カザー星系の所有する観光用トレインの旅... 共通マネーがもらえるイベントと女の子になったシマとユキ(11)
「ふっふっふ。これなんてどうかな?」
「ふっふっふ。これなんてシマ君に似合うんじゃない?」
キララとミケア・ミレイちゃんがユキ君とシマ君にせまっていた。
「それはちょっと」
「僕も遠慮したいなあ…あはは」
「だーめ。せっかくなんだから…」
☆☆☆
シマ君が撮影用の機材がほしいと言い出して、次に経由する惑星上のイベントに参加したら、共通マネーがもらえるとのことだったので惑星上に降り立っていた。
キャンペーンで女子はポイント2倍ということで、男の子のユキ君とシマ君は、ミケア・ミレイちゃんの意見により、男子は見た目女子に変装することになった。
なお、本物の女子でなくても問題はないとのこと…
「ふ。ふりふり…」
ユキはキララが選んだ可愛い服を着ていた。
ふりふりがある服。
そして…シマ君はボーイッシュな女の子の見た目になっていた。
「ねえ。ミケア・ミレイちゃん。シマ君。かわいいね。そしてユキ君。そんじゃそこらの女子より可愛くない?」キララがミケア・ミレイちゃんに言いながらユキとシマの2人を見る。
「そうだね。グレードはAぐらい?」
「うふふ。そうだね。ユキちゃん」キララがユキの隣に移動し、後ろからも見る。
そして…しっぽをぱしぱしとユキのお尻にあててくる。
「えー。そんなに女の子っぽい?」
恥ずかしそうにしているところも可愛く見える。
「しょうがない。行くか。ユキちゃん」シマ君が言った。
「もう…シマちゃん…」ユキ君も合わせる。
☆☆☆
イベント会場。
ほぼ。女子だった。
見た目。男のがたいがいい子もいるが服装はピンクとか、黒とか様々だが服装から見ると女子っぽい。
「ゆーきくーん」遠くから呼ぶ声。
そして…誰かが後ろから抱きついてきた。
「げっ」ユキは後ろを見る。
大きいうさ耳の子。抱きついてきたときの背中の感じから…
「ら。ララお姉さんなんで?」
「うふふ。女の子になっているの? ユキ君。いいえ。ユキちゃん」
すーりすりとしてくるララお姉さん。
ララお姉さんの大きなお胸もユキの背中にあたっている。
ララお姉さんはユキを持ち上げ、すりすりしている。
「うわぁ。やめて…」
「だーめ。ちびっこイベントでダメージを受けたから、ユキちゃんをもふりに来たの。
しばらく一緒」
「えー」ユキはもがく。
「こら。もふるの禁止。もうすぐでイベントが始まるから…」
キララはララお姉さんの腕をとり、ユキちゃんからララお姉さんを引きはがす。
「えー。まだ充電終わっていないのに…」ララお姉さんはユキの隣に立って言う。
「ねえ。なんでここに来たの? みんなは?」シマ君がララお姉さんに聞く。
「うん。ちびっこイベントの後、あたしが負けちゃって共通マネーをミミちゃんとラミちゃんに分けてあげたの。そうしたら惑星に下りて買い物タイムになって…自由時間を3時間とったから、ユキちゃんに合いに来ちゃった。もちろんTMRで…ユキ君がイベントに参加するのかなと思って…
なんとなく感でこっちに来たらいたの…」
ララお姉さんは言い終わり、やっとユキを地面に下す。
「感?。なんとなくの感でこっち来たの?」
「うん。そう。なんとなく…」
「すごいね…じゃあララお姉さんも参加でいいんだね。失敗すると床が開いて泥の中に落ちるんだけど…」
「え? そうなの?」ユキはキララの発言にびっくりする。
「ほら。ここに書いてあるよ…」キララはパンフを見せる。
「せっかく可愛い恰好しているのに…あ。そうだ。写真とっちゃお」ララお姉さんはユキとシマ君の写真をとる。
「あー。だめだって。こんなの見せられないよ…」
「うえー」
「だーめ。あたしの宝物にするから…」
ララお姉さんはスマホを持った手を上にかかげる。
ユキとシマ君はスマホを取ろうとするが、ララお姉さんは背が高いので届かない。
「あー。届かない。じゃあ合体。ほらユキ君。持ち上げるから…」
「うん」
ユキはシマ君によって持ち上げられる。
でも…ララお姉さんは手を後ろのほうへと移動し、2人から離れたところに手を移動させる。
「写真はあきらめるのよ。ロックするから…消すの禁止。ほら始まるわよ…」
ララお姉さんは指をさす。
大勢人がいる。そんな会場で主催者の声が聞こえる。
『みなさんこんにちは。これからクイズを開始するよ。正解と思ったほうへ行くこと。Aの枠とBの枠の2択からね。
じゃあ問題。この星系から100光年以内にはブラックホールが無い。正解と思う人はAと書いてある床へ行くこと。不正解だと思ったらBの枠へ行くこと』
「えー。どっちだろう…」
ララお姉さんは悩む。
けれどもユキとシマ君はすかさず…「Bだね」と言う。
「あ。そうか。今はブラックホールは無いけど…将来ブラックホールになる星はあるって言ってたね」
銀河の撮影イベント。パンフに書いてある。
Bと書いてある枠の上に立って並ぶ。
だいたい半々ぐらいの人数になっている。
『もういいかな。答えを変更する人は急いで移動してね…あと2分だけ待ってあげる。不正解なら床が消えて泥の床になるから…深さは20センチかな?』
びー。音がして締め切りとなった。
『正解は…
…
…』
言うのをためてから…『B』と答えた。
「やった」
「うん」
不正解のほうは、床が消えてみんな <ばちゃん> と泥の上に落ちる。
衝撃で転んで泥らだけになった人もいる。
「いやぁ」
「なにこれ」
「不正解なの? これで終わり?」
☆☆☆
参加人数は半分になった。でもまだ大勢が参加している。
『じゃあ問題。今度は3択。各星系の中で現在も知的生命体が永住している<地球>と言う名前の惑星の数は? 10個以下はA。100個以下はB。1000個以上はCを選ぶこと』
「えー。そんなの知らないよ」
「うん。僕の出身惑星も地球だけど…異世界だしなぁ」
「あ。わかった。現在も…だから答えは100個以下」
キララが言う。
「そうなの?」ユキが聞く。
「昔は多かったんだけど…過疎化が進んだ惑星とか、住民が星を捨てて移住しちゃったり、地球という名前の惑星があまりにも多いから改名したり…破壊されたり…
最近も。カザー星系の人が地球という惑星を破壊したって聞いたよ…間違ってだけど…」
「あー。そういえばそうね…ミミアが言ってた」ララお姉さんが言う。
「だから100個以下ね。あたしも賛成」
「うん。キララが言うなら…」
みんなBへと移動する。
『正解は…
…
…』
また正解を言わずためている。
AとCの床ががばっと開き、B以外の床に乗っていた人が泥の中に落ちる。
『Bだね。地面がのちのち、球であることがわかって地球という名前を付けるところが多いから、地球という知的生命体が住んでいる惑星が多いみたいだね。でもあまりにも地球という名前がついている惑星が多いから改名したり、移住して現在は人が住んでないところもあるよ。
現在登録されている地球という名前の惑星で、人が住んでいるところは100個以下になったんだ。
正解の人はちょうど100人ぐらいだね…会場を移動するよ…
矢印の向きに進んでね。VRを利用した会場に移動するよ。裸眼で見えるからね』
とアナウンス。
☆☆☆
『次はサービス問題で2択。恒星で一つの恒星系に住んでいる住人より、2重星系や3重星系に住んでいる住人のほうが宇宙に進出していくのが早い。正解ならA。不正解ならB』
「これは…Aかな」
「うん。宇宙に興味を持つかどうかだね…」
みんなAに移動する。けれども少数の人はBに移動する。
『正解は…
…
…』
『正解はAだね。今までの統計学的に調べた結果なんだけどね。遠くから見て1つの星だと思ったら連星とか3重星だとわかったら恒星とか宇宙に興味を持つよね』
「やった。ねえこれでまわりにいる人を見て…90人ぐらいかな」
「そうだね…あっという間に減ったかも…地球の問題で一気に減ったね。
みんないろいろなところへ行っているから地球という名前のついている惑星をいろいろ見て来たからなのかもね。僕たちはそれほど宇宙へ行ってないし…それが良かったのかも…」
とキララが言う。
「うん」ユキは疲れて座り込んだ。
「あーだめだよ。その座り方。見えるよ…」
キララがユキに言う。
「あ」ユキはあぐらをかきそうになり、あわてて座りなおす。
ユキの目の前にシマちゃんとキララのきつねしっぽがある。
しっぽをもふもふする。
「しっぽは後ろにひっぱらないでね」シマちゃんが言う。
「大丈夫。さわるだけだから…」ユキちゃんはしっぽをもふる。
キララのしっぽとシマちゃんのしっぽを交互にもふもふして、最終的にキララのしっぽを多くもふもふする。
「私のしっぽのほうがいいの」キララがユキちゃんに聞く。
「うん。いつものしっぽだから…シマちゃんのしっぽと毛触りがちょっと違うね」
「ま。まあね。女の子だからね」
ということを言っているとアナウンスが聞こえ、しっぽのもふもふタイムは終わりになった。
『じゃあ。次の問題。超新星爆発で壊滅した文明は50以上ある。正解はA。不正解はBへ』
「Bかな? 爆発がある時期はわかるよね。それに避難したら壊滅とは言わないよね」
「うん」
まわりの人が言う「俺の地元は今ないんだ。超新星爆発で立ち入り禁止になっている。かなり昔だけどな」
「あたしも聞いたことがある。結構多いんじゃない?」
と別の女子の声。
それぞれ半々ぐらいの人数でAとBが分かれる。
『正解は…
…
…』
また答えを言わずためている。
『不正解のほうは爆発するからわかるよ…10.9.8...』
Aのほうが爆発した。
爆発はVRによる映像効果だから危険はない。みんなびっくりして座り込んでしまう。
「よかったね。まだ続けることができるよ。僕の撮影用機材。買えるかな?」
シマちゃんが言う。
「うん。頑張ろう」ユキは座ったまま言う。
『次は僕たちが用意したバス乗ってくれるかな? 不正解のバスに乗ったら爆発する炎の中に突っ込むよ。もっともVRだから熱くないけどね』
とアナウンスがある。
キララはユキに向かって手を伸ばす。
ユキはキララの手をにぎる。ユキは立ち上がる。
「次の問題は何かな」シマ君が言う。
『おめでとうございます。人数が少なくなりましたので。みなさんには10000クレジットを差し上げます。正解するごとにクレジットは増えます。最後まで残っていた人にはボーナスポイントがあります。さらに女性は最後にクレジットの額が2倍になります』
「じゃあ今の時点で20000クレジットになるの?」
「うん。でもシマ君のほしい撮影用機材は30万クレジットだよ」
「うん。まだまだ頑張らないとね」
『じゃあ次の問題。異世界は本当に存在する。正解はAのバス。不正解はBのバス』
「なにこれ。簡単だよ。Aだね」
「うん。Aだね…」
「そうだよね」
ユキとキララ。ララお姉さんとシマ君。ミケア・ミレイちゃんはAのバスへ乗り込む。
全体の人数のうち、3/4がBのバスへと乗り込む。
『正解は…
…
…』
『B』
「えー。間違いだよ…」
「なにそれー」
「えー」
ユキ達は言う。
そしてバスが動き出す。
それから1分ぐらい進んだ後…前方が爆発し、爆発した炎にBのバスが突っ込んでいく。
『正解がBはうそでした』
「な」
「なーんだ」
「やっぱり」
と僕たちが言うと…
「本当に異世界があるのかよ」
「そうなの?」
「異世界から来ている人っているの?」
と別のグループの人が言う。
「いるよ…ここに2人…」とキララはシマ君とミケア・ミレイちゃんを指さす。
「えー。本当なの?」
見知らぬ人が聞いてくる。
「うん。そうだよ…ちなみにあたしとこのシマ。シマちゃんは別の世界出身だから…」
「へー。だから正解できたんだね…
ねえ。君は男の子でしょ。ボーイッシュだし…そしてこの子とこの子。そしてこの子は女の子でしょ?」
「へ?」
キララとミケア・ミレイちゃん。ユキ君を指さして言う。
「あたしは?」ララお姉さんは言う。
「もちろん女の人でしょ? お胸がでっかいし…」
「こっちの子。かわいいね。ふりふりの服も似合ってるし…
あたしだったらふりふり過ぎて似合わないかな…」
見知らぬ人が言う。ユキ君を女の子と思っているみたい。
「えーと。そう見えるかな?」
「げっ。まさか男の子なの?」
「えー。あたしより可愛いじゃない…」
「まじなの?」
「ほーら。女の子だって。ユキちゃん」
「えー」
とやりとりをしていると…
『次の問題。正解だと思ったらこのままAのバスに残ること。不正解ならBのバスに移動すること』
と聞こえる。
「ゆーきちゃん。かわいい…」またララお姉さんが抱きついてくる。
「もう…抱きつきすぎ…」ユキはララお姉さんを引きはがそうとする。
「だーめ」
ユキちゃんとララお姉さんがじゃれていると…
『問題。太陽が10個見える惑星に今も人が住んでいる? 正解はA。不正解はB』
「なによ。宇宙の問題ばっかりじゃない…ニンジンの育て方とかの問題でないかしら…」
ララお姉さんが文句を言う。
「そんなの出ないよ…ほら。どっち? 私は正解だと思うよ」
キララは言う。
「10個ね。すごく暑そうな惑星だね。でもそのぐらいはあるかも…」
別のグループは「あたし聞いたことがある。今はもう誰もいないんだって…」
「ああ。あの。あそこか…でもあそこ以外にもあったら?」
「うーん。そっか。じゃあ正解で…」
「そうするか…」
不正解のバスには誰も移動しなかった。
『正解は? バスが進んだらわかるよ…』
バスが動き出す。
隣には誰も乗っていないバス。
バスは壁に向かって走っていく。
このままだと激突する。
どがん。音がして壁をつきやぶる。
隣のバスも同時につきやぶり、その後…なぜか割れた地面へとバスごと落ちて行った。
「ひえーなにあれ…
あっちに乗っていたら落ちてたの?」
「危険はないんじゃないの?」
『正解は全員だね。おめでとう。クレジットは10倍になります』
「おお。すげえ」
「やった」
「良かったね。ユキちゃん」シマ君が言う。
「良かったね。シマちゃん」ユキも合わせて言う。
『残り2問だよ。バスから降りてね… 次の場所は椅子があるから座って休憩していていいよ。
準備するからね』
☆☆☆
場所を移動したら椅子があった。そしてテーブルには飲み物と軽食が用意してあった。
お菓子を食べようとするユキとシマ。
「ああ。だめよ。女の子らしく食べなきゃ…」
ララお姉さんが言う。
「えー。別にいいじゃない」
「うん」
「だーめ。今は見た目女の子なんだから…手をそえて…こう」
ララお姉さんが見本を見せるが…
「なにそれ。ララお姉さんも普段してないじゃない」
「うんうん。シマちゃんの言うとおり…」
ユキ君は軽食を両手で持って小動物が物を食べるようにして食べてみた。
「な。なにあれ…かわいい…」
「ほんと…ねえ。君本当に男の子? うそなんじゃない?」
「ねえ」
別のグループの子達。
「ねえ。じゃあ君たちは全員女の子? それとも男の子が混ざっている?」
シマちゃんが聞く。
「どっちでしょう」
「どうでしょう」
「あててみて」
「うーん」ユキとシマちゃんはじっと見て考える。
「わかんない」
「実は3人中3人が女の子」
「そうだよ」
「そうよ」
と言う。
「ねえ。こっち来て…」
別のグループの子にユキちゃんがまざる。
「あたし達の中に男の子は混ざっているでしょうか? それとも全員女の子でしょうか?」
知っているがあらためて聞く。
「ユキちゃんを知らなかったら。わかんないかも…」
「ユキちゃんが一番かわいいかも」
「うん。一番女の子っぽいし…」
「ランクも高いしね…」
「ほーら。やっぱり。すごいよ」
「ねえ」
「本当は女の子なんでしょ。あたし達をからかっているんでしょ」
別のグループの女の子がユキちゃんの股間に手を触れてしまった。
「あ」
「え? あー。やっぱりこの子男の子だわ… ちょっとさわっちゃった」
「何さわったのぉ? えっち。このこの。襲っちゃえ…」
「えー」ユキちゃんの顔はちょっとこわばる。
「うそうそ…」
とかやっていると…
『準備はできたよ。この箱から出てくるのは赤い玉でしょうか? それとも青い玉でしょうか?
赤なら左の道へ進んでね。青なら右の道へ進んでね』
と言われ、みんな考える。
「なにあれ。絶対わかんないって」
「じゃあ。あの人が着ている服が青だから青ね」
「いいや。あたしはあの人が履いている靴が赤だから赤」
「私は両方出てくると思うな。箱に1個しか玉が入ってないとは言ってないし…」
「え?」
「そうなの?」
「うん。だからどっちに進んでもいいと思うの…」
「じゃあ。あたしとユキちゃんは赤に。キララちゃんとシマちゃん達は青にね…」
「えー。なんでララお姉さんとユキちゃんが一緒なの。私はユキちゃんと一緒がいいな」
「ちぇっ。二人きりのときにもふろうとしたのに…」
ララお姉さんはまた、もふろうとしていたみたい。
結局誰がペアになるかはじゃんけんとした。
ユキちゃんとシマちゃんが赤。そのほかは青になった。
別のグループの子も青になった。
進むと。椅子が置いてあるところになった。
『これを回してね。1人ずつだよ』
いわゆるガラガラだ。ハンドルを回すと何か出てくる。
「じゃあ先にどうぞ…」ユキはシマちゃんにゆずる。
「えー。僕が先? しょうがないなあ…」
シマちゃんがガラガラをまわす。
ころん。
玉が出てきた。
「あ。銀色…」
『おめでとうございます。共通マネーが7倍になります』
「やった」シマちゃんは大喜びする。
「じゃあ僕…」
ユキはガラガラをまわす。
ころん。玉が出てきた。しかもあまりガラガラでは見たことがない透明の玉。
『ん? こ。これは…レアものが出ました。透明な玉です。共通マネーが1000倍です』
「えー」
「すごい…」
『じゃあ残り1問です。残りの1問に当たらなければ共通マネーは全部没収です』
と言われる。
「えー」
「全部…」
それに加え『あちらへ進んでください…』とアナウンスがある。
☆☆☆
「あ」
「キララ…」
「ゆきちゃん…」
みんなと合流した。
「ねえ。どうだった? 私たちのほうはくじだったよ。それぞれ共通マネーが数倍になったり。大当たりが出て20倍になったり…」
キララが言う。
「ふっふっふ。こっちはユキちゃんが大当たりで1000倍だよ。僕は7倍だけど…」
「せ。せんばい…すごくない?」
「すごい…それだけあったら。ねえ…あんたのところの会社立て直せるかも…」
と別グループの子が言う。
「なに? 困っているの?」気がやさしいユキは聞いてみる。
「あのね…」その女の子は簡単に話しだした…
☆☆☆
『最初に各人カードを引いて番号を覚えてね』
「じゃあ。わたし一番」
ララお姉さんが最初にカードを引く。
「あ。あたしは5番」
「じゃあ。ぼく…」ユキがカードを引き言う「0番だった」みんなにカードを見せるユキちゃん。
みんながカードを引き終わった『じゃあ。最後の問題。次の問題は金色のカードを引いた人が当たりなんだけど…何番のカードを持っている人が当たるでしょう』
と言われる。続けて『時間は10分間。待ってあげる。これはサービス問題だよ。良く考えるとみんな当たりだからね』
「へ? みんな当たり? 確立問題じゃないの?」
シマちゃんが言う。
「うーん。サービス問題…」キララが考え出した。
「ねえ。キララどう?」
頭のよさそうなキララに聞く。
「えーとえーと。うーんとね。金色のカードを引いた人があたり…当たりの人はカードを必ずひく必要がある…あ。じゃあカードをひかなければ、他の人は、はずれ?
ん? それとカードは一枚しか引いちゃいけないとは言われてない…
あ。じゃあ。みんな0番を紙に書いて」
「そっか」
「なんで?」
「わかった」
みんなユキちゃんのほうを見る。
みんな0番とカードに書いて、ユキちゃんが次のカードをひく用意をする。
『じゃあ。カードをひいてね』
「うん」
1枚目。白のカード。つまりはずれ…
そして。ユキは続けてカードを引く。
カードを引いてはだめと言われない。
ユキはカードをめくる。
次も白のカード。
つぎつぎとめくる。
そして…14枚目。金色のカードが出た。
『おめでとう。0番のカードを引いた子が金色のカードを当てたから、全員当たり
共通マネーはみんな女の子だから2倍になるよ。
共通マネーの譲渡やおすそ分けは自由だからね』
「やった」
「うわぁ」
ユキちゃんとシマ君は抱き合って喜ぶ。
見た目。女の子どうしが抱き合っているみたいに見えた。
☆☆☆
「はい。これ…」
ユキちゃんは見ず知らずの子に共通マネーのほとんどの金額をわけてあげていた。
「いいの?」
「うん。困っているみたいだったから…」
「ほしいものなかったの?」
うれしくて泣きそうになっている。
「うん。いいや」
「ありがとう…」
抱きついて泣く。
「あ。じゃあさ。これあげる…」
同じグループの友達の子は、撮影デバイスをシマちゃんに差し出す。
「これって?」
「うん。共通マネーが貯まったから新しいのを買うの。これは今まで使っていたものだからあげる」
「ほんとう? やった」
シマ君も喜ぶ。
☆☆☆
「よかったわね」ララお姉さんはシマ君の頭をなでなでする。
「うん。良かったよ。しかも結構高級品じゃない?」
シマ君はもらったばかりの撮影デバイスを見る。
「そうかも…僕が買ったものより倍率が高いし…」
共通マネーがもらえるイベントは終わった。
「いやぁ。面白かったね」キララが言う。
「そうだね。しかも…いいことをしたし…共通マネーはほとんどあげちゃったけど…」
「僕は撮影デバイスをもらっちゃったし… これ使いたい…」
「うん。トレインへ戻ったらまた撮影できるよ…」キララはシマちゃんに言う。
ユキとシマちゃんは、着替えたいと言い出した。
「えー。だーめ。かわいいからしばらくそのまま」
ミケア・ミレイちゃんがシマちゃんに抱きつきながら言う。
「だーめ。あたしはまだもふりたいから… 女の子のユキ君。もふりたいから」
「えー」
もふもふはもうちょっと続く。
そして着替えるのももうちょっと先になる。
☆☆☆
そのころ…別の惑星で…
ミミちゃんは、惑星上で通りを歩いていた。
「あ。なにこれ…」道の上に落ちているカードを拾う。
黒いカードで指でタッチすると、カードに文字が浮かび、所有者と思う顔写真がうかびあがる。
大事な物?
だれか落とした?
ミミちゃんは、まわりを見るが、3つにわかれた道の先には誰もいない。
ミミちゃんはカードをポケットに入れ、先に進むことにした。
5分ぐらい進んだとき、横の道から急に人が出てきた。
「おわっ。悪りぃ」男の人だ。
あれ? この人…
ミミちゃんはカードを出す。やっぱりそうだ。
今出てきた人。
「ねえ。あなたに聞きたいことがあるんだけど…これ。落とさなかった?」
ミミちゃんはカードを見せる。
男の人は「お。俺だ。えーと」ポケットをまさぐってから「落としたらしい。俺のだ」
手を出してくる。
「はい」ミミちゃんはカードを渡す。
「サンキューな。これ。落としたらめんどくさいことになってた。アリガトよ。
いつかこの借りは返したいと思っている。
じゃあな」
「うん」
ちょっとかっこいい長身で細身の男の人だった。
☆☆☆
「ねえ。このVR施設で先の惑星のグルメを体験しない?
いっぱいあるから候補を絞りたいでしょ」
ミミアがミアお姉さんに言う。
「そうね。そうしましょ」
VR施設がある惑星へと降り立ち建物の中へ入っていくうさ耳お姉さん。
その後をじっと見ている男性。
その男性が言った。
「今入りました。これから後をつけて、どのVR番号へ接続したかを確認します」
「おう。番号がわかったらハッキング開始たのむ。その後そのVR番号の部屋へ割り込む」
「了解」
ミミアとミアお姉さんは変なことに巻き込まれそうになっていた。




