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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
けもの耳の子達とのふれあいとSFちっくな日々
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ハーフの幼稚園児の子達。それとカザー星系の悪い人達の悪だくみ

 動物と人間のハーフの子達にとってのイベントとなる、夏休みのとある日。


 5歳になるまで政府の施設で世の中から隔離された状態で、秘密の場所の施設で育てられるハーフの子達。


 そして、5歳になってから初めての夏。一般の人と一緒に暮らし始めるため、夏休み時期にホームスティ先を決めて、夏休みが終わった後から幼稚園に通う。


 どこの幼稚園がいいかを決めるのに大勢の子達がバスでいろいろな地域をまわる。

 気に入った町を見つけたらホームスティ先を決める。


 僕。ミミちゃん(ネコのハーフ)。ラミちゃん(うさぎのハーフ)。みのるお兄さん(人)。ヒメル(鳥のハーフ)。ミアお姉さん(うさぎのハーフ)のみんなで最寄りの幼稚園へと向かう。


 バスから大勢のハーフの子達が下りてきた。

「みんな可愛いわね。あそこにウサギのハーフの子いるわよ」ミアお姉さんは言う。

「ほんとだ。あたしもあんな感じだったのかな」ラミちゃんは背が大きいうさぎのハーフの子を目でおいかける。


「あの中にはいないんじゃない? ミニブタのハーフってこの世に存在しないんじゃなかったっけ?」

 ミミちゃんはラミちゃんに言う。


 ラミちゃんはネコミミ少女の足元をちらっと見てから、ドンと足を踏み下ろす。


「おっと危ないわね。あたしの足が使い物にならなくなったらどうするのよ…」

 ミミちゃんは、ラミちゃんによる強力な踏み攻撃を回避した。


「ちっ」とラミちゃんは舌打ちする。


 また二人喧嘩してる。僕ユキは、そんな2人を見て注意をする「ねえ。二人とも喧嘩しちゃだめだよ。あの子達の見本にならないと…」

 いつも仲が悪いんだから…まあ、ネコとウサギだからかも…


「ねえ。あれ見て…すごく綺麗」ヒメルが見ているところを僕は見る。


 あっほんとだ。なんか白を基調とする鳥のハーフの子がいる。ほかの子達と雰囲気が違う。


 僕たちはその子を見ていると駆け寄ってきた。

「こんにちは!」


「こ。こんにちは。お名前は?」ミミちゃんが少し緊張する感じでその子に聞く。


「あたしはシロっていうの。ちなみにS2ランクみたいなの。ほらっ」首に下げているタグを見せるシロ。


 ほんとにタグは銀色だ。ちなみにあたしたちは普通なので薄い緑色のタグをそれぞれ持っている。


 ヒメルだけAランクなので白いタグを持っている。


 ランク分けをすると普通。Aランク。Sランク。S2ランク。S3ランクとなる。


 Aランクで学校一番の美少女。Sランクで芸能人レベル。S2ランクでハリウッドスターレベル。S3ランクでそれ以上。のような感じである。


 シロちゃんは背中に羽があるが羽の先は透きとおっている。根元になるにつれて白い羽となっている。頭も白を基調とする色だ。


「お姉さんは、インコのハーフ?」シロちゃんはヒメルに話しかける。


「そうね。インコのハーフ。そしてこれがみのる」ヒメルは言いながらみのるの腕に抱きつく。


「仲がいいんだね」シロは仲のいい2人を見ながら言う。


「このヒメルはいつも、くっついてくるんだ」言いながらみのるお兄さんは、ヒメルの頭をなでなでする。


 シロは、にこっと微笑んでから「じゃあね」と言って幼稚園の建物の中に入っていく。


 シロがいなくなると、うさ耳の少女が走ってきた「こんにちは。お姉ちゃん。お兄ちゃん達」


「こんにちは」ユキ君はうさ耳の小さい子に挨拶をする。幼稚園児にしては背が高い。


「んーん」うさ耳の子は、ユキ君に頭をなでられて気持ちがよさそうだ。


「かわいいわね。うさ耳の子」ミミちゃんもうさ耳の子の頭をなでる。


「んーん」かわいい。


 じゃあね。とうさ耳の子も建物の中に入ってしまう。


 他にも、わんこのハーフや、狐のハーフの子もいた。


☆☆☆


 この地域に住んでいるハーフの子は、幼稚園児の前で、これからホームスティする予定の子達に、どんな暮らしをしているのかを説明していた。この町は田舎だけど自然が多くて住みやすい。などなど。


 そして午後3時ごろにこの町に残る子と、次の町に移動する子に分かれる。

 シロちゃんとうさ耳ちゃん、そして狐ハーフの女の子の3名が残った。


 ホームスティ先が決まるまでシロちゃんはみのるお兄さんの家に、狐ハーフの子(名前はギンちゃん)とうさ耳ちゃん(名前はララちゃん)はユキの家に泊まることになった。


 ギンちゃんとララちゃんがユキ君の家に泊まってから三日目。


 がちゃん。

 ララちゃんは夕食でおかずを入れる大皿(年代物)を片づけようとして、落として割ってしまった。

「ひゃー。割ってしまったです。ど。どうしよう…」

 とりあえずほうきとちり取り…


 ララちゃんは、古新聞の上に割ってしまったお皿のかけらを入れて。壁のそばに丸めて置く…


 おばあちゃんは、今は家の中にいない。お外で作業をしている。


 待っていると、おばあちゃんが外から家の中に入ってきた。


「あ。あの。おばあちゃん?」ララちゃんはおそるおそる、おばあさんに声をかける。


 あああ。手にカマを持っている。だ。だめです。今は言えないです。


「もう少しで買い物にいくけど一緒に行くかい?」とおばあちゃんが言う。


「え。あ。はい。行きます…」ララちゃんは言ったんだけど、それよりも。お皿。割ってしまったことを言わないと… すごく気になりながら言えないでいた。


 ちなみに、ギンちゃんはラミちゃんとミミちゃんとで一緒にお出かけ中。


☆☆☆


 結局お皿のこと言えなかった。

 悪いことをしたら保健所の人達が来て殺処分されてしまうと、施設の人に言われていた。


 どうしよう。。。


 今日はお鍋らしい。

 夏なのに鍋は変だけど…

 でもお肉は買ってなかった。


「あの。あたし。大皿を片づけようとして割ってしまったの…

でもおばあちゃんにはまだ言えてなくて…

き。きっと今日はうさぎ鍋だよぉ…今日のお昼に飲んだニンジンジュースが最後の晩餐だったのよ…」


 ギンちゃんとラミちゃんにお皿のことを言う。ユキも一緒に聞いていたんだけど、まだおばあさんには言えていなかった。


 台所から包丁を持ったおばあちゃんがこっちに来た。


「ねえ。いつも使っている大皿どこにしまったか知らないかしら…」


 ギンちゃんとラミちゃん。そしてユキ。そのそばにいたララちゃんはミミがピンと立つ。

「ひゃー。最後ですぅ。ひ。ひとおもいにやって」

 ララちゃんは、僕にしがみついてきた。ぷるぷると震えているララちゃん。


 ぷるぷる震えているララちゃん可愛い。大丈夫なのに…


「覚悟はいいかい? じゃ目を閉じて…」とおばあさんは空気を読んで言う。


「最後ですぅ。ひとおもいにやって…」ララちゃんは目を閉じる。


 ララちゃんの頭の上に何かが乗る。


 へっ?

 ララちゃんは目を開けた。


「ニンジンジュース。味見してみたら」とおばあちゃんが言う。


 ララちゃんはおばあちゃんを見て、頭の上に乗ったコップを両手でとる。

「さっきラミちゃんと話していたのを聞いたんだよ。お皿割っちゃって困っていたんだってね。

きちんと言えばよかったのに。ララちゃんはあたしに言おうとしていたんだよね?」


「うん。カマを持ってたから怖くなって言えなくなっちゃった。さっきは包丁を持っていたから今日はうさぎ鍋なんだなと思って…」


「はっはっは。なんだ。大丈夫よ。いくらララちゃんがうさぎのハーフでも、そんなことはしないさ…もしその気だったら。どうだろうね。このラミちゃんは何回ウサギ鍋の材料になってたかねえ」

おばあちゃんはラミちゃんのおなかをつまむ。


「ぐっ」

「ぶっ。そうねあんたはきっと100回はウサギ鍋の材料になってるわね」とミミちゃんは、ラミちゃんのお腹を見て言う。


 ぽん。とおばあちゃんはミミちゃんの頭に手を乗せる。

「ミミちゃん。あんたも100回ぐらいネコ鍋になっているんじゃないかしら。いつもラミちゃんと喧嘩しているでしょう…」


 それを聞いて猫耳がしゅんと垂れる。

「この近所にいるハーフの子でお鍋の材料にならないのは、ミアお姉さんと、ヒメルちゃんぐらいかしらね……」

 とおばあさんは言ってから。さあ夕ご飯の支度をしないと… とつぶやきながら台所のほうへと行ってしまった。


 ちなみに、今日のお鍋の具はカニのつみれだった。

 ニンジンも入っていたし。とってもおいしかった。

 魚介が好きなネコのハーフ。ニンジンが好きなうさぎのハーフ。あと油揚げもお鍋の具として入れてあった。ギンちゃんもうれしそうに食べていた。


☆☆☆


 さて。場所と時代が変わる。


 とっても遠くの宇宙。カザー星系のとある巨大な人口衛星の一室。


「さてと進捗はどうなっている。赤の☆マークをつけているお前たち状況を教えてくれ」

 巨大立体スクリーンに映し出されている親玉っぽい人が問いかける。

「は。私たちの受け持ちの星系の準備は問題なく進んでおります。予定どおりです」


「うむ。わかった。その調子で。じゃ次。青の☆マークをつけているお前たちは…」


 青ざめながら、青の☆マークを付けているリーダーは言う。

「その。えーと。うまくいってなくて、予定の32時間後には準備は終わらないかと…」


「なんだと。前確認したときは予定どおりだと言ってたろう…」


「申訳ねえです。嘘ついてました」


「そうか。わかった。もうよろしい」

すこしほっとした顔でリーダーは親玉を見る。


「死ね」

 手から黒い丸い電撃のようなボールが出て、青の☆マークを付けているリーダーの体に当たるとリーダーは焦げた感じになって倒れた。


 リーダーの隣にいる人は。がくがく震えながら立っている。

「新しい部下をお前たちにくれてやるから、お前がリーダーをやれ。遅れたらお前がああなるのだ…

それとも今すぐに黒くなりたいか?」

「い。いえ。めっそうもございません。次はご期待どおりに…」


 報告を終えると青の星マークをつけている人は座った。


 次のグループに進む。

「じゃあ。黄色い☆マークをつけているやつ。お前はどうだ」

「は。期限の時間までは時間がありますが、困ったことになりそうです」


 黄色い☆マークを付けているリーダーは話出した。


「我々の管轄の星系には第三惑星に知的生命体がいるかもというのを観測しまして、住人の退去を考えてたのですが、その住人は他の星系の知的生命体とは出会ったことがないようでして、退去にはてこずりそうであります」


「ふむ。そうか。では星系ごとふっ飛ばしてしまうのはどうだ。レンタルすれば破壊用の兵器は用意はできるぞ…」


「しかし我々の隣に住んでいるマトラ星系のやつらに感づかれないですかね…」


「まあ。たしかにな。勢力も我々より強い。やつらが動くとやっかいだ」


「うまくやってみてくれ。助言が必要ならするぞ…」


「は。わかりました。少しお時間をいただければ…」


☆☆☆


「あの。ご報告があります」と狐のような尻尾を持つ種族の人が、鳥に似た感じの外見を持つ上司に報告をする。


 ここは、カザー星系の近くのマトラ星系。とある建物の中だった。


「私の故郷の地元で地球と言われている惑星に危機がせまっているという噂を耳にしまして…」


「ほう。それは聞いておかないといけないわね。で。何なのだ危機というのは」


「それはカザー星系の過激派がとある計画のために、星系をふっとばすかもしれないと…」


「ほう。それは一大事ね。じゃあ。あれを使うといいわね。TSI」


「トライステート干渉機。自分たちのいるこの世界の過去に干渉するのよ」


「あ。あれですか。自分たちの世界から1つ隣の世界に干渉させてから隣の世界から2つとなりの世界に干渉させて、2つとなりの世界からこの世界に干渉させると過去を変えることができるという…」


「そうね。この世界の過去に直接干渉して改変させようとすると、タイムパラドックスが生じるから、別の世界からこの世界に干渉させるのよ…」


「うまくいくでしょうか?」


「あんたたちの仲間を集めて、今から200年ほど過去に行くのよ。そこで地球の危機をふせぐために何かするのよ。まあまずは知的生命体の種族が一種類だけというのは足りないわね。あたしたちみたいに、大きな耳を持った知的生命体を作るのよ。地元にいる動物をモチーフにするといいわね」


「わかりました。じゃあ早速志願者を集めます」


「うまくやるのよ…」


☆☆☆


 時代と場所はユキ君のところに戻る。そして場面はミアお姉さんの視点となる。


「あら。ネコちゃん。こんばんは…」あたしミアは家の玄関前にいるクロネコを見かけた。

「にゃー」とそのネコは鳴いた。


 そういえば… スーパーで買ってきた特売のソーセージがあるんだ。

「おなかすいている?」あたしはクロネコを抱っこして、家の中に入った。


 このうちの主は病院に入院している。大したことはない。

 電気をつけてからソーセージを袋から取り出して、お皿の上にちょうどいい大きさに切ってから置いた。


 クロネコちゃんは、床の上に前足をタッチした。

「ありがと」


 えっ。しゃべった?


「今。君がしゃべったの?」ミアお姉さんはクロネコに問いかけた。


「にゃー」普通にネコの鳴き声で返された。


 クロネコはソーセージをおいしそうに食べ始めた。



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