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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
再びカザー星系とのやりとり
111/138

カザー星系の所有する観光用トレインの旅... お菓子と罠(16)

 12歳のララちゃんは、ネコミミっ子のトラとココ、それとミルクのところに行っていた。

会場内とはいえ歩いて行くのは面倒なのでTMRで移動した。


「ねえ。これからなんだけどあたしの言うとおりにしてね。何かあっても全部あたしが守るからおとなしくしてて」

 と言いながらトラとミルクの頭をなでた。


「なんで? 何かあるの?」


「うん。これから事件が起きるから…」

 と12歳のララちゃんは言った。


☆☆☆


 1人の男の人がトラとココ、ミルクのところに近づいてきた。

「ねえ。僕と嬢ちゃん。これからこの会場で無料でお菓子を配ろうと思うんだけど。時間が予定より早く終わらせないといけなくなったんだ。いろいろな種類があるから、僕と嬢ちゃんに選んでほしいんだけど、来てくれるか?」


 トラとミルクはお互いを見る。

 横にいた12歳のララちゃん。

「あたしも一緒だったらいいよ。この子達小さいから。あたしは12歳だからこれでもお姉さん」


「そうかい。てっきりもっと大人かと思ってたが…長耳族の子は発育がいいな。よしお前さんも来るかい? 一足先にお菓子を試食できるぞ」


「やったー」

「どんなお菓子があるの?」とココは聞いた。


「え? それはもう。美味しいのがいっぱいだぞ。ほら。時間がないから…」

 と男の人はトラとミルクの手をとり歩き出す。


 その後から12歳のララちゃんとココちゃんが男の人の後ろをついて行く。


 会場のはしのほうに、大きな車のような物が停まっていた。


「この中だ。入ってくれ。あとでワゴンを下ろすからな」

 男の人は段になっている車のようなものの入り口の横に立つと、先にトラを持ち上げて中にいれてあげた。その後はミルクを持ち上げて中に入れる。その後にココの腰に手をいれて持ち上げて中に入れる。その後に男の人は12歳のララちゃんの腰に手をあてるが…

「ううん。お前さんは無理のようだ。1人であがってくれるか」


「うん」うさ耳っ子なのでジャンプして乗る。

 男の人は「暗いから前のほうにまわって照明をつけるから、いったん閉めるよ」入り口を外から閉める。

 中はちょっと薄暗いけど真っ暗でもない。


 男の人が外を前のほうへと歩いて行く音が聞こえる。


 バタン。

 扉を閉める音。

 すると、扉が開き明るくなった。

 棚にはお菓子が並んでいる。


「うわぁ。おいしそう」

「ほんと」


「こっちの棚のは配るほうだから、こっちのワゴンの中に入っている分を食べてみて、良かったものを運ぶとしよう。俺は前に行って電話してくるから。ワゴンの中のを自由に食べててな」


「うん」

「おー」

 12歳のララちゃんは男の人を後ろからじっと見ていた。


「なあ。どれにする?」

「あたしはこれ」


 ちょっとパープルがかったお菓子を手に持ち食べる。

「うまい」

 ミルクも白いお砂糖がかかったお菓子を食べる。

「おいしー」

ココは菓子パンに似たものを食べる。

「あ。変わった味」

 私も、と12歳のララちゃんもドーナッツに似たものを食べる

「色から見て思ったのと違う味」赤だったがメロンに似た味だった。


 がく。

 車のようなものが動いた気がした。


「ねえ。なんか動かなかった?」とココが言う。

「さあ」とミルクが言い、別のお菓子を手にとる。


☆☆☆


 ワゴンの中のお菓子を食べていたが…

「ねえ。電話長くない?」

「時間がないって言ってなかった?」


 男の人は戻って来ない。


「ねえ」とココは前の扉を開ける。


 男の人はいなかった。

「あれ? いない」


 12歳のララちゃんは「じゃあ後ろの扉を開けるね」と扉に手をかけたが開かない。

「開かない」


「えー」

「僕たち誘拐されたの?」

 おかしかった。

 お菓子を食べるのに夢中でちびっこ達は気が付かなかった。


☆☆☆


 前のほうに行くとドアがあった。

 ロックがかかっていたが、しばらくするとロックが解除された。


 12歳のララちゃんはドアを開ける。


「あ」


 後ろからちびっこ達も外を見る。

 見たことがない格納庫の中のようだった。


「ねえ。降りてみる?」ココが言う。

「そうね」12歳のララちゃんは格納庫の中へと降りる。

 その後からちびっこ達も降りる。


 隣には僕たちが入っていたのと似たような車のようなものがある。


 中には誰もいない。


 12歳のララちゃんはTMRでみんなを戻すことができるんだけど、考えがあったので思い当たる場所へと移動することにした。


 前のほうへ歩いていると…

「お前たち。こっちだ。抵抗するとケガスルゾ」

 と武器のようなものを見せながらロボットが向かってくる。


 トラとミルク。それとココは両手を頭の上にあげた。

「なにあれ?」

「こわい」

 トラとミルクが言う。


「大人しくついていきましょ」ココちゃんが言う。

 ロボットはある扉のほうへと向かって移動する。

 ただしカメラは後ろを向いていてこっちを監視している。

 監視しながら前へと移動しているロボット。


 ドアが開いた。


 ドアが開くと、ちびっこ達がいた。


 みんな無言でこっちをみている。


☆☆☆


「ねえ。ここに座りましょ」この中でお姉さんのほうのココがトラとミルクに言う。

 12歳のララちゃんも隣に座る。


「ねえ。君たちも連れてこられたの?」12歳のララちゃんは見知らぬ子に聞く。

 その子は見たことがない形の動物のような耳を持っている子だった。


「うん。お菓子の試食ということでついて行ったら車に乗せられて、このとおりさ」

「うわーん。あたしお家へ帰りたい」

「こんなところいや」


 別の子も言う。


「お姉さんにまかせて。あたしには考えがあるの。ねえ。男の人はここに来ないの?」

12歳のララちゃんは見たことがない形の耳の子に聞く。


「うん。もうちょっとで1人だけ、人数の確認に来るよ」


「そう」と言い12歳のララちゃんはおとなしく待つことにした。


☆☆☆


 そのころのミミちゃんとラミちゃんは…

 巨大農産物展の会場から、大人のララお姉さんにより巨大おもちゃ展の会場へと移動していた。


「ねえ。あそこにメイド服の販売をしているから一緒に行く? 採寸や試着も自動だって」

「ふーん。じゃあ行くしかないわね。約束だし…」

勝負で負けたのでラミちゃんとミミちゃんはめいど服を着ることになった。

 だからメイド服を販売しているところを見て買うことにしたのだった。


「あんたが先に買いなさいよ。ほら」ミミちゃんは入り口を開けてラミちゃんを入れる。

 ミミちゃんは外から操作することにした。

「下着姿になるから待って。準備ができたらボタンを押してって」

 と言う声が中から聞こえる。

 ちょっとすると、中からいいわよ。と声が聞こえた。

「えーと。採寸」ミミちゃんはボタンを押す。

 3Dスキャナでラミちゃんの体が自動的に計測される。

 表示された単位をセンチメートルに合わせる。

表示された体の各サイズを読み上げてミミちゃんは言った。

「うわ。お尻でっかい。それに太もも太いし、それと体重。やっぱり重たいわね」

とミミちゃんが言う。


「うっさいわね。早くえらんでよね。オーソドックスなのね。バニーちゃんでなくていいから」

 とラミちゃんが言う。


「えーとこれかな」ミミちゃんがボタンを押す。

 自動でサイズ調整が実行されて、メイド服も自動で着せ替えさせられた。


 すべてがおわり支払いもすむ。

 ドアが開いて出てきた。

「何でバニーなの。違うオーソドックスなものにしてと言ったよね」

 不満だった。

 太ももも太いし、バニーが似合わないウサギのハーフの子。


「やっぱ。太いわね。その太もも」ラミちゃんのバニー姿。太ももを見てミミちゃんが言う。

 どん。

 ラミちゃんはミミちゃんの足としっぽを踏もうとする。

「危ないわね。その足で踏まれたらしぬわよ」


「死なないわよ。せいぜい痛いぐらい。次。早くしなさい」ラミちゃんが言う。

「あたしは2着買うから。2着目なんだけど。身長をあたしよりちょっと大きめにしてくれる? ユキ君に着せるから」

 とミミちゃんが言う。

 体形が似ているというか、細いユキ君ならミミちゃんの身長をちょっと伸ばしたぐらいの服なら着用できると思ったからだ。

「そうね。ユキ君の分ね。じゃあ入って」

 ラミちゃんはミミちゃんを中に入れる。


 表についているボタンを見る。

 子供用(安全のため着替え中も中が良く見えるようにガラスが透けます)。

とあった。

 中のミミちゃんが服を脱ぐ前にそのボタンを押す。


着替え中のミミちゃんが良く見える。

 通行人はたまにいるが気が付いていない。


 すっかりミミちゃんが下着姿になった。

「ボタン押してくれる?」


「うん」ラミちゃんはボタンを押す。

 3Dスキャナでミミちゃんの体が自動的に計測される。

 ネコミミ少女のしっぽまで採寸される。


「あんた。細いわね。あたしが全力でキックしたら足とか折れそうね」

 とラミちゃんが言う。


「いいじゃないの。太いよりは…」とミミちゃんが言う。

 下着姿はばっちり見える。

「体重49.9kgになってるわよ。ユキ君より重くなったんじゃない?」


「げっ」ミミちゃんの声。


「きっとスイーツのせいね。あたしはそんなに増えてなかったし…」


「なに。あんたは63kgじゃない。おでぶうさぎちゃん」


「きー。デブじゃない。ウサギのハーフはみんな重たいの。12歳のララちゃんもあたしぐらい重いんだから」

 と言う。


「きっとそんなにないわよ。じゃあ服。ネコミミメイド服」


「はーい」ラミちゃんは普通にネコミミのメイド服を選ぶが、オプションで布地を少な目にした。


 自動で試着も実施されて。ドアが開く。


 中から出てくると…ミミちゃんは扉を見た。

「あ。服わすれた? あれ?中身見えるの?」

 外側のガラスから中が良く見えるのに気が付いたミミちゃん。


「あ。間違ったわ。この子供用のボタンを押してたわ」

 とボタンを押す。すると不透明になった。


「あんた何やっているのよ。あたしが下着姿のとき周りにみえていたでしょ」


「どうだったか…覚えてないわ」とラミちゃんが言う。


 ミミちゃんはネコミミめいどの服を見る。

 後ろが布地少な目になっていた。

 本人は気が付いていない。


「ぷっ」ラミちゃんは吹いた。


「なに。あんた何かしたでしょ」

 後ろを見るミミちゃん。


「ほら。それ脱いで。ユキ君のも買うんでしょ」 

 とミミちゃんの体を押して再び中へと入れるラミちゃん。


「押さないで」


 ミミちゃんは中に入ってから服を脱ぐ。

 着せるのは自動だが、脱ぐのは手動だ。


「いいわよ」と中から声が聞こえる。


「えーとユキ君の身長は160cmぐらいだったかな」と身長を微調整する。

ラミちゃんはボタンを押した。

 メイド服の種類はネコミミめいどでは、ミミちゃんとお揃いになるので、きつね耳めいどの子が似合うものにした。

 ボタンを押す。


 自動で試着が実施される。

 支払いも終わりミミちゃんが出てきた。


「どうかな? でもこれ。お尻に尻尾用の穴が空いているんだけど…」

 ミミちゃんは自分のお尻に手を当てる。


「ほんとね。これ。ユキ君だけじゃなくてキララちゃんにも着てもらえそうね」


「そうかもね」


☆☆☆


「あら。メイド服。いいわね。あたしも買おう」

 大人のララお姉さんもメイド服を買うらしい。


 中に入るララお姉さん。

「ねえ。どうするの?」聞いてくる。


「えーとね。下着姿になったら言って。ボタンを押すから。ねえララお姉さんはどれにするの?バニーガール?」


「うーん。そうね。どうせならネコミミめいどとバニーガールと狐っ子の3着にするわ。だから3つ押して」


「そんなに…」


 言いながらララお姉さんは服を脱いだ。

 採寸がスタートする。


「うわ。でっかい」

 身長もそうなんだけど…バストサイズがでっかい。

「いいわね。そのお胸」

「そうね。あんたぺったんこよね」ラミちゃんがミミちゃんの胸を見て言う。


「あんたは出てるわね」と胸ではなく、ラミちゃんのお腹を見てミミちゃんが言う。


「くっ。どこ見て言っているのよ。踏み殺すわよ」どん。と足で床を踏む。


 体重はちょと増えていて77kgになっていた。身長は175cmだ。


体重は重たいがナイスバディだ。欧米体形。ウエストは引き締まっている。ぼん。きゅ。ぼんの体形。


 自動で採寸されてバニーガール用の服以外は折りたたんだ状態で出てきた。

 バニーガールのメイド服だけ着用してララお姉さんが出てくる。


「どう?」

 ポーズをとって見せるララお姉さん。

 ナイスバディ。


「いいわ。うらやましい。バニーガールの中のバニーガールね」ラミちゃんが言う。

「そうね。どこから見てもバニーね」ミミちゃんは言う。

 太もも。いい感じ。

 太さ自体は、ララお姉さんのほうがはるかに太いんだけど、身長があるし似合ってる。

 それにお胸。でっかいからいい感じ。

 これ。ユキ君に見せることできないかも。とミミちゃんは思った。


☆☆☆


 12歳のララちゃん達は…


「ねえ。あなた達。これ犯罪よね」12歳のララちゃんが男の人に言う。

「ああ? がきは黙ってろ」と言う。


 別の男も入ってきた。

「なあ。この子。上物の服を着ているじゃねえか。金持ちの子か?

なあ。お前のところのご両親の連絡先を教えてくれるか。

たんまりと身代金をとってから、どこかの惑星に放り出すか」


「え?」

 それを聞いて、男の子の目に涙が浮かび上がる。

「う。う…」

 泣き出した。


「うるせえ。泣くな。ぶちころすぞ」

 と怒る男の人。


「ふーん。やっぱり誘拐。それと『ぶちころす』と言ったわね。いい証拠よね。犯罪確立と」

 12歳のララちゃんは言う。


「なんだてめえ。警察か? それとも何か。警察ごっこか? ああん?」

 男の人は12歳のララちゃんの頭をぶったたく。


「痛い。何するのよ。これはえーと危害を加えたから罪は重くなるわね」


「は? ナニいっているんだ」


12歳のララちゃんは立ち上がった。

 一応みんな両腕を後ろに組まれ、拘束用の器具を付けられていたが、いつのまにか12歳のララちゃんは解除していた。


「えーと。調査によると仲間は全部で12人。ここには7人いて残りの人は別の会場へ行っていると。

じゃあ強制送還。ぽちっとな」

 12歳のララちゃんはTMRの仮想インターフェースを出してボタンを押した。


 すると近くに5人の男の人が転送されてきた。

「うわ。なんだ。なんだ」

「どうなっているんだ」


 12歳のララちゃんは残りの人も転送する。ぽち。ぽちっとな。と言う。


「どうなっているんだ? お前何やった。ぶっ殺すぞ」

 とリーダーと思われる人が言う。


「じゃあ。拘束するね。逮捕と」

 さらに12歳のララちゃんはTMRのボタンを押す。


 すると男たち全員の両腕と両足が空中に現れた紐のようなものでぎゅっと締め付けられる。

「て。てめえ」男がにらんでくるが…


「じゃあ。そのまま監獄へゴー。じゃあね。さよなら」

 ぽちっとボタンを押すと男たちは別の空間へと転送された。


☆☆☆


「お姉ちゃん。警察?」

 ちびっこ達全員。12歳のララちゃんを見ている。


「うん。一時的なんだけど…この事件を追っていたの。もう大丈夫。みんなどこから来たの?」

 12歳のララちゃんは一人ひとりヒアリングして、もとのところへと送って行くことにした。


☆☆☆


 最後に…

「ねえ。最初に乗ってきた車のところに行く? お菓子持っていっちゃおう」

「あ」

「うん。ひどい目にあったし。いいよね」


 と12歳のララちゃんの提案により、お菓子を持っていくことにした。

12歳のララちゃんはTMRに付帯している宅配ボックスがあるので全部のお菓子を持っていくことにした。


☆☆☆


「無料でお菓子を配布中だよ。無料だよ」

 と棚ごと持ってきたお菓子を会場の一角に置いて、12歳のララちゃんは配る。


「あ。ララちゃん。何やっているの?」

 ユキ君とキララが近づいてきた。


「無料だよ。何でも持っていって」


「いいの?」

 ユキ君はお菓子を手にとってキララにあげる。


「どれどれ」キララはカラフルなドーナッツに似たものを手にとって食べる。


「うまいね」色とは違う味。


「うん。ほんと。これシマ君達にも持って行っていいかな」

 キララは言う。


「うん。まだいっぱいあるから。キララのTMRの宅配ボックスに転送してあげる」

12歳のララちゃんは言う。


「え? 転送? そんな機能あるの?」

 キララは12歳のララちゃんに聞く。


「うん。あたしの世界のTMRはそうなの」


「へー。じゃあ転送お願い」

 キララは言う。


☆☆☆


「じゃあ。僕たちは衛星軌道上の図書館と水族館に行くから」

 と12歳のララちゃん達に言う。


「あたしはもうちょっと見ていく」

12歳のララちゃんは一仕事を終えリラックスしている。


「ねえ。お姉ちゃん。一緒にあっち行こう」

 レオが言う。


「うん。もういっか。お菓子もかなりくばり終えたし」

 と棚のお菓子を見る。


TMRの宅配ボックスに棚を仕舞い、移動することにした12歳のララちゃん。












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