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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
けもの耳の子達とのふれあいとSFちっくな日々
7/138

ミアお姉さんの未来での任務と報酬のニンジンスティック

 けもの耳の子がいる幼稚園。


 この幼稚園に、お試しで通い始めたハーフの子。それと人間の子供によりにぎやかな声がひびきわたる。


 午後13時。お昼寝タイム。


「かわいいわねぇ」先生が言い、うさ耳のララちゃんの頭をなでる。

 その隣には狐ハーフのギンちゃん。とってもボリュームのあるふかふかの尻尾が特徴。


 その尻尾を枕にして寝ているのが鳥のハーフのシロちゃん。

 人の子供も、もちろんかわいいのだけど…動物っぽい感じのするハーフの子達はさらにかわいい。


 午前中。『尻尾さわらせろ』と人間の子供はギンちゃんを追いかけまわしてた。

 シロちゃんは数人の子と仲良くなり、テレビを見ながら歌を歌ってた。

 ララちゃんは本物のうさぎを抱っこしていた。


 お昼寝タイムの後、起きた園児達は走り回っていた。


 また、銀ちゃんの尻尾をめぐって人間の子が追いかけている。

「この尻尾は見世物ではないわ」立ち止まりギンちゃんは言う。切れたようだ。


「まてー。尻尾。もふらせろー」と数名の男の子が追いかける。


「わらわの尻尾を触りたいというのだな。おやつと交換だ」と急に偉そうな感じになるギンちゃん。


「なんだよそれ…あっ昨日やってたアニメに出てきたお狐様みたいだ」


「まあ。そうであろう。わらわは本物じゃ。ほれ。この耳と尻尾を見よ」


「あー。あってる。傑作だ。うまいうまい…本物みたい…」


「尻尾は本物じゃ。ほれ…」ギンちゃんは尻尾を動かしてみる。


 ふかふかでボリュームのある尻尾が動く。


 その後おやつタイムとなり、ギンちゃんは尻尾を触らせるかわりにおやつを少し分けてもらってた。

 そのころからだろうか、ギンちゃんの口調が『わらわ』や『そうであろう』の感じになった。


☆☆☆


 絵を描く時間になった。

 ハーフの子は人間の子の絵を描き、人間の子は仲が良いハーフの子の絵を描く。


「お。お前絵が上手だな」

「ほんとだ。このギンちゃん。大ボスみたいに偉そうにしている」

「ほう。どれどれ…ちょっと違うな。耳の位置は頭の真上ではなく、もうちょっと横のほうにあるぞ」

ギンちゃんはぴこぴこ耳を動かしてみる。


 そして胸をはって偉そうな恰好をする。

「もう一枚の画用紙に書いてみるよ…」

「うむ…」


☆☆☆


 ちょうどそのころ。買い物から帰ってきてユキ君達はソファに座っていた。


 ソファの左にラミちゃん。右にミミちゃんを座らせて左の手でラミちゃんをなでている。右の手でミミちゃんをなでている。


 みのるお兄さんとヒメルを見ていたら、僕はラミちゃんとミミちゃんをなでたくなったのだ。


「優しくなでてね」


「あたしはあまりなでられるのは好きじゃないけど、ラミちゃんばっかりユキ君と仲良くなるのも問題だから。あたしをなでさせてあげる。優しくね」


 ラミちゃんはユキ君にぎゅっとくっつく。ミミちゃんもぎゅっとくっつく。


 クーラーが直って、冷房がちょっと効きすぎで部屋は寒くなってたけど、こうしてくっつくとちょうどいい。


 3人でソファの上でくっついているときだった。玄関が開く音がして、ミアお姉さんが部屋に入ってきた。


「あら。いいわね。あたしもまぜてもらおうかしら…」


「もうソファの上はいっぱい」と僕は言った。

「そうね…」とミミちゃん。


「うーん。じゃあ。ユキ君立ってくれる?」とミアお姉さんは言う。


「なんで…」と僕は言いながらソファから立ち上がる。


 すると、ミアお姉さんは僕の背後に回り込みソファの前に立つ。


 そしてミアお姉さんは僕の腰に両腕をまわし、ぎゅっとする。


 そのままミアお姉さんはソファに座る。すると僕はミアお姉さんの膝の上に座る感じとなった。


「わあ。何するの…」


「はーい。おとなしくして。ユキ君。今日はあたしがユキ君をもふもふするのよ」

 ぎゅーとミアお姉さんに背後から、腕をまわしてきたうさ耳お姉さんに、ぎゅっとハグされる。


 僕の頭上から、ミアお姉さんのうさぎ耳が垂れてくる。

 ぎゅっとされて、わかったんだけど、本物のバニーガールの、たゆたゆな胸が僕の背中に押し付けられている。


「あ。あの。当たってるんだけど…」かなりやわらかい二つの膨らみを感じながらやっとのことでミアお姉さんに言う。

「くふっ。これね…当ててるのよ…」とうさ耳お姉さんは言う。


 僕は下を見る。自分の太もも。それと、その下にかなり太めの本物のバニーガールの程よい肉付きのある太ももが見える。とっても柔らかい。弾力もあり体温もあたたか。


「うう。すごく気になるんだけど…」と僕は言ってみる。


すると「あたし、胸が大きいから疲れるのよね」とミアお姉さんは言いながら、背中におしつけていたふくらみを、いったん背中から離して、ミアお姉さん自身の胸を僕の両肩の上にのっけてきた。


「あ。楽ね」とミアお姉さん。


 あああ。僕の両肩の上に胸が乗っている…

 これどんな状態? ミアお姉さんの膝に抱っこされたままで、胸が両肩に乗ってるし。


 そして、さらに両側からミミちゃんとラミちゃんが、抱きついてきた。


「あの。暑いんだけど…」


「だーめ。もうちょっとこうしていたいの…。たまにあたしに、もふらせてくれないとユキ君」

ミアお姉さんは僕の体にくっついて。すりすりしてくる。


 うーん。こうなってしまうとふりほどけない… うさぎのハーフの子は怪力だ。

 僕は覚悟を決めた。言われるがままになろう。


 うーん。なんだろう。バニーガールの子はちょっと苦手になりそう。とユキは思った。


☆☆☆


 思う存分。ユキ君にくっついて、もふもふした後の次の日。

 あたしミアは、午前中に買い物をすませたばかり。スーパーからの帰りに家の玄関に着くと、あのクロがいた。


「あ。クロ君。こんにちは」にゃー。

 玄関先でにゃーと普通に鳴くクロ。


「きっとあたしに用があるんだよね」

 あたしは、玄関の鍵を開けてクロを家の中に招き入れる。


「ごめんねえ。今日は煮干し買ってこなかったんだ」


 クロの耳ががっくしという感じで垂れる。

 クロは床をタッチした「いや。いいよ。次に会ったときに。用意しておいてくれればいい。そこでまた君に仕事だ」


「うん。何かな…」ミアはクロから話を聞くために、ミアはクロを抱き上げてソファに座った。


 にゃー。にゃー。としか言わなくなった。


 あ。そうか。床をタッチしないと会話ができないんだった。

 あたしはクロを床の上に置いた。


 クロは床をタッチして言った「君には未来に行ってもらう」


「はい?」


クロは床をタッチして、録音された音声を再生した「ミアちゃん? あなたにはスパイ活動をお願いしたいのよね。カザー星系の過激派のアジトの、とある衛星内に進入して計画をこれにコピーしてきてほしいの」とお姉さんの声。

 クロは首に下げている物入れから物を取り出すように促す。


 普通のボールペンに見える。


 クロは床をタッチして、録音されている声の続きを再生した。


「説明するわね。普通のボールペンに見えるけど、記憶装置も兼ねているの。これを敵のアジトにあるコンソールにさして、データをコピーしてほしい。今現在のあたしたちの技術では人間をタイムトラベルさせることはできないの。でもね…」

 と録音の声が言う。


クロは床をタッチした「僕が使っている時間移動用のTMRはバージョン151。ネコぐらいの大きさの生き物か小さいものしか運べない」


 ん? じゃあたしは未来に行けないんじゃ?


クロは床をタッチして続きの録音を再生した「えーとね。これを使うの。もう一つ入れ物に入っているもの。単三電池に見えるものなんだけど…」


 ミアはクロの首に下がっている入れ物から単三電池に見えるものを取り出した。


 どうやら、これは記憶装置らしい。説明を聞くと、これを現地にある稼働型デバイスにセットする。 遠隔から操作が可能になる姿形が自在に変えることのできる生体部品を使ったロボットだ。


 遠隔で操作ができない場合はこの記憶装置に入れてある思考パターンをもとに操作される。そして、使用が終わったらこの単三電池に見えるデバイスを猫耳カチューシャ型同期装置に入れて、カチューシャを自分の頭につけると、稼働型デバイスの経験した記憶が自分の脳に書き戻されるという。


 つまり現実に移動しなくても移動したのと同じように使えるデバイスだ。


「単三電池に見えるデバイスを猫耳カチューシャにつけて、君がこれをつけてくれるかな」

 とクロが言う。


「あなたの思考パターンを読み取って、この単三電池に見えるデバイスに記録するから。あとで記憶を描き戻すからね…」

 と録音されたお姉さんの声で言われる。


「まあ、よくわからないけどやってみるわね。でもなんであたし?」


「それはね。きっと聞かれると思って録音しておいてよかった。君の容姿は敵のアジトにいる高官にそっくりなのよね。今現在、あたしの仲間にはウサギのハーフはいないの。前にウサギのハーフの子があたしたちの組織をスパイしていたことがあって、そのあとからウサギのハーフの子は雇わなくなったの。昔の現地の子なら信用できるし…」


 録音の声を止めて、その後クロがいそがしく床をタッチして言った。

「そうなんだ。ホント君にそっくりだよ…一瞬未来からここに送り込まれたのかと思ったぐらいだよ…」


「そんなに似ているの?」


「うん。調べたんだけど血筋なのか、DNAパターンもかなり似ているよ。きっと君の生体認証は現地の敵のアジトの認証装置も通るよ」


 クロから聞くとどうやらそのような感じだ。


「あたしにできるのかな。で容姿はどうなの?稼働型デバイスはロボットみたいなもの?」


クロは言った「使用者の容姿をコピーするんだ。生体認証も本人のが使えるしコピーした後は、輸血とか生体の修復用のカプセルに体のサンプルを保存できるよ」と説明してくれた。


 なんか便利。仕事で急な出張が入っても、そのデバイスを使えば本人のように操作できるのかな。

「うん。君の思考パターンのコピーはできた。あとは15分ぐらい待っててもらえば。僕は未来に行ってから、そしてまた戻ってこれる…」


 とクロは言い、ボールペン型デバイスと単三電池に見えるデバイスをクロの物入れにしまう。


 猫耳カチューシャはそのままあたしの手元だ。


 クロが床をタッチすると、その場から消えた。


 未来に帰ったようだ。


 あたしは猫耳カチューシャをつけたまま鏡を見る。


「なんかおかしい。ウサギのハーフなのにネコみたい…。でもうさ耳もあるからおかしい」


☆☆☆


「お帰り。クロ君。報酬の煮干しは後でね。稼働型デバイスに記憶デバイスを取り付けたら、カザー星系のアジトに通じる廊下まで案内してあげてね」

 お姉さんは、稼働型デバイスに記憶装置をセットした。

 書き換えが終わるまで10分。


「あれ。ここは…」あたしミアは目をさました。


「こんにちは。初めましてあたしはゆみ子。クロを世話している職員よ。あたしのことばわかるかな…」


「え。う。うん。わかる。ミアは自分の手を見た」

 うんいつもの自分の手。体を見る。そして足。あと鏡はないかな…

 窓のそばに行く。外は暗いのであたしの姿が見える。うさ耳。長身な体。


 本物のバニーガール。


 うん。あたしだ。


「稼働型デバイスはきちんと同期したみたいね。でもびっくりだわ。敵の高官にそっくり」


「これ。本当に自分の体じゃないの? 稼働型デバイス?」ミアは自分の体とそっくりな体を見る。

 どうしても本物に見える。


「全部同じようになっているわね。うさ耳とか産毛とか全部そっくりに同期するのよ。えーと…」


お姉さんは手に持っている装置を見る。


「ステータスは問題なさそうね。身長173cm。体重79kg」

「ぎゃあ。体重は内緒でぇ」とミアはちょっと涙目になって言う。


「あ。ごめんなさい。ウサギのハーフの子はほんとに重いのね。見た目はスタイル抜群で、太ってないのに… こんなに体重あると思ってなかった…」とゆみ子は言う。まあここにはあたししかいないし、男の子はこのクロだけだし…


「もー」あたしミアは、どんと床を足で踏む。


「あ。でも敵の高官も同じ身長で同じ体重よ。たぶん…」とゆみ子は付け足して言う。


「やれやれ…」クロは床をタッチして言う。


「じゃあ。仕事を説明する。地図は君の目の前に浮かんで見えるから…。あとコンソールの操作方法…」とクロは床をタッチしながら任務のことを説明してくれた。


「うん。わかった。ところでクロ君。あたしの体重は内緒。もしばらしたら、にぼしは無いから…」


「そ。そうか…」クロは床をタッチして言った。


☆☆☆


「こっち?」クロに先導されて、廊下を移動する。

「ここの自動扉をくぐったらカザー星系の敵のアジトの倉庫だ」とクロは床をタッチして言う。


「この自動扉の向こうはカザー星系? 本当に?」普通の自動扉に見える。


「離れた空間をつなぐテクノロジーはすでに実用化されているんだ。じゃ」

 とクロは自動扉の前にあたしを立たせてから、クロは横に飛びのいた。


☆☆☆


 自動扉をくぐると倉庫だった。で、なんか体が軽く感じる。

 いつもより高くジャンプできそうだ。


「入り口は?」あたしミアは、ちょっと薄暗い誰もいない倉庫に入り歩く。


 床は何で出来ているんだろう。わからなかった。

 それに棚は見慣れた感じの無機質な金属製のものだ。その中に段ボールではない不明な材質でできた箱が置いてある。


 ミアは、目の前に浮かぶナビ用ディスプレイを見る。


 入り口がある方向がわかった。


 ミアは入り口のほうに歩いて行く…


 扉は自動で認証され普通の自動ドアのように開くはずと言っていた。


 もし、生体認証がうまくいかなかったら、警備の人が来て撃ち殺されてしまう。

 でもあたしは稼働型デバイスだから死ぬことはないんだけど…


 普通に入り口に向かうと自動的に開いた。


 入り口の表示装置を見ると「お疲れさまでした。ミミア様」と表示されている。

 敵の高官の名前は「ミミア」だと聞いていた。あたしの名前に似ている。


 ミアはナビをたよりに廊下を進んでいく。そして、曲がり角を曲がった。


「あっ」人がいた。一瞬ぎくっとしたが。挨拶をしてきた。

「こんにちは。ミミア様」

「こんにちは。ミミア様」


「うむ。ごくろう」

 ゆみ子さんから、敵に会ったら偉そうに『うむ。ごくろう』と言っておけばいいのよ、と聞かされてた。

 敵はそのまま通り過ぎた。


 猫耳の人と、狐耳のハーフみたいな男の人だった。


 そろいの制服を着ている。

 あたしの服は私服っぽいんだけどいいのかな…


「コンソールがある部屋はここね」

 時間はちょうどお昼時期。


 昼休みになったみたいで、職員たちが部屋から出てきた。


「おっと。ミミア様。どうされました?」胸のところに青い綺麗な石を3つつけた男の人が聞いてきた。


「あ。えーと。これにコピーしなおすために来たのよ…

最近ちょっと調子が悪くて、全部データがコピーされてなかったのよ…」


「そうでありますか。デバイスをお取替えになりますか?」


「いや。いい。これはこれで気に入っているんだ。大事な人からもらったものだから…」


「わかりました。もうお昼ですが、午後からでもいいのでは…」

「いや。さきに片づけておく」

「そうでありますか」と男の人は出て行った。


 この容姿のおかげかな、怪しまれることもない。

 えーとコンソール。


 あれか。

 そして、コンソールは複数あり、あたしが持っているのと同じようなペンがさしてあった。


 同じ穴がある。


 コンソールの前に立つと自動で認証され「ミミア様」の表示が出た。

ペンをさすと『データをコピーしますか』と表示されたので、画面をタッチした。

『20秒お待ちください…』と表示される。

 そういえば、あたしは日本語で話しているつもりなんだけど、画面に表示されている文字は違うようだ。ナビ用ディスプレイに日本語の字幕のように表示されている。発音しても日本語には聞こえない。

 現地の言語のようだ。稼働型デバイスには自動翻訳機能もついているらしい。


☆☆☆


 データのコピーが終わった。倉庫に戻ろう。


 そういえば、倉庫に通じる道は別にもある。

 ちょっと回り道して行こう。


 廊下を進んでいくと、窓がある区画になったので外を見てみた。


「あ。綺麗…」宇宙空間が見えて、そばに惑星。青っぽいようでもあり、少し緑がかっているか。

 白い雲の隙間から見える大陸の形は地球と違う。


 あたしは、本当に宇宙にいるんだね。別の星系よね。


 衛星はあるのかな。窓から見てみた。

 うーんないなあ。惑星の逆側? 影に隠れているのかな?


 ちょっと外に見える漆黒の景色を見た後、廊下を進んで廊下を曲がった。


「あ」そこにはあたしの容姿に似ているうさ耳の子がいた。


「ミミアお姉さま。ごきげんよう」

「え。ご。ごきげんよう」


 お姉さま? ミミアの身内?


「どうされました? この先は倉庫ですが…」


「え。えーと。備蓄のニンジンスティックが無くなって、取りにきたのよ…」


「そうですか。身の回りの世話をするものに頼めばいいのでは…」


「いなかったのよ。それにお昼だし…ちょっと午後からゆっくりしたかったから…」


「そうですか。ではまた。あたしは食堂にいますので…」

 と言い残してうさ耳の子は歩いて行こうとした。

「ねえ。ミミアお姉さま」


ぎくっ。ばれた?「何でしょう…」

「お姉さまが使っているTMRのバージョンは151でしょ? 昨日入手したバージョン161にはアップグレードする?」


「TMR…。あ。そうね。あとでするわね…」


「そう…」うさ耳で長身の子はそれを聞くと歩いて行った。

 はあ。ばれなかった。


 ミアは倉庫に入った。


 で、本当に備蓄のニンジンスティックあるのかな?


 あ。あった。オレンジのマークが書いてある。


 ちょっと、ちょろまかして持って帰ろう。


 箱から小さい袋を取り出した。


 これなら持って帰れる?

 あたしは、元来た場所の近くに行くと自動扉が姿を現した。

 自動で扉が開いたので、中に一歩入った。


☆☆☆


 そこにはクロがいた。

「おかえり。任務は成功?」

「うん。成功だよ。データはコピーしたし、報酬のニンジンスティックも持ってきちゃった」


「じゃこっち」クロの後をついて歩く。


「お疲れさま。データはここにおいてね。中身を調べてみるから…」

 ゆみ子はデータを調べている。


「これ。君の首輪の中の物入れに入るかな…」

「入るよ」

 ゆみ子さんがデータを調べている間にクロに聞く。

 大事な報酬のニンジンスティック。クロの首輪のところに付けている物入れはちょっと空間拡張をしているので、意外に物が入るようになっている。これも自動ドアの空間をつなぐテクノロジーのおかげらしい。


「そういえば。向こうで聞いたんだけど、クロ君も使っているTMRのバージョン151が最新?

昨日バージョン161が入手できたからアップグレードする? って聞かれたのよ。たぶんミミアさんの妹さんかな… ミミアお姉さんと言っていたし…」


「うーん。そんなバージョンは現在は無いんだけどね。最新が151なんだけど…

聞き間違いじゃないのよね?」


「うん。たしかそう言ってた」


「うんわかった。このデータの中にその情報は入っているかも…

データはちゃんと入っているし…

じゃあそこの椅子に座ってくれる?

稼働型デバイスをシャットダウンするから…」

 とゆみ子さんは言った。


「クロ君にこの記憶をもとの時代の君に書き戻すために戻ってもらって…

それと備蓄のニンジンスティックも持ってってもらうからね」


 やった。


☆☆☆


 ミアは15分後に戻ってきたクロから記憶デバイスを受け取り、体験した出来事を自分の脳に書き戻してもらった。

 そして、ニンジンスティック。


「これで任務終了だね。僕は帰るよ。次までに報酬の煮干しを備蓄しておいて」とクロから言われる。


「うん。わかった。あ。これ返すね…」


 猫耳カチューシャを折りたたんでクロに渡そうとする。


「いや。君がそのまま持っていていいよ。また使うから…」


「じゃ」クロは床をタッチして言ってから、クロはTMRを操作してクロは未来へ帰っていった。


 ミアはニンジンスティックをぽりっと食べた。


 生のニンジンとは違う。加工されたもののようだ。

「なにこれー。すごくおいしい…」ぽりぽり。食べる。

 飲み物も用意しよう…


 あたしミアは台所に飲みものをいれるために立ち上がった。


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