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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
けもの耳の子達とのふれあいとSFちっくな日々
16/138

ララお姉さんのTMR

 あたしララは家で遊んでいたときだった。


 床に丸い円が現れてネコが実現した。

 見たことがない猫。灰色と黒のしましまもよう。


「あなたもみらいからきたの?」ララは猫に言った。

 しましまのネコは。床をタッチして言った「そうじゃ。未来から来た。ちょっと仕事でな」

 その後、きゃん。きゃんと咳をするしましま猫。


「大丈夫?」ララちゃんが心配をして、しましま猫に聞く。

「大丈夫じゃ。少し体が悪くての… 年よりじゃから」床をタッチして言う。


「たしかにねー。クロと毛並みが違う。硬くてごわごわ。少し白いところも混じっているし…」

 ララちゃんはしましま猫の背中をなでながら言う。


「それは白髪じゃ… 猫も年をとると、白髪が出てくるのじゃ」

「そうなんだー。じゃあ。あたしは? もともと白いよ」とララちゃんは自分の腕を見ながら言う。


「おまえさんは。白うさぎじゃからな。どうなるんだろう。わしにはわからんな…」

 床をタッチしてララちゃんと会話した後に、きゃん。きゃんとまた咳をする。


「3日ほど。ここをねぐらにしていいじゃろうか…」と猫が言い、ララは「うん。いいよ…」と返した。


☆☆☆


 その次の日。きゃんきゃんとまた猫が咳をして… どてっと倒れた。

「おじいちゃん」ララはおじいちゃん猫をおじいちゃんと呼んでいた。


床をタッチして言った…「すまぬが。緊急じゃ。わしの手を床にタッチしてくれんかの…ちょっと右のほうじゃ…」

「大丈夫? 苦しい?」


「ちょっと苦しいが大丈夫じゃ…転送するぞ… お前さんも来てくれんかの…」と床をタッチして言った。

 床に丸い円の光。


「これから緊急シーケンスを開始します。転送者は準備をしてください…」

 という声が流れる。

 ララとおじいちゃん猫は消えた。


☆☆☆


 場所が変わってた。


「ここは…」

 また、猫はきゃんきゃんと咳をする。

「すまぬが… あそこの棚から薬を取って、皿にあけてくれんかの…」おじいちゃん猫が床にタッチして言う。


「うん。これー?」

「そうじゃ…」


「はい。おくすり…」ララは容器に薬をあけてあげた。

 猫はぺろっと。薬をなめてから、水を飲んだ。


 ララは猫を見ながら待ってた。

「だいぶ。楽になったのじゃ…」床に座ったままおじいちゃん猫は床にタッチして言う。


「ここは未来じゃ。未来のカザー星系のミミアの部屋じゃ…

ある任務でお前さんたちの時代に来ていたが…もう年じゃ。

引退することにする。そこでじゃ。わしのTMRをもらってくれんかの…

さっきバージョン表示が変わっての…

末尾が0になったのじゃ。これは特別なバージョンのTMRになったのじゃ。

将来きっとおまえさんの役に立つだろう…

狐耳のお姉さんに会ったらアップグレードしてもらえるのじゃ…」

とさっきよりは楽な感じで、猫はララに言った。


「そーなの?」


「そうじゃ。これをつけてタッチすると元の世界の時間に帰れるぞ。で。時が来るまでTMRを持っているのじゃ…」とおじいちゃん猫。


「で。おじいちゃんは大丈夫?」

「そうじゃな。薬のおかげでおちついたのじゃ…」床をタッチして言う。


「じゃあ。かえるー。元気でね。おじいちゃん」ララはTMRをタッチする。床に円の光が出てララは消えた。


☆☆☆


「ねー。クロ。あのね。さっきね。おじいちゃんとあったのー」ララは無邪気な感じで、ミアお姉さんのところに来ていたクロに言った。


「なんだ。おじいちゃん? お前のおじいさんか?」クロは床をタッチして言った。


「ちがうよー。ねこー。猫のおじいちゃん。未来から来たって…ミミアの猫っぽい…」


「そうなのか…大丈夫だったか?」ミミアの猫。敵だよな。とクロはララちゃんを見た。


「大丈夫ー。そのおじいちゃん。『きゃんきゃん』て苦しそうに咳をしてたの。

その後、どてっと床に倒れて、きんきゅうシーケンスをかいしとかって音が聞こえて…」


「うん。だいたい。わかった」クロは床をタッチして言い始めた。

 どうやら猫のタイムトラベラーの身に何かあった時に5歳ぐらいの子供なら一緒に転送ができるということを説明した。座標がずれる可能性があるので危険なんだけど、緊急時だからしょうがない。


「ララは。そのおじいちゃんから、TMRをゆずりうけたんだね?」とクロ。

「そうー。もらったのー」ララちゃんは猫用のTMRを手首につけていた。


「将来使うときまで持っているんだ」とクロが言う。

「おじいちゃんにも言われたー」とララはクロをなでながら言う。


☆☆☆


 ララ12歳の時代。


 公園で遊んでいたララのところに、狐耳の女性の人が近づいてきた。


「ねえ。あなたララちゃん?」


 女の人が聞いてきた。「うん。あたしララ。おばさんは?」


「おばさんではないのよ… お姉さんよ…」とララちゃんの頭をなでながらお姉さんは言う。


「うん。お姉さん」ララちゃんは訂正した。


「ララちゃんは、猫さんから譲り受けたTMRデバイスを持っているわよね… あたしに見せてくれる?」


「えーとね。持ってる。何で知っているの? お姉さんは誰?」ララちゃんは無邪気に聞く。


「あたしはねぇ。TMRデバイスを管理している人よ… やっぱり。

バージョンの末尾が0ね…ちょうどいいわ…」


 ララちゃんのTMRを受け取って、女の人が持っている本の最初のページに挟む。


「アップグレードをするわね… ちょっと待っててね…」

 少し待っていると、TMRデバイスが本の最終ページに移動していた。


「はい。終わった。ララちゃんはまだ小さいから、10年後に使えるようにロックしておくわね…」


「えー。小さくないよ…身長は158cmだよ」


 お姉さんは、くふっと笑ってから、ララちゃんの頭をぽんとなでる。

「身長じゃないわよ…年齢よ…」

 ララは成長していて、クラスで一番身長が高くなっていた。それに胸もふくらんできた。


☆☆☆


 時が流れ、ララが22歳になったある日。


 公園のベンチで、ファーストフード店で買ってきたパンを食べていたララお姉さん。


「こんにちは。元気?」10年前に会ったおねえさんが声をかけてきた。

「えーと確か…TMRのお姉さん?」記憶をたよりに、ララは言う。


「そうよ。あなたすっごく大きくなったわね…」

「身長は175cmあるの…」ララはお姉さんに言う。すっかりお姉さんと身長は逆転してしまった。


「そう。あなた22歳?TMRは持っている?」

「うん。22歳になったの。それとTMRを持ってる。二の腕にはめているわよ…」


「じゃあ。機能アップグレード作業と。アクティベート作業をするわね…」


 とお姉さんに言われ、ララはTMRを外す。

 お姉さんは。本を使って機能アップグレード作業をする。 

 お姉さんの通信デバイスから音が鳴った。


「ちょっと待っててね」

 お姉さんは席をはずし、通話をする。


☆☆☆


「ねえ。ララちゃん? アルバイトをする気はない?」


「アルバイト?」


「そう… あたしね。退職することにさっき決めたの…

子供ができたの。さっきのはその電話だった」

 お腹が大きくなっているとかではない。きっとDNAパターン交配かな。

「おめでと。良かったわね…」


 その後お姉さんのオフィスまで移動し契約書を書いた。


「あなたの未来や過去のことを調べてみたけど問題ないみたいね…

TMRの機能を管理者用のものにしておいたしバージョンは0210。

黄色表示だから20000台よ。あなたの友達のTMRを管理するのよ…」


「管理って何」


「タッチしてTMRをサーチしてみて。表示がでてくるわよ…」

「あ。本当だ。矢印が数本。矢印の先に持ち主の名前が出てる。

これはクロの?

ちょうど今日はクロが未来から来ていた。

そしてこれはシロの?」

 あと、地面を向いている矢印の先にキラの名前がある。


「このTMRから個々のTMRの機能を止めたり、テストデバイスに割り当てもできるのよ…

1年に一回。1時間TMRを含めるデバイスのメンテナンスが行われるの。そのときに使う機能も説明しておくわね…」

 お姉さんからほぼ全部の説明を聞いたララちゃん。


「これであたしも自由に移動できるの?」

「そうね。過去8000年から未来8000年ぐらいまでね」

 TMRは実体がない仮想インターフェースとなった。


☆☆☆


「んーん」ララちゃんは背伸びをして、腕を伸ばした。


「さて。過去にでも行ってこようかな…そうね。初めてミミアお姉さんが地球に遊びに来たのはいつだっけ? たしか日記に書いてあったような…」

その時期に合わせて、キラも来るはず…


 ララは家で待っていると、キラが現れた。

「やっほ。ララ」

「あのね。あたしもTMR使えるようになったのよ…」


「そうなの。おめでと。ちょうどよかった、ユキ君が14歳のときの時代にミミアを連れて遊びに行くんだけど、あなたも来る?」


「うん。行く」


 このあと、ユキ君はララと、ミミア、ミアお姉さんと交えて、もふられることになる。


 これはララがTMRデバイスを得たときのお話し…


☆☆☆


 ミミアは上司に呼ばれた。

「おお。よく来たな」

「あなたが。私の新しい上司ね…」

「うむ。そうだ…」

 前の上司は仕事で失敗した責任をとるために、辺境の地域へ移動させられた。

 新しい上司が決まるまで、ミミアは有給休暇をとって、旅行に行ってたのだった。


 まえの『くそじじい』よりましみたい。気が難しそうな年配のおじさま。

 上司は上着をはおった。軍服みたいなもの。いかにもすごく偉そうな人が来ている上着。

 勲章みたいなものがずらりと胸のところに並んでいる。


「何それ…」


「やっぱりこれでないと。雰囲気がでないな。どうだ。とても偉そうだろう…」

「はいはい。そうですね。

 そういえば。この会社に勲章がもらえるものってあったっけ?」


「いや。ないな。この勲章は安物だ…」


 はあ。ミミアはため息をついた。


「なんだ。ばかにしているのか?」


「いえいえ。そんなことはないわ」


「まあ。いい。近いうちに計画を実行に移すことを考えている。まずは、そうだな…

地球のあの3人をターゲットに偵察してほしい」


「わかりました。報告は端末のほうを見ればわかるようにしておきますので…」


「うむ。では下がってよい」


「じゃあ。失礼します」

 ミミアは部屋を出た。素敵な上司ではなさそうだ。変なことにならないといいけど…


☆☆☆


 マトラ星系のある建物の一室。


「えーと報告があります。カザー星系の部署に新しいボスが着任したとのことです」

「そうか。そやつはどうなんだ…」

「えーとですね。前のボスよりは、できる人なんじゃないでしょうか…」

「そう… まあ。大丈夫でしょ。監視を続けるのよ…」

「わかりました」

 何か行動があるとみえて、警戒することにした。


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