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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
再びカザー星系とのやりとり
89/138

ミケア・ミレイちゃんの故郷のリゾート地とうさみみ娘達

「こっちおいでー」


「まってよ…ミケアちゃん」シマ君が追いかけっこしている。


☆☆☆


 うさ耳娘達…

「いいわね。若いって」

「ほんとね」

「うん」

「わかいっていいね…」ララちゃんも真似して言う。


 海。砂浜。追いかけっこをしている狐っ子を見ている4人。

「トロピカルジュースをお持ちしました。程よく冷えておりますので」

 執事が、寝椅子に寝ているうさ耳っ子達にジュースを配る。

 それぞれ寝椅子の上にはパラソルがあり、影になっている。


「ありがと」

「どうも」

「ごくろうさま」

「じゅうす…」

 それぞれジュースを飲む。


☆☆☆


「ねえ。聞いてよ。あのさ。ユキ君。ひどいんだよ。最近わたしが抱きつこうとしたらよけるのよ…」

 ララお姉さんが言う。


「まあ。そうなるんじゃないかしら。あなた抱きつきすぎ…」

「そうそう…」

 ミアお姉さんとミミアが言う。


「抱きついてもふるのがあたしの生きがいなのに…ミアお姉さんもちょっと前はユキ君に抱きついていたじゃない…」とララお姉さん。


「まあね。昔はね。キララちゃんが来る前? ユキ君に彼女ができる前は抱きついていたんだけどね」


「あたしは遠慮しないわよ… 生きがいだし…ああ。ユキ君…」ララお姉さんが言う。

 なんか変だ。


「あんたも。彼氏作ったら?」


「うーん。そうなんだけど…まわりにはいるのよ…あたしのアルバイト先とか…

で。付き合おうとすると、俺より体重が軽いほうがいいと言うんだもん。

何それって…もう…」


 ララちゃんは、ララお姉さんのお腹をぽんぽんする。

「ちょっとぷにぷにしてるー」


「この子は…あなたもこうなるのよー」ララお姉さんが言う。そして頭を手で押さえて手に体重をかける。


「おもいーつぶれるー」


「自分どおしで何やっているんだか… こらこら幼稚園児をいじめない…」ミミアは言う。そしてさらに言った「まわりにウサギのハーフの男の子はいないの?」


「周りにいないのよ。ネコミミの男子か、人間の子か狐っ子ぐらい。みんな体形が細くて…」


「そうなのね… あたしも同じ悩みを抱えているのよね…なんでウサギのハーフって重いのかな?」


 その言葉にララちゃんは、ミアお姉さんのお腹をさわる「んーん?」

「こら。だめよ。そんなところを触っちゃ」ララお姉さんが言う。


「ちょっとだけ、あたしの将来のお姉さんよりおなか大きかった」


「こら。正直に言わないの…女の子のおなかさわっちゃだめよ…」ミアお姉さんが言う。


 ララちゃんは、歩いてミミアのところまで行き、おなかを触る。

「こっちのほうがきんにくしつ。ちょっと細い…」


「お。そうか。ありがと… この子は将来いい子になるわね…ってあそこにいるか…」

 ミミアがララお姉さんに言う。


「それ、どういう意味なのかな? ところでこの世界にイケてる人いないかしら。お持ち帰りするの」


「どうだろうな。あ。いるか? 執事が管理しているもう一人の若い男の子いなかった?」

 ミミアが空になったグラスを見て、執事に言う「ねえ。おかわりもらえる?あと若い方はどこに行ったの?」


「さきほどの話を聞いてしまいました。ご無礼を申し訳ございません。私の部下の男の子ですが、すでに結婚をしております」


「まじで?」ミミアが言う。


「左様でございます。ミケア家に仕えておりますと、いろいろな方と出会いますので…良縁があったのです」


「なあんだ。そうなの…」

 ララお姉さんは、執事におかわりを要求する。アルコールちょっと増やしてと小声で言う。

「わたしもー」ララちゃんも空のグラスを執事に差し出す。


「かしこまりました」執事は入れ物をさげて、かわりをすぐに持ってくる。


「ありがと…」ララお姉さんは半分ぐらいまで飲む。

 ララちゃんも飲む。


☆☆☆


「あーつかれた。のどかわいた…」シマ君が執事に言う。


「では、こちらを…」レモン水にちょっとだけ炭酸が入ったものを渡す。


「あたしも…」ミケアちゃんも執事から飲み物をもらう。


「ああ。うまい」シマ君は尻尾を動かす。


「うん」ミケアちゃんはシマ君の腕に抱きついて腕を組む。


「いいわね」ミアお姉さん。

「ほんと」ララお姉さん。

「そうね」ミミア。


☆☆☆


 夕暮れ。執事の人が言う「もうそろそろ移動します。今日は近くの別荘でお泊りになるとよいかと思います」


「そうするわね。移動すると時間がかかるし…それに…うさ耳お姉さん達は打ち合わせがあるみたいだし…その間。あたし達2人でどこか行かない?」


「ん? どこかある?」


「天文台。この近くにあるの…この世界の星空ちょっと違うんだよ…」


「そうなんだ…じゃあ行こう」


☆☆☆


 ミミアが「行くわよ…」

 すでに立ち上がり、移動する準備をしているミアの他。ララちゃんとララお姉さんに言う。


「ん? もういろうするの?」

「ん? もういろうするの?」

 ララお姉さんとララちゃんが同じことを言う。


「あなた。酔っているの? ん? ララちゃん?」ミミアとミアがララちゃんを見る。


「酔ってないよ」

「よってないよ」

 ミアお姉さんが、ララちゃんのコップをとって、くんくんする。

「あら。これ。お酒入っているわよ…」


「はあ? なんで? ララお姉さんのと一緒に入れちゃったのかな? ねえララちゃん大丈夫?」


「うん。ちょっとあついけど。ジュースおいしかった。もっとのんじゃらめ?」


「だめだから…ほらっ」ミアお姉さんがララちゃんを抱っこする。

「ねえ。ララ重い? ねえ重い?」


「はいはい」


「あたしも抱っこして」ララお姉さんがミミアに言う。


「だめ。ほら行くぞ…」


☆☆☆


 ミケア・ミレイちゃんとシマ君は出かけた。

「2人して寝ちゃってるわね…」


「あたし達だけでお風呂行く?」

「そうするか…」

 ミアとミミアは、2人でお風呂へ行くことにする。


「大丈夫かしら。ララちゃん」

「まあ。どうだか… あのララお姉さんのことだし…大丈夫じゃないかしら…」

「まあ。そうだな…」


☆☆☆


 ミアお姉さんとミミアが出て行ったあと…

 ぱちっ。目をあけるララちゃん。


 ララちゃんは少しねぼけて、薄目をあけて、ララお姉さんの腕をとる。

 そして…タッチする。

TMRの仮想インターフェースを呼び出している。

なぜか動いている。

そして…ララちゃんは自分の腕をTMRの仮想インターフェースの上に重ねた。

 それからTMRの宅配ボックスから何かを取り出す。

 自分の布団の中にそれを入れてから「んー?」

 と言って、布団の中に倒れてしまう。そのあとぐーぐと寝てしまうララちゃん。


☆☆☆


 ミケア・ミレイちゃんとシマ君が戻ってきてから、2人はいったん起き、みんなでご飯を食べる。

 とってもおいしい遅い夕ご飯のあと、この世界のテレビ放送を見てから、みんな床についた。


 夜中の2時40分ごろ。またぱちっと目をさます。ららちゃん。

 そして、ごそごそとミアお姉さんのところまで行く。

 何かやる。そして、今度はミミアのところへ…


 その後、また寝ぼけていたららちゃんは布団の中に入らず、ミミアの布団に入り寝てしまう。


☆☆☆


 翌朝。結局いい方法を思いつかないまま自分の世界へ帰ることにした。

 そしてララお姉さんはミミアを送って行った。


☆☆☆


 ここはカザー星系。

 ミミアはボスのところへ行く。


「お。君がミミア君だね…」新しく着任したボスがミミアに言う。


 思ったより柔らかい感じ。人の好さそうな人だ。

「はじめまして。ミミアです。よろしく…」握手をする。


「よろしく…さっそくだが、地球のことでな…着任早々計画を進めることにした。

まずはお前に部下をつける。3人×3組だ」


「部下ですか?」


「ウム。一組は辺境からの移転組だ。わけありだ。そして…残りの組は新人と2年目組だ。お前にまかせる。ただし…わけありの人はダメなやつだ。お前の元ボスのいる辺境。知っているな…」


「ああ。あそこですか」ミミアは何代か前のボスを思い浮かべる。


「できないやつだが…頼むと前のボスは言っていた」


「ちっ。くそボスが…」


「ん? なんか言ったか?」


「いえ。なんでもありません」


☆☆☆


 地球。


「ちょっとTMRのメンテナンスに未来へ行ってくるよ… 明日戻ってくるからね」キララが言う。


「行ってらっしゃい」ユキはキララに言い見送る。


 ララちゃんが歩いてきた。

「抱っこして。お兄ちゃん」

「あたしも…」

 そしてシロちゃんも抱っこを要求してきた。


「えー。1人ずつだよ…」


「やだー同時に…」


「わかったよ… ララちゃんは左。シロちゃんは右ね…」ユキは膝の上に乗せる。

 それぞれウサギのハーフ。トリのハーフ。幼稚園児の子供。それぞれ肌触りというか毛並みが違うんだけど…


 平和だなぁ。

 長身うさ耳娘達がいないとゆっくりできる。


 ミミちゃんは買い物に… ラミちゃんも別のところに買い物に行っている。


 バラエティの番組を見てる。

 動物が出てる。

「ほら。トラが出てるよ… レポーターが背中を触るよ…」

 海外の動物園みたい。トラを触ることができるらしい。


 おそるおそる。レポーターが背中に触る。

 タッチしてから、うわぁと下がる。


 通訳が…「大丈夫ですよ…ほら。もう一度…」

 と言う。またレポーターは触ろうとする。

 すると、トラはレポーターのほうを見た。そして口を開ける。


「ひっ」

 そしてトラはすぐに口を閉じてしまった。ただあくびをしただけのようだ。


「いっぱい。歯がある…噛まれたら痛そう」シロちゃんが言う。

「うん。でっかい口」

「あ。とうとう。背中に乗るみたい…」


 レポーターの女の人。トラの背中にまたがるみたい。

 そして背中におそるおそる乗った。


 足をうかす。

 トラは立ち上がり歩く。

「あっあっあ…歩いてますね。あはは」

 少しまわりを1周してからレポーターは降りる。


「さて。今度はでっかいうさぎを見に行きましょう。ああ。怖かった」

 後ろを気にしながらレポーターの人はトラから離れる。


 後ろから現地の人がレポーターの耳元で「がおー」と言う。

「ひっ」レポーターの人は走り出した。檻の外へ一番先に出る。


「はっはっは」現地の人は笑っている。

 そして…画面が切り替わった。


 ふれあい動物のいるところ。

「えーと。ここにはジャンボうさぎがいます。でっかいですね。抱っこしてみます…よっと

結構でっかいですね。そしてふかふかです。ああ。癒されますね…」


「あなたの仲間ね…でっかいし…」

「そうかも…あたしの遺伝子はジャンボうさぎを使ってるのかな?

ねえ。ユキ君?」


「ん? どうなんだろうね」

 そして、また画面は変わって、猛禽類がいる檻の中。


 分厚い皮手袋をはめている人。その前にレポーターの人。


 ずっと遠くに猛禽類がとまっていて、こっちを見ていた。


「あ。やばい…」シロがユキの腕をぎゅっとつかむ。


 そして…その後猛禽類が飛び立ちこっちへ飛んできた。

「あっ」シロはまた言い、体が固まった。


 こっちのほうへと飛んできて、分厚い皮手袋をはめている人の腕へと止まる。

「びっくりした?」ユキはシロの頭をなでる。


「う。うん。こっち見てた…」シロはふるえている。きっと本能なんだろう。

 トリのハーフの遺伝子のトリの部分。天敵に反応する何か。


 ララちゃんは怖がってなかった。

「あなたは平気なの?」シロはララちゃんに言う。


「うん。あたしは平気。わんこはだめ」

「そっか…あ。次はオオカミだよ…」


「え? おおかみ?」ララちゃんはぎゅっとユキの腕をつかむ。

「あおーん」とオオカミが遠吠えする。

 そしてオオカミの子供を動物園の人はレポーターの人のところへと持ってくる。


「抱っこしてもいいそうです」通訳の人が言う。

「そうなんですね。噛まないですよね…

よっと。あ。大きい。結構重い。そしてふっかふかね…」

 まるで犬みたいだ。


 ララちゃんの耳はぴんと立っている。

「オオカミ。やっぱり怖い?」ユキは聞く。


「う。うん」


☆☆☆


 そして夜。案の定。ララちゃんは一緒に寝ていい?と言ってきた。

「うん。いいよ。キララは今日いないし…」

 僕は布団の中に入るように言った。

 うさ耳っ子。幼稚園児のララちゃん。でっかいウサギ。

 ぎゅっと抱きついてきた。


☆☆☆


 ばん。部屋のドアが開いた。

「大変だよ…ユキ君…」キララが入ってきた。

 目をさますユキ…「ん? まだ朝の7時だよ。それに今日は日曜日」

「早かったね…でもね…大変なんだよ…」キララはユキのそばに座る。


 すーすとまだ寝ているララちゃん。

「一緒に寝てたんだ…」キララがいう。


「うん。昨日テレビでオオカミが出てて…」

「そっか。でね。またカザー星系のほうで地球にちょっかいをかけてきてみるみたいなんだよ…」

 キララは布団の近くで座って言う。


「どこで聞いたの?」ユキは聞く。


「クロのところ。帰りにお土産を置きに寄ったんだよ…そうしたらそういう情報が入ってきてて…」


「そう…キララ。ゆうべは寝たの?」


「いいや。それどころではなくて…」


「じゃあちょっと寝る? まだ寝ていたい…」ユキはウサ耳が顔にあたって良く眠れなかったみたいだ。


「うーん。もう。しょうがないな。ちょっと待ってて」

 ユキは布団をかぶる。

 その間。キララは服を脱いで部屋着の薄着に着替える。


 ごそごそとキララが布団の中に入ってきた。

「あったかいよ」ユキがキララに言う。


「うん。ちょっとだけ寝るよ…ぎゅっとして…」

 キララも甘えてきた。

 ユキの隣にララちゃん。その隣にキララ。間にララちゃんをさんどいっちしてぎゅっとする。


 幸せなひととき。


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