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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
普段の日常と、ちょっぴりSF
65/138

きつね耳としっぽのけもの耳パンクの世界(3)

 シマはスペースシャトルの操縦桿をにぎっていた。

 今は大気圏突入中。スペースシャトルの姿勢を維持する必要がある。


「びー」と音がした。


 機体の姿勢がちょっとずれて、機体の温度が1800度まで上がっていた。『耐熱タイルが脱落したため、機体の船外温度が2200度まで達しています。これ以上温度が上がると損傷します。姿勢を制御してください』とアナウンスが鳴る。


「げっ。姿勢制御しているのに… すこしずつずれちゃうよ…」シマは操縦桿を操作して微調整する。


 機体の温度が上がっているのは右側。だから…


 ちょっとだけ機体を左に傾けて、進入角度も修正する。


 機体の表面温度が高温になっている箇所が増えた。


「ねえ。逆。逆方向に修正して…」ミミちゃん。


「うん。やってみる…」シマは逆方向に動かした。


『耐熱タイルが脱落したため、機体の船外温度が2300度まで達しています。これ以上温度が上がると損傷します。姿勢を制御してください』と再びアナウンス。


 シマは左右の位置調整ではなく進入角度を深くすることにした。これで摩擦が減る。けれども速度は上がってしまう。でもしょうがない。


 シマは操縦桿を操作して進入角度を深くする。


 船外温度は2200度、2100度、2000度、1900度、1800度と下がる。


☆☆☆


 そしてやっと宇宙局からオペレータの声が聞こえてきた『大気圏へ突入しました。帰還の準備のため基地へ進路を変更してください… 進路は170』


「ふう。やっと乗り切った。でも速度が出すぎている…えーとどうするんだっけ? ブレーキ?」


 シマは空力ブレーキを使うためにレバーを操作した。本当はボタンを押すだけなのにとシマは思った。

 でも過去のインタビューを見ておいてよかった。操作方法とか空力ブレーキのかけかたを真似すればいいのかな。シマはブレーキを段階的にかけて、速度をゆるめた。ゆるめすぎると、高度が足りなくなる。


 シマは空力ブレーキを使うのをやめて、残り距離や、高度の最適な位置を計算した。

 計算するのは至急された小型タブレット。これに計器の数字を入れると、操作ガイドが表示されるようなアプリが入っていた。


 インタビューで使っていたのを見たからそれを真似した。


「よし。進路そのまま。高度もちょっとだけ高いけど近くまで維持…」シマはひといきついた。


 ミミちゃんは「あたし、シマお兄ちゃんを信じているからね…」ミミちゃんは言った。けれどもしっぽや耳をみるかぎり、細かく震えているのがわかる。きっと怖いんだ。

 シマは操縦桿から手を離して、ミミちゃんの頭と耳の付け根をやさしくなでてあげる。


 僕もなんだけど…でも、どこかでこれはどっきりなんじゃないかと思っていた。なのでパニックにはならず、冷静に操縦できたんだけど…


 僕は念のため、また今の速度や高度、進路、あと途中の天気の結果をタブレットに入れて、帰還への道のりへの機体操作の参考とした。


 シマは機体の姿勢を微調整をした。


☆☆☆


 女性のオペレーターの声がした「着陸する滑走路に合わせて進路を230に調整してください…高度も3500ftを目指して調整してください」


「了解…」シマは進路を調整し、高度も調整した。結構慣れてきた。

 昔やっていたゲームの知識も役に立つ。


「あ。滑走路が見えた」ミミちゃんの声。


僕は「えーとどこ? 見えないんだけど…」


「ほら。ずっと遠く。豆粒より小さいぐらいの光… 白い光…」


「しろ… じゃあ高度を少し下げるよ…」シマは操縦桿を操作した。


「うーんとね。白い光と赤い光になった」

 ミミちゃんが言った。


 女性オペレーターの声「高度はそのまま。進路もそのまま維持…」


 オペレーターの声が聞こえた後に滑走路が見えた。

 白い光と赤い光が同じぐらいの輝きで見える。


 少したつと、赤い光になった。


「ちょっとだけ高度を上げるよ…」シマは微調整用のジェットを操作した。


……


「あ。白い光だけになった」ミミちゃんの声。


 それと進路も1度ずれていた。ミミちゃんが操縦桿を操作して1度だけ修正してくれた。


「ありがと」僕はお礼を言った。そして声が聞こえてきた。


「よし。もうすぐで滑走路へ着陸だ。これならうまくいくだろう…着陸装置を出してくれ…

いや。まいった。故障するとは… 最後まで気をぬかずにやってくれ… 滑走路に着地したらブレーキレバーを引くこと… 空気抵抗でブレーキがかかる。あとは救助班が向かうから待っていてくれ…」


 シマはレバーを引いて着陸装置(車輪)を出した。車輪はスムーズに出た。


 滑走路。飛行機で着陸する寸前の映像ぐらいの大きさに、滑走路が見えた。

 位置もちょっとだけ低い。けれども大丈夫。シマは左に微調整をした。


 もうすぐで着地。3.2.1.着地。


 きゅっと左の車輪から音がなり、遅れて右の車輪から音がなる。

 着地の瞬間。速度が速かったので少しバウンドするが、なんとかして着地した。

 そして前輪からも着地したときの音が聞こえた。


 シマはレバーを引く。

 パラシュートのようなものが後ろから出て来て、減速させる。

 滑走路は十分に長い。


 シマはゲームでセスナや、小型ジェット機のエンジンをストールさせたり、停止させて滑空で着陸させて遊んだことがあった。これが役にたった。でも、よく着陸できたなと思った。


 十分に減速したところで車輪のブレーキをかけた。


 じょじょに速度がゼロになっていく。速度がゼロとなったら車輪をロックした。


 シマはコンソールのスイッチを無線の通信機から順に切っていく。


 スペースシャトルは停止した。


 シマは「はぁ。やっと停止した。こんなにうまくいくとは思っていなかったよ。きっと幸運が重なったのかも… ねえ。ミミちゃん大丈夫?」


 シマは立ち上がろうとした。あれ? 体が重い…


 ミミちゃんも立ち上がろうとしたが、うまく立てない。

「あはは。腰がぬけちゃった…」ミミちゃんが言いながらこっちを見て、にこっとする。


 こんこん。ドアを叩く音がして中からドアを開ける。


 毛布をかかえた人が数名入ってきた。

「おい。大丈夫か…」その中の1人がくんくんと鼻をひくひくさせている。


「焦げ臭いな… 急いで出るんだ…」

 最初にミミちゃん。その後に僕が連れ添われてスペースシャトルから出る。

 ミミちゃんは腰がぬけていたので、僕がお姫様だっこした。

 僕も足ががくがくしていたが、なんとか持ち上げた。

 ミミちゃんと目があった。

「もう大丈夫だから…」ミミちゃんのしっぽを触る。


 ミミちゃんを救助に来た人に引き渡す。

 僕も救助しに来た人の肩を借りて階段を下りる。そして地面に足がついてから後ろを振り返る。

「げっ」僕はスペースシャトルの下側を見た。耐熱タイルがところどころはがれていた。

 こ。これって… シマは救護班に支えられて、滑走路を歩く。


 そしてミッションルームへと連れていかれる。怪我はないことがわかったからだ。


☆☆☆


「シマ君…」責任者がこっちへ歩いてきて、シマを盛大にハグした。

「やった。戻ってきた。君は英雄だ。ここしばらくスペースシャトルを手動で操縦した人はいない…」

「ほんとすごい。やっぱり、しっぽ持ちは違うね…」

「姿形が似ているだけじゃない。すごいなあ」

「すごい…」

 センターの人はシマの姿を見た後に盛大にやったーと叫んでいたり。女性のオペレータの人で泣いている人もいた。


 僕は一言。挨拶と無事を知らせる言葉を言い、ミミちゃんと一緒に医務室へと行くために部屋をでる。

 責任者も一緒についてきている。

「ねえ。これってどっきりかと思ったんだけど違う?」シマは聞いた。


「どっきり? 何をばかな。本物のトラブルだ… 我々は君たちが大気圏突入時の手動操縦で失敗して、君たちを失う可能性は80%だと見込んでいたんだ…

良く地球へ帰還してくれた… ミミ様も一緒だったから、どうしようかと…」


「へ?。ということは本物? …どっきりでもない… あ。ははは…」

 僕たちは医務室へと到着し、ドアを開けた。


 シマは医務室の白衣を着たお医者さんを見たとき、椅子へたどり着く前にへたっと床に座り込んでしまった。

「なんだ。どうした。どこか痛いのか?」責任者が手を貸してシマを立たせる。

 逆側をミミちゃんが支えてくれる。

「あはは。今考えていたら。腰がぬけちゃって…」シマはなんとかして、椅子に座る。

 今になって思う。膝ががくがく震えてきた。


「やっぱり。怖かったんだ。あたしも震えているよ。ほら…」ミミちゃんはシマの手をとって、ミミちゃんの太ももに手を乗せられる。


 ミミちゃんの体も震えていた。


「ほんとだ…」シマは笑った。


「ねえ。ぎゅっとして…」ミミちゃんは両手を広げる。


 シマとミミちゃんは抱き合った。


 その後。医者が来て。検査をさせられた。船内の温度が上昇したときに機体の何かが燃えたらしく、微小の煙を吸ったが、問題はないとのことだ。


 医務室のベッドへ横になることにした。


 ベッドは2つあったが、ミミちゃんは僕のベッドにもぐりこんできた。

 シマはミミちゃんの小さい体を抱きしめるようにぎゅっとして、頭をなでた。


 シマはミミちゃんのきつねしっぽをゆっくり優しくなでた。


「ねえ。勝手にもぐりこんでごめんなさい。そしてあたしを地球へ返してくれてありがと…

ねえ。将来あたしのお嫁さんになってくれる?」

 ミミちゃんがベッドの中で言う。


 シマは頭をなでた。「うん。そうだね。ミミちゃんが大きくなったらね。今の僕と同じ年齢になったら…」


「うん」ミミちゃんはさらにぎゅっと抱きついてきた。

 ミミちゃんが抱きついてきたときに、ミミちゃんのきつね耳が僕の顔にあたる。

 毛並みが心地良い。


☆☆☆


 次の日。自分の国に帰国することにした。

 最初に移動してきた場所へと向かう。隣にはミミちゃん。

 ぎゅっとくっついて離れない。


☆☆☆


 2時間ほど移動した後、建物に入り、自動ドアでミミちゃんの国に移動した。

 セラが出迎えてくれた。


 セラとミミちゃんが近づいていきぎゅっとハグする。

 そして両親。ミミちゃんが抱きつく。

 そして両親に頭を下げてとミミちゃんはお願いし、こしょこしょと何か言っていた。


 両親はこっちを見た。

「じゃあ。あたしは公務があるから行くね…楽しかった」

 ミミちゃんに頭を低くしてと言われて、しゃがむ。ミミちゃんはほっぺたにちゅーをしてきた。


「あっ」僕は立ち上がった。


 ミミちゃんは後ろを振り返りながら走っていく。きつねのような尻尾が左右にゆれているのが見えた。


☆☆☆


 セラの国に帰国した後、ゆっくりできるようにリゾート地を選定してもらった。

 宇宙へ行っている間にいくつかピックアップしてもらっていた。


 シマとセラは壁際で話をしていた。

「本当にすごいや。君もなかなかだね… 僕だったら無理だったよ…」セラがスペースシャトルの帰還のことを言う。


 シマは「ほんと。どうなるかと思ったよ。最初はボタンを押すだけと言っていたのに…」シマはしっぽをびたんびたんと壁にうちつける。


 入り口のドアからメイドさんが出てきた。


「シマ君。出発の時間だね。リゾート地でゆっくりリラックスしてくるといいよ。今回は1人。メイドさんと一緒だけどね… ミミは公務が数日間あるから、一緒に行けないけど。シマお兄ちゃんが自分の世界に帰る前に会いに行く言っていたよ」


「そう。ミミちゃんは問題ない? 怪我とか…」


「うん。ぜんぜん問題はないよ… 君が無事に地球へ帰還させてくれたからね。君は名誉市民だよ… 今手続き中だからいつでも遊びに来ていいよ… というかもうこの国の住人だよ」


「そっか。じゃあたまに遊びに来る。ところでお迎えの車ってあれかな?」長いリムジンのような車が、こっちのほうに向かって走ってきた。


「うん。あの車は僕たちが使うのと同じタイプのものだよ。じゃあ行ってらっしゃい…」

 セラ君は、僕とメイドさんを見送る。


 長いリムジンみたいな車。きつね耳が前のヘッドライトのところについている。

 中に入ると、ふっかふかの座席。メイドさんは反対側に座る。

 この車。やっぱりきつね仕様だ。座席のお尻の奥。背もたれと座る座席の間に隙間がある。ここにしっぽを入れて下に落とせる。ああ。楽。人間用の車だとしっぽを横に出すしかない。又の間から出すこともあるけど、それだとなんかやだ。それにお尻の下にしいていると、しっぽがしびれちゃう。

 お尻から生えているしっぽを下に落とせるタイプの座席。やっぱりいいなぁ。シマは座席に座りながらしっぽを左右にふってみる。十分にしっぽを動かせる。


「車で30分ほど移動して、その後は大きい自動ドアでリゾート地まで車のまま移動します。到着までおくつろぎください。お飲み物はどうですか?」メイドさんが言う。


「うん。それなら冷たいお茶があるかな?」シマはメイドさんに聞いた。 


「でしたら、私が今朝、茶葉からいれたお茶がちょうど冷えております。お茶菓子はどうなさいますか? 名物のきつね饅頭がございます」


「ああ。じゃそれももらう…」きつね饅頭ね。


 僕はメイドさんが茶葉からいれて、冷やしてくれたお茶を飲む。香りがいい。


 そしてきつね饅頭。きつねのような耳がついているひらべったいお饅頭。中にあんこのようなものが入っている。うん。けっこううまい。僕はお皿にならべてくれたお饅頭の2個目を食べる。


☆☆☆


 リゾート地。南国のようなところかと思ったが、準日本風のところ。


 車で到着し、和風旅館のようなところに到着する。


「和風だね。てっきり南国かと思ったよ…」シマはメイドさんに言う。


「いえ。和風のところと南国のところと、洋風のところがいっぺんに楽しめるリゾート地となっております。各場所へは自動ドアがある建物を使って移動できます。南国の海や、雪がある北国。オーロラが楽しめるところへも移動可能です」


「へー。じゃあどうしようかな。まずは和風のところでちょっと休んでからお風呂かな。その後、南国のところでエステ。その後は雪がある北国で温かいものの夕食。その後オーロラで…」


「そうですか。いっぺんに体験しなくても数日ありますので…」


 日数を分けて今日は和風のところ。今日は南国のところ。その次は洋風のところ。とすることにした。


 じゃあ。ゆっくりしよう。


 シマは和風建物の部屋へ通された。


 畳に似たものがある。12畳ぐらい。奥に窓があり、窓のそばに小さいテーブルと椅子がある。


 シマは、テーブルの上にある急須を使いお茶をいれ、ひといきつくことにした。


☆☆☆


 近くの散歩道を歩き、小川や鳥のなきごえ、動物とのふれあい広場で、ゆっくり過ごす。


 夕方ぐらいになり、そのまま近くの露天風呂へ行く。


 必要なものは露天風呂の近くの建物の中にある。服を全部ぬぎ、タオルを手に男湯に入る。


 あ。だれかいるようだ。音がする。


 シマは、体を洗うところに座る。


 すると声がした。「シマさま、体を洗うときに言ってくださいお手伝いしますので…」といつものメイドさんの声。


「へっ。あ。なんでいるの? もしかして女湯? 間違えた?」シマは慌てて立ち上がる。


「いえ。この旅館はシマ様の貸し切りです。ここは男湯ですが、メイドであるわたしが、露天風呂のサポートをさせていだきます。気になさらずどうぞ…」


「へっ。あ。そう… じゃあ。体に軽くお湯をかけてから湯船に入ろうと思っていたけど。大丈夫?」

 シマは聞いた。


「ええ。お気になさらず。私のことは空気のように扱ってください。もし裸が気になるようでしたら後ろを向きますので」


「そそ。そう…」シマは湯船に入る準備をして、メイドさんの斜め横から湯船に足をそろっと入れてから、メイドさんからちょっと離れて湯船につかる。


「そんな離れたところに… 私が行きます…」メイドさんは湯船の中をゆっくり移動し、シマの真横まで来る。


「え。あ。そう…」シマは少しあわてた。でも気にしないほうがいいか。シマは遠くの景色を見る。


「そういえばシマ様。背中がつかれるでしょう。私の背中によりかかってください。私はシマ様の背中のほうに移動して、背中あわせになりますので、私にシマ様の背中をもたれかからせてください」

 メイドさんはシマの背中に移動して背中あわせになる。そしてそっとシマの背中にくっつく。


 シマはせっかくなので、メイドさんの背中にもたれかかった。

「んにょっ」シマはメイドさんのお肌にふれてびくっとした。


「シマ様大丈夫ですよ、もっとよりかかってください。体重をかけても大丈夫です」

 メイドさんに言われ背中をもっとくっつけてよりかかる。


 あ。楽だ。シマは背中が気になるので話をすることにした。


「いいところだね」シマは露天風呂から見える景色を見てメイドさんに言った。


「そうですね。ここは一般客が利用するには少々高いところでして、利用された方に満足していただけるように、いろいろ工夫がされているのです」メイドさんは手で自分の方にお湯をかける。


☆☆☆


 その後、湯船から上がった後めいどさんも一緒にあがり、お風呂の頭や体を洗うのをやってもらった。

 シマがどうしても?と聞いたら、メイドなのでと言われそのまま言われるがままにした。


 体を洗ったあと、もう一度別の隣接する露天風呂に入りあたたまる。


 その後は一緒にあがるとメイドさんに言われたが、先にあがって着替えるから。とメイドさんに言い、先にでてきた。


 手早く着替える。髪やしっぽが半乾きだけど、がらがらと扉をあけてメイドさんに「先に宿に帰っているから…」と言って、露天風呂と隣接する建物から出ることにした。


 シマは「あー。緊張した。いると思わなかったからなぁ… メイドさん」

 ほっかほかになった体。しっぽはまだ湿っている。宿に帰ったらやどに隣接しているお風呂場でドライヤーでかわかそうと思った。


☆☆☆

 夕食。部屋食だ。見た目豪華そうなものがテーブルの上に並ぶ。

 メイドさんとの2人分。向かい合わせにテーブルへ座る。

 座椅子の後ろからしっぽを出すシマ。


 テーブルの上の料理をみる。煮魚。小さいお鍋。鍋の中身は最高ランクのお肉を使ったものだ。

 それと甲殻類。でっかい。腕ぐらいある。ロブスターよりすごい。


 シマは鶏肉っぽいものもあるのに気が付いた。何か和風のソースがかかっている。


 この山でとれた山菜や、天ぷらっぽいものもある。


 シマは鶏肉っぽいものに手をつけた。


「うみゃい…」なんだろ。これ。食べたことがない。それにこの和風のソース。食べているといろいろな食材の味が凝縮されている。ソースだけでもかなり手間がかかっているのがわかる。お肉もジューシー。


「どれもおいしいですね。あたしも気に入りました」メイドさんも言う。


 シマはでっかい甲殻類の足か手を半分に切って焼いたものを手に取って、スプーンで中身をすくい、食べてみる。

 うん。これもうまーい。

 シマは気になることがあった。でも今は言わないことにした。


 僕の出身の惑星にも、今住んでいる日本にもない。この世界の地球にだけあるような甲殻類の生物。

 この足の大きさからかなりでっかい生物のようだ。

 しかし、これ。うまい。1本の足をあっというまに食べてしまった。量は結構あった。


 さて、お鍋にいくか。シマは鍋の中身を小さいお椀にすくって、うつす。


 ふうふうしてから、食べてみる。


 これもうまーい。食材のだしが出ている。それとお肉。やわらか。


 メイドさんと2人で夕食を囲み、食べ終わったところでメイドさんが立ち上がった。


「私は隣の部屋で休んでいますので、何かあればお呼びください」とメイドさんは礼をした。


「え。あ。うん。何かあったら呼ぶよ…」僕は気になっていたことが解消して少しほっとした。

 メイドさんと同室かなと思っていたからだ。


 テレビ放送を見てすごし。寝る時間。


 シマは畳っぽいものの上にしいてあるふっかふかの布団の中に入る。

 うん。枕もちょうどいい高さ。それに固め。いい感じ。


 この部屋に備え付けられている。就寝時にリラックスできる香がテーブルの上にあり、休み前につかうといい。と説明に書いてあった。30分後、火は自動的に消えた。いい香りが部屋の中に残る。


☆☆☆


 お休み。シマは目を閉じた。

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