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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
けもの耳の子達とのふれあいとSFちっくな日々
23/138

行方不明になったユキ君。右往左往するキラ。そしてララお姉さん。

「ねえ。ユキ君は?」ミミちゃんが、みんなを見て言う。ユキ君だけがいない。


「あれ。おっかしいなぁ。一番最後にマトラ星系の人と握手をしていて、僕の後ろから自動ドアをくぐってきたと思ったんだけど。ちょっと見てくるね…」キラは自動ドアの方向に戻り、向こうの世界へと戻っていった。


☆☆☆


「あら。どうしたの…… 忘れ物でもした?」マトラ星系の偉い人が、再び現れたキラに対して言う。


「えーと。ユキ君は帰った?」キラは聞く。


「そうね。あなたのちょっと後に自動ドアをくぐっていったわよ…」


「そう…」キラは、おかしい。僕の後にドアを通ったのならすぐに出てくるはず…

 これはちょっとやばいんじゃ…と思った。


 元の世界側ではユキ君は出てきていない。

 マトラ星系の偉い人に手をふって。じゃという形でその場を後にする。


☆☆☆


「え。えーとユキ君は、マトラ星系の偉い人につかまって、もうちょっと向こうを見学してから戻ると言ってた。50分ぐらいしたら、最初の場所に迎えに来てほしいと言ってたから閉じるよ…」


 とっさにキラはうそをついてしまった。


 キラは自動ドアを閉じる。


「そうなんだ。言ってくれればいいのに…」ミミちゃんはつぶやく。


「みんなにユキ君のことを言っておいてくれるかな。僕はちょっと用事ができたから行くね…

後でユキ君を迎えに行って、ユキ君の家まで送るから…」


「じゃあね。ユキ君をお願いね…」とミミちゃんはキラに言う。


 キラは急いで、自動ドアを開けて移動する。


☆☆☆


「えーと。やばいやばい」


 キラは、ウソを一回もついたことがなかったんだけど、ついウソを言ってしまった。


 キラは今の時代の自分の家に移動した後、部屋から専用の自動ドアを開けて、4056年で借りている部屋へ移動した。


 キラは複数の時代に拠点を持っている。

 

 事故記録は… とキラは過去の情報を調べ始めた…


 3812年。やたらと自動ドアの不通による事故件数は多かった。


 超新星爆発が影響しているのか不明だった。


 元の空間につながりにくかったり、つながっても灰色の空間につながったり。


 普通は灰色の空間が見えたら自動ドアをくぐらないんだけど、あまり知らない人はそのままくぐってしまうことがある。 


「うわぁ。件数が1393623件かぁ」えーとじゃあ。

 演奏会場付近に絞るか…7231件になった。


 キラは使っている自動ドアのIDを入れた。そして絞ろうとしたが…7231件のまま。

 何らかの影響により使用者のIDが全件Unknownとなっていた。


 座標をしぼろう… だめだ。詳細の座標も記録されておらず。


 自動ドアの時空間座標範囲内の基地局IDをもとに調べてみるが7231件。


 これ以上絞れない… わけないか…

「えーと。空間移動機能しかない自動ドアを除くと…」ってだめか。


 詳細は記録されていない。


 やばい。やばい。空間移動機能しかない自動ドアだと出発時の時間帯と同じ、どこかの地点の空間を調べればいいのだけど…時間移動機能があるので、過去か未来か、それとも現在か、そしてどの地点。


かなり困難になる。でもやるしかないか… キラは7231件の情報をコピーして先頭から1件ずつ調べることにした。うぁあ一日70件として100日かかる。


☆☆☆


 ユキは途方にくれていた。どうしよう。取り残されてから30分。ララお姉さんからもらったデバイスは、使い方がわからず。


 ユキはあたりを見回した。何もない。灰色の地面があるばかり。


 ぶーん。と音がした。音のほうを見ると四角い光。自動ドアだ。


 ユキはその自動ドアの方まで歩いて行く…あと10メートル。

 自動ドアの四角い光は消えてしまった。


 だめか。


 ぶーん。また音がした。今度は20メートル横のほうに四角い光。

 僕は走って行った。四角い光。その向こうには見慣れた道路。家のそばの道路だ。


 僕は、自動ドアをくぐった。


☆☆☆


「うわぁ。だめだ。142件目」3日間キラは探したが、ユキ君とは出会えていない。


 キラはため息をついた。そのほとんどは誰もいかなったんだけど、7件は遭難者を見つけた。


 全然知らない人だったんだけど、僕は自動ドアを開きその人の時代の元の場所へと送ってあげた…。


 でもあきらめるわけにもいかない… 救援をお願いできればいいのだけど、その時代の遭難者を見つけるには、1件ずつ手動で自動ドアの座標をセットしてその場に行ってたしかめるしかない。


 キラは143件目の座標を開きその場所へ向かった。


 『救出済み』というマーカーが床に記録されていた。出身地マトラ星系。

 「初めて見た」キラはつぶやいた。もう一度事故記録を見てみるかとキラは思った。


 キラは失敗をしたことに初めて気が付いた。


今まで遭難者を見つけたのは7件。リストを再表示したが、救出をした人の詳細情報を表示しても「不明のまま見つかっていない」だった。


 ほかの救出済みのものを見ても同じように「不明のまま」だった。


「ああ。やってしまった。僕の今いる世界と、過去で救出をしていた世界が合わなくなっちゃった…」


 影響のある過去改変をしてしまった。タイムパラドックスを避けるために、世界の仕組みとして、未来から過去の世界に影響を与えた場合、過去の世界にそのまま留まっていればその改変後の世界に存在し続けることができる。


 いったん未来へ帰ってしまうと、過去改変する前の本来の未来へと戻ってしまう。


 その未来では過去に改変がなかったことになっている。

 TSIデバイスを使えば過去と未来がつながるんだけど、キラはTSIを使わずに過去改変をしてしまった。


 キラは最初にやっておくべきだった、過去のユキ君の行方不明記録をさがした。


 僕のいる未来では行方不明の記録がなかった。ユキ君の出生と没年の記録を探す。普通に生きて没したという記録しかなかった。


 つまりユキ君はこの世界では行方不明にはなってないことになっていた。


「うう。困ったよ。… そうだ。困ったときのお姉さんだのみ…」

 キラはララお姉さんが24歳の時代へと向かうことにした。その前にユキ君の時代へ行ってこっそり様子を見ようと思った。


☆☆☆


 僕ユキは、見慣れた道路がある場所へ帰ってきてほっとしていた。

「ただいま」僕は言って家のドアを開けた。


 いやにシーンとしている。


 誰もいなかった。僕の部屋にも、ミミちゃんの部屋にも、ラミちゃんの部屋にも誰もいない。


 スマホを取り出した。電話しようと思ったからだ。


 でも電波は止まっていた。どこにもつながらない。


 テレビをつけた。何もやっていなかった。

 電気は来ていることはわかった。僕は近所のスーパーへと向かうことにした。


 スーパーは閉店していたが、裏口が開いていた。


 裏口から入ると、誰もいない店内が目にはいった。


 裏の倉庫には賞味期限無限の食材が入っている棚があった。


 僕はレジにお金を置いて、その賞味期限無限の食材をもらっていくことにした。


 棚に新聞があるのを目にとめ、僕は新聞を手にとった。


 日付は2か月前だ。新聞の発行の最終日であること。


 全世界の人類や生き物が別の星系へと引っ越しが始まり、今日が最終日であることが書いてあった。


 この時点で残っている人はごく一部。


 誰もいないのを確認して最後の人達が今日の13時に移動し、地球というか太陽系を破棄する。と記載があった。


 将来の宇宙一長い直線を持つ航行路建設のためとあった。


 僕の知らないことが起こっていた。ひょっとして違う世界に来てしまった? 日付も僕の生きている時代。

 自分の家に戻ろう。ユキは家へ戻ることにした。


☆☆☆


 キラはララお姉さんが24歳の時代の夏へと移動した。


「こんにちは。入るよ…」ララお姉さんの家の呼び鈴を押しても出てこない。でもキラは玄関から家の中へ入った。


 いた。居間の隣の畳敷きのちょっとすずしい部屋。部屋の窓は開いていて、風が入ってくる。


 風は廊下を通り、別の部屋の窓から出ていっているようだ。だから風通りがよくて涼しい。


 畳の上のテーブルにおっぱい2つを乗せて、ランジェリー姿で居眠りをこいているララお姉さんがいた。


「うわぁ。これ。ユキ君とかみのる君には見せることができない寝姿だね…

ほら。起きてララお姉さん」ゆさゆさとララお姉さんの肩をゆさぶる。


 肩をゆさぶると、テーブルに乗っているおっぱいもゆさゆさとゆれる。


 しっかし、でっかいおっぱいだな。僕にはそんな大きいものはないからうらやましい。ユキ君はでっかいおっぱいが好きだっけ。


「んあ… あれキラ…」やっと目をさましたララお姉さん。


「そんな恰好で寝て… 誰かに見られたらどうするのかな」キラはララお姉さんに注意した。


「えー。だって暑いんだもん。それに今ではユキ君やみのるお兄さんは引っ越しちゃったし、男の人は近所にいないし…」


「引っ越した。そう。引っ越したね…

ユキ君に電話で連絡とれる?」


「うん。いいよぉ」ララお姉さんは寝ぼけていたが、電話でユキ君に連絡する。


「ええと別に用事はないんだけど… 今どうしているかなって。ユキ君の声が聞きたくなっちゃって…」

 うんうん。というララお姉さんの声がする。


「ありがとう。ユキ君は普通だった?」


「まあ。普通みたい… ラミちゃんとミミちゃんにブラッシングをお願いされて、していたところだって…」


 ユキ君達は、おばあちゃんの没した後に、就職のため都会に引っ越していた。ヒメルとみのるお兄さん。ミアお姉さんも一緒に引っ越していた。


 ララお姉さんはこの町が気に入っていたのでそのままミアお姉さんの家だったところに、引き続き住んでいた。


 ララはTMRがあるので、いつの時代のいつの場所のどこにでも行けるし困らないとのことだった。


 キラはカレンダーの日付を見た。今日はハーフとのふれあい週間の初日だっけ。


「ところで困ったことが起きたんだけど聞いてくれるかな…」キラはララお姉さんに今までの出来事を説明した。


☆☆☆


「そーなんだー。未来でリストをもとに探し始めたけど、未来と過去で違っていると…

ということはそのリストにユキ君の失踪記録は載っていない可能性があるわけね…」


「そうなんだ。どうしよう…」いつもは困ったことがない感じのキラがしょんぼりしている。


 やっと薄いカーディガンを着てランジェリー姿ではなくなっているララお姉さん。


 ただし下半身はパンツだけだった。肉付きの良い太ももが丸出し。


 ララお姉さんの太ももの上にキラは頭を乗せて膝枕状態だ。やわらかい。そして少しひんやりしている。


 キラの頭をなでているララお姉さん。

「よーしよし」ララお姉さんはキラの頭をなでる。


「ねえ。どうしよう…」キラはララお姉さんを見上げながら聞く。下から見るとララお姉さんのおっぱいが邪魔してララお姉さんの顔が見えない。


「そうねぇ。私のTMRはあなたのより高機能だけど、さすがに世界と世界の間を移動できる機能はないの… って、あるわ。カザー星系のボスが使ってなかった? 異世界へ移動できる自動ドア…」


「あ。あれかな… 異世界だと僕がユキ君を見つけていることになっていて、その座標を使って迎えに行ける? いやいや。異世界だからこっちと違っているかもしれないし。でも同じ座標にいるかもしれないし…」


「まあ。やってみるのよ…

キラは、カザー星系のミミアを迎えに行って。あたしはカザー星系に乗り込むから…

あなたも来てね…」


 キラはララお姉さんの膝枕が恋しかったが起き上がった。

 ララお姉さんは自分のTMRを呼び出した。仮想デバイスのTMRが腕に浮かび上がった。


「ちょっと。ララお姉さん。服。服を着ないと…」

 あ。そっか。私は今パンツ姿だったっけ。とララお姉さんは立ち上がって別の部屋へと歩いていった。

 ちゃんと服を着たララお姉さん。


「じゃ僕はミミアを迎えに行ってくるから…」

 キラはララお姉さんと別れた。


☆☆☆


 ぽーん。部屋のチャイムが鳴った。

「何よもう。いいところなのに…」お菓子を食べながら動画を見ていたミミア。

 端末を手に取って「はーい」と言う。


「やあ。僕だよ。キラだ。ちょっといいかな…」

「めんどくさい。明日にして…」

「わかった。じゃあ何時?」キラは端末の向こうから聞いている。

「じゃあ10時」ミミアは言った。

「わかった。じゃあすぐに行くね…」キラの画面は消えた。


……


 10時ぴったり。ぽーん。部屋のチャイムが鳴った。

 キラは次の日の10時に移動していた。

「あー。キラね。入って…」ミミアは部屋のドアを遠隔で開けた。


「起きたようだね… 実は…」キラは今までのいきさつをミミアに話した。


「そうなの… まあ敵対するあたしたちに声をかけたのは、異世界へと移動できる自動ドアが目的ね… まあ私の権限があれば使えるけど。ボスをごまかさないとね…

ユキ君がピンチならしょうがないか。後でユキ君をもふらせてね…」


「いいよ。好きなだけ…」

 キラは勝手に返答をする。


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