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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
普段の日常と、ちょっぴりSF
67/138

ミケアちゃんと塩ラーメンを食べに行く

 ミケア・ミレイちゃんが遊びに来た。

 キラがけもの耳パンクの世界から連れてきたのだった。


「ここがシマお兄ちゃんが住んでいる世界なんだ…」ミケア・ミレイちゃんが言う。

 田舎のメインストリートを歩きながらミケア・ミレイちゃんが、キラと一緒に歩いている。

 ちゃん付けなんだけど、今はシマと同じお年頃。初めてシマと会ったときは10歳だったが、それは4年前の過去にキラとシマが移動したため。そのときは過去に移動していることを知らず、シマとミケア・ミレイちゃんは一緒に過ごしていた。


 ユキ君の家に到着する。家に直接移動もできるが散歩もかねてちょっと遠いところにキラが自動ドアを開けたのだった。

 玄関で呼び鈴を押し、出てきたキララが出迎える。その後ろからシマが顔を見せる。

「こんにちは。キララさん、シマお兄ちゃん」ミケア・ミレイちゃんが、キララと握手をする。


「さあ。入って。お茶いれるから…」キララは居間へと歩いて行く。そのまま台所へと行く。

 シマは「さあ。座って。僕の家じゃないけど… 僕はいつもミアお姉さんの家にいるんだよ…」


 シマはテーブルをはさんで、ミケア・ミレイちゃんの向かいに座ろうとする。

 ミケア・ミレイちゃんは、シマの隣に移動する。そしてそのまま隣に座る。


 キララは急須とおまんじゅうを持ってきた。

 手に持っているお茶セットをテーブルの上に置く。

 ミケアちゃんの湯呑、シマの湯呑、ユキの湯呑の順にお茶をいれていく。

 いれている途中なんだけど、シマは湯呑に手をのばし、お茶を一口ずずずと飲む。

「ところで聞いたんだけど、シマ君と婚約したんだって?」とキララはミケア・ミレイちゃんに聞く。

 その言葉を聞いて、シマがお茶をふきそうになる。

「いきなりだね。たしかにそうなんだけど…」シマは湯呑をいったんテーブルの上に置く。


「お付き合いをしはじめたばかりなんだよね?」ユキはにやにやしながら2人を見る。


「まあ。そうなんだけど…」シマはおまんじゅうを食べながら言う。


「何? その言い方? うれしくないの?」ミケア・ミレイちゃんがシマを見て言う。


「いや。そんなことはないんだけど、急に婚約とか… 実感がなくて… 君みたいなかわいい子。本当にいいのかな? と思ったりしている…」とシマ。


「かわいいって…」ミケア・ミレイちゃんは、恥ずかしくなった。それを隠すためにお茶を飲む。


「ところで、ミケア・ミレイちゃんは、どのぐらいこの世界に滞在するの?」ユキは聞いた。


 ミケア・ミレイちゃんは湯呑を置いてから「どのぐらいにしようかな? 1週間ぐらい? 特に公務もないし…」ミケア・ミレイちゃんは、シマを見る。


「どこかに行く?」シマはミケア・ミレイちゃんに聞いた。


「どうしようかな? いいところある?」ミケア・ミレイちゃんはみんなを見る。


「そうだね…」ユキは考える。


「ねえ。塩ラーメンは? 塩じゃなくてもいいんだけど… 未来に行って宇宙船で他の星系に行ってなんだけど…」キララが言った。


「おっ。いいねえ。僕も好きなんだ… 塩ラーメン。各惑星ごとに特徴があってね…」キラも賛同する。


「へー。そうなんだ。危険はないよね?」ミケア・ミレイちゃんが言う。


「ないよ。もしものときは、僕が…」シマがいいかけた。


「食い逃げするから…」代わりにキラが言った。


「なんだよ。それ。もういいよそのネタ。僕が守るっていうの… スペースシャトルのときみたいに…」シマは言う。


「ああ。スペースシャトルが空中分解しても、君は死ななかったって言う…」ユキが言う。


「もー。なんだよ。それは別の世界の僕。僕はかっこよくスペースシャトルを手動で操縦して着陸させたの…」シマはむっとしたので、ユキの前においてあったまんじゅうを奪い、自分の口にほうりこんだ。

「あー。この後食べようと思ってたのに…」ユキはシマを見る。

ユキは残念そうな顔になる。その顔を見てキララは「あー。僕。いや。私のまんじゅうをあげるからね…」キララはユキにまんじゅうをあげる。


「あ。いいよ。キララが食べて…」ユキはキララの前にまんじゅうを置く。


「うん。じゃあ。半分こね」キララはまんじゅうを2つに割る。

 そして、2人同時におまんじゅうを食べて、キララとユキは目をあわせる。


「なんか。あれだね…」キラが言う。

「うん。あれだね…」ミケア・ミレイちゃんが言う。


 ミケア・ミレイちゃんは、おまんじゅうを半分こにして、シマにあげた。

「いいよ。僕はユキ君の言葉にちょっとイラッときただけだから… だからおまんじゅうをとった」シマは言った。


「あげるから…」ミケア・ミレイちゃんは、シマの手に強引に饅頭を乗せる。

 シマはおまんじゅうを食べた。ミケア・ミレイちゃんも同じタイミングで食べる。


「うん。あれだね」ユキは言った。

「そうだね…」キララも言った。


「塩ラーメンなんだけどせっかくだから、みのるお兄さんとヒメルもさそっていく? シマ君とミケア・ミレイちゃんは、みのるお兄さんとヒメルを観察してみるといいよ。あまあまだから…」キラが言う。


「あー」シマは思い出した。そしてミケア・ミレイちゃんを見た。

「ヒメルさんはトリのハーフなんだよ、みのるお兄さんといつも一緒で… もう本物の鳥のつがいより、くっついているんだよ…」ユキが言う。


「へー。そうなんだ。それってすごそう… だったら…」シマお兄ちゃんとラブラブになりたいな。と小声で言った(誰にも聞こえないぐらいの小さい声で…)。


☆☆☆


 ユキは、みのるお兄さんとヒメルに連絡をとる。2人一緒だから片方に連絡をすればいい。


 今日は、ウサギのハーフの子達と猫のハーフのミミちゃんはいない。用事で出かけている。


「キララが移動をお願いできる?」キラはキララの後をついて行くことにした。キラはTMRを使わない。


「うん。じゃあ未来に移動するよ…」キララはTMRを使い、壁に自動ドアを開ける。

 未来へと移動するためだ。


☆☆☆


 未来の地球。衛星軌道上。キララ所有の宇宙船の中に直接自動ドアで移動する。


「宇宙船で移動して何かを食べに行くのは久しぶりだね…」ユキはキララに言う。


「うん。そうだね。どうしようかな? どこにしようかな? 前は根菜がおすすめの産地へ行ってラーメンを食べたし… ねえ。ミケアちゃんは何が好き?」


「うーんとね。シマ君」ミケア・ミレイちゃんはシマの腕に抱きつく。


「おっ。結構ラブラブだな」みのるお兄さんは、ヒメルの隣で言う。その後すぐに、ヒメルもみのるお兄さんの腕に抱きつく。


「やっぱり雰囲気の年期が違うね…」キララはヒメルとみのるお兄さんを見て言った。


「なんか。負けを感じる… もっとくっついて…」ミケア・ミレイちゃんがシマに言う。


「えー。どうすればいいの?」シマは良くわからないらしい。


「そういうことなら…」キララはユキにくっつく。


「あはは。なんか僕だけ。のけものみたいだね…」キラは言う。キラだけ1人。


「ごめんね…」キララはキラに言う。


 キララはうーんと考えてから「じゃあ。僕はちょっとだけ席を外すよ… すぐに戻ってくるからね…」キラは、階下へと消えていく。


「なんだろ…」シマはキラを目で追った。


「すぐに戻ってくるみたいだし… それよりも、どこにする?」みのるお兄さんはキララに行先を聞く。


「そうだね…」キララはデバイスを取り出し、検索する。


「決まったら教えて… 僕はなんでもいいよ… 決まるまであそこのベンチのところにいるよ…」みのるお兄さんとヒメルは一緒に歩いてく。


 ユキはキララのデバイスを覗き込む「あ。これは?」ユキは深い味の塩ラーメンと書いてあるものを見た。


「ああ。これ? ずっと前に食べたことがあるよ。うん。いいかも…」


「え。なになに…」ミケア・ミレイちゃんがキララのデバイスを覗き込む。


 シマもミケア・ミレイちゃんの隣から覗き込む。


「ベースは塩ラーメンなんだけど、醤油に似た感じの調味料が入っていてね。色は透明なんだけど、味が深いんだよ… スープを一口のんだあと、何もたべずにあじわっていると、いろいろな味が隠れているがわかるんだよ…」


「へー。そうなんだー」ミケア・ミレイちゃんは、デバイスに表示された写真を見て言う。


「ほー。いいねぇ…」キラの声。


「うわっ。いつの間にか戻ってきたの?」シマはキラの顔を見て言う。そしてキラの後ろを見た。


「こんにちは。初めましてみなさん」とっても綺麗な声。年はキラと同じ20歳を超えているだろう。ユキは見たことがある綺麗なお姉さんを見た。背中にキラと同じく羽が生えている。


「あ。あの。ひょっとして…スーちゃん?」ユキは声が綺麗な年上の子に言った。


「うん。そうなの。キラと仲良しなの…」スーちゃん。すっかり大人だ。キラの世界のスーちゃん。


「ハリウッドスターなんだよ。そして歌がすごいの… 歌に聞きほれて、息をするのを忘れちゃうぐらい…」キララが言う。


「へー。そうなんだ。初めまして、私はキラに異世界から連れてきてもらった、ミケア・ミレイといいます」ミレイちゃんは挨拶をした。


「こんにちは。なんか気品を感じるわね。上流階級?」スーちゃんが言う。


「うん。そうなの」ミケア・ミレイちゃんは言う。


「すごいねー」


 ミケア・ミレイちゃんとスーちゃんのまわりが上流階級の人の雰囲気となる。


「えーとね。目的地なんだけど…」キララがキラとスーちゃんに言った。


「なになに…」キラがデバイスを覗き込み。そして「いいねえ。これ食べたことがないんだけど、実は気になっていたんだ…」とキラが言う。


「あたしも気になる…」スーちゃん。


 目的地は決まった。キララは宇宙船の進路をそのラーメンがある星系へとセットした。


☆☆☆


 星系内に入った。そしてしばらくすると、目的の惑星が見えてきた。


 ぱっと見た感じは地球と同じように見える。けれども大陸の形が違い、そして雲の色もなぜか薄いピンク色ぽかった。


 衛星軌道上に停泊させて、自動ドアで移動することにした。


「さあ。到着したよ… ほら。みのるお兄さんもヒメルも行くよ…」キララはベンチに座っている2人に声をかける。


「え。ああ。もう着いたのか…」みのるお兄さんが、ヒメルとくっついてラブラブだったみたい。

 到着したのにも気が付いていなかった。


「ほんと。あっという間ね。さあ行きましょ」ヒメルがベンチから立ち上がる。


「ほら。すごいでしょ」シマはミケア・ミレイちゃんに言う。


「うん。すごいね。2人ともベンチにずーと座っていて、くっついていて離れなかった…」ミケア・ミレイちゃんはあそこまで仲がいいカップルを見たことがないと言った。


☆☆☆


 自動ドアで惑星の地上まで移動することにした。最寄りの建物の壁に自動ドアを開ける。


「あれ? なんか僕の田舎みたいだね…」ユキが自動ドアを通り抜けてから、街並みを見て言った。


 人はあまりいなくて、建物もまばら。


「ほんと…」シマはユキの後ろから出て言った。その後からミケア・ミレイちゃん。最後にキララが出てきた。


「さあ。通りをまっすぐ進むと一軒だけラーメン屋さんがあるよ…」キララはまわりを見ながら言う。


 過疎になってきている田舎みたい。オープンしているお店と、すでにやっていないお店があった。


☆☆☆


「さあ。ここだよ…」キララが言った。


 ユキは「なんか普通のラーメン屋さんだね… どこの田舎にもあるみたいな…」

「たしかに…」シマは言った。


「へー」ミケア・ミレイちゃん。こういうところに入るのは初めてなんだろう。ものめずらしそうに見ている。


 お店の入り口には電子式のディスプレイがあり、サンプルの映像が映っている。


 キララを先頭にお店へと入る。入り口付近の台に置いてある水入りのペットボトルを手にとる。

 キララはミケア・ミレイちゃんに、『そのお水は無料だから手に取ってもってきてね』と言った。


 お店の中は普通のラーメン屋さんと同じ。地球にありそうな内装。


「ここのお店のご主人は地球出身なんだよ…」キララが言う。


「だからか…」ユキはお店の中を見回して言う。


 テーブルに4人ずつ座る。もちろんヒメルとみのるお兄さんは隣どうしに座る。

 向かいに、キララとユキが座る。


 別のテーブルにスーちゃんとキラ。そしてシマとミケア・ミレイちゃんが座る。

 カップルは隣どうしになるように座った。


☆☆☆


 注文はテーブルに映し出されているディスプレイから行う。各国、各星系からお客さんが来るので、多言語対応のメニュー、およびラーメンの写真が立体ぽく見える映像でテーブルに映っている。指でさわると逆方向から見た映像にかわるし、タッチすると真上から見たり横から見たりもできる。それに、使用している食材の成分や、アレルギーに注意する人や宗教上食べられないものが入っていないかを見るために詳細画面も表示できる。

 映像は自分の前のテーブルに映し出されるから、それぞれ各自いろいろなページをめくって見ている。


「油揚げのトッピングもあるんだ…」ミケア・ミレイちゃんが言う。


「へー」シマも隣を覗き込む。


「油揚げもいいね。スープがしみこむから…」シマはどうしようかなと言った。


「卵のトッピングもいいね」キララは言う。

「うん。半熟卵と、ほとんど生卵、固ゆで卵もあるし…」キラは見て悩む。


「あたしは海藻のトッピングかな? この惑星の名産みたい…」


 キララは「ねえ。これ見てユキ君。甘いフルーツのトッピングもあるよ… これ絶対あわないよ…」とユキに言う。


「ほんとだ… いろいろあるね…」


 結局みんな好きなトッピングを追加して注文した。


 ユキとキララは油揚げのトッピング。

 シマとミケア・ミレイちゃんは、卵と油揚げのトッピング。

 ヒメルとみのるお兄さんは、パセリのトッピングと、蜜がついているお花のトッピングにした。

 キラとスーちゃんは、油揚げのトッピングと海藻にした。


☆☆☆


 注文から12分後。みんなの注文したラーメンが出てきた。このお店のオーナー自ら持ってきてくれた。


「さあ。スープから味わって食べてくれ。まずはスープだけ。舌の上で転がすようにすると味がわかるよ… その後はお好きに…」と主人は言い、厨房へと戻っていった。


「いただきまーす」みんな言う。


 スープを蓮華ですくい飲む。


「んー」

「んー。ん?」

「いいねぇこれ… あー。味がいろいろ…」

「ほんと。おいしい」

「うん」

「おー」

「いいね。これ… あれ? あ。なんかすごいよ…」

「ほんと。ユキ君いいでしょ」

 みのるお兄さんとヒメル。キラとスーちゃん。シマとミケア・ミレイちゃん。最後にユキとキララが言う。


 たしかに、スープにいろいろな味が隠されている。

 最初飲んだ感じは塩味なんだけど、その奥にいろいろな味が出てくる。


 みんなうまいうまいと食べた。

 麺は縮れ麺。スープとよくからむ。


☆☆☆


 お金は共通マネーを使えるキララとユキが支払った。

 ラーメン屋さんを出てから、あたりをぶらぶらとしてみる。


 そんな中。シマはあるお店を見つけた。


「あ。あれ。何でこんなところに売っているんだろう。ほら見て…」シマはお店の店頭に並べてあったものを見て、手にとる。そしてスイッチを入れて自分のしっぽにつける。


 それをキラが見て「シマ君何やっているの? それはしっぽにつけるものじゃないよ…」キラはお腹に手を当てて笑い出す。


「へっ? だって。これスチームパンクの世界で見つけたしっぽアクセサリーに似ているよ…」シマはきらきらしている飾りをしっぽにつけてみんなに見せた。


「それは小さいクリスマスツリーとかにつける電飾だよ… どこの世界に自分のしっぽにつける人がいるんだよ…」とキラは笑った。


「えー。すごく似ているよ。これ… ミケアちゃんはどう?」


「えーと。あたしも違うと思う… けれどもかわいいよ…」ミケア・ミレイちゃんもキラにつられて笑いそうになっている。


 この惑星の名産の海藻のパックも売っていたので、スーちゃんは買いたいと言ったので、ユキは買ってあげることにした。それと、この惑星から見える星空のマップが書かれている本も手にとり、レジをすませる。


「やっぱり、星が好きなんだね…また行く?」キララはユキに言う。


「うん。いろいろあったけど、また行きたいな…」ユキはキララと手をつなぐ。

 そういえば、みのるお兄さんとヒメルはとあたりを探す。


 あ。いたいた。向かいのお店で何かを見ている。


「ねえ。行ってみましょう」ミケア・ミレイちゃんがシマをさそって向かいのお店へと行くところだ。


 ユキもキララと一緒にみのるお兄さんのところへと行く。


 布というか、綺麗な織物を売っているお店。


「ほら。これなんてヒメルに似合うよ」とみのるお兄さんが言っている。

「うん。ありがと… じゃあこっちの青いのはみのるに…」

 と2人は仲良く品物を見ている。


「おーい」シマは小声で2人に言った。


 まったく聞こえていない。


「ねえ。キララ。またみのるお兄さん達、僕たちがいることを忘れているよね… 2人の世界に入っているよ…」ユキはキララを見て言った。


「うん。たしかにね…」キララも負けずと、ユキの肩に頭を乗せてみる。


 そのユキとキララを見て、ミケア・ミレイちゃんは、シマとくっつく。


☆☆☆


 ヒメルとみのるお兄さんは、その後20分ぐらいヒメルと話していた。

 ユキがやっと声をかけて、もう行くよと言ったら「おお。忘れてた」とみのるお兄さんが言った。


☆☆☆


 いろいろあったが、やっと地球の元の時代へと帰ってきた。

 家へ帰ると、途中の道でミミちゃんとラミちゃん、ミアお姉さん、ララちゃん、シロちゃんが歩いてくるのが見えた。


「楽しかった?」ユキはウサギのハーフの子達とクロネコっ子と、トリのハーフのちびっこに声をかけた。


「うん。楽しかった。また行こうね」シロちゃんが言った。

「良かったね」

 ちびっ子たちは映画を見に行ってその帰りに、ヒーローショーを見てきたところだ。


「ねえ。そっちは楽しかった? 塩ラーメンどうだった?」ラミちゃんはユキに聞いてきた。


「うん。すごくおいしかったよ… でね。帰りにお店に寄ったんだけど、またヒメルとみのるお兄さんは僕たちがいることを忘れてね…」とユキはラミちゃんに話した。


「いつものことね… ところで。この子がミケア・ミレイちゃん?」ラミちゃんへ事前にキラが異世界から友達を連れてくると言っておいたのだった。


「へー。いい子じゃない。あんたにはもったいないぐらい可愛いわね…」ミミちゃん。クロネコのしっぽをシマにつきつけて言う。


「もったいない言うなよ… たしかに可愛いけど…」シマはミミちゃんに言う。それを聞いてミケア・ミレイちゃんの顔が赤くなる。


「そういえば、今夜どこに泊まるの? せっかくだからヒメルとみのるお兄さんのところに泊まれば?」とミアお姉さんは言う。


「えー。あのラブラブカップルの家に泊まるの? すごすぎてなんか気が進まないよ…」シマは言った。


「うん。すごいよね… あたしたちもあのぐらいになるにはどうすればいいのかな?」ミケア・ミレイちゃんが言う。


「それは無理」

「うん無理」

 ラミちゃんとミミちゃんがそろって言う。


「まあ、滞在期間はまだあるし、それぞれの家に泊まるということで… 今日はユキ君の家に…

シマ君も一緒だよ…」キララは言う。


「じゃあ。そうする…」ミケア・ミレイちゃんが言う。


 ミケア・ミレイちゃんはきつねのようなしっぽをふりふりする。


 シマはそのしっぽを見つめて「可愛いなあ」と小声で言った。


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