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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
キララとユキの二人だけの旅…再び
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廃墟感がない無人の惑星とララお姉さん(1)

「到着したのかも。ねえキララ」

 ゆさゆさとキララの肩をゆさぶる。


「んんー」

 と言い、キララは目を開ける。


「おはよ」

 ユキが言う。


「結構寝てたかも…」

 キララは僕の膝から頭をあげる。


 ユキはソファーから立ち上がった。


 うんん。と伸びをしてから足を動かす。


 窓からは地球に似た惑星が見えている。


 コンソールのほうへと歩いていくキララ。

 その後をついていく。


 コンソールにはこの惑星がある星系図が表示されていた。

「ベータ2292星系。地球型惑星は2つ。第3惑星と第4惑星だね。ここは第4惑星のほうでベータ…」

 とキララが言う。


「見たところ普通だね」

 宇宙から惑星を見下ろすと普通に見える。

 大陸の形は見たことがないので地球ではない。


 時間も僕たちの時間に戻ってきている。キララの宇宙船を買った未来の時代だけど…


☆☆☆


 キララはTMRを使わずに、宇宙船を惑星上へと降下させていく。


「ねえ。キララ。宇宙船ごとおりるの?」


 キララに聞く。


「うん。なんかここ。今は廃墟で無人なんだけど。宇宙港の宇宙船の整備を無料でやってくれるみたいで…ついでだから…」

 と言う。


「そっか」


 自動操縦というか、惑星のビーコンにそって宇宙船が勝手に目的の大陸まで飛行してくれる。


 雲はあるがおだやかだった。


 だんだん、降下していくと大陸が見えて、海沿いの街が見えてきた。


 その中の宇宙港。


 町中だけどひょっと開けた場所。


 そこへ降下していく…


 自動で着陸する。


 TMRでドアを開けて外に出る。


「空気も問題ないみたい…」

 僕は言う。


 結構綺麗な空気だった。


 都会みたいだけど、廃墟で無人だから空気が汚れないんだろう。


 宇宙港ではオートロボットが近くに来て、勝手に宇宙船を整備しはじめている。


「宇宙船もメンテナンスしないとね」

 キララが言う。


 宇宙港を歩き、建物の中へ入った。


 空中に表示されるホログラムディスプレイが勝手に表示されて、僕の横をついてくる。


 表示されている内容はこの星の観光スポットとか、科学や星のグッツが置いてあるお店の案内表示をかねていた。


 キララの横に表示されているホログラムディスプレイには、新型宇宙船のモデルルームや、折りたたみ型の新居や、地球産のきつねうどんやおいなりさんの食べ物を売っているお店の案内図が表示されていた。


「きつねうどんやおいなりさんはいいよ」とキララは言った。


 キララのきつね耳やしっぽからAIが判断して表示しているみたいだった。


 そのあとホログラムディスプレイには業務用のホログラム装置や内装業者がいる星系の案内図と会社名が表示された。


 観光案内用のディスプレイには、昔人がいてにぎわっていた場所の映像が映っていた。


 今は廃墟なので人気はない。


「ねえ。住宅街のそばの商店会へ行ってみる?」

 キララは案内図を見て言う。


「何があるの?」

 僕は聞くと…


「たぶん。めずらしいものがあるよ。食料品は保存性のあるものしかなないと思うけどね」

 と言う。


 キララはTMRでドアを開けた。


☆☆☆


 アーケードのある商店街の中へと入った。


 相変わらずホログラムディスプレイが空中に浮かんでいてお店の宣伝をしている。


 ところどころシャッターが閉まっていてやっていないお店もあるが、そのほかはやっていた。


 おもちゃ屋さんのようなものもある。


 服屋さんもある。


「服屋さんへ入ってみよう」

 キララが言う。


 お店へ入ると、地球の服屋さんに似ているお店になっている。


 マネキンがあり、服のサンプルが着せてある。


 タグは違っていて何かのQRコードみたいになっていた。


 ユキは試しにTMRをかざしてみた。


 すると自分のサイズに合う服があるかを探してくれた。


 いい感じのデザインで地球には売っていなさそうな、惑星の絶景をプリントしたTシャツもある。

 なんかいい感じであった。


 ユキは「これいいかも」と言いながらTシャツを手にとる。


 自分の前にTシャツを合わせてみる。


 すると、ちょっと離れたところにユキの姿がホログラムで立体表示されて、ゆっくり時計まわりに回転しだした。


 ユキは服を着ていないのに、着ている風の映像が表示されるので前へ後ろから着ている姿を見ることができた。

「鏡より便利だね」

 ユキはじっくりと見る。


 いいかも。

 値段はわからなかった。

 共通マネーじゃないみたい。


「たぶん。ユキ君のTMRで決済ができるよ。決済が終わったら宅配ボックスへ入れることができるよ」

 とキララが言う。


 どうしようかな。

 まあ安そうだし…地球ではない惑星でTシャツを買うのもいいかもと思って決済をする。

 たぶんTMRの画面に買うか出ているので買うを選択した。


 あと、スラックスもちょうどいいものを探す。


 繊維がなにで出来てるのかわからないが、良さそうな天然のものを選ぶ。


 時間帯によって色が微妙に変化するスラックスであった。


 面白そう。


 あと。帽子。

 内側をさわると、人間用の帽子。ネコミミの子用の穴。きつねっ子の大きなお耳を出すことができる穴が自動で開くものだった。


「これ。面白いね。キララと共用できるよ」

 ユキはキララに見せる。


「うん。いいねえ。日差しが強いときとか…いいかも。

じゃあこっちは2つ買う?」

 とキララが言う。


 デザインがちょっと違うものを2つ購入することにした。


 あと、何に使うのかわからないものがあった。


 靴下じゃないし…手袋じゃないし…と手に取って見ていると…

「ちょっと貸して…こう使うんじゃないのかな」


 キララはお耳にすっぽりとかぶせてみる。

 しっくりくる。


 寒い所用の耳用の手袋だった。


「ねえ。寒いことってあるの? 毛とかふっさふさだし…」

 ユキがキララのきつね耳を見て言う。


「まあね。極端に寒いところだと寒いよ…」


 そっか。


 キララが耳用の手袋を棚に置いたあと、部屋の真ん中にある見慣れないものに気が付いた。


 ちょっとだけ近づく。

「これなんだろ」


 と言うと、その模型から光が出た。光はまわりを照らすように出るがすぐに光はおさまった。


 ユキとキララがそれに近づこうとしたとき…

「だめー」

 という女の人の声と、後ろから誰かに抱きつかれて床の上にどさっと押し倒されてしまう。


 隣を見るとキララもだった。


 だれ?


 前を見るとうさ耳が垂れていた。


 上に乗っかっているのは…

 大きい体と重さ。


「だまって伏せてて」

 と体の上に乗って抑えているうさ耳の子。

 声からどうみてもララお姉さんだった。


 また、見慣れない機械から光が出て、光があたったマネキンのいくつかがその場から消えた。


 しばらくじっとしている。


 ララお姉さんっぽい子は僕たちの上からどいてくれた。


 僕とキララは立ち上がり後ろを見た。


「やっぱりララお姉さんだ」

 と僕が言うと…


「やっぱりユキ君だ。でも異世界のユキ君だよね」

 とララお姉さんが言う。


「え?」

 どう見てもララお姉さんだけど、異世界を行き来できる別の世界のララお姉さんかな?


 ちょっとだけなんだけど、うさ耳の先っぽの色がうっすらと違っていた。

 耳先がピンクっぽい色だ。


 それ以外はララお姉さんのままだった。


 ダイナマイトボディなのもそのまま。


「いったん出ましょ」

 ララお姉さんは言った。


☆☆☆


 お店の外。道路の歩道みたいなところにベンチがある。

 そこに座ったララお姉さん。


 なんかかいだことがあるシャンプーのにおいがする。

「ねえ。どうしてここにいるの?」

 キララが聞いた。


「ん? それはね。あたし達の世界のユキ君とキララちゃんがこの惑星で行方不明になったから…

この惑星といっても異世界のなんだけど…地球で2人を見かけてずっと後をつけてきたの。

ブラックホールのツアーとかもね…近くで見ていたの。中性子星のときも別の宇宙船に乗り込んで後をつけていったし…」

 とララお姉さんが言う。


「えー。それってストーカーというんじゃないのぉ?」

 とキララが言い、ジト目でララお姉さんのほうを見る。


「ま。まあ。危険は回避できたからいいじゃない…」 

 とユキの肩を押して言う。


 そのままララお姉さんは抱きついてきた。

「うわぁ」

 ユキは言う。


 ぎゅー。結構力強く抱きしめてくるララお姉さん。


「とりあえずどうする?」

 キララが言う。


 危険なのかもとキララは思った。

 その表情を見てララお姉さんが話しだした。


「あの機械は悪意のある人が作ったものと言われているの。とある惑星のお店へ入っていって、自然に棚の上に置いてあるように見えるけど、店主は見覚えがないというの。

しばらくしてから、その置物から光が出て、2回目の光に触れたものがどこかに転送されるの。

たとえばTMRが無い世界とかにね…

だから二度と帰ってこられないの。それで行方不明…

なんだけど…あの機械がないお店だったら平気かな。

結局あたしたちの世界のユキ君とキララちゃんは見つかったし…」

 とララお姉さんが言う。


「そうなの」

 ユキはララお姉さんの腕をふりほどいて立ち上がる。


 ララお姉さんはまたユキ君を狙っている。


 そして…「えいっ」

 また後ろから抱きついてきた。

 そのままユキを持ち上げる。

「あたしの世界へ持って帰ろうかな」

 とララお姉さんが言う。ユキは足がブランブランの状態でララお姉さんに持ち上げられて、抱っこの状態で左右に動くララお姉さん。

「だ。だめだよ…」

 ララお姉さんに持ち上げられたまま言う。


「だよねー」

 とララお姉さんは言い、ユキを地面へと下した。


 ユキはララお姉さんのそばから離れて、キララに抱きつく。

「あはは。嫌われちゃった」

 ララお姉さんは手をわきわきして近づいてくる。


「抱きつくの禁止」

 ユキは言う。


「ちっ」ララお姉さんは言う。

 どの世界のララお姉さんも一緒だった。抱きついてくる。


☆☆☆


 ララお姉さんは別の洋服のお店とジュエリーショップへと入っていった。

 中から手招きしている。


 キララと一緒にお店の中へと入る。


 ララお姉さんは自分の体に合うサイズの上着を身に着けて、良さそうなものを手にいくつか持つ。


 そのうち、小さめのものでピンク色やネコミミ少女に似合いそうなもの。ララお姉さんより小さいが僕より大き目のサイズのものを選ぶ。

 そして…「これ。着てみてくれる?」

 とあきらかにぶかぶかの上着というかTシャツを渡してきた。


 ユキはララお姉さんを見るが、着てと言ってくる。


 しょうがない。ユキはTシャツを今着ている服の上から着てみた。

 やっぱりぶかぶかだった、腕もあまるし、身の丈も長い。太ももぐらいのところまでくる。

「やっぱりこれ大きいよ」

 ユキが言うと…


「いいの。ユキ君が着るとそうなるんだね。それはあなたの世界のララお姉さんにプレゼントするの」

 とララお姉さんが言う。


 ユキはそのTシャツを脱いで、ララお姉さんに渡す。


 今度は小さめというかちょうどいいサイズの上着を渡してきた。

 黒と白の女の子が着るデザインのだった。


「これ。おんなもの…」

 ユキが言うと…


「似合うかもね。ユキ君がロングの髪だったら」

 とキララが言う。


 ユキは着てみる。

 サイズはちょうど良かった。

「それはミミちゃん用ね」

 とララお姉さんが言う。


 ララお姉さんが僕やミミちゃんに抱きついて、持ち上げたときあまり体のサイズが変わらないので、僕に着せたのだった。


 他にもラミちゃんのや、小さいララちゃんのも選ぶ。

 さすがに小さいララちゃんのは着ることができないので、試着はなかった。


 ユキはお店の中を見る。

 悪意がある人が作った機械はお店の中には無かった。


「ねえ。あたしに。このジュエリーえらんで」

 ララお姉さんが言ってくる。


 棚の中にはジュエリーがある。

 うーん。どれだろう。


 ユキはララお姉さんがつけていたのを見たことがあるタイプのネックレスを選んだ。

「いいかも」


 値段はお手頃だった。

 買ってあげようかな。


 ララお姉さんがつけてみて、似合いそうだったのでユキはそれを手に取ってみてみる。

 そのままTMRでお支払い。そのままララお姉さんに渡した。

「はい」ユキはララお姉さんを見る。


 いまにも抱きついてきそうな雰囲気だったので、一歩下がる。


「あ。感謝を体で表そうとしたのに…一歩さがるなんて…でもありがと」

 ララお姉さんはさっそくネックレスをつける。


 で。キララに似合うもの…

 TMRのデザインに似合うようなシンプルな、小さい宝石がついたブレスレットがある。

 綺麗な青色をしている石。何かわからないが、キララにあげることにした。


 TMRでお支払いをすませて、キララの肩を叩き、振り向いたときにキララの手首につけてあげる。


「あ。ありがと」

 キララはブレスレットを見ている。


「どうかな」

 ユキはキララを見る。


 キララは両手を広げて…ちかづいてきた。そしてぎゅー。

 キララにハグされた。


「あーずるい。私はダメでなんでキララちゃんはOKなのぉ」

 とララお姉さんは言う。


「キララだからいいの」

 と言うと…ララお姉さんはキララの背後にまわり、キララごと僕を抱きしめてきた。


「まただきつく…」

 僕は言うが…

 ララお姉さんはキララごと、僕を持ち上げる。

「やっぱり持って帰りたい…」

 ララお姉さんが言う。


「だーめ。ユキ君は私のだから」

 とキララが言う。


「やっぱりだめかー」

 とララお姉さんは言い、2人を床のうえにおろす。


☆☆☆


 この惑星は無人で廃墟だったが、廃墟感はない。

 自動で動く管理用のロボットがいるらしく、掃除も定期的にされていた。

 電気もきているし、販売も普通にしている。


 30minという食べ物のチェーン店らしいところに入ろうとララお姉さんが言う。


 見たことがなかった。


 テーブルをタッチするとメニューがテーブルに表示される。

 ララお姉さんは大盛のパスタを頼む。


 僕はどうしよう。


 魚介のスープパスタを頼む。


 キララも僕と同じものにした。


 で。ここは無人のお店なんだけど…

 と思っていると。テーブルに出来上がった料理が転送されてきた。

 きっかり注文してから30秒後だった。

 どこにでもあるチェーン店だから、作っている場所は別にあった。

 席があるところまで物質転送で料理が送られてくる。

 食べ終わったらテーブルの表示を選択して片づけで空のお皿が転送される。

 飲み物も追加で注文する。


 便利かも。

注文したあときっかり30秒後に料理が出てくる。


「このあとどうするの?」

 ララお姉さんが聞いてくる。


「無人でもやっているホテルに泊まろうと思っていたんだけど…危険な機械があると怖いし…」

 キララが言う。


「じゃあ。あたしがついていってあげる。一緒に泊まろう」

 とララおねえさんが言ってくる。


「えー」

 と僕が言うが…


「そんなこと言わずに…あたしがいなかったら変なところへ転送されていたのかもしれないんだよ。そんなことにならないようにずっと後をつけてきたし…ずっと寂しかったの。だから今夜だけ一緒に…」

 とララお姉さんが頼んでくる。


 どうしようかな。

 キララを見る。


「いいよ。恩人だしね」


 良さそうなホテルを探す。


 いい感じのホテル。ちょっと高級感があるところにした。


 ホテル代は自由だった。


 無人なので、寄付みたいな感じで支払えばいいみたいだった。



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