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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
再びカザー星系とのやりとり
110/138

カザー星系の所有する観光用トレインの旅... 巨大おもちゃ展(15)

 宇宙の星空の中を進むトレインから見る星空…

「この風景もひさしぶりだね」

 ユキは言う。


「ついさっきまで、景色が綺麗な惑星上にいたからなのかもしれないけどね…

なんか…音がない世界というか…冷たい世界というか…ゆっくりと進みゆく宇宙の景色はそんな感じだね」とキララはユキの隣で外の流れゆく星空を見て言う。

 キララはいつも遠くまでTMRで移動していたから、移動に時間をかけるというのも今まであまりなかったらしい。


「この後なんだけど…なんだっけ」ユキがキララに問う。


「うん。この後に他のみんなも合流するんだけど…うさ耳っ子達は巨大農産物展が気になるみたい。

ギンちゃん達は巨大おもちゃ展。私たちはどうする? 共通マネーなんだけど… みんな不足していると思うから… 私はそれぞれみんなのところに行って買いたいモノがないかを聞いてみようと思う。その後に衛星軌道上の図書館と水族館へ行こうと思うんだけど…」


「僕は先に図書館と水族館に行ってみたい」

 シマ君が言う。そしてミケア・ミレイちゃんを見る。

「私もシマ君と同じで先に図書館と水族館がいい」

 ミケア・ミレイちゃんが言うと。


「ねえ。ユキ君と行くっていってたけど…」

 シマ君は目を細めてミケア・ミレイちゃんに言う。 


「ああ。あれ? たまにいいかなと思ったけど…火山が噴火したみたいにシマ君が怒るからね。

あと…あたしの耳の中に指をつっこまれたらと思ったらやめたの」


「ああ。あれね。僕も耳の中に指をつっこまれたら、びっくりして飛び上がってここの天井をつきやぶるよ」

 シマ君はトレインの中で天井を見て言う。


「じゃあ。やってみる?」

 ミケア・ミレイちゃんが自分の手を前にだして、人差し指だけ伸ばして手をシマ君に見せる。


「いやだよ」

シマ君は警戒する。

「じゃあ。指先じゃなくて、手をぐーにして、シマ君のお耳の中に入れるだけ…」

「それもだめ」

 シマ君は立ち上がり、隣の座席へ逃げる。

 ミケア・ミレイちゃんはシマ君をおいかけて隣の座席へ行ってしまう。


「じゃあ…耳ふーふは」


「もっとだめ」


「じゃあ。シマ君をぎゅっとするのは?」


「うん。それなら…」


「えい」ミケア・ミレイちゃんの声がした。

 きっと抱きついているんだろう。2人は隣の席だから見えない。

 いちゃいちゃしだしたのかな。

 2人の声は聞こえなくなった。


「じゃあ私は先にシマ君達を図書館に置いて行くから…ユキ君は他の人と待ってる?」

 キララはユキに聞く。


「うん。そうだね。あとで衛星軌道上の図書館と水族館でデートだね」


「じゃあついたら。2人を連れて行くから…」


☆☆☆


 惑星へ到着。


 ひさしぶりにみんなと顔を合わせる。

「おお。ユキ」ミミアがこっちに歩いてきて後ろから僕をぎゅっと抱きしめる。


「うわ」

 やっぱりうさ耳っ子は抱きつくのが好きみたい。

 そのままユキはミミアに持ち上げられる。

 重さを計るようにミミアが持ち上げてから床に下す。

 ミアお姉さんも…「あたしも抱きつく」と言いユキに抱きつく。

 ついでに「ああ。あたしも…」とララお姉さんも抱きつく。

「あーずるい」幼稚園児のララちゃんもユキに抱きつく。

「あー。あたしも」とうとう異世界から来た12歳のララちゃんも抱きつく。


 だんご状態だ。

「あの。全く身動きできないんだけど…」

 みんな抱きついてくるから暑い。


「ねえ。みのる。あたしにもぎゅっとして」

「いいよ」

 ヒメルとみのるお兄さんも抱きあう。


「あたしはギンちゃんのしっぽに抱きつく」

 幼稚園児のシロちゃんはギンちゃんのキツネしっぽに抱きついた。


 それらの光景をみてからキララは「じゃあ待っててね」と言い、TMRで壁に自動ドアを開ける。

 キララはシマ君とミケア・ミレイちゃんを先に送っていく。


☆☆☆


 待っているとキララが戻ってきた。

「待ってたのじゃ。まずは巨大おもちゃ展」

「そうそう」

「どんなのがあるのかな」

 ネコミミっ子達とギンちゃんが言う。


「ねえ。キララ。あたし達は巨大農産物展の場所へ行きたい」

 ラミちゃんが言い、ミミちゃんと他のうさ耳っ子はついていくと言う。

 ララお姉さんとララちゃんと12歳のララちゃんは、ギンちゃん達と一緒に巨大おもちゃ展のほうに行きたいと言う。


「あ。やっぱりあたし達は図書館と水族館に行きたい」

 シロとソラが言う。


「うーんどうしようかな。じゃあちょっと送ってくる」キララはシロとソラを連れてシマ君達がいるところへ送って行くことになった。


☆☆☆


 キララの自動ドアが壁に開き、キララが戻ってくる。

「図書館と水族館に今行きたい人はもういないよね」

きつね尻尾を左右にぶんぶんふりながら言う。

隣にいるユキの体にキララのしっぽが強くあたる。


「だいじょうぶ」

「はやくいくのじゃ」

「お野菜。巨大根菜…」

 まずは、巨大農産物展のほうへと行くことにして、みんなつれていく。


☆☆☆


 入り口のパネル。

 カボチャみたいな形のお野菜。

 でっかい。


「各国の言葉に翻訳されて表示されているよ」

 ユキはラミちゃんに言う。


「ほんとね。あ。あれ地球のきゅうりに似ているし…あれ。リンゴじゃない?」

「ああ。ホント。あの巨大リンゴ。一つで70kgあるんだって。あんたと同じぐらいじゃない?」

とミミちゃんがラミちゃんのお腹をつんつんとつっつきながら言う。

「そんなに重くないわよ」と言い、ラミちゃんはミミちゃんの足をずんと踏もうとする。

 ミミちゃんの背後につめより、ララお姉さんが抱きついて言う。

「ラミちゃんをじめちゃダメよ。体重気にしているんだからね」

 とララお姉さんが言う。

「べつに…ネコとウサギは元々仲が悪いのよ」

「まあね。ウサギは肉食動物に食われるほうだから、恨みがいっぱいあるのよ」

「あたしは…あんたを食べようと思わないわね。このぶよぶよのお腹。いらないわ」

 とミミちゃんが言うと…

 どん。

 ミミちゃんの足を踏むラミちゃん。ミミちゃんは背後からララお姉さんに抱きつかれているので足をよけることができなかった。

「ふっふっふ。やっと踏めた。もっと重たくする?ぐりぐりする?」ラミちゃんが言う。

 するとララお姉さんがラミちゃんの逆の足を踏みっと踏む。

「あいたた。ララお姉さん…」

「他の子の足を踏んじゃダメよ。ほら。こんなふうに」

「痛いから…重いから…」とラミちゃんはミミちゃんを踏んでいる足をどける。

 するとララお姉さんも踏むのをやめる。


 仕返しにミミちゃんはラミちゃんの目をめがけてしっぽを出した。しっぽ目つぶしだ。

 微妙に位置がずれて、目の中には入らなかった。

「何するのよ。あたしの目が見えなくなったらどうするのよ」

 ラミちゃんが怒る。


 けれども。今度はララお姉さんがミミちゃんの足を踏む。ぎゅむっと踏む。

「いたた」

「ほーら。喧嘩はだめ。喧嘩したら踏むわよ」

 さらにぎゅむっと踏むララお姉さん。

「痛い。重い…もう踏んでいるし。わかった。わかった。ごめん」ミミちゃんはしっぽを自分の体の後ろに隠す。

「よーし」


「あー。ミミちゃんをいじめてる。大人なのにだめ」

 幼稚園児のララちゃんと12歳ララちゃんが今度はララお姉さんの足に2人で全体重をかけて踏む。

「あいたた」


 それを見ていたユキは…

「何やってるの。人の足を踏んだり、しっぽ目つぶしはだめ。仲良くね。みんな嫌いになっちゃうよ」

 とユキが一言言うと。


「う。ご。ごめん」

「ごめんなさい」

「わるかったわね」

 とみんな謝ってこの場を収める。


 ミミアとミアお姉さんは「根菜はないのか。お。あるな…あれ…いいと思わないか?」

 とミミアがミアに言う「そうね。なんか地球の大根に似ているんだけど…」

「大根? なんだそれ」

「えーとね白くて。大根おろしとかにするといいの。大根おろしはすりおろすの」

「じゃああれか。お寿司だっけ。お寿司につけるやつか」

「なにそれ。違うよ…」

 と会話しているうさ耳っ子達もいる。


 キララはユキの隣に来た。

しっぽをふりまわして、びたんびたんとユキの体に当てる。

キララは自分の頭をユキにくっつけてくる。

 ユキは至近距離にキララのきつね耳があるので、なでてこりこりする。

「あ。そこ。気持ちいい」キララが目を細める…

「ほんと? じゃあこっちは?」

 ユキはちょっと違う位置を指でこりこりする。

「うん。そこも気持ちいい。もっとやってて」

 キララは甘えてくる。

「じゃあ。しばらく…」

 キララとユキ。こりこりなでなでをしていると…

「おっほん。おほん」ミアお姉さんが空の咳をした。

「あ」ユキとキララ。またまわりに人がいることを忘れてた。


「なんか。みのるお兄さんとヒメルみたい」

「そうね」

 ラミちゃんとミミちゃんが言う。

 ちなみにみのるお兄さんとヒメルはというと、2人で抱き合ってみのるお兄さんはヒメルの羽をなでてから、頭をなでていた。

 ヒメルは目を閉じていた。


ギンちゃんはため息をついた。

「そんなことをしてないで、次に行くのじゃ。わしは待ちくたびれたぞ」

 ギンちゃんのしっぽをもふっている幼稚園児のシロもうんと言う。


 ネコミミ子たちも

「大きい巨大ロボとかあるのかな?」

「あたしはお菓子の家」

「あたしは巨大な『にぼしの家』」

「なにそれ…そんなのあるの? 僕も巨大ロボがいいな」

 ギンちゃんとネコミミっ子のトラ、ココ、ミルク、レオが言う。


「あー。あたし…こっちも見たいんだけどぉ」とララお姉さんが言う。


「じゃあ。あとでここの座標に来てね」とキララは座標を教える。

 それから…ここを離れる前にキララはララお姉さんのTMRに共通マネーをいくらか預ける。


「うん。あとでいくから…」とララお姉さんが言い、うさ耳っ子達と共に巨大農産物展の会場へ入って行く。


☆☆☆


 うさ耳っ子達のほとんどの子を置いて、次の場所へと行く。

 ここにいるのはユキ、キララ、ネコミミっ子達、ギンちゃん、幼稚園児のララちゃん、12歳のララちゃん。みのるお兄さんとヒメル。


「これが巨大おもちゃ展ね」

 ヒメルが言う。

 巨大な展示物がある会場。それとおもちゃは購入が可能。

「なんだこれ。すげー。惑星1個売ってる…」みのるお兄さんが展示の内容について書かれたボードを読み言う。


「え?」ユキは惑星のところを読む。

「ああ。惑星まるごと遊園地とかテーマパークになっていて…お子さんのお誕生日におひとつどうぞ。というのだね。たまにあるよ」

TMR持ちのキララが言う。物知りだ。


「た。たまにあるのか…いくらするんだ?」


「えーと時価だって。価格はお問合せくださいと…」


「ねえ。みのる買って!」

 とヒメルが言う。


「えー。無理だよ…というかいるの?」

 とみのるお兄さんは言うが…


「ウソだから」ヒメルはみのるお兄さんの腕にすりすりする。

「ほらいくぞ」

すりすりしているヒメルを抱き寄せてから、みのるお兄さんとヒメルは先に歩いて行く。


「いくのじゃー」

「おー」

「あたしも楽しみ」幼稚園児のシロちゃんもちびっこ達と一緒に入って行く。


☆☆☆


「ねー。あれいい。乗りたい」

「僕も」

「俺も」

 と身長が2.5メートルぐらいの巨大ロボ。巨大まではいかないが大きい。


「あれは?」ユキはキララに聞く。

「おもちゃだよ。ロボットのおもちゃ。乗れるんだよ」


「へー」

 デザインは地球のロボと似ているがちょっと違う。

 角ばっている感じで脚が太い。胴体のところに乗り込み頭のところにカメラとかがついているから、ロボットの顔の目線で外が見えるし、操縦も簡単とあった。

 体の小さい幼稚園児でも動かせる。


「ねえ。ママあれ買って」

 近くにいる子がママにせがんでいる。


「そうね…誕生日にいいかもね。ちょっと待っててくれる? パパに聞いてくるから…」

 と普通のおもちゃをねだるように買いたいと言っている子がいて、どうやら買ってもらえそうな感じだ。


「30万クレジットか…」みのるが言う。


「みのるも買う? お庭にでも置いておく?」ヒメルが聞く。


「まあキララに頼めば買えそうだが…もう巨大ロボの年は卒業しちゃったしな。でも乗りたい」


「あたしは写真とってあげる…」別のロボに乗り込むみのるお兄さん。

 それを写真に収めるつもりのヒメル。


「ねえ。みんな好きなところに行っていいけど…時間になったらこの会場の中央広場に集まること。もし迷子になったら係の人に言ってね。あと…知らない人についていかないこと」


「はーい」

「うん」

「ねえ。あたしはあっちのお菓子の家へいってみたい」

「うん。あたしも…」


「ねえ。ユキお兄ちゃんはみたいものないの?」

 12歳のララちゃんはユキの手をとる。


「うん。そうだね。何か宇宙関連のものとか…」

「そうだね。それじゃ…A13の区画はどう? 宇宙関連のGoodsとかあるんじゃないかな」

と12歳のララちゃんが言う。

「そうなの?」


「うん。たぶん。この世界と前に行った世界が似ているのならね」

 と12歳のララちゃんは言う。


キララが検索すると「あ。あったA12区画だね。A13は世界の植物関連だね」

とキララはユキに言う。

「どれどれ」ユキはキララが見ている表示を見る。


 ユキは「ねえ僕たちはA13の区画へ行ってくるから」とみんなに言う。


 みのるお兄さんがロボに乗り込むところだが「おう」とだけ返事した。


☆☆☆


「うわぁ。すごいね。これ見てよ」とキララ。

 宇宙関連のものが展示・販売されている区画。


「え?」ユキは説明を読む…「うーんと。実物大の惑星を映し出すことができる映写機って。

実物大?」


「うん。宇宙空間で使うみたい。何もない宇宙空間にこれを放出すると、実物大の惑星の映像が表示されるんだって。他にも恒星とかあるよ。中につっこんでいっても熱くないから、宇宙船で恒星へ突っ込むのを体験できると…」


「へー。スケールがでっかいね」


 会場を歩く。


 さすが地球とは違い宇宙に関連するものが豊富にある。

 地球ではまだ発展途上というかそこまでいっていない。宇宙に関しては原始時代のようだ。


「あ。これ…めずらしい惑星や恒星系のデーターベースだって。撮影用デバイスにも接続が可能とあるよ。いいんじゃない?」

 キララが手にとって、ユキに渡してくる。


「いいね」いろいろじっと説明書を読んだり手にとって見たりする。

 金額を確認してから…ユキは…

「じー」口で言いながらキララをじっと見る。


「そんなことしなくても買ってあげるよ。共通マネー足りないよね。あとで何か地球でおごってね」

 キララは販売用の棚から一つとりだし、レジのかわりの台にかかげてTMRで支払いをすませる。


 そのままTMRの宅配ボックスの中にしまう。

「ありがと。キララ好き」ユキはキララに抱きつく。

 ついでにキララのきつね耳の付け根をこりこりする。


「あ。そこ…気持ちいい」キララはユキに体を預ける。

「じゃあこっちの耳はどう?」

 ユキはキララのきつね耳の付け根をこりこりしていると…


「ラブラブね」と後ろからヒメルの声がする。

 見るとみのるお兄さんとヒメルがいた。

「あれ。ロボットは?」


「うん。楽しかった。宇宙関連のところに行くって言ってたから来てみたんだ」

「そうね」

 とにやにやしながら、みのるはこっちを見ている。


「おほん。おほん」キララは空の咳をした。

「あ」ユキはキララから離れる。


「なんか買ったのか?」みのるお兄さんがユキに聞く。


「うん。撮影用デバイスにつけることができるこの機械。めずらしい惑星や恒星系のデーターベース」


「へー。こんなのがあるのか…」


 みのるお兄さんはまわりを見ながら隣にいるヒメルの羽のつけねをこりこりとする。

「あ。そこ。気持ちいい」ヒメルが言う。

 みのるお兄さんは鳥のなでポイントを知っている。

 ユキは狐っ子のなでなでポイントを知っている。


 ヒメルは歩いて行く。みのるお兄さんは歩きながらヒメルをこりこりする。

「ねえ。みのる。これ買って? 部屋に置くタイプの超立体プラネタリウム。地球もあるよ。あ。あれ? 地球っていっぱいあるの?」

 説明書きを見て言うヒメル。


「ああ。それ? 翻訳されているからね。元々は現地で使っている言語で地球と同じ意味の言葉なんだけどね。僕たちの太陽系の地球もあるよ」

とキララが言う。


「あ。ほんとだ。この地球なくなっちゃったんだよね。別の世界だとね」


「え?」

「え?」

 みのるお兄さんとユキは12歳のララちゃんのほうを見る。

「あー。この世界とは遠い世界なんだけどね。K.K星系の人達がやっちゃって。ちなみにこの世界だとミミちゃんがこの危機を回避したんだけどね。別の世界だとこの旅の途中だったかな。ここでも同じだと思うんだけど」


「そ。そうなの?」

「全然知らなかった。普通だったし…」

 ユキとキララは目を合わせる。


「ねえ。これ。買ってくれないの?」

 ヒメルが可愛くみのるお兄さんに言う。


「ねえ。これ。買って?」

 みのるお兄さんがキララに可愛く言う。


「買ってあげる」

 キララは購入をすませて自分のTMRの宅配ボックスに入れる。


「ありがと」

 ヒメルはキララの耳のつけねをなでる。

「あ。そこ。そこそこ」

 キララが言うが…


「えーどこ?」

 ヒメルはなでているところを少しずらす。


「あーちがう。ユキ君のほうがいい」

 キララはちょっとしゃがんでからユキの隣に行く。


「どれどれ」

 ユキはキララの耳のつけねをこりこりする。

「あー。そこそこ。うんそうだよ。まさにそこだよ」

 目を細めるキララ。


「あたしじゃだめか。じゃあみのる。肩こってない?」

 ヒメルはみのるお兄さんの後ろにまわり、みのるお兄さんの肩をもみもみする。


「お。そこ。そこだ。いい。気持ちいい」

 みのるお兄さんが目を閉じる。


「おほん。おほん」12歳のララちゃんは空の咳をした。

「あ」ユキはキララから離れる。


「あたし。仕事があるから。ちょっと行ってくるね」

 12歳のララちゃんが言う。


「仕事?」


「うん。ちょっとしたら戻るから。好きなところに行ってていいよ。見つけて合流するから」

 12歳のララちゃんは空中にTMRの自動ドアを開けて出て行ってしまった。


「なんだろうね」

「さあ」


「じゃあ別のところも見てまわるか」

「うん。トリっぽいGoodsがあるところない?」

「トリか。なあ」

 みのるお兄さんがキララに聞く。


「えーとね」

 とキララがデバイスで検索をし始める。


 面白いものがいっぱいある展示場。


 親切にみのるお兄さんの要求を聞いてあげるキララ。

 そんなキララを横で見ているユキ。



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