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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
キララとユキの二人だけの旅…再び
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キララとユキの二人だけの旅の計画とプラン

「あー。畳…」


「こたつ。こたつ…」


「ニンジンの鉢植え…鉢植えはどうかな」


 それぞれ、ユキ、ミミちゃん、ラミちゃんがトレインの旅から帰ってきて言った言葉だ。


 ネコミミのミミちゃんは寒いのでこたつの中に…


 寒さには強いが、ニンジンが気になるラミちゃんは鉢植えの様子を見た。


 ユキは畳の上にねっころがった。

「ほら。尻尾」キララはユキの隣に座り、ユキのほうに太い尻尾を投げ出す。


 今は午前中。


 やっとトレインの旅から帰ってきたところだ。


 でも。キララとユキはそのまま、内緒で旅行に出かけることになっている。

 出発は午後一とした。


「ちょっとしっぽ借りるね」ユキはしっぽを抱き枕にして目を閉じた。

「いいよ。いくらでも…」キララもユキの隣で横になり、向かい合わせになる。

 間にキララのしっぽをはさんでちょっとだけ寝る。


☆☆☆


「ゆーきくん」

 大人のララお姉さんが部屋に入ってきた。

 まだ未来に帰っていない。


「しー。寝ちゃったところだから」とラミちゃんが小声で言う。


「えー。じゃあ。ユキ君を抱き枕にしてあたしも…」

 とララお姉さんが言うと…


「だめ。ねこみをおそうの?」

 幼稚園児のララちゃんが目を光らせる。


「えーとね。そんなのじゃないから…ちょっとくっつこうと…」

 と言うララお姉さん。


「キララちゃんがララお姉さんが来たら言っておいてと言ってたんだけど…今度ユキ君を襲ったら、異世界のキラに頼んで、ユキ君がいない世界に置いてきてもらうと言ってたわよ」

 とラミちゃんが言う。


「うええ。そんなのいや…」

 ぶるぶるするララお姉さん。


「じゃあしょうがない。自分の時代に帰るか…そうだ。自分の時代のユキ君にお土産を持って行こう…そのついでに抱きついてみようかな」

 と言う。


「だきつくことばっかりかんがえてる。えっち」

 とララちゃんが言う。


「えっちじゃないし…ただくっつくだけだもん。じゃあね」

 とララお姉さんは部屋を出て行った。


☆☆☆


「そんなにだきつくのがいいの?」とララちゃんはキララとユキの間に入った。

 しっぽもふもふ…

 すりすりして一緒に寝る幼稚園児のララちゃん。


☆☆☆


「ねえ。ユキくん」

 キララの声。


「ん?」ユキは目を覚ます。


 僕とキララの間に幼稚園児のララちゃんがいる。

 まだ寝息をたてている。


 そーとユキとキララは起きた。


「じゃあ行く?」

 ミミちゃんもラミちゃんも近くにいない。

 どこかに行ったようだ。


 幼稚園児のララちゃんを1人で置いて行くのはちょっとかわいそうと思うが…

 この世界の流れだと今日の夕方には帰ってくる。

 2週間ほど旅にでて今日に戻ってくる。


 そーと。部屋を出て。玄関から出る。


 それから家の裏にまわり、壁にTMRで自動ドアを開ける。


☆☆☆


「未来だよね。買い物だっけ?」

 ユキはキララに聞く。


「そう。誰もいない惑星とか2人ぼっちで寂しくなるようなところにも行きたいから…

キャンプ用品とか、簡易ハウスとか…簡易シェルターとかいろいろ買おうかと思ってね」

 とキララ。


「なんでふたりぼっちなの?」

 ユキはキララに聞く。


「なんでだろうね…内緒」

 キララは行こうと言い歩きだす。


☆☆☆


 まずは未来のホームセンターみたいなところへと歩いて行ってお店の中に入る。


「ぱっと見てあまり変わらないね」ユキは言う。


 ブロックみたいなものや土。園芸用の品物があり、中には特売の品物や作業着がある。

 キャンプ用のテントもあった。


「これ」キララはユキを手招きする。


「特殊繊維で出来ているテントだって…各惑星の気候にも耐えることができ、強風にも飛ばされない工夫がされているんだって」


「へー」

 同じように見えるが違うみたいだ。


「ねえ。これは?」ユキはそばに置いてあるランタンを手に取った。


 キララはそばに置いてあるパッケージを見て言う

「これはランタン。燃料や電池がいらないもの。空気中の水分を元にエネルギーを作り出すんだよ」


「へー」

 便利になったもんだ。


「じゃあこれを3つ。テントも予備を入れて4つ。他には寝袋?」

 キララはそばに置いてある寝袋を手にとるが…


 ユキは「ねえ。こっちのふかふかの布団になる寝袋は?空間拡張で見た目よりも中が広いんだって」


「お。いいね。2人で寝る?」

 キララはユキを見る。


「いいよ。しっぽを抱き枕にして寝よ」


「うん」


 と普通の寝袋とふかふかの布団になる寝袋を手にとる。


 手にとった品物はTMRの宅配ボックスの中に入れていく。

 宅配ボックスの中に入れたものは自動で決済が完了。


「これでいいかな」キララが言う。


 ユキは花火セットを見て言う。

「これは?」セットを手に取る。


「あー。だめだね。他の惑星では使っちゃいけないんだよ。こういうものは…ほら見て。ここに書いてあるよ」

 とキララが言う。


 確かに地球でのみ利用可。環境に影響があるところでは使用禁止。ごみは持ち帰ること。

 とあった。


「だめなんだ」

 ユキは僕の時代だとこんなふうにパッケージに書いてないよと言った。


「たしかにね。未来だといろいろ変わっていることもあるからね」

 とキララ。


 ついでなのでホームセンターの中を見て回る。

 ユキの時代から変わらないものもあるが、違うものもある。


 まったく見かけないものもある。

「ねえ。壁かけ時計とか目覚まし時計が置いてないね」ユキが言う。


「ああ。えーとね。全部電子化しちゃったの。絵画とか飾りとかもそうなんだけど、時計は映像で壁に映し出すの。テレビもそうだよ」


 キララは横に家具やインテリアのお店があるから見てみる?とユキに言った。


☆☆☆


 隣の家具やインテリアが置いてあるお店に入った。


 ベッドとかシーツとかもあるが…どれも真っ白だ。

 柄もついてない。


「真っ白だね」ユキは手にとる。


「うん。この時代だと柄や色をつけてもあまり意味がないんだよね。家についている映像投影機で家具の模様や色。デザインは映像で物に映し出すことで変えることができるからね。

でも古いものがいいという人もいて、奥のほうに柄もののベッドカバーとか枕があるよ」


「へー」

 変わるものもある。


 モデルルームというか、小さい部屋の中に一通りの家具一式が並べてある。

 壁にボタンがあり、押すと色がガラッとかわった。

 おちつくベージュの色から、ピンク、暖色系。寒色系。いろいろためせるようになっている。


「夏は寒色系にしたり、秋から冬にかけてなんだけど暖色系の色にするとかね」

 とキララが壁のボタンで家具やインテリアの色を変化させた。


「ねえ。これはどのぐらい後の時代から出てくるの?」


「そうだね。今から40年ぐらい前かな」


「じゃあ僕たちがおじいちゃん。おばあちゃんになってから出てくるのかな」

 とユキは言う。


「そうかもね」


 未来での買い物も面白いが、見ているだけでも面白い。

 今の時代と変わらないものもあるが、違うものもある。


 キララは枕を2つ買った。


☆☆☆


「あれ?」

 ユキはまわりを見た。


「どうしたの?」キララはユキの様子を見て聞いてみた。


「いや」ユキはきょろきょろあたりを見てから続けて言う「あのね。なんかこのあたりにララお姉さんがいたような気がして…かいだことがあるシャンプーのにおいがしたから…後をつけてきたのかなと」

 とユキは言う。


「そんなわけないと思うよ。きっと気のせいだよ」と言いながらキララもあたりを見る。


「そうだよね…」ユキはキララのそばに寄る。


「じゃあ次。食料を買おう」キララは次のお店へ行こうと言う。


「うん」ユキは返答をしてキララの後についていく。


 普通のスーパーっぽい建物に入り、食糧品などを買っていく。


「ねえ。キララ。水族館なんだけど…できたの?」

 ユキは聞いた。


「うん。トレインの旅の日からちょうど6日目の時代だからいいかもね。明日オープンだよ。このあと行くよ」


「楽しみ…」

 ユキは自分が欲しいものをキララにリクエストしてTMRの宅配ボックスの中に入れてもらう。

良く買っている飲み物の未来バージョン。自分の時代のものよりお砂糖が控えめになっている。


☆☆☆


 買い物をすませて、久しぶりにキララの宇宙船へ乗り込む。


「なんかひさしぶり」ユキは宇宙船の中のソファに座る。


「じゃあ目的地をセットするからね」

 と言い、部屋の中央にあるコンソールへと向かう。

 目的地をセットしてから戻ってくる。

 キララは「だいたい30分ぐらいで到着するような設定にしたから…じゃあその間。次の目的地をどこにするか調べようね」


 と言い、検索用の画面を空中に出した。

 2つ出して1つをユキに渡す。


「ありがと」

 操作方法は普通のタブレットとかと同じ。


 ユキはいろいろ調べてみる。

「自由に選んでみて…」とキララが言う。


「うん」

 今回はめずらしく向かい側のソファに座っているキララ。隣ではない。

 ユキはキララのしっぽを見る。


☆☆☆


「どう?」

 キララが立ち上がり、ユキの隣に座ってきた。

 しっぽをわざとユキの膝の上に置いたキララ。

 ユキはしっぽをなでなでする。


「だいたい。こんなところ」

 画面をキララに見せる。


 星空が綺麗な海岸。キャンプに最適。

 空を見上げると銀河団が綺麗に見える自然が豊かな惑星。

 衛生が惑星と近くにあり、月の夜空が綺麗な廃墟となったリゾート地。

 惑星衝突の余波により、浮遊衛星となった人が住めない衛星の打ち捨てられたリゾートホテル。

 突如として消えた人々と、時間がとまったままの美しい街。


 というのをキララに見せた。

「へー。やっぱり…」とキララが言う。

 ユキはキララのディスプレイを見る。

 4つは同じだった。

 でキララは表示をスクロールしてから言う「この他に違う感じのを捜してみたんだよ」と…


ブラックホールに飲み込まれる直前の惑星が見える衛星からの最後の眺め。

 放射能に高濃度汚染された惑星と生物がいなくなった惑星上のオーロラ。

 危険なオーパーツが点在している惑星と住む人がいなくなった廃墟の町。

 赤色巨星に飲み込まれる直前の惑星前夜。

姉妹惑星と衝突する直前の町からの眺め。

空間の裂け目に飲み込まれる直前の衛星が見える惑星上のリゾート地。

 危険な知的生物に占拠された惑星。その後突如いなくなった知的生物。誰もいない世界。

 超新星爆発に巻き込まれた星系と、半分破壊された惑星のリゾート地。

 とある。


「なんかすごいね…」ユキはキララの顔を見る。


「いつもと違うのを選んでみたんだよね。未体験のことをいろいろしてみようと…キャンプもしたいから…可能なら全部行こう」


「うん。危険はないの?」ユキは聞く。


「大丈夫。TMRがあれば安全だから…」


 と…


 到着した合図であるアラームの音を聞いてユキは「まずは水族館だね」と言った。


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