文して、魚介のうまみを堪能していた。








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