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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
ここは異世界だけど日常に戻ったユキとキララ
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ここは異世界だけど自分の家

 日常だけど違う世界。


 悪意のある転送装置で違う世界へ転送されてしまったユキとキララ。それと異世界から来たララお姉さん。

 ララお姉さんは一足先に戻ってしまった。


 次の日。


 キララとユキはラミちゃんやミミちゃんに旅行中に転送されたことを話した。


 元々のこの世界のキララとユキが戻ってきてないので、たぶん異世界に転送されたのではという話をした。


 まずは、世界間の移動ができるTMRを持っている異世界から来たララお姉さんを捕まえることにする。

 前日の僕たちがこの世界のララお姉さんを訪ねた時間帯。そのちょっと後にTMRで行くことにした。


「僕が自動ドアを開くね」ユキのTMRはキララのとリンクしているので、ユキが開けることにした。

 キララが許可して自動ドアを開くはずだった。

『この場所と時間帯には開くことができません』

 という表示が出た。


「なんで?」


「わたしがやってみるよ」

 キララも同じようにしてみるがだめだ。


 なんで?

 ちなみに一日後の日を指定するとOKのようだった。

「とりあえず行ってみよう」

 キララが自動ドアを開ける。


☆☆☆


「こんにちは。ララお姉さん」

 玄関で言い、あがりこむ。

 テーブルの上に雑誌を広げて読んでいるララお姉さんがいる。


「どうしたの?」とこっちを見ているうさ耳のお姉さん。

「えーとね。昨日。私達がララお姉さんと一緒に来たでしょ」

 とキララが言う。


「うん。ありがとね。お土産…」

 ララお姉さんが言う。


 キララは「えーとね。昨日の時間帯のここに来ようとしたんだけど…自動ドアが開けられないんだよね」

 と言うとララお姉さんは「え? 当然でしょ。自分たちがいるところの近くには開けないし…そんなのわかっているでしょ」

 と当たり前のことを聞くのねという顔で答える。


「え?」

「え?」

 僕とキララはお互いの顔を見る。


 僕はララお姉さんに言う。

「え? そんなはずはないよ。今までもそんな制限なかったし…ねえキララ」

「うん。私もそうだと思うんだけど…」

 と言うと…


「あの。ひょっとして。あなた達のTMRはここの世界のTMRと違うの?」


「え?」

「うん。たぶんそうだけど…そんな制限聞いたことないし…」

 と言うとララお姉さんが考え込み、ちょっとしてから顔をあげて言う。

「じゃあ。世界間の転送はできないだけで、他に制限はないのね」


「うんたぶん…」


「そうなんだぁ。いいなぁ。私のも自分がいるところには移動できないし…」

 と言うララお姉さん。


「だとしたら、過去の僕の家には行けないの?」

 ユキは小さい幼稚園児のララお姉さんが僕の家にいるので、そのままだとララお姉さんは家に来ることができない。

「そういうわけじゃないんだけど…自分と近い年齢というか直前、直後と言うか。なんていうのかな。実験したことはないんだけどね。1週間より離れている自分自身だと大丈夫だよ」

 とララお姉さんが言う。


 この世界でTMRを使うときは、この世界のTMRの制約が課せられるらしい。

「じゃあ。昨日。ララお姉さんに会ったときに言えば良かったのか」

 とキララが言う。

「昨日に戻るのはだめか。ララお姉さんに頼んで世界と世界の間を移動して探そうと思ったのに…」

 と言うと…


「ねえ。自分たちがどこの世界から来たかわかる? 元々のこの世界のキララちゃんとユキちゃんも探さないといけないんだし…」

 ララお姉さんが言う。


 たしかにそう。


「どうしよう」

 僕はララお姉さんに聞く。


「そうね。じゃあ。ここ」

 ララお姉さんは自分の膝を手でぽんぽんする。


「え?」


「ユキ君を抱っこして。ぎゅっとしていたら何か思いつくかも…」

 と言ううさ耳お姉さん。

 ニコニコしている。


 僕はキララを見る。


 キララはララお姉さんの膝を示した。


 しょうがない。


 子供じゃないんだけどね。

 仕方がなく長身のララお姉さんの膝の間に座る。


 座ると、ララお姉さんは僕の腰に手をやって、持ち上げて膝の上に乗せる。

 そのままぎゅーと抱きしめてきた。

「この感じちょうどいい…少しちっちゃくなったかな」

 と言うララお姉さん。

 とりあえず。されるがままにしている。


 ララお姉さんは僕をぎゅーとしている。そしてリラックスして考えているのか。うーん。うーんと言っている。


 で。

「わかった。えーとね。2日前に行って、この家で待っているといいのよ」

 とララお姉さんが言う。


 場所と時間に制限があるのなら、前の日に行くのがいい。

 ということだった。


☆☆☆


 2日前の夜。

 ララお姉さんの所に訪問して、今までのことを話す。

「いいわよ。入って…」

 ルンルンな感じのララお姉さん。


 ごはんは食べた後なので、少ししたら寝るだけの時間帯だったが…

 ララお姉さんが自分の寝床に手をぽんぽんとした。

「いや。さすがにまずいよね」

 とユキは言い、隣の部屋に布団をひいてもらい、キララと隣で寝ることにした。


☆☆☆


 当日。

 異世界から来たララお姉さんと過去の僕たちが訪ねてきた。

 僕たちは先に帰る。


 それを見計らって、ララお姉さんが異世界から来たララお姉さんに言う。

 お客さんがいるのと…


「ほら。出てきていいわよ」とララお姉さんが言ったあと、僕たちは奥の部屋に隠れていたが、異世界から来たララお姉さんの前に出る。

「隠れていたんだ…」

 うさ耳の色がちょっと違うララお姉さんが言う。


「うん。お願いがあるんだけど…世界と世界を行き来できるTMRがいるんだよね」

 とキララが言う。


 うんうんと聞いているララお姉さん。

「ちょっと確認するわね…」

 と異世界から来たララお姉さんがTMRで確認する。

「あー」とララお姉さんが言い、こっちを見て続けて言う。

「たしかにね。TMRを使わずに世界間を移動したことになっているわね。

あなた達の元々の世界から91ずれてるわね。じゃあ…ちょっと待っててね。元の世界へ移動して確認してくるから…」

 とララお姉さんが言い、TMRで自動ドアを開けてから出ていく。


☆☆☆


 出て行ってから、10秒後に戻ってきた。

「はやいね」

 ユキが言うと…

「10秒後に戻るようにセットしたの…あのね。あなた達の元の世界にね。別の世界から転送されてきたユキ君とキララちゃんがいたの。その子達がどこの世界から来たのか調べて、その子達を送り返さなきゃいけないの。その後ね、あなた達が元々の世界へ帰るのは…」

 とため息をついて言うララお姉さん。


「えー。そうなんだ」

 ユキはキララを見る。キララは「うん。たしかにね。同じ世界に私達が2人いるのはおかしいもの」


「じゃあ。ぎゅーさせて…充電してから行くから…君たちの元の世界にいるユキちゃんとキララちゃんが元の世界へ帰ったら迎えに来るからね…」

 とララお姉さんが言い、両腕を広げて、こっち来てという感じにしてきた。


 ユキは立ち上がり、ララお姉さんの両腕の中に入る。

 ぎゅー。10秒間抱きしめられてから異世界から来たララお姉さんは「行くね」と言った。


「じゃあよろしくお願いします」

 キララが言う。


「じゃあまた後でね…かなり後か何日後か知らないけど…」

 と言い残してTMRで自動ドアを開けて出て行ってしまった。


 僕たちは過去に戻ることにした。


☆☆☆


 自分の家に戻ると…

「よお。タヌキ。どこ行っていたんだ」

 と言う子。


 キララは嫌な顔をしてから、わざと足を踏んづけて行く。

「痛いなぁ…」

 と言い、そのままミミちゃんとラミちゃんがいる部屋へ行ってしまう。


 夕食のとき…

「ねえ。このままあなた達はここにいるんでしょ?」

 とミミちゃんが言う。


「うん。私達の家だけど…ここは異世界だからね。いちおうお伺いをたてておこうと思って」

 とキララが言う。


 おばあちゃんは「いいのよ…自分の家だと思ってゆっくりしていていいわよ。ユキとキララちゃんなのには代わりないしね…」

 とニコニコして言う。


 じーと見ているおばあちゃん。

「何?」

 とユキが言うと…

「こっちのユキちゃんのほうが少し小さいみたい…」

 とおばあちゃんが言う。


「たしかにね…」

 ラミちゃんが言う。


「ねえ。2人はつきあっているの? それとももうケッコンしてる?」

 と幼稚園児のララちゃんが急に言う。


 ぶほっとユキは飲もうとしていたお茶を吹きそうになる。

 キララもおかずを食べずにララちゃんを見る。


「えーとね。付き合っているんだけど…結婚はまだ…」

「そう。まだね…」

 と言う。


「そうなんだ。いつもよりべたべたしていないし…でもいつも2人いっしょにいるし…」

 とラミちゃんが言う。


 僕とキララは顔を見合わせる。

「ねえ。この世界の私達は…えーとその。べたべたしているの?」

 キララがラミちゃんに聞く。


「うん」

「そうね。もっとくっついているわよ。写真見る?」

 ミミちゃんが写真を見せてくる。


「うわぁ」

「こんな感じなの?」

 写真には2人してあーんとしている夕食の場面が写っている。

 それと別の写真にはユキの膝の上に横座りをしているキララの姿。

 そのほか。恋人つなぎをして手を握っている僕達。

 キララが僕を後ろから抱きしめている写真。

 ちゅーをしている写真。結構いっぱいある。


 これって…みのるお兄さんとヒメルぐらいにくっついている。

「ねえ。みのるお兄さん達と僕達を比べるとどっちが、べたべたしていると思うかな?」

 ユキがミミちゃんとラミちゃんに聞いてみると…


「どっちもどっちかな」

「うん。そうね」

 と言う。


「うわぁ。すごいね…」と言うキララ。

 あのヒメルとみのるお兄さんもラブラブだけど…あれと同じぐらいとは…

 ふだんのこの世界の僕達の雰囲気がわかった気がした。


☆☆☆


 それから数日。学校へも一緒に行く。

 事前に聞いた話だと、勉強の進みぐあいも元々の世界とあまり変わらなかった。


 でもクラスメイトに言われる。

「喧嘩でもしたの?」と…

 僕とキララは2人一緒に「違うよ…」と言う。


 お昼はユキの膝の上にキララが座っているのが普通だった。


「は。恥ずかしいね…」

 すっかり顔を赤くしているキララ。

 「おちつかないね。こういうところだと…2人っきりとか…ララお姉さんの膝の上に座るのはだいぶ慣れているんだけど…」

 僕自身も落ち着かない。


「よしやろう」

 僕はおもいきって言う。


「うん」

 お昼ごはん。


 2人であーんをしあって食べることになった。

 はずかしい…

 うん。

 2人の気持ちは一緒だが…

 まわりを見ないことにした。

「あい。あーん」

「うん。じゃあ私もあーん」

 お互いのスプーンでお互いのお口の中へおかずを食べさせる。


 ちょっと離れたテーブルの人がこっちを見ている。

「ねえ。なんか。いつもより甘酸っぱい気がしない?」

 という女子生徒の小声が聞こえる。


 それを聞いてさらに恥ずかしくなる。

「おいしい? じゃあこのコロッケ」

「じゃあ。キララはきっとこの卵焼きかな」

 とあーんをしあっこする。

 

 うわぁ。はずかしい…


 でもなんで、この世界の僕達はここまでラブラブになったんだろう。


 はずかしいお昼が終わる。


 その後。午後の授業を受ける。


 学校が終わり家へ帰ると、ララお姉さんが来ていた。

「おかえり…ほら…こっち」

 ひざの上をぽんぽんしてくるうさ耳の先っぽの色が違ううさ耳お姉さん。


 僕はララお姉さんの膝の上に座る。

 最初はソファの上に座ろうとしたが、ララお姉さんは僕の体を持ち上げて自分の膝の上に乗せる。

 だから最初からララお姉さんの膝の上に座ることにした。

 普通に体重をかけて座る。

 座ったあと、ぎゅーと抱きしめてきた。

「状況報告ね。君たちの元々の世界に来ていた子達なんだけど…やっと元の世界がわかったの。

でもね。その世界にも別の世界から来た君たちが来ていたから、その子達も返さないといけないの」

 と言う。


「やっぱり」

 きららが言う。


「時間がかかるの?」

 ユキは聞く。


「うん。まあそれなりにね。でも無限じゃないし…」

 と言いながらぎゅーとしている。


 そのまま10分ぐらいぎゅーとしたままだったが…

「さてと。いったん自分の世界に帰って体を休めてからまた来るわね」

 とララお姉さんが言う。

 ユキは立ち上がるとララお姉さんは「また数日中に来るから…」

 と言い、この家の廊下のほうへと出ていく。

 廊下の壁にTMRの自動ドアを開けて、自分の世界の家の廊下へとつなぐ。

 そのまま帰ってしまった。


 きっとララお姉さんは家の中の廊下と廊下をTMRでつなげて行き来しているんだろう。

 玄関にララお姉さんの靴もなかったし…


「かえったの?」

 幼稚園児のララちゃんが部屋から出てくる。


「うん」

 と言い、ララちゃんの頭をなでる。

「あのららおねえさん。というかじぶんだけど…しばらく抱っこされたままだった。暑かった」

 とララちゃんが言う。


 そうなんだ。と言い自分の部屋に入る。

 隣にキララが座ってきてしっぽをユキの膝の上に乗せる。

 ユキはキララのしっぽをなでながら思う。しばらくこのままかなと…


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