もこもこの生物がいる惑星で癒されるユキとキララ
朝。キララが地球のコンビニまでTMRで移動して買ってきてくれた。
普通のパンとか、お惣菜とかレンチンするスープとか…
「いただきまーす」
「いただきます」
男の子はキララとユキを見て同じようにした。
「いただきます」
僕たちが食べ始めると食べる男の子。
「これ。前に食べたことある…おいしい」
コンビニで売っているパンなんだけど…
レンジでチンするスープを飲んで男の子は言った。
「ありがとね。いろいろお世話になっちゃったけど… おいしい食べ物もタダでもらって感謝している」
「いいって。君小さいよね。1人?」
キララが聞く。
「いいや。おじいちゃんがいるよ。数日に1回宇宙船に戻るんだよ」
と食べながら男の子が言う。
「そっか」
「大変だね」ユキは言う。
男の子は説明をする。
「おじいちゃんはずっと前に腰をやっちゃって、僕が代わりに始めたの。いろいろな惑星をめぐりながら、人がいない惑星に降りて珍しいものを回収しながら生計をたてているの。結構面白いよ。珍しいものがたまに見つかって高額で取引されるからね…あと…たまに親切な人と出会うこともあるし…
おじいちゃんは親切な人と出会ってその娘さんと結婚したんだよ。ちなみに同じ年の子とだけど…」
と男の子は言う。
「へー。そうなんだ。出会いね…」
ユキは言う。
「出会いね…」
ユキとキララは見つめあう。
たまたまTMR使いのキラと出会い、トリのハーフのキラがキララになり、狐っ子になったときに付き合うようになったというのを思い出した。
「ふーん」男の子はキララとユキを見て言う。
「何かな…」キララが男の子に聞く。
「何でもないよ…さてと…これ食べたら行くね。今日は宇宙船に戻らないと…」
男の子は言う。
☆☆☆
男の子がこのシェルターカプセルを出るときに、僕たちもカプセルを片づけて移動することにした。
外に出てからキララがボタンを3つ順番に押す。
するとシェルターカプセルが小さく折りたたまれる。
「便利だね」
男の子が見て言う。
「うん。使ったのは初めてなんだけど。あ。これいる?」
キララが地面から折りたたまれたシェルターカプセルを手に持ち、男の子に差し出す。
「いやいやいや。結構高いでしょ?」
と遠慮する。
「あげる。もう一個あるからね。それに私はお金持ちだし…」
とキララが言う。
「うん。昔ね。超お金持ちの人を助けてね。いっぱいお礼をくれたの。だからもらって」
ユキも言う。
じゃあ。と言う感じで男の子が手を出す。
ぺこぺことお礼を言い、ちょっと向こうに停めてある乗り物に乗り込む。
「ありがと。本当にありがと」
と言いながらなんどもお辞儀をして去っていった。
☆☆☆
小さいのに頑張っているなあとユキは思いつつ、キララの顔を見る。
「次どこいく?」
キララが言う。
「うーんとね。今度はがらっとちがうところ。自然が多いところとか」
ユキは言う。
うーん。とキララは考えてから。
「じゃあ。あそこにしようかな…」と言いTMRで空中にドアを開ける。
この惑星の放射能汚染が低い地域へいったん移動してから宇宙船の中へと戻る。
衛星軌道上の宇宙船に戻る。
キララはコンソールのところに行って何か操作する。
何しているの? とユキが覗き込むと…
もう一隻衛星軌道上に停泊している宇宙船がいた。
きっとあの男の子のおじいちゃんが乗っているんだろう。
キララはそれを見てから次の目的地をセットする。
ユキはソファの上に座り、いままでいた惑星を見る。
外から見る分にはこの惑星は綺麗なんだけど…
ユキは思う。
すこしずつ宇宙船は移動していく。
だんだんスピードがあがり、TMRによる空間移動を交えて移動していく、段々この星系を離れ宇宙の星ばかりのところになる。
「あと3分で目的の星系に到着するよ」
キララが言う。
「早いね」
ユキは外を眺めながら言う。
「近いからね」
キララもユキの隣にきてユキの頭の上にぽんと手を乗せる。
キララの手のひらが温かくてきもちいい。
やさしくなでなでするキララ。
ユキはそのままでいる。
☆☆☆
目的の星系が見えてきた。
輪を持っている惑星が近くに2つ。
その先には木星のような惑星。
ユキはコンソールのところに移動して惑星を見る。
第4惑星。
地球のような感じの惑星のようだ。
白い惑星。輪を持っている。
少し進むと青白い色の惑星。輪を持っている。
また少し進むと木星のようなガス惑星。
その先にも別の惑星があり、だんだん見えてきた。
それは赤茶けた色の惑星。
その次は青い海のようなものが広がっている惑星。
見たところ大陸はないようだ。
そして目的の第4惑星。地球みたいな青と白い雲。それに大陸と緑が見える惑星だった。
「なんかほっとするね。地球じゃないけど」
ユキは言う。
地球みたいな緑と水が豊かな星は貴重なのかも。
「ハビタブルゾーンに合致する惑星で、植物が育っている惑星で水が豊富にある惑星はそれなりにあるけど、生命が生まれる環境になっている惑星自体が無い星系のほうが多いしね。でも星系は無数にあるから、地球型の惑星も無数にあるんだよね。生命がいる星とか…知的生命体まで発展する惑星とか…宇宙に出ていく生命とかね」
キララが言う。
「目的の惑星はどんな感じ?」
ユキが聞く。
「もっこもこの人懐っこくて大きな生物がいるよ。もふもふできるよ」
「もこもこ?」
「うん」
目的の惑星に到着した。
キララは言い感じの大陸を捜している。
やっと見つけると、赤道より少し下にあるちょっと小さな大陸を見つけてそこに行くことにした。
TMRでドアを開ける。
「さあ行こう」
キララがドアをくぐる。
ユキもその後からドアをくぐる。
☆☆☆
いい感じのお日様。
それと…草原。あまり背は高い草がない。
それとたまにぽつんぽつんと木が生えている。
ぽつんぽつんと丸っこいものが地面にいるのが見える。
「いたいた。行ってみよう」
キララが言いユキの手をつかむ。
「うん」
丸っこいもの。
ちょっと距離が離れているのでわからなかったけど…近づくとかなりおおきく見える。
子供のような幼体もいる。
子供は体長1.5メートルほど。大人はその2倍か3倍はある。
まるっこくて、ふっかふかの毛が生えている。
気候は温暖。
僕たちをみている丸っこい生物。
もこもこしている。
興味がある感じでちょっとずつ寄って来る生物。
すぐ近くまで来た。
「触っても大丈夫だし、抱きついてもいいし。上に乗ってもいいし」
とキララが言い。ジャンプして丸っこい生き物の背中に乗る。
そういえば体が軽く感じる。
試しにジャンプしてみると結構2メートルぐらいジャンプできる。
そのまま丸っこい生き物の背中に向かってジャンプしてみると背中に着地した。
どすっと言う感じで着地したが、重力が地球より軽いんだろう。
衝撃はない。
それに…
丸っこい生き物はふっかふかの毛で覆われていて柔らかい毛が心地いい。
ユキはキララのほうを見ると、キララは丸っこい生物にだきついてもふもふしていた。
それを見てユキも背中に乗ったまま抱きついてみた。
うわぁ。ふっかふか。
それになんだろ。お日様のいいにおいがする。
日差しもちょうどいいし、この丸っこい生き物は日向ぼっこしていたのだろうか。
ほどよくお日様であたたまっている。
あ。動き出した。
ゆっくり動く。
ユキが乗っている生き物の大きさはサイか象ぐらいの大きさ。でふっかふか。
怖くはない。
小さい子供のような子もついてくる。
木が複数生えていて木陰になっているところに来ると座り込んだ。
キララは先に降りる。
ユキもそれを見て降りる。
キララは木の根元に近づいて木によりかかって座る。
ユキはキララの隣に座ると、丸っこい生き物で幼体の子がそばに来た。
結構体は大きいがくっついてきた。
ぎゅ。体をなすりつけてくるふかふかの子。
別の子はキララの隣に来てくっついてくる。
キララが足を延ばして座っていると足の上に乗ってくる幼体。
「うわ。乗ってきた…あ。でも重くない…あったかくてふっかふかだよ…」
キララが手でなでる。
気が付くと丸っこい生き物はみんな団子になってくっついているようだ。
だんだん惑星の時間帯で言うと夕方になってきた。
ぽかぽかしているのと、体をくっつけてくるもこもこの子。
ふっかふかなのとくっついてくる体温がちょっとあったかいので気持ちいい。
くっついて乗ってくる子がいて、毛並みをなでてあげる。
なでなでしていると…
「うわあ」キララの声がした。
見ると幼体に完全に乗っかられて背もたれの木からずれて地面にあおむけになった状態でさらに幼体に乗っかられているキララ。
「だ。大丈夫キララ?」僕はキララのところに移動しようとしたが、足に乗ってる幼体がいるので動けない。
そのうち、乗っかっている幼体がユキの上半身を押して押し倒す状態になり、乗ってきた。
うわあ。と言う。
むぎゅと下敷きになるけど…
ちょっとだけ。というか結構重いんだけど…柔らかくてふっかふかで低重力なので潰れることはなく…
もふもふに埋まってしまう状態になった。
「もふもふに生き埋めだよ。でもふっかふかで気持ちいい」
キララの声がする。
「僕も下敷きになっちゃった。もふもふだよ」
もふもふでやわらかくてあったかい。
ちょっとすると上に乗っている幼体は移動してお母さんと思われる個体のほうへと移動していった。
キララはまだ、もふもふに生き埋めの状態になっている。
ユキは立ち上がってもふもふの子に両手をあてて体を押してみることにした。
弾力がある。力をこめると幼体は動いてどいてくれた。
「ありがと」
キララは片手をだしてきた。
ユキは手をかしてキララを起こす。
「大丈夫だった?」
ユキがキララに聞くと…「うん。重くて自力で持ち上げることはできないけど…もふもふに埋まっていたよ。まだもうちょっと埋まっていてもいいかもと思ってたぐらい」
キララはさっきまで上に乗っていた幼体の背中に抱きついて乗っかった。
背中にすりすりする。
「ほら。今度は仕返し。ユキ君もやってみなよ」
キララが言う。
僕の上に乗っていた幼体はお母さんの背中に乗っている。
だから別のちょっと大きな子の背中にだきついてみた。
「うわあ。この子もふっかふか」
顔を背中に埋めてみる。
やわらかい。毛並みもいいし。ふっかふか。それにお日様の匂いがするし。
癒される。
もふもふの生物に癒されるユキとキララ。
☆☆☆
夜はテントで寝るの?とキララに聞くと…
「いいや。テントはやめよう。この大きいのがテントの上に乗ってくるかもしれないから…寝袋で木のそばで野宿。生き物とわかると大きい子は乗ってこないよ」
とキララが言う。
たしかに。でっかい丸っこい生き物は相当大きいからテントだと危険かもと思った。
「ねえ。肉食動物とかいるの?」
ユキは聞く。
「いいや。いないよ。平和そのものだよ」
とキララが言う。
知的生命体もいない。
温和なもふもふの生物しかいない惑星。
いつのまにか、もっと小さい幼体が寄ってきていた。
クッションとか枕とかそのぐらいの大きさの子だ。
ユキは小さいもふもふの子を抱っこしてみた。
微妙にずっしりしている。
生きているもふもふのクッションだった。
「うわあ」ユキは生きているあったかいもふもふのクッションを抱きしめて言う。
「すごい幸せそうにもふもふするね」
キララがユキを見て言う。
「だってこれ。生きているもふもふクッションだよ。キララもやってみれば」
ユキが言う。
「えーと。あ。ちょうどいいのがいるよ」
キララもクッションより大きい子を抱き上げてみる。
ほんとだ。とキララが言う。
癒される惑星だ。
気がつくといつのまにか暗くなっていた。
長い間もふもふしていたらしい。
ユキはキララを見ると、もふもふの子を抱きしめたまま座っているけど…そのまま、うとうとと居眠りをこいていた。
気持ち良さそうだ。
「おーい。キララさん」
ユキは言う。
まだ寝ているキララ。
ユキはちょっといたずらしてみることにした。
もふもふの子を抱いたままキララのところに移動してキララの顔にモフモフを押し当てて、キララの体を押し倒してそのままもふもふの上からキララの上に乗ってみた。
「うわぁ。潰される」
キララがもふもふの下であわてだした。
「ぷっ」
あまりにも慌てるのでユキは乗ったまま吹いた。
ばたばたしているキララの手がユキの腕をつかむと、横向きになった。
ユキはキララの隣の地面に横になる。
「あー。ユキ君。びっくりした。大きい、もこもこの子が乗ってきたのかと思ったよ。
今度はこうだよ」
キララはクッション大のもこもこの子をユキの顔におしあてて上に乗ってきた。
「うわあ」
下敷きになるユキ。
そこそこ重い。けれども大丈夫だった。
キララはすぐに上からどいてくれた。
「あーあ。面白かった。さてと夕食の準備をしないとね。火は使わないから…押すとあったかくなる食べ物と缶スープかな」
クッションのようなもこもこを横に置いて、TMRの宅配ボックスから缶詰のようなものを取り出す。
キララから手渡される。
お箸もキララからもらう。
缶詰のような容器に入っている食べ物。
容器を押すとあたたかくなった。
容器は熱くない。けれども中身はいい感じにあたたまっていた。
簡単にごはんを食べる。
もこもこの子はまた寄ってきた。
ぎゅっと抱きしめるとあったかくて柔らかくて気持ちが良かった。
「これとどっちがいいの?」
キララは自分のきつねしっぽをユキの手のところに出してきた。
ユキはキララのしっぽをさわってから…
「そうだね。こっちのほうがいいかな」もふもふのほうを抱きしめてみる。
「負けたか。私のしっぽより触り心地いいのは確かだし…」
キララももこもこをぎゅっとする。
そういえば野宿って初めてだな。
でも地面固いんだよね。
ユキが考えていると。
「あこそにもこもこの子が固まっているから上に乗って寝てみよう」
キララが言う。
「え? かわいそうじゃない?」
ユキが言うと…
「いいや。大丈夫。乗っててもいいし…みんな団子になって寝るのがこの生物の習性みたいだから…小さい幼体の上に大きい子が乗っていることもあるらしいよ」
と…
もこもこに埋まって寝るのか…
どんな夢を見るんだろう。
結構暗くなってきて…それにちょっとずつだけど寒くなってきた。
キララはそっと小さい幼体が固まっている中に入り、上に乗った。
ユキもその隣の幼体の塊の上にそっと乗る。
「潰れないよね」
ユキが言うと…
「大丈夫大丈夫。逆に大きい子が乗ってきたら僕たちが潰れちゃうけどね。この小さい子を抱っこしてお布団にしよう」
キララが小さいクッションのような子を抱き上げてお腹の上に乗せる。
すると別の子がキララの足の上に乗ってきた。
ユキも同じようにする。
ユキのお尻の下でちょっと幼体が動いているが苦しそうでもない。
もこもこの上で横になる。
小さい子を抱っこすると、別の子が乗ってきた。
「あったかい」
暑すぎることもなくちょうどいいもこもこだ。
☆☆☆
気が付くと朝になっていた。
もこもこに囲まれて埋まった状態で寝ていた。
お尻の下の子もちょっとだけ動いて移動していく。
どす。
地面に尻もちをつく。
今度は別の大きい子が上に乗ってきて下敷きになった。
ぎゅ。地面に押し付けられるがすぐに移動してどいてくれた。
みんなちょっとずつ移動していく…
もふもふの生物。
人懐っこい。
お布団とか、抱き枕とか抱きクッションにいいかもとユキは思う。
呼吸をゆっくりしているので、もふもふの体温が心地いいのとですぐにぐっすりと寝て、一回も途中で目覚めたりすることはなく、気が付いたら朝になっていたぐらいぐっすり眠れた。
「もうちょっとこの惑星を観光しようね。昨日はもふもふだけだったし」
キララが言う。
小さいもこもこの子を抱っこして背中の毛並みをなでているユキ。
「そうだね。この子持って帰りたいぐらいだね」
ユキが言うと。
「それはだめ」
と言う。
「そっか。だよね」
なでなでしながら言う。
人懐っこいし…ふっかふかだし…
よし移動しよう。
ユキは立ち上がる。
キララも「ありがとね」と言いながらもこもこの子をなでてあげる。
この惑星。癒される。
「今度は緑の湖畔へ移動するよ」
キララが言った。




