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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
キララとの二人きりの宇宙旅行
40/138

NGC 300 X-1のブラックホール連星系のうつりかわりの見物

 宇宙船を太陽系のはずれの位置に移動させた。


「さて。面白いものを見たいと思わない?」とキララは言った。


「うん。何なに…」僕はわくわくでいっぱいだ。


 いったん地球近辺に戻ったが、これからNGC 300の中心の方向に向かって進んでいくことにした。

 NGC 300は、690万光年かなたにあるんだけど、490万光年までの距離をコマ送りで移動させるという。


「説明するとね」とキララはまた話しだした。


秒間100回の割合でワープと通常空間を交互に行き来させて、ワープ中に一定距離である100光年ずつ移動させる。

 光学機器でNGC 300 X-1のブラックホール連星系を窓に映すから見ているといいよ。つまり秒間100年ずつ時間が進んでいく形で星の移り変わりが見られる。

 さらに進んで、100万光年から200万光年の距離に近づくと、ブラックホール連星系の相方の星が超新星爆発を起こして、相手の星もブラックホールになるんだ。その様子を見ることができるよ。とキララが言ってくれた。


「へー。すごそうだね…見てみたい…」キララはほんといい子だ。

 キララ自身も宇宙に興味があって、自分が見たいものを言っているのもあるんだけど、気が合う。


 キララが説明してくれたが、つまりNGC 300は地球から遠いから690万年かかって、光が地球に届く。

地球から見える姿は今から690万年前の姿。


 距離が590万光年に近づくと、今から590万年前の姿。距離が1光年まで近づくと1年前の姿となる。

だからコマ送りで距離を近づけると、星の移り変わりを早送りで見ることができる。


 これは作り物とかCGとかではなくて本物だ。

 ワープと通常空間を交互に高速で移動すれば見ることができる。


 キララは宇宙船の航行プログラムを設定して、窓からNGC 300の中心であるX-1のブラックホール連星系が見えるようにした。


 未来の光学機器は発達していて、また地球上から望遠鏡で見るのと違い、間に空気がないから鮮明にブラックホール連星系の姿が見える。


 今見えているブラックホール連星系の姿は、ブラックホールが相方の巨大な星のガスをはぎ取っているような様子が見ることができる。

 今見えている景色もすごいんだけど、とうとう宇宙船を移動させるらしい。


「楽しみだよ…どんな感じで見えるんだろう…」僕はキララに合図をした。


「じゃあ行くよ…それ。スタート」キララは画面にタッチして、宇宙船の航行路をセットした。


 すると、窓から見えているブラックホール連星系の姿はちょっとづつ姿を変えていく。

 相手の星のガスがみるみるうちにブラックホールへと吸い込まれていく。同時に間のガスの色も変化していく…

 その変化を100秒以上にわたって見つめてきたが、ついにその時が起きた。


 相手の星がまばゆい光に包まれ、白い光が広がり何も見えなくなった。


 その後、やっと光が薄れていくと、星間ガスが広がっていくのがわかる。


 キララが光学機器を操作して、ズームからワイドの位置に向かって映像が見やすいようにしてくれた。


 かなり広範囲にわたり、爆発の影響で星間ガスが広がっていくのがわかる。近くにブラックホールがあるので、ある程度のガスはブラックホールへと吸い込まれていく。


 しばらく時間が進むと、中心には黒い物が残された。元からあったブラックホールのそばに空いた黒い穴。


 星間ガスが両方のブラックホールに流れ込んでいくように移動していくのがわかる。


 さらに、宇宙船はNGC 300へと近づき、100万光年以内の距離へと入った。そして30万光年。10万光年。4000光年。2700光年。300光年。50光年。


「すごいなあ。超新星爆発と、2つのブラックホール連星系の誕生かあ」


 星の移り変わりをコマ送りで見てきたがすごかった。映像で見るのもいいけど、これは窓から見える本物の映像。実際は過去に起こったことなんだけど、今リアルタイムで見えている。


 結構な距離を移動した。

「ここは地球から、はるかかなたの690万光年近く移動したところだよ。せっかくだから近づけるところまで近くに行ってみる?

この点線の外側なら影響は受けないよ…

ちなみに、この点線の内側に入ると、二度と出てこられなくなるし、TMRも使えないし、ワープも使えなくなるよ」


 せっかくなので、点線の近くまで宇宙船を移動させる。


 かなり遠くなんだけど、2つのブラックホール連星系が見える。ブラックホール自体は光を出さないので、周りのガスが吸い込まれていく過程で高温に熱せられるときの光によって、黒い穴がうかびあがっている。


「綺麗。というか。すごい景色。しばらくこのまま見ていたい…

そうだ、飲み物。取ってくるよ…なんかいる?」

僕はしばらくこのまま見ていたいと思った。


「そうだね。はちみつ入りの炭酸飲料。砂糖抜きの…それと軽食を持ってきてくれる?」


「うん。いいよ…」

 僕は下の階に移動して、冷蔵庫から飲み物と軽食であるスコーンに似たものとクッキーみたいなものを一緒にもっていくことにした。


 ブラックホールからの距離が近いので、かなりの迫力がある。

 展望室の片隅のソファのところに飲み物と軽食を並べて、2人で外の雄大なブラックホールの景色を見る。


「なんか。この景色を見ていると、日常ってはるかにちっぽけだと思わない?

僕たちの一生もこの星たちと比べると、ほんの一瞬なんだって思うよ…

この銀河やブラックホール連星系の移り変わりをコマ送りで200万年にわたって見てから、飛ばしとばし690万年にわたって見てきたけど、長すぎて良くわからなくなっちゃうね…」


「たしかに…1万年でさえ、ものすごい時間なのに690万年と言われても検討がつかないね」


「うん。約700万年前に猿人が出現したぐらいなんだよ。あと、400~600万年前に琵琶湖が生成されたらしいよ」

 そうなんだ。そんなに前から琵琶湖ってあるんだと思った。


 なんかすごいなあと思った。


 僕はキララとおそろいコップを手にとって、飲み物を飲む。炭酸が微妙な感じでおいしい。


 スコーンに似た食べ物やクッキーも一緒に食べる。


 宇宙は、なんかわくわくすることがいっぱいだ。宇宙は広いし、時間の流れもかなり昔からはるかかなた未来まで続いていく…


「窓を赤外線モードにするよ、星間ガスが少し可視光とは違ってくっきりと見えるよ…」

 キララは窓から見える景色が、赤外線だとどう見えるかを操作して見せてくれるらしい。


 キララはボタンを押して操作する。


 すると、星間ガスがはっきり見え、ガスの合間にある黒い空間とガスの境界がはっきり見える。


「すごいなあ。くっきり見えるよ…」


 星間ガスと数えきれないぐらいの数の星。その星の間に見える2つの黒い穴。それとブラックホールへと吸い込まれていく物質…


 しばらくブラックホール連星系を見ていた。


「うん。宇宙。やっぱりすごいや… ところでこの次はどうするの?」


「そうだね。じゃあ。心機一転で、ショッピングはどうかな。ついでに食材を仕入れよう。宇宙で許可されたショッピングモールがある惑星があるよ… ここから遠いけど、自動ドアを開ければすぐだし…

宇宙船は、いったん、いっかくじゅう座のNGC2237(バラ星雲)あたりに停めて、そこからTMRで移動しよう」


 キララは宇宙船をNGC2237のほうに向けて移動させるようにプログラムする。


 ブラックホール連星系を後ろに見ながら宇宙船は加速していく。星が線の形になった。


 しばらくするとまた星が点の形になる。


「うわぁ」目の前に広がるバラ星雲。


「そうそう。この窓には干渉フィルターを付けてるよ。さっきプログラムしたんだよ。綺麗な赤色はそのフィルターの影響さ…」


 なんか綺麗。白く光る、かずかずの星。


 赤い星間ガス。


 その赤い星間ガスの広がり方がバラに見える。


 宇宙船も動いているし、リアルタイムで見える美しい光景に圧倒される。


「えーと距離はどのぐらい離れているんだっけ?」


「5219光年だよ。地球から見るのよりはかなり近い距離から見ているんだけど。どうかな…」


 ほんと綺麗。すごい景色。


「いやあ。いいものを見せてもらった。こんなに綺麗だと思わなかったよ…」


「ははは。僕。いや私もうれしいよ。そうだ。干渉フィルターを切ってみるよ…」


 キララは窓の干渉フィルターを切った。すると、鮮やかさはなくなったが、それでも星間ガスのもようがバラ星雲だとわかる感じの名残はある。


 しばらく2人でバラ星雲をながめてた。


☆☆☆


「じゃあ。キララの言うショッピングモールって、宇宙船はこのままにしてTMRで行くの?」


「うん。わざわざ宇宙船で行く必要もないからね。ここに停めて行こう」

 キララはTMRを操作して宇宙船の壁にドアを開ける。


 僕たちはドアから、宇宙のショッピングモールへと進んだ。


☆☆☆


 近代的な街並み。


 惑星上にあるショッピングモール。


 ただし建物があるのははるか上空。地上へは300メートルはある。地上は一面の緑に覆われ、ジャングルのような深い森に見える。


「ここは、宇宙の旅の途中に良く立ち寄られる惑星上のショッピングモールだよ。

主な人達は、僕たちのような2足歩行で、手または手と羽がある大きさが僕たちの0.7倍から2.7倍ぐらいの身長の人達だよ。姿形が全く違う種族もいるよ… びっくりしないでね…」


 建物の中とはいえ、惑星上の建物にいると落ち着く。宇宙ばかりだとなんか、惑星の緑や水が恋しくなる。だからなのかな。この緑が豊かな惑星は人がいっぱいいる。


 建物の色は白い色を基調とした感じ。


 建物の形式は円錐形が多い。空も青いし。天井は透明なもので覆われている。


 道は土ではないが柔らかいものが敷き詰められている。硬い感じはしない。


「あ。あそこに、牛とネコとキリンを足してリスで割ったかのような人がいるよ…」

 ネコのような耳の隣に、キリンのつののような物が頭に生えている長身の人が歩いている。顔は牛のようなイメージがある。


「すごいたとえだね」キララは僕の言ったことばに返した。


 見たことがない人達。結構体形は似ているけど、決定的に違うものを持っている人達がいる。

 何に使うのかわからない、背中に2つのパイプを突き出したかのような人達。羽が片方だけ生えている人達。腕が2対ではなく、お腹付近の背中からも2対生えている人達など。

 尻尾みたいなものが腰の位置に生えている人達。尻尾が3本生えている人達もいた。

 頭にキリンみたいなつのを生やしていて、そのつのの長さが1メートルはありそうな人達もいた。


 キララと僕は歩いて行き、近所のスーパーに似た感じの所に入っていく。見ると食材が置いてあるところだった。キララは直接、TMRを使って宅配ボックスの中に食材と思われるものを入れていく…


「なにか気になったものがあれば言ってくれるかな? 見るから…」


「うん」

 棚に並んだ、見たことがないものを眺める。色は緑色の物や、黄色いもの。ものすごくでっかいキャベツのようなものもあった。それとバナナに似た植物もある。あ。さくらんぼ。


「これ。さくらんぼに似ているよ…」


「ああ。これ? 甘くておいしいよ。お茶の中に入れてフルーツティーにすると、おいしさがよりわかるよ。買おう…」キララは手にとって宅配ボックスの中に入れる。


「ねえ。お会計はどうなっているの?」


「ああ。えーとね。個人で消費する分の物はタダ。ここに入るときに地球の円で換算して一人あたり5000円払ったから食材は好きなだけ持って行っていいことになっている。食材の他のものはお店の入り口で一定額のお金を払うんだよ。それで一人5個まで持って行っていいのさ」


「へー」

 きっとあれかな、惑星も豊富にあるし、食材は育てる環境が無数にあるし、ひょっとして工場とかで育てられていて、食材の値段は安いのかな…


 キララはフルーツに見えるものや、パンに見えるもの。加工されたお肉のようなものや魚みたいなものの加工品を手にとって次々と宅配ボックスの中に入れていく。ニンジンに似たものや、煮干しに似たものまで入れていく。そして飲み物お茶の葉っぱのようなものや、透明の入れ物に入っている飲料も入れていく。そして、ルービックキューブみたいなものも数個入れていく。


 僕は気になったものを手に取る「ねえキララ。これは何かな…」みかんみたいなものが3つつながっているもの。


「ああ。それ? 甘くはないよ。ちょっと苦いから合わないかも…」


「そうなんだ。じゃあこのスイカのちっちゃいのは?」


「えーと。それは熱いよ。食べるとわかるから… 食べてみる?」キララはそのスイカみたいな小さいものを宅配ボックスに入れる。


「あ。これも食べてみよう。ぱちぱちとはじけるんだ…」青緑色のもの。大きさはバナナより小さい。


 他にも夕食の材料として、簡易調理用のパッケージも手に取って宅配ボックスに入れる。


「結構買うね…」


「うん。これで1万円ぐらいにはなったかな… 払ったお金より少ないともったいないし…

あとで、宇宙の面白いものを売っているところに行こうよ…」


 キララと僕は食料品を売っているお店を後にした。


☆☆☆


 お店を出て歩いて行く。数分歩く。道の横には小さい観葉植物が置いてある。それと小川が流れている。緑と水。いいね。宇宙に出ている人が立ち寄りたくなる場所というのも良くわかる。


 緑っていいなあ。地球は水の惑星と言われているけど、ここも負けないぐらい緑が多い。文明があるのはこのショッピングモールだけらしい、惑星上には知的生命体はいない。現地の生命体はいるみたいだけど…


 キララはお店の中に入る。

「ひょっとしてここ?」僕は雑貨屋さんみたいな感じの場所を見てキララに聞いた。


「うん。宇宙各地から集められたいいものがあるよ。雑貨屋さんみたいなところかな…

あっという間に育つ鉢植えもあるんだよ。私がキラのときに、ラミちゃん達にあげた鉢植えとか…

他にも君が興味を持つものもあると思うよ…」


雑貨屋さんの中に入る。キララは1人あたり3000円に相当するお金を支払う。


お店の中。商品が並んでいる棚の高さが3とおりある。一つはすごく低い位置。50cmぐらいのところ。もう一つは見慣れた高さに並んでいる棚。そしてもう一つは1.5メートルを超えるぐらいの位置にある棚。高い位置に置いてあるものは見えずらい。


 なんで棚の高さが違うの。とキララに聞こうとしたときに、他のお客を見た。


 あ。あそこにマトラ星系の人と思われるトリのハーフに似た人がいる。その人達から見ると、高い位置にある棚はちょうどいい高さに見える。マトラ星系の人達の方向に僕たちより小さい人達がいる。

 その人達には、一番小さい高さの棚がちょうどいい高さとなっていた。


 そうか。種族ごとに身長が違うから、棚の高さも3とおりあるんだ。

 ちなみに、さっき買い物をした食料品の店の棚の位置は、僕たちにちょうどいい高さだった。

 でも店の左側は棚の位置が高かったし、右側は棚が非常に低い位置にあった。

 種族ごとに食べ物の好みも違うから、お店の場所が3つに分けられていたのだと初めて気が付いた。


 僕はマトラ星系の人達を見ていると、どんと。横からぶつかってきた人がいた。


「あら。ごめんなさい」ふわふわの体毛に包まれた青い体毛の人とオレンジ色の体毛の人。

 結構美人だ。柑橘系のいいにおいがする。


 僕はぽーと。その美人の去っていく方向を目線で追っていくと、僕のお尻のあたりにぱしっ。ぱしっと何かではたかれる感じがした。見るとキララのしっぽだった。しっぽでびしっ。ぱしっと叩かれていたのだった。


「なーに。見ているのかな… あの人達。いい匂いがするでしょ柑橘系の… それと見とれてた?」


「ごめん。もしかしてキララ怒っている?」


 ぱしっつ。ぱしっとキララの狐しっぽで再び僕のお尻がビンタされる。


「べ。べつに怒ってないよ… ほらこっち…」キララは僕の腕をつかんで引っ張っていく…


 そこは宇宙コーナーとなっていた。めずらしい星系の銀河の立体映像が出るオブジェとか、額に飾られたものがあった。


「なんかいいねこれ…」さっき見ていたバラ星雲の立体の映像が額縁の中に入っている。


「これはリアルタイムの映像だよ… 中継カメラからの映像をここに映しているんだ…」

 写真で見るバラ星雲の姿とはちょっと違っていたけど…


「これって、バラ星雲の形が違うような気がする…」僕はスマホに表示させたバラ星雲を見て言う。


「うん。見る方向から違うからだよ。これは小マゼラン星雲から見たもの…」


「これって買えるんだよね…」


「うん。そうだよ。一人5個まで…」


「じゃあ買おう…」僕はキララに言って、宅配ボックスの中に入れてもらった。


「じゃあ僕はこっちかな…」薄い額に入った、ブラックホール連成系の立体映像。


「なにこれ。すごく重いよ…」

 中性子星のかけら入りカプセル。というものだ。非常に小さいかけらがカプセルの中に入っている。

 でも。重さは5kgあった。かけらは目に見えないぐらいの大きさだ。拡大鏡がカプセルに備え付けられていて、非常に小さいつぶが見える。

 その隣には白色矮星のかけら、という物もあった。放射性物質などは出さなくなったものだが、これは目に見える大きさだ。1mmの立方体が10個ならんでくっついている。でもそれだけでも重さは10kgぐらいはあった。


その隣には50kgある白色矮星のかけら、200kgある白色矮星のかけら、500kgある白色矮星のかけらがあった。


「これ。ララお姉さんだったら持ち上げることできるかな…」僕は50kgある白色矮星のかけらを指さしてキララに聞く。


「たぶん。持ち上げることはできるんじゃない? 私には無理だけど…」

 僕はキララに頼んで、中性子星のかけら(5kg)と白色矮星のかけら(10kg)を宅配ボックスの中に入れてもらった。


 しかし、宅配ボックス便利。重たいものでも入れておくことができるから持ち運ぶ必要がない。


 他にはどういう仕組みで動いているかわからない卓上時計があり、小さい惑星みたいなボールが太陽みたいな光のまわりをまわっているものがあった。12時の位置、3時の位置、6時の位置、9時の位置に印がある。


「これも…なんか一日が24時間みたい…」


「うん。隣には一日が27時間のものや26時間のものがあるけど、これなら地球と合ってるからいいんじゃないかな…」


 キララは卓上時計を2つ手にとる。気に入ったようだ。


 キララは他に筆記用具を4つ手にとった。これで2人合わせて10個。


 買い物をすませてからもお店の中を見てまわる。


「そうだ。いろいろキララにお金を出してもらったから、あとで僕が何かおごるよ…」


「え。いいの。ありがとう… 気にしないでもいいのに…」キララは機嫌が良くなったのか、尻尾がふりふりと動く。


「この後はどうするの?」


「そうだね。この惑星には宿泊施設があるんだ。そこに行こう。お風呂もあるんだ」


「いいね」僕はキララの提案にのることにした。


 そういえば、宇宙旅行って。地球以外の惑星に降りて観光するのも宇宙旅行って言うんだよ…。

 とキララが教えてくれた。宇宙空間にいるばかりが宇宙旅行ではないらしい。


 まだまだキララとの2人旅は続く。

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