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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
キララとユキの二人だけの旅…再び
115/138

他の星系の惑星上でのキャンプをするユキとキララ

 ユキは目を開けた。


 すると目の前にキララの顔が…

ユキは「うわぁ」びっくりして声を出した。


 ユキはテントの中で軽く昼寝をしていた。

 体を横向きにして寝ていたんだけど。僕の目の前にキララが横になっていて、僕の顔をじーと見ていたのだった。

「ユキ君の寝顔。見ていたら起きちゃったね」

 とキララ。


「びっくりした。目の前で見ているんだもん」

 ユキは少し怒って、キララのきつね耳の中に手をぐーにして入れた。


「うわぁ」今度はキララがびっくりして飛び上がった。


 そんなにびっくりする?

「ごめん」ユキは謝った。


「耳は敏感なんだから…耳の中に生えている毛とユキ君の手が触れてびっくりしただけ…」

 キララは自分の手で耳をふさぐ。


 ユキは何も言わず、キララの頭をなでなでした。

「おあいこ」


 ユキは体を起こした。


 時間は夕方。もうすぐで日が暮れる。


「もうすぐで夜になるけど…雲はあまりないから、きっと星空が綺麗に見えるよ」

 とキララが言う。

 キララは僕の隣に座っている。


 キララはしっぽを、前に出してきて僕の脚の上に置いた。


 ユキはキララのしっぽをなでる。

「ねえ。キララは何してたの? 僕の寝顔を見ていることを除いてだけど…」

 とユキは言う。


「えーとね。夕食の準備と少し木を集めてた。それと少しまわりを片づけてからテントの中へ入ったの」


「そう。夕食は何かな?」

 ユキはテントの中から外を見た。


「なんだと思う?」

 キララはじっとこっちを見つめてくる。


 なんだろ。

 うーん。


 ユキは「カレー? それとも…油揚げかな?」

 と言う。


「あ。油揚げ…違う。カレーでもないよ…正解はユキ君」


「え?」


「あー。えーとね。ちょっと冷えるかもしれないと思って…雪みたいに白いシチューをメインに、手作りハンバーグと、パン。パンにはさむんだよね。肉汁たっぷりのハンバーグをね…お野菜も一緒にね」


「そうなんだ…手作り?」


「うん。ちゃんとレシピどおりに作ったから未来の料理器具を使って肉汁を閉じ込めてふっくらと」


「ふっくら…」

 聞いているだけでお腹が空いてきた。


「まだだよ。真っ暗になってからね。もうちょっと2人で寝ようか。抱きついていい?」

 キララが言う。


「そうだね。でも。寝て起きたばかりだから…あ。そうだ。寝袋どんな感じかつかってみたい」


 ユキは言う。


「いいよ。2人で入ることができるものにする? ちょっと待ってね」

 キララはTMRの宅配ボックスから寝袋を取り出す。


 テントの真ん中に寝袋を広げる。

 外見は1人用のものと同じ。でも中を見ると広い。2人入れそう。


 ユキは先に入り、その後からキララも入ってきた。


「いいねこれ」

「うん」


 2人で寝袋に入る。

「ねえ。次に行くところなんだけどね」キララが言う。ユキ君の顔を見てからつづけて

キララは言う「ダイナミックな景色のところ。『ブラックホールに飲み込まれる直前の惑星が見える衛星からの最後の眺め』ってどうかな。本当に直前ではないんだけど…見た目がそれっぽいから…飲み込まれるまではかなり後なんだよね」


「そうなんだ。どうなんだろう」ユキは言いながら想像してみた。

 真っ黒い穴の周りを、吸い込まれる前の星が光を放っているのかな。


「朝。散歩してから行こうね」

 キララが言う。


 と言ったあと、キララが無言になり、ユキの体にくっついてきた。

 すりすりと…

「ん? どうしたの?」ユキはキララに聞いた。


「うん。なんだかユキ君の体温でこの中があったかくて眠くなってきたよ。夕食はね。味をなじませてからだから遅めにする予定だから…ちょっと寝る。くっついて寝たい。30分寝たら起こして…」

 キララはすりすりくっついてきたまま目を閉じた。


「うん」

 ユキもキララの体を抱きしめる。

 きつねっ子の耳がそばに見える。


☆☆☆


 ゆさゆさ。

 ゆさゆさ。

 ユキはキララの体をゆすり、キララを起こす。

「ん? もう30分たったの? あと15年ぐらい寝かせて…」


「15年ってだめだよ…」ユキは言う。


「ん。えーとね。ベータ3重星系の第二惑星の話。公転周期がものすごく早いんだよね。だから…んー」

 くっついていて体温が温かくて心地よいのでまた眠ってしまうキララ。


「もう。あと15分ね」

 ユキもキララとくっついているのでぽかぽかする。

 暑くはない。キララの体温で心地いい。


☆☆☆


「あ。寝すぎた」ぐーという音を聞いてキララは目をさました。


「ユキくん。ユキ君」

 キララはユキ君の肩をゆさぶる。


「ん? あ。寝てた…もう真っ暗だね」ユキは目をさます。そして起き上がる。

 あかりを付けてないので真っ暗だった。


 キララは手をのばして明かりをつける。


 キララは先に寝袋から出る。


 その後からユキも出る。


「んんん」とキララはのびをして、しっぽも左右に動かす。

 耳も動かす。


 明かりを持って波打ち際まで歩いていく。


 ざざざと波の音がする。


「静かだね。波の音しかしない。虫もいないし」

「そうだね。生物はいるのかな?」


 ユキはキララに聞いた。


 するとキララはTMRで惑星のことを調べる。


「えーとね。水生生物だけみたい。陸地は植物だけ」


「そうなんだ。それとほら。月が綺麗。それと星座。見たことがない星の配置。銀河団も見えるし…」

 上を見上げる2人。


 綺麗な星空が広がっている。


 人が住んでない世界。


 環境破壊や煙もない。空気が綺麗だから星が良くみえる。

 邪魔な明かりもない。


「この惑星上には私たち2人だけ。つまり2人ぼっちだね」


「惑星に二人だけ…」


 言いながら星空を見上げる。


 この綺麗な星空は2人のものだ。


「さあ。調理して食べよう。お腹空いた。未来の調理器具だから…本当は45分かけてじっくりとハンバーグを焼くんだけど45秒で済んじゃう。時間加速の技術を使っているんだよね。パンは時間凍結の技術を使ってて焼き立てだよ」


「聞いているだけでもおいしそう。じゃあ調理はお願い。使い方がわからないから」

 ユキは言う。料理は女の子のキララにまかせることにした。


 ユキは拾ってきた木をたき火にくべる。


 ぱちぱちと言う火の音。


 それも心地良い。


 火があるとなんか落ち着く。


 キララはそばのテーブルの上に食材を乗せてお野菜をカットしている。


 焼き立てのパンを用意してお皿の上にのせる。


 シチューはいい感じになっている。きっかり1分で取り出す。

 1時間は煮込んだシチューと同様になっている。


 そのまま続けてハンバーグを調理器具に入れる。今は生だ。

 形を整えただけ。


 で何もせずとも調理器具がいい感じにしてくれるらしい。


 キララはスイッチを入れて待つ。

 その間に…


「はい。飲み物」キララは手渡してくる。

 マグカップ。


「ありがと」

 ユキは料理ができるまでの間、温かい飲み物を飲む。


「ほー」

「ほー」

 2人言う。

 暖かい飲み物が心地いい。

 ちょっと寒い感じの外。


☆☆☆


「ちーん」聞いたことがある音がした。


「できたみたい」

 キララは未来の調理器具の蓋をあける。


「おーいい感じにふっくらと…できてるよ」

 キララはユキ君にみてみてと言い手招きする。


 ユキは調理器具の中を見る。

 二つのハンバーグが入っていてちょうどいい感じに出来上がっている。

 さすが未来の調理器具。きっと肉汁を閉じ込めた感じのハンバーグになっている。


「おいしそう」


 ユキはキララを見る。


「じゃあパンを用意して、上にお野菜を乗せてからだね。持ってきて」


「うん」

 ユキはお皿の上にパンを乗せる。それを2つ。


 テーブルの上に置くと、キララがトングでハンバーグを壊さないようにパンの上にのせる。


 ユキはケチャップとマヨネーズをその上にかけて、キララがつくっていたソースをさらにちょっとかける。


 すると、その上からキララはチーズをのせてパンを乗せる。


「できあがり。あとは食べやすい大きさに半分にカットして…」と言いながらカットするキララ。


「あとはシチューかな。僕がカップにいれるよ」

 ユキはキララに言い準備をする。


☆☆☆


「いただきます」

「いただきます」


 まずはシチュー。


 程よくお野菜と鶏肉が柔らかくなっている。

「おいしい。それにあったまる」

「うん。あったまる」


 とろみがあるシチュー。いい感じ。胡椒もちょっときいていていい感じ。


 で。パンだ。

「じゃあ。パンを」

 ユキは手でパンを持つ。


「肉汁に注意してね。かぶりつくと出ちゃうから」

 キララが言う。


「うん。じゃあちょっとだけ」

 かぷっとパンにかぶりつき、ハンバーグを口にいれる。


 キララも同じタイミングでかぶりつく。

「お。いい感じだよ」

 キララが幸せな顔になる。


「おお。肉汁がたっぷり出てきた」

 ユキは肉汁がこぼれないようにパンを持ちなおした。


 いいかんじにふっくらと焼けたハンバーグ。

 その中に肉汁がいい感じに閉じ込められている。


 かぷっと食べると肉汁が程よく口の中にひろがる。


「おいしいね。それにこのマヨネーズとケチャップ。特製ソースとチーズ。お野菜がいい感じ」


「でしょ」キララも言い食べる。


 いったんパンをお皿の上に置いてシチューを食べる。


 それと付け合わせのおかずも食べる。


「いいね」ユキが言う。


 体が温まる食事。それとキララ。


 真上には綺麗な星空。前には海。波の音。


☆☆☆


 夕食が終わり、後片付けもすんだところ。


 マグカップに入った飲み物を片手にキララが言う。

「いい眺め。きっと大人だったらお酒を片手にこうしているんだろうなと思うよ」

 キララがユキを見る。そのあと空を見上げて星を見るキララ。


「そうだね。アルコールってどうなんだろ。ララお姉さんがチョコ食べながらお酒飲んでいるけど…きっとおいしいのかな。それとも苦いという話も聞くし」

 マグカップの飲み物を一口のむユキ。


「甘いカクテルというのもあるし、甘酒もあるし…でもビールは苦いと聞くし…」

 キララはお酒飲める大人になるのかな。それとも苦手な大人になるのかな。

 ミミちゃんは? ラミちゃんは? ララちゃんはララお姉さんだから、お酒飲むようになるんだよね。とユキは思う。


「ミミちゃんは日本酒かな。お魚を食べながら日本酒を飲んでそう」

 キララは言う。


「じゃあ。ラミちゃんは焼酎を飲みながら文句言ってそう。ミミちゃんと喧嘩したり…」


「うん。かもね…ユキ君は何かな? ワイン?」

 キララは聞いてくる。


「ワインね。ブドウだよね。ブドウジュースとは違うんだよね。味が…」


「まあ。ジュースみたいには甘くはないと思うんだけど…どうなんだろね。私はなにかな。ブランデー?」


「うーんわかんない」ユキはキララを見て言う。


しばらく黙って星を見る。


「あ。そうだ。天体望遠鏡があるよ。未来で買っておいたんだよ」


 キララがユキに言う。


「あ。あるの?」

 太陽系からではない、他の星系の惑星上から見る天体観測。


 キララは立ち上がった。



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