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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
けもの耳の子達とのふれあいとSFちっくな日々
20/138

カザー星系の悪だくみと魔法少女(3)それと絶体絶命のピンチ。神系のララ。


「ステッキを上にかかげて、『へんしーん』と言うのだ」さぁさぁ。

 というひげおやじのカザー星系のボス。


「へんしーん」

「体重が軽くなりますように…」

「変身」

 ヒメル。ミアお姉さん。みのるが言った。また違う言葉を言っている人がいる。


 ヒメルの体が光につつまれて、ヒメルの服が一瞬で消えた。そして1秒後新たな服が具現化した。服の具現化までちょっと間が空いた。


「いやん。ちょっと見たでしょみのる…」ヒメルがみのるのほうを見る。

「ちょっとだけな… ヒメル。姿が変わっているぞ…」

 ヒメルは自分の姿を見る。メイド服だった。それに何か違うものがある。ヒメルがくるっとまわると、それもくるっと回って、見えない…


 気絶していたちびっこ達は、起きていてヒメルを見ている。

「ねこー」

「猫のおねえさん」

「キャット娘じゃな…」

 ヒメルは鳥のハーフなんだけど、完璧なネコミミメイドお姉さんになっていた。

「あーネコミミと尻尾。これ新感覚。尻尾が動くよ。ほら」

「良かったな。猫になっているヒメルもかわいいぞ…」

「あら。そうかしら。にゃーん。みのるぅ」

 ヒメルはみのるお兄さんに甘える。

「なーでなで」みのるお兄さんは、ヒメルの頭をなでなでする。そして耳の付け根をこりこりとする。

 さらに、あごの下をかいてあげる。

「あにゃーん。これ。いい。すごく気持ちいい… もっとあごの下。かいて…」

「ほーれほれ…」


☆☆☆


「ちょっと二人ともじゃれてないで、ほらみのる」

「わかった」みのるはステッキを上に再びかかげる。

 するとみのるお兄さんは光だして、下から現れた円が上に移動する。

「な。なんだこれ…」少し高い声。そして容姿がかなり変化していた。


「み。みのる。それって」ネコミミメイドのヒメルがみのるだったものを見た。

 みのるはインコのハーフのお姉さんになっていた。

「みのるが女の子になっている。しかも鳥のハーフ…」

 みのるは、背中に生えた羽をばさばさと動かしている。


「お。羽があるぞ。飛べるのか…」


「ああ。いい。みのる。あたしと同じ鳥のハーフになっちゃった。しかもインコ…

あ。そうだ。みのる。あたまをなでてあげる。鳥の気持ちを教えてあげる…」

 ヒメルは、みのるのあたまをなでる。ヒメルは自分が鳥だから、どこをどのようになでてほしいのかわかっている。気持ちがいいようにみのるをなでなでし始めた。


「お。おお。なにこれ…」みのるは目をとじてうっとりした。


「気持ちいいでしょ。天国みたいでしょ…

あたしはみのるにかいてもらっているとき、こんな気持ちなんだよ…」


「おー。なんかすげー。ものすごく気持ちがいい。むずがゆいところも。一気に収まって気持ちがいい。これいい」


「あと、あたしたちの学校にある『なでなであんど、肩たたきマシーン』も最高なのよ。

あれに頭をこすりつけるといいの…」

「そうか。そうなんだな。これか。これならいい。んーん」

 すっかりヒメルとみのるは二人だけの空間にいるみたいになっていた。


 ミアお姉さんは、二人を無視してステッキを再び上にかかげる。

 ミアお姉さんの頭上から光の円が下に向かって、お姉さんの体を潜り抜けていく。

 一瞬でミアお姉さんの着ていた服が消えて、0.5秒ぐらい素っ裸の恰好になる。

 光が潜り抜けたところは変身が終わっている。

 終わっているはずなんだけど。


「あー。なによこれ。下着姿のままじゃない」

 ミアお姉さんは、ランジェリー姿となっている。フリルが多めについた黒い下着。下はパンツのままではなくて、寝着の丈が短い薄いスケスケの黒いスカートみたいなものになっていた。その下からは下着であるパンツが見える。


「あっ」

「えっ」

 ユキ君はミアお姉さんをじっと見てしまう。うわぁ。下着姿。なんかエロティック。スタイルがいい。ぼん。きゅ。ぼん。だ。胸の大きさも何カップ?あるんだろう。


 ユキ君の目に、ミミちゃんの尻尾の先がはいった。

「ぎゃー。尻尾が。目に入った。目がぁ。目がぁ」

 どこかで見た風景となった。


「動物が具現化するわよ…」

 今度は近くで動物が具現化した。


「はっ」

「えっ」

 見た。それはニワトリの卵だった。1つだけ。巨大なたまご。直径20メートルはあるかというたまご。


「たまごじゃない…」


「ふっふっふ。3つのボタンはあの中だ。あの殻は簡単には割れんぞ…

どうすればボタンを押せるんだろうな…くっくっく」ボスは意地悪そうに言った。


「ねえヒメルどうしよう…」ミアお姉さんはヒメルのほうを見る。

 ヒメルはそのころ、猫の尻尾をふりふりしながら。みのるお兄さんの頭をなでなでしていた。


「あー。絶対あの二人。私たちのことを忘れているわね…」

「そだねー」

 ミミちゃんとラミちゃんはヒメルとみのるお兄さんのほうをみて言う。


……


「もう。しょうがない。あたしが最初にやるか…

えーとステッキは使えるかな…

えーい。くだけろー」

 ミアお姉さんは、ランジェリー姿のままステッキをふった。

 光がたまごに向かって飛んでいく。

 

 ぱん。光がたまごに当たった。するとたまごの前にゲージが現れた。『2/1000』

 もういちど。ミアお姉さんはステッキをふった。ゲージは『4/1000』


「なによ。あのゲージ。ちっとも減らないじゃない」


そのときステッキから声がした。

「まもなくエネルギー切れになります。充電の方法は、ステッキを両手で持って前につきだし、

体をくるくると回転させると充電できます。かならず両手で充電してください。

100回まわると、エネルギーが満タンになります。

あと、『変身』を2回残しています。変身してから攻撃すると威力があがります」


「何よ。それ。って。両手でくるくるまわると。パンツ見えるじゃない…」

 ミアお姉さんは気が付いたようだ。

 しょうがない。やるか。

 くるくる。くるくる。低速でパンツが見えないように回る。

「回転速度が足りません。スピードを上げてください」とステッキから声が聞こえる。

「もーわかったわよ。わかった。ユキ君みのる君はあまりみないでね。ってまだみのるはヒメルと二人のラブラブ中か…」

 ミアお姉さんは、ヒメルとみのるがくっついているのを見る。


「後ろ向いていて。ユキ君。見たら尻尾だから…」とミミちゃんに言われ、僕は後ろを向いた。


 ミアお姉さんはくるくる。まわり始めた。

 寝着の丈が短い薄いスケスケの黒いスカートがめくれて、ミアお姉さんのパンツがみえる。


☆☆☆


「ぐほっ。これは永久保存にしないとな…」ひげのおっさんはモニター越しに、ミアお姉さんの下着姿をがん見していた。


 ぱーん。いい音がした。ボスの頭に白い紙のようなものがたたきつけられて音が鳴る。


「何みているのよ…」ミミアがいつのまにか部屋に入ってきていた。


「お前。ミミア。手に何を持っているのだ。痛いぞ…」


「あー。これね。ハリセンというのよ。ほらっ」ぱーん。


 頭のてっぺんを叩いた後、今度はボスの顔にハリセンをたたきつけた。


 顔にハリセンとはひどい「ミミアなんで怒っているのだ…」ボスはミミアに聞いた。


「そんなの見てわからないの? ミアとあたしはそっくりなのよ…あたしの下着姿がじっくり見られているみたいじゃない…」かなりかんかんになっているミミア。


「いいじゃないか。お前もあの下着を着たらああなるんだな…」

 ぱん。ぱん。ぱん。ボスの顔にハリセンがたたきつけられた。


☆☆☆


 やっとステッキのエネルギーが満タンになった。

 えーと確か。2回変身を残しているんだったわよね。


「もう一回変身するってこと?」


「うむ。そうだ。『変身』と言ってステッキを上にかかげるといい。くっくっく」ひげのボスはハリセンで殴られた顔を赤くしながら言う。


「じゃあ。『へんしーん』」ミアお姉さんは言った。すると円の光が頭上から現れて光の輪が身体を潜り抜ける。


「何これ。まだ下着姿のままじゃない。あ。でもスカートは変化しているわね…」

スケスケの黒い寝着だったけど、丈もちょっと長くなってスケスケではなく、黒いスカートになっている。


 あ。ミアお姉さんは違和感に気が付いた。これって。も。し。か。し。て。

 ミアお姉さんは自分の手をスカートの中に入れて太ももをさわる。そして上のほうに…

 あ"。ない。パンツがない。


「ちょっとなによこれ!」半分涙目で言う。


「なんだ。不満か。変身してレベルアップしたのだよ…パンツを無くしたことにより、攻撃力が上がったのだ。攻撃してみればいいだろう」


 涙目のミアは攻撃した「くっそーえいっ」どがん。すごい衝撃。

 ゲージは『493/1000』になった。


「えーい。もう一回。それっ」どがん。さっきよりは弱い衝撃。

 ゲージは『693/1000』になった。

「まもなくエネルギー切れになります。充電の方法は、ステッキを両手で持って前につきだし…」

 ミアは切れた。怒ってステッキを地面にたたきつけた。


「しょうがないわね。いいところだったのに… ねえ。みのる。あれでいきましょ」

 ヒメルとみのるお兄さんは、ラブラブ空間の中にいたが、加勢することにした。


「いけぇ」ヒメルとみのるは同じタイミングで、ステッキをふりまわした。

 ぱん。光がたまごに当たった。するとたまごの前のゲージは『1000/1000』になった。

 たまごが輝きだした。そして…

 ぽん。たまごは10個に分裂していた。そしてゲージは『0/1000』になっていてゲージの数も10個となっていた。


「なによあれ…」そしてまた、たまごが光りだした。

 ぽん。1つのたまごは10個に分裂していた。つまりたまごの数は100個になっていた。ゲージの数も『0/1000』が100個。


 ぶちっ。何か音がした。

 ミアお姉さんは立ち上がって歩き出し、たまごの1つの前に立った。たまごはものすごく大きい。


「ねえ。たまごちゃん。さっきあたしが1つ壊したはずよね…

卑怯じゃないかしら…今は分裂して100個。お。ね。が。い。だから1個になってくれないかしら…

もし言うことを聞いてくれないのだったら。ひどいから…」

ゆっくり。おだやかな声でたまごに話しかける。ミアお姉さん。

 ぷるぷると巨大たまごが震えだした。


 ぽん。ぽん。ぽん。たまごがひとつづつ消えていった。そして最後に残った1個。

 ミアお姉さんがやさしく、たまごの表面をなでる。


 がたがた。震えていたたまごのゲージが勝手に『999/1000』となる。

 ミアお姉さんがたまごをやさしくなでた。

 たまごのゲージが勝手に『1000/1000』となり、たまごの殻は光を残して消えた。中身は1メートルぐらいの大きさのひよこ。

 ぴよぴよと鳴いている。そのひよこの背中にボタンが3つあった。

「これね…」ミアお姉さんは。ぽち。ぽち。ぽち。とボタンを押した。


「なんだそれは。反則だぞ… 100個のたまごを破壊するのはどうしたんだ…」


「いいのよ…えーとね。ひげのおじさん。後で会ったらどなるか。わかるわよね…

待ってらっしゃい…」ミアの言葉に背中が凍り付くボス。


「ふ。ふん。まあいいだろう。クリアだ。よーし通常空間に戻す」


☆☆☆


最初の睡眠カプセルがある部屋に戻った。


「何もどったの?」

「もどったー」

「たのしかったー」

「あたしはつかれたわ」

「そうね」


「くっくっく。それではそこは展示会の会場から切り離されている宇宙カプセルの中だ。今から呼び寄せて、わしらのいる施設にドッキングしてやろう…」

 ボスはコンソールを操作する。


「ん。あれ。おかしいな…」

 ボスはコンソールを操作するが、この宇宙カプセルと思われる部屋は動かない。


「なんだ。どうしたんだ…」ミミアがボスのそばへ歩いて行く。

「いや。おかしいのだ。カプセルが言うことを聞かないんだ。リモート操作の通信がとどいていないようだ…」


「じゃあ。自動ドアであけて、あの部屋へつなげるとしよう」

 ミミアは壁のほうに歩いて行く。「あれ。おかしい。あたしのTMRデバイスに『今は使用できません』と表示があるぞ…」


「なにっ。キラはどうなんだ…」

 キラが出てきた。「えーとね。どうだろ。ちょっと待って… あれ。おかしいな。僕のもだ。こんなこと今までなかったのに…」


「ちょっと。なんでキラがいるのよ…」ミミちゃんはキラを見た。

「キラはてきだった?」ララちゃんが言う。


「今はそれどころじゃないよ。ちょっと待っててね」キラはデバイスを操作しようとする。


 僕、ユキは思った。宇宙カプセルは動かない。これはやばい?

「ねえ。ミアお姉さん。これ動かせる?」僕は聞いた。


「うーん。動かし方はわからないのよ… あたしがミミアだったらわかるんだけど…」

 とミアお姉さんは返してきた。


 トントン。僕ユキの方が誰かに叩かれる。

「ねえ。あれは何?」ミミちゃんが指をさす方向を見る。


☆☆☆


「あれは何だ…」ちょうど同じころ、コンソールを見ていたボスが気が付く。


「何。あれ…」

 それは、球体の黒いもの。黒いみたいだが、黒でもない。何もない。

 球体はちょっと大きくなったり、小さくなったりして、部屋の隅に浮かんでいる。

「あたし。怖い…」ララちゃんが球体を見て言う。ララちゃんは僕ユキの後ろに隠れて、袖をぎゅっとつかむ。

「なんだろ…」球体はゆっくり動いていて、急に大きくなった。ちょうど部屋の端に飲み物を置いてあったテーブルのそばまで膨らんだ。


「あ。あ。あれ…」僕ユキは、テーブルを見た。テーブルは半円の形にえぐれていた。


 やばい。絶対やばい。


 ごごご。音がした。球体から水滴が少し落ちた。

 すると、その後に球体が少し大きくなり、水がざばーと落ちてきた。


「なによあれ」ミミちゃんが後ずさる。

 ミアお姉さんは反対の部屋の端にいる。


 ごごご。

 球体が大きくなり、一気にあたりは水で覆われた。

 ユキは足元がすくわれた。


「うわ」ユキは手を伸ばす。誰かの手が触れた。


 ごごご。

 球体がでかくなり、一気に水がひいた。


「がほっ」水を飲んだ。誰かの手はララちゃんのだった。

 ミアお姉さんは壁の近くの柱をつかんでいた。

こんこん。と咳をして、水を吐き出した。なんとかなった。ああ。溺れるかと思った。

 そうだミミちゃん、ラミちゃんはっと。僕はあたりを見た。

「えっ…ほかのみんなは?」僕ユキはあたりを見る。


 黒い球体。僕。ララちゃん。ミアお姉さん。ほかの人は消えていた。


 青ざめた顔をしているミアお姉さんと目が合った。


 どうしよう。これ。絶対やばい…


 ぽた。

 音がした。


 さっきは球体から、水がぽたぽたと落ちていた。その後あたりは水に包まれた。

 こんどは、赤いもの。すごく温度が高い何か…あれはマグマ? それとも高熱で溶けた固体?

 なんか、赤いものから熱気を感じる。


 もし、あれがあたり一面に広がったら…

 絶対にやばい。


☆☆☆


ねえ。もしね。こんなことがあったらどうしよう…」

 突然、ララちゃんの声が聞こえたように感じた。


 あ。あれ?

 音が消えた。

 僕ユキは周りを見る。止まっている。


「はーい。ユキ君。こんにちは…」後ろから声がして、後ろから抱きつかれる。

 頭の上からうさ耳が垂れてくる。これは???


「あたし。ララ24歳よ…

この世界の時間を一時停止しちゃった…

あたしは、未来から来たの…

あたしが覚えている結果と異なっているから介入するわね」


「これって…」ユキは上を見上げる。見たことがある大人のララちゃんだった。


「あたしは。すでに死んじゃったの…」


「えっ」ユキはララちゃんを見上げながら言う。


「あはは。大丈夫。あたしはきちんと、寿命をまっとうして死んだから…

102歳よ。老衰でね。みんなあたしより先に逝っちゃうんだもん。あたしがみんなを見送ったわ。

でね。あたしは若いころに『どじっ』ちゃって、死ねない感じになったのよ…

そうね。神様みたいなものね。あなたたちのいる世界の上層の世界へとあたしの存在はシフトしちゃったの。それで、ユキ君のいる世界とか、隣の世界とか。未来とか過去とか。全部見えるようになっちゃった」

「…」ユキはララを見ながら。理解しようとしていた。


「でね。このままだとみんな死んじゃうから。時間そのものを戻すというか。なかったことにするわね。

 さっきあたしの小さいころの声が聞こえなかった?『ねえ。もしね。こんなことがあったらどうしよう…」』とね」


「うん。聞こえた…」


「そうね。文章で例えると会話文。普通は最初にかっこがあって、閉じかっこで会話が終わる」

「うん…」


「さっきのララちゃんの声は開始のかっこがないのよ。文章にたとえるとね…」

「ん?」僕ユキは考えた。


「文章だったら、前にもどって読めばいいわよ…で。ララちゃんの最初の始まりのかっこは

睡眠カプセルの展示室に入る前。展示物がない廊下を歩いているとき…

『「あのねー。えーとね。たとえばねー。』と聞こえなかった?」


「うーん。ララちゃんが言っていたような…」

「それが会話の閉じかっこがない箇所。

だから。さっきまでの事象はララちゃんのたとえ話に転化しちゃったの」


「へっ…」僕はわからなかった。


「つまり、起きた現象。起こってしまった現象を、ララちゃんのたとえ話に転化しちゃったの。

さっきまでの出来事は、ララちゃんの会話文のたとえ話になったのね。

この後一時停止していた時間を戻すけど、場所は睡眠カプセルがある展示室に入る前。

廊下を歩いているときに戻るからね…

そこで。ミアお姉さんと、ミミアお姉さんを入れ替えるの…」


「はっ。何を言っているのか…」


「えーとさっきの事故は起こるんだけど、ミミアだったら宇宙カプセルを操縦できて、みんなはあの球体が引き起こす事故の範囲から、事故が起こる前に脱出できるの…

だからあなたたちと一緒にいるのは、ミアお姉さんではなくて、ミミアにするの…

じゃあね。いつか会いましょう…

って、時間があるから言うけど。たまにララちゃんの意識と入れ替わることがあるから…」

と、時間の一時停止と、ララお姉さんの気配は消えた。


☆☆☆


 僕ユキは、睡眠カプセルのある部屋から出て、キラと会った。

 ミミアお姉さんが、ミアといつのまにか入れ替わっていたのに気が付かなかった。

 あのランジェリー姿をしていたのはミミアお姉さん。

 ボスは後で、カンカンに怒ったミミアに腹をパンチされていた。


 僕は無事なみんなを見た。

「はーい。ユキ君。こんにちは…」後ろから声がして、後ろから抱きつかれる。

 頭の上からうさ耳が垂れてくる。これは???

「あたし。ララ24歳よ…

再び登場…

また時間を一時停止したから…」


「ララお姉さん…

いったいこれは…」


「うまくいったようね…

この体はあたしが24歳のころの体なんだけど、本来のあたしはウイスキーボンボンを一気食いして寝ちゃっているのよ…意識がないときに体を借りて、体に埋め込まれているTMRを使って移動してきたの…」


「そうなんだ…」


「えーい。ゆっきくん。ゆきくん。すりすり」ララお姉さんは。また僕をもふってきた。


「うわぁ」僕はララお姉さんにぎゅっとさらに抱きつかれてスリスリされる。


「やっぱりいいわぁ。これ。すりすり。充電しちゃお」思う存分。すりすりして充電するララお姉さん。


「さてと。じゃあ行くわね。一時停止していた時間を戻すから… じゃねー ユキ君。またいつか…」


 一時停止していた時間は動きだした。


「さてと帰ろうか。ごめんね。こんなことにまきこんじゃって。あとで埋め合わせはするよ…」

 キラはみんなに謝っている。


 キラの空けた自動ドアをくぐって、僕たちの時代に帰ることにする。


 あ。いろいろありすぎ…

 ララお姉さん(神さま)に抱きつかれたときに背中があったかかったのを思い出した。

 それにウィスキーのにおいとチョコレートの匂いがした。



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