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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
普段の日常と、ちょっぴりSF
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きつね耳としっぽのけもの耳パンクの世界(4)

 朝。ちゅんちゅんという小鳥の鳴き声でシマは目を覚ました。


 ううんと腕を伸ばし、耳をぴくぴく動かした。そして背中としっぽを同時に伸ばす。


 ああ。良くねた。


 シマは、この寝具の枕がすごく気に入った。


 どこで売っているんだろう。くれないかな。シマは思った。


 さて。おトイレ。


 すっきりした後、部屋を出る。朝の散歩に出かけよう。


 朝日の中。天気がいい外を歩く。

 

 あ。リスがいる。木の幹から下におりてきた。2本足で立ち上がって、ひくひく鼻を動かしてから、草むらの中へとかけていった。もう見えなくなった。


 シマは、空を見る。雲は少ししかない。


 いい天気だ。


 真後ろから「おはようございます」といきなり声がきこえた。


「おわっ」シマはびっくりして少し飛び上がった。


「そんなにびっくりしなくても…」めいどさんがいた。


「なに。なんだよ。気配がなかったよ…」僕はめいどさんを見る。


「そうですか。いつものくせです。お気になさらず… それより朝食の用意ができております。外のテーブルの上にご用意するとのことです…」メイドさんは言い、建物の中へと入っていった。


☆☆☆


 朝日がテーブルの上に落ちている。上には木の葉。ほどよく朝のお日様が頭にあたる。木陰になっているし、朝の弱い風がかけぬけていく。


 半熟のたまご。白米に似たもの。何かの魚介の卵。煮物。何かの豆が入ったサラダ。

 和風の落ち着く感じのメニューだった。お味噌汁に似たものも出てきた。


 うーん。うまい。出汁がきいている。


 シマは、朝食をとり、お茶をのんだ。ああ。お茶もうまい。和風もいいなあ。シマは思った。


 メイドさんと2人で朝食をとったあと、移動する支度をする。今度は南国だ。


☆☆☆


 荷物もない。移動には自動ドアが設置されている建物に入り、行先を選択してドアをくぐるだけ。


 ドアをくぐる。


「うわ。あっつ」気温が一気に上がるのを感じた。


「これに着替えましょう…」メイドさんはいつのまにか、南国用の服2着を持っていた。


 そして1着をシマに渡すと、メイドさん自身は、3秒で服を脱ぎ。着替えてしまった。


「早っ」シマは目をそらすこともなく、着替えを見てしまった。


 南国のアロハシャツに似たものを着たメイドさん。


 シマも着替えることにした。


 メイドさんはいつのまにか背後にまわり、シマの上半身の服をぬがしにかかっていた。


 シマはそのままされるがままにした。


 下もはきかえる。


 うん。さっきよりお日様の暑さを感じるようになったが、風通しがよい。


 シマはしっぽをぶんぶんふりまわすと、風が少しながら発生し、すこし涼しくなる。


「ねえ。このあとどうするの?」シマはメイドさんに聞いた。


「そうですね。まずは移動しましょう。二輪車がありますので。運転して、ビーチに行きましょう。その後エステですね…」


「そっか」シマはメイドさんの後ろをついて歩く。


☆☆☆


 2輪車。バイクのようなものではなく、長い棒のようなハンドルが付いた台に乗り、台についている2輪車が動くものだった。台の後ろには、きつねしっぽのようなものがついている。


 シマは台にのり、棒を前のほうに傾けると前に動き出した。


 速度はあまり早くはないが、歩くより早い。


 2輪車についている台の後ろについているしっぽと、シマのしっぽが同じように風になびいて動く。


 メイドさんは後ろからついてきた。


 シマは、後ろをふりかえり「どっちの道?」メイドさんに聞いた。


 「右です」メイドさんは右のほうにでて、シマを追い越した。


 シマはメイドさんの後をついていく。


☆☆☆


 ビーチに到着した。ビーチの前の駐車場に止める。


「うわぁ。綺麗な海。青いよ…」シマはビーチの砂浜に向かってかけだした。


 メイドさんはシマの後をおちついて歩いて行く。


 シマは青い海の中に入る。


 生ぬるい感じの水。でも気温よりは冷たい。


 シマはもうちょっと深いところまで歩いて行く。そして泳ごうとした。


 何か半透明なものが、足元を横切る。かなり大きい。ゴミ袋かと思った。


 半透明なものがシマの足にまとわりつく。


「げっ。何だよこれ」くらげ?


 シマは、メイドさんを呼ぶ。


「ああ。それですか。大クラゲです。ちなみに肉食ですね。きつねが大好物みたいですよ」メイドさん。


「ああ。助けて。動けない。僕どうなっちゃうの? ねえ。ねえ」シマは青ざめる。


 大クラゲが、シマの足をのぼってきた。そして顔を見せる。


「もう。だめですね。食べられてしまいますね」メイドさん。


 大クラゲが、大きな口をあける。そしてシマの頭をぱくっと食べた。


「うわぁ。うわぁ」シマは、しゃがむ。しゃがんで、頭だけ水面からだす。

 すると大クラゲは、一回シマの頭を食べて、なめてから口を離した。

 大クラゲは満足して、また水面の中へ消えていった。


「食べられちゃいましたね。なぜか人間は襲わないのですよ。大きな耳が好きなんですね」食べられたシマのことを思い出してふきだすメイドさん。


「ひどいよ。笑うなんて… ちょっとべったべた… ちょっと泳ごう…」シマは水の中にもぐる。


 しっかし綺麗だなぁ。シマは水の中で目をあけてみた。海底も砂になっていて、もう少し沖に行くと、何か海藻やカラフルなサンゴみたいなものが見える。


 いつのまにかメイドさんが近くに来ていて「そういえば、潜水用のヘルメットを貸し出していますよ。結構深いところまで潜って行けますよ… 借りますか?」


「そうなの? うん。潜水用のヘルメット借りることができるのなら借りたいよ…」シマはメイドさんに言った。


「ではいったん上がりましょう。あの向こうの建物の中で借りることができます…」


 シマは海からあがる。メイドさんの後をついて歩く。


 建物の近くになり、建物の中に入る。ちょっとした休憩スペースや、飲食店。それと売店があった。その隣に、潜水用のヘルメットが棚にならんでいるのが見えた。


 しかし、このヘルメット。けもの耳パンクの世界だ。ヘルメットの頭のてっぺんに近いところに、きつね耳がついている。


「ねえ。なんでヘルメットの外にきつね耳がついているの? 邪魔じゃない?」ヘルメットの耳をさわりながら言う。


「それはですね。水中で声を聞くためです。ヘルメットの前の口があたるところに薄い膜があって、しゃべった声が、水の中を通じて広がります。このヘルメットの耳は水の中の振動を声に変換するのです。無線式ではないのですよ。電力はあまり使わないので緊急時も役にたちます」


「そうなんだ…」シマは潜水用のヘルメットを一つ手に持った。


 お店の人が「使い方わかるかい?」とシマに聞いた。


 シマはヘルメットを見て「うーんどうだろ。この子に聞くから…」僕はしっぽでめいどさんを示した。


「そうかい。わかった。でもいいなあ。両手がふさがっているときに、しっぽで指さしをできるんだから…」と店員の人。


「うん。生まれつきだから、無いと不便だよ… しっぽ」


「では、2つレンタルします。酸素はどれぐらい持つのですか?」メイドさんは店員に聞いた。


「水から酸素を作るタイプだから、かなり持つよ。一日中でもいいぞ…」


「そう… まあ。そんなに長くは使わないから、せいぜい2、3時間」


「では借ります…」とめいどさんは言い建物を出た。


☆☆☆


 さっそく、潜水用のヘルメットをかぶる。

 めいどさんを見るシマ。


 めいどさんにもきつね耳が生えた。ヘルメットに生えているんだけど…


「聞こえますか」とメイドさんはしゃべったが、シマには聞こえない。

 めいどさんは、水の中にもぐりますと。身振り手振りで示した。そして水の中にもぐる。


 僕ももぐってみる。するとめいどさんの声が聞こえてきた。


「どうですか? 聞こえますか? 水の中だと声が聞こえるはずですよ」

 めいどさんはこっちを見て話す。


シマは「うん。聞こえているよ。僕の声も聞こえるかな? 君にもきつね耳が生えているね…」シマは言ってからめいどさんの表情を見た。


「そうですね。あなたも、耳生えてますよ… 自分の耳ですか?」とめいどさん。


「自分から僕の耳は見えないよ… さてどうする? もうちょっと沖へ行く?」僕は沖のほうを指さした。


「では行きましょう。お魚とサンゴが綺麗ですよ…」めいどさんは、バタ足で泳いでいく。


 僕も泳ごう。酸素の心配をしなくてもいいし… 声も聞こえるし… シマはバタ足、両手、しっぽを使って海中を泳ぐ。


 僕はしっぽも使えるからきっとメイドさんが泳ぐのより有利なんだよなと思った。


 しっぽも使って右へ方向転換してみる。うん。できた。


 僕はめいどさんを追い越して、沖のほうへと進む。


「うわぁ。綺麗…」シマは思わず言った。海底に生えているサンゴ。水色だったり、淡いピンクだったり、白っぽかったりするが、基本的に綺麗だ。


「あっちのほうへ行ってみましょう… もっと綺麗ですよ…」めいどさんは泳いでいく。


 僕もあとをついて行くと、お魚が増えてきた。基本的にサンゴのように色はカラフルだ。

 熱帯魚みたいなのや、それより大きい魚もいる。


 しばらく泳ぎながら海中を見ていた。


 背後に気配を感じて、めいどさんかなと思って振り返ったら、巨大な魚だった。


「おわっ」僕はびっくりして、後ろへ下がった。


 大きな魚が、僕の真横で大きな口をあけて海中を漂っている海藻を食べる。


 でっかい口。僕もあの中に入っちゃいそう…


 僕は怖くなって、めいどさんの近くへと移動する。


 めいどさんは後ろを向いていた。ぼくはメイドさんの肩をとんとんと叩いた。


「あ。これどうでしょう。とっても大きい巻貝です…」めいどさんは両手でかかえるように持っている大きな巻貝をシマに見せた。


「ほんとだ。大きい… もっと大きいのあるかな?」シマは海底を見た。


 すると、ごろごろ巻貝が落ちている。


 その中に特別巨大なものがあった。


 僕はその近くへと泳いでいき、巻貝の中をのぞき込む。


 これ。入れるよな。


 僕は、巻貝の穴から足を入れて入ってみた。


 うん。すっぽり入る。そのまま移動してみたらどうなるだろう。ヤドカリみたいになるのかな?


 僕は巻貝を持ち上げようとした。あれ。結構重い。重くて移動できない。うーん。うーん。とうなっていると…


「あー。巻貝の中に入っちゃったんですね。過去にひっかかって、出れなくなった人がいますよ…」


「え”っ」僕は足を動かして、抜け出そうとする。


 あ。あれ?。あれれ? ひっかかって抜け出せない。


 やば。これやばい…


 シマは両手を巻貝のふちにかけて、はいだそうとする。あ。抜けた。足がひっかかっていたけど抜けた。


 僕は両手に力を入れて脱出する。


 ふう。やっと抜けた。


「危なかったですね。この付近には巨大な巻貝を餌にする肉食の巨大魚もいますよ…」めいどさんは言った。


「げっ。そうなの? 早く言ってよ…」シマはさっきまで入っていた巻貝を見てぶるると体をふるわせた。


 シマとめいどさんは、2時間ぐらい海の中をおよいで遊んだ。

 綺麗な海底のサンゴやカラフルなお魚を見たり、一緒に泳いだり。めいどさんを追いかけたり…


☆☆☆


 ふう。楽しかった。シマは言った。

 さきほど潜水用のヘルメットはレンタル元へ返してからシャワーをあび、その後着替えてから、2輪車を使って、今日の宿まで移動してきたところだ。

 さて、次はエステか。


☆☆☆


 リゾート地に用意されたエステ用のルーム。


 めいどさんもせっかくなので、別の部屋でエステの体験をすることになった。

 そのため、めいどさんと分かれ、担当者に案内されて部屋に入ったところだ。


「服を脱いで、タオルを腰に巻いてから台の上にうつぶせになってください」担当者の女の人に言われた。


「はーい」シマは全部脱ぐの? と聞いたら、担当者は「そうです…」と言われた。


 シマは下も全部脱いでから、腰にタオルを巻き、台の上にうつぶせになった。


 シマはきつねのハーフ。耳としっぽ以外にも全身に短いながらもきつね色の体毛が生えている。色はしましま模様がうっすらとわかる感じだ。


「さて。これからオイルを手につけてマッサージをしていきます。全身なのですが『しっとりタイプ』『さらさらタイプ』、それと『ふわふわタイプ』のどちらがいいですか?」


 担当者に聞かれて、シマは「おすすめのはある?」担当者に聞いた。


「そうですね。全身はさらさらタイプ。しっぽはしっとりタイプ。耳はふわふわタイプです」

 それぞれ別のものを使う。


「じゃあ。それで…」シマが言うと、担当者はお香を近くの台に数個置き、火をつけた。

 だんだんいい香りがただよってくる。


「始めます。寝てしまってもいいですよ…」

 ちょっと大柄な担当者の女性が手にオイルをつけて、ゆっくりとマッサージを始める。


 まずは腰。


 ああ。いい。ゆっくりマッサージされていくのがわかる。力加減もちょうどいい。


 腰にぎゅっと力がはいり、その後ゆっくり腰から上のほうにかけてマッサージと体毛にオイルが浸透するようにマッサージされていく。


 うん。いいよ。これ。いいよ。


「ちょっと毛並みに乱れと、汚れがついてますね。ブラシも使いますね…」担当者がいったん台から離れ、シマは顔を横にして見てみると、手にブラシを持っていた。


 固い感じの短い毛足のブラシを体にあてる担当者。


 うん。いい。ちょうどかゆかったから気持ちがいい。


 こりこりと、ブラシにより毛並みが整えられて、いい感じになっていくのがわかる。


 全身のほうの施術が終わり、担当者がいったん手を洗う。そして尻尾の手入れにかかる。


 しっとりタイプのオイル。そのオイルを手につけて、シマのきつねしっぽをなでて、または手ですいて整えていく…


 うん。いいよ。これ。しっぽをやさしくなでてくれる。それに。あ。いい。しっぽマッサージ。しっぽの筋肉をほぐしてくれるやさしい手。

 しっぽを動かすために、筋肉が多少ついているが、しっぽをほぐしてくれるのもいい。

 自分ではやったことがない。

 これ。どうやるんだろう。コツを教えてもらうかな。


 しっぽの後、再び手を洗い、ふわふわタイプのオイルを手につける担当者。


 頭と耳をマッサージしていく…


 耳も固めのぶらしで整えてもらう。


 耳もマッサージしてもらった。


 その後は宿泊しゆっくりとすごした。

☆☆☆


 1週間ほど、けもの耳パンクの世界で過ごし、元来た自動ドアをあけてくれた建物に入るとキラが待っていた。


「ああ。良かった。死んでないよね…」キラが言った。


「へっ? ああ。あれ? スペースシャトルの? うん。トラブったけど無事に帰ってきたよ」


「じゃあ。ミミちゃんも一緒だった? ミミちゃんが荷物にもぐりこんでたとか」キラは聞いてきた。


「うん。そうだよ。良くわかったね…」シマはなんで知っているんだろうと思った。キラはさっきこの世界に来たばかりだよね…


 ミミちゃんも、見送りに来てくれている。

「近いうちに絶対に遊びに来て… 大事な話があるから…」もじもじとしていて、お母さんの後ろへと隠れる。


「じゃあ。また来るよ…」シマはミミちゃんにいった。


☆☆☆


 自動ドアを通り、元の世界へと帰ってきた。


 うん。いつもの世界。


 ミアお姉さんの家。


 落ちつく。日本家屋。キラと2人で居間のちゃぶだいに座り、お茶を淹れて座る。


「ねえ。君の体。スペースシャトルの件でトラブルになったんだよね。ぼろぼろになっているかと思ったんだけど、毛並みがつやつやだね。しっぽもしっとりしているし… エステ?」キラはシマに聞いた。


 シマは「うん。南国でエステ。体はさらさらタイプのオイル。しっぽはしっとり、ミミはふわふわタイプのオイルでやってもらったよ… 良かったよ…」シマは思い出しながら言った。


「そう… 良かった。隣接する世界にもちょっと顔を出したんだけど、10個ある世界の中で、8個が、スペースシャトルがとらぶって、大気圏突入後に空中分解したんだよね…」


 シマはキラの顔をみた。空中分解って…「へ? えー。それって僕は…」


「残念ながら…」キラはうつむく。


「異世界の僕は死んじゃったの?」シマは聞いた。あのときの体験を思い出す。


「いんや。どの世界のシマ君も助かったよ。一番軽傷の君は足の骨1つ折れたぐらい。重症で全治2か月…」


「はっ? スペースシャトル。空中分解したんだよね… 墜落したんだよね。キラが見てきた異世界の僕は死ななかったの?」


「うん。すごいよね。スペースシャトルが事故っても、君は助かるんだから。しぶといよね…」

 キラは、空中分解したスペースシャトルの壁か何かが落下していくシマの体の下にあって、空気抵抗で落下速度が遅くなったこと。部品はシマの服についていた配線にちょうど絡まっていて、取れなかったこと。落下した先が雪国で、斜めになっている斜面に落下したから、落下の衝撃も少なかった。落下地点は割り出されていたから、30分ぐらいで救出された。ということだった。

 どこの異世界でもだいたい同じでそうだった。とキラは言った。


「なんなの。それ… ところでミミちゃんは?」シマはスペースシャトルにもぐりこんでいたミミちゃんのことが気になった。


「スペースシャトルが空中分解した世界では、隣にミミちゃんは乗っていなかったよ。残りの2つの世界は、君と同じように空中分解することなく、君が手動操縦でシャトルを着陸させていたみたいだけど…」


「なんだよ。じゃあ責任者が事故る確率80%というのはあたってたんだ…」シマは複雑な顔をした。


「あとね… さっき気が付いたんだけど… ミミちゃん。何か言ってなかった? 将来のこと…」

 キラはシマの目を見て言った。


「へっ? あ。ああ。えーと。将来お嫁さんにとか。言っていたっけ」


「それ。なんて答えたの?」キラは言った。


「たしか。君が大きくなったら… 僕と同じ年齢になったらね…と」シマは思い出した。


「あー」キラは言った。そしてキラは土下座した。


「なんなの急に…」シマは羽を半分ひらいて土下座したキラを見た。


「いやぁ。実は。異世界移動だけするつもりだったんだけど、時間移動もしていたのに後で気が付いたんだよ… ちょうど4年前。だから、ミケア・ミレイちゃん。今現在では君。シマ君と同じ年齢だよ…」


「… へ? それって… まさか…」


「きっと。ミケア・ミレイちゃん。君のことが好きだね。スペースシャトルのトラブルで、無事に着陸させたし、つりばし効果だよ… きっと責任をとることになるよ… ほんとごめんね…」キラはちょっと笑いながら言う。


「じゃあ。その世界の1週間ぐらい先の世界に行って、きちんと言ったほうがいいんじゃない?」僕はちゃぶ台から立ち上がった。


「じゃあ。行く?」キラも立ち上がった。


☆☆☆


 また、ミアお姉さんの家の玄関から自動ドアを開ける。


 自動ドアをあけて、けもの耳パンクの世界へと移動する。その後キラは、ミケア・ミレイちゃんに連絡をとった。


「ミケア・ミレイちゃん。すぐに来るって…」キラはシマに言った。


☆☆☆


 背後に気配を感じて、シマは後ろを見た「あ。ミミちゃ… へっ?」シマはミミちゃんの姿を見た。

 そして、キラのほうも見た。


「いやぁ。忘れてたよ… 4年前に移動するんだったよね。時間移動を解除していたよ… いやぁ。ごめん。今はミケア・ミレイちゃんが14歳の世界だよ…」キラは言った。


 ミミちゃんはシマに抱きついた。

「4年待ったんだよ。責任とってくれるよね… 拒否したらどうなると思う?」ミミちゃんの背は伸びていたが、瞳は4年前と同じ綺麗な瞳。


「あー」シマは。これ。拒否できないやつだと思った。


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