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【連載版】しっぽのとなり  作者: しっぽと羽
再びカザー星系とのやりとり
103/138

カザー星系の所有する観光用トレインの旅... ミミアとミアお姉さんの惑星上の揚げ物料理とたまごとお酒のグルメ(8)

「さあ。着いたわ。ここでの揚げ物料理がおすすめなの。お野菜のね」

 ミミアが言う。


 ここは惑星上。

 トレインから移動した。


「へー。いいところね。気候も温暖でちょうどいい温度。それに山もあるわね。畑かしら?」

 ミアお姉さんは田舎でのどかな惑星上へと降り立ち、あたりの景色を見ているのだった。

 地球の田舎と変わらない。


「住むにもちょうどいい場所よ。ちょっと歩くと駅があってね。そこから10分でレストランよ」


「やっぱりあたし達みたいな子には田舎よね。畑とか…根菜とかニンジンとか」


「まあ…そんなにニンジンが好きなのか?」

 ミミアが言う。


「へ? あんたも好きでしょ?」


「まあ。普通だ。ニンジンよりおいしいものがいっぱい宇宙にはある」


「それでもウサギなの? じゃなかったわね。長耳族だっけ」


「そうだ。外見がそっくりなのは何かあるんだろう…」

 会話しながら歩き、駅に到着する。

「ねえ。改札とかは? お金払わなくてもいいの?」

 ミアお姉さんが聞く。


「何言っているんだ。ここは地球じゃないんだ。乗り物はすべてタダだ。TMRで空間移動ができる世の中なのに、わざわざ地上を移動する乗り物が有料だったら使わんぞ」


「そっか。そうよね。あまりにも地球に似てたから…」

 そう。結構似ている。


「まあ。当然だもんな。地球出身の人がこの町を開拓したんだ」


「へ?」


「時代がお前たちより後だからな。そういうこともあるんだと考えなかったのか?」


「ああ。そうよね。そうそう。自分の時代から未来へ来ているんだったわね」


「もう少しで列車が来るぞ」


「うん」


 確かに線路とか地球のものそっくり。


☆☆☆


「ここだ」ミミアがお店を指で示して言う。


「へー」いい感じのこじんまりとしたレストラン。

 田舎の道沿いにある。

 人は普通。数人中にいるようだ。


「空いている席にどうぞ…」店員の人が言う。

 店員の人も長耳族。つまり外観は似ている。長い耳。そして白い体毛。丸い尻尾。


 席に座り、メニューを手に取る。


 メニューは電子化され、各国。各星系で使われている言語に自動的に翻訳される。

 写真や、メニューを見ている人に毒になるような食材が使われているものは非表示になる。


「あたしはこの揚げ物料理にするわね。地元のお肉と根菜。そしてお野菜の各種おすすめの品。大盛で」

 ミミアはミアお姉さんにメニューを見せる。

 あ。書いてある文字が読めない。きっとミミアが使っている言語で表示されているんだろう。


「あたしもそれにしようかな? あ。でも違うほうがいいかもしれないし…じゃあ隣の。揚げ物料理。スープ付きのにするわね。お野菜の揚げ物が一部違うものが使われている」


 ミミアは共通マネーで決済を済ませる。決済と同時に注文される。


 たぶん15分ぐらいで出てくるとミミアは言う。


 ミアお姉さんとミミアは窓から見える景色を見ながら待つ。


 窓からは畑が見える。畑には人がいて、農作業をのんびりしている。


 たまに、かがんでいた腰を伸ばしてのびをする。

「どこも同じね」


「まあ。そうだな。でも…機械化が進んで人が農作業をしていない惑星とかいっぱいあるぞ。

そういう惑星があるから食料は安いんだ」


「そうなの。貴重な食べ物はないの?」


「そういえばあるな。食中植物の根菜とか。すごくおいしいんだが…1本で5万クレジットする」


「5万…」ちょうど共通マネーの5万クレジットは日本円で5万円だ。


 それは高い。


「食中植物の根菜? でも…人が食べられちゃうほど大きいの?」


「ああ。お花が大きいんだ。それに触手がある。消化用のチューブもあってだな。触手につかまって、その中に入れられて溶かされる。それが栄養となるんだ。主にトリや昆虫が捕らえられる。

そして…土を掘って根菜を取ろうとする人もな…

10メートルはあるんだ。根菜はニンジンより少し大きいぐらいだが…」


「そ。それは命がけね。機械で収穫したら?」


「まあ。それも考えたんだが…賢くてな。機械を溶かす液を噴射するんだ。あと。腐食性の液も噴射する。生物には噴射せず。消化液を噴射するんだが…」


「げっ。そうなの? じゃあどうやって収穫するの?」


「そうだな。聞いたところによると、緑色の服を着てゆっくり動いて土を掘るんだ。

見分けがつかないからな。うっかり茎とかに触るとばれるが…」


 ふーん。そんなのがあるのね。


 そんな話をしていると、料理が運ばれてきた。


 普通のお皿だ。それにお野菜とか根菜の揚げ物料理が乗っている。

「これは地球の揚げ物料理で使う材料とはちょっとだけ違うが、基本的には同じだ。

うまいぞ…この土地ならではのお日様の加減が良いからな。それに土壌もいい。栄養たっぷりだ」


「おいしそー」

 ちゃんとニンジンに似た根菜もある。ちっちゃくて1口で食べることができる大きさ。それが5本お皿に乗っている。

 それとミミアの料理にはないスープ。スープの小皿はテーブルの上に乗っている。

 スープは大きめだから…ミアお姉さんはミミアにスープを分けてあげる。


「お。すまないな。じゃあ。これをあげよう」

 ミミアのお皿に乗っているお肉とお野菜。ナスみたいなものだ。こっちにはない。

 それを取り分けてもらう。


「いただきます」

「いただこう」


 ミミアとミアお姉さんは食べる。


「ん?」 ミアお姉さんの耳が動く。


「やっぱりうまいな。この味だ。懐かしいな。だいぶまえに来たんだが…味は変わってない」


「ほんと。素材の味。シンプルでいてジューシーなお野菜。そして…」

 こりっ。小ぶりな根菜も食べてから「この根菜。ちょうどいい大きさ。ちっちゃくて食べやすい」


「だろう」ミミアも食べる。


 ミアお姉さんは満足している。量もちょうどいいし…お米がないのが気になるが…

 芋に似たものだと思うが、すりつぶしたものをちっちゃくまとめて揚げてある。それがごはんの代わり。


 のんびりしている田舎のレストラン。

 お野菜の揚げ物メインの料理。


☆☆☆


「うまかったな」ミミアが満足気に言う。


「そうね」ミアお姉さんも食後のお茶を飲みながら言う。


 このお茶。日本の番茶に似ている。


「このあとは、この惑星の列車で移動して都会まで移動するぞ。そこでおいしいお酒を出す料理があってだな」…ずずずとお茶を飲み…「あ。ミアはお酒は呑めるのか?」


「いや。あたしは未成年だから…」


「そっか。今度は魚介と各種惑星のたまごがメインなんだよな。それと付け合わせのお酒。

そのお酒も各惑星のものだ。そのたまごと合うんだ」


「たまごと合うってのもどうなの? お肉とワインとか…チーズとワインとか、お刺身と日本酒とかは聞いたことがあるんだけど…」


「まあ。地球の感覚だとそうなるか…世界は広いぞ… あ。そうだ。未成年OKのお酒もあるそうだ。

呑むか?」


「え? そうなの? 未成年OK?」


「うんそうだ。世界は広いからな…大人がお酒を呑んでいるのを見て、子供にも害がないお酒を開発した人がいてな…問題はないんだそうだ…酔っぱらうが…ちょっとだけだ…」


「そっか。そうなのね…じゃああたしでも呑めるかしら…」


「大丈夫だと思う。私も10歳のときに呑んだからな…」


「ほんと。子供でもOKなのね? ちなみにどうなったの。酔っぱらったの?」


「まあ。体がほてって。気持ちが良くなったな… それで他は普通だった」

 とミミアは言ってたが…興味がある。


☆☆☆


 地元の列車に乗り移動し、最寄りの町でショッピングを楽しんだあと、また移動。

 夕方から夜にかけての時間が過ぎて夕食時になった。


 歩いて移動する。

 港沿いの都市。かなり大きい。ビルが立ち並び、ネオンがきらめく。

 遠くからみると地球のビルやネオンと同じものかと思ったが…ネオンはビルの窓のふちに電飾があり、パターンによりいろいろな文字や絵を表示していた。ネオン専用の看板はない。


「ここだ…」

 そらや遠くの夜景を見ながら駅からちょっと歩き、ミミアが立ち止まって言った。


「ここ…いいかんじね。大人のレストランって感じ。田舎とはガラッとかわったわね」


「そうだな…ここも前に来たことがあるんだ…さあ入ろう」


☆☆☆


 中は椅子とテーブルが、窓際に並んでいるレストランとなっていた。

 中央部分は調理場と、料理が並んでいる場所になっていた。


「ここはメニューはあるが…並んでいる料理を自分でもってくるのだ…

お酒は店員の人が料理を見て、それに合わせて選んでくれる。

あと未成年かを聞かれる。子供でも呑んでも問題がないお酒が出てくる。

水やジュースはあるが…別料金だ」


「別なのね。普通は逆じゃない?」


「まあ。この惑星の名産は料理とお酒だからな。大量にあるものは安いか無料なんだ。

料金は共通マネーで1人あたり500クレジットだ」


「安いわね。ちなみにジュースや水とかの飲み物は?」


「500クレジットだ」


「そう。だったら子供でも呑んでも大丈夫なお酒を頼んでしまうわね」


「あたしはお肉と各種星系のたまごメインのものをお皿に盛ってくるが…

一緒に行こう。見たことがないものもあるだろうしな」


「うん。あ。お会計は後?」


「いいや。席についたときに自動で共通マネーで払っておいた。

さっき聞いたから2人で1000クレジットしか払ってないぞ…」


「そう…もう済ませてあるのね…じゃあいろいろアドバイスして頂戴」


「わかった」

 ミミアは立ち上がり、料理が並んでいる場所へとミアお姉さんを連れて行く。


「これはこの星系のウサギに似た動物のお肉だ。体は3メートルぐらいある…

でも…ミアはウサギのハーフだったな。これはやめておくか…」


「そ。そうね」

 ミアお姉さんは隣のお肉を見る。

 お肉の肉質と脂肪の脂身が格子状に入っている。


「それは何というか地球の牛のような大きさの動物のお肉だ。それを培養して人工的に作ったものだ。

人種によって、生き物を殺してお肉にするのは反対されるからな。うまいぞ」


「そう。じゃあ…これを一切れ」


 ミアお姉さんとミミアはお皿にお肉をとる。


「あと、こっちは水陸両用の生物の体からとった細胞を培養したものと、こっちは天然のものだ。

どっちがいい? 味は変わらないぞ。人口培養のお肉を食べるのを好まない人種もいるからな。いろいろある」


「その人種は逆なのね。じゃああたしは両方いただくわね」

 ミアお姉さんは天然のものと人工培養のお肉を2種類お皿に取る。


「あたしは、人工培養のほうだな…」

 ミミアは人工培養のほうだけ取る。


 その後裏へ移動し、各惑星の卵料理が並んでいるところの前に来た。


「いっぱいあるわね。しかもでっかい。そして。なにこれちっちゃ」

 どう見てもでっかいゆで卵っぽいものがあった。

 バケツほどの直径がある。そしてちっちゃいほうは魚卵ぐらいの大きさ。

 スプーンですくうようになっている。


「このでっかいのは地上を走るのが得意な鳥だ。飛べるぞ…体は重いがな…

その鳥の体重はあたしの8倍はある。でも飛べるんだ。あたしと戦ったら負けるな。あたしが…」


「へー。卵もでっかいわね。それと…こっちのすごく小さいのは魚卵ではないの?」


「うん。違う。こっちのもちっちゃい鳥のなんだが…1個の手のひらに乗るぐらいのたまごを生むんだが…その卵の中にこのちっちゃいのが入っている。斜面で卵を産むんだが…ころがって下におちるから、つぶつぶのような卵なんだ。大きいと黄身が割れてしまうからな。斜面をころがって手のひらに乗るぐらいの卵の中がこぼれて、日向の熱でふ化する。自力で大人まで成長をするんだ。

大人になってから親とコロニーをつくって暮らすんだ。そしてまた卵を産む。これもうまいぞ」


「へー。あと…こっちのこのものすごく頑丈そうな殻をもっている卵は?」


「ああ。それは地上2000メートルを超える樹木のてっぺんに卵を産むんだ。ふ化するときに、中のヒナが動いて、樹木のてっぺんの巣から地上に落下させるんだ。地上で殻が割れて中からヒナが出てくるんだ… 地上で親と暮らし、大きくなってからてっぺんに卵を産むんだ」


「へー。なんでそんな仕組みにしているのかしらね」


「さあ。わからないわね。謎とされているの」


 いろいろある。


 ほとんどがゆでたまごだが…スープもあるし…お肉とたまごを交互に巻いた料理もある。


 ミミアは適当にぽんぽんとゆでたまごをお皿にとる。

「じゃああたしも。適当に…」

 ほどよい大きさの卵をお皿にとる。

 お皿は別にあって、卵を乗せるのにちょうどいい感じに区切られている。


「これはどう?」

 ものすごくでっかいゆでたまごを指さすミミア。


「食べきれないわよ」


「たしかにな。これは大人数用だ。これを取り分けたものが下のおさらにある。これもうまいぞ」


「そう。じゃあお皿のをいただくわね」


 あと…はじのほうに真っ赤なゆでたまごがあった。

「おお。そうだ。これはどうだ。ちょっと辛いんだ。味付けをしたわけではなくて天然でちょっと辛いんだ。口から火をはくぞ…ほんとに。可燃性の成分が含まれていてろうそくを一緒に持っていくとできる。色も赤いし辛くて口から火をはいているように見える。写真にとると面白いんだ。ユキ君に見せてあげよう」


「真っ赤なんだけど…ものすごく辛いんじゃない?」

 真っ赤なので、そのゆでたまごのにおいをかぐミアお姉さん。そうでもない。ほんのり辛いにおいがするだけ。


「大丈夫だ。これもお酒に合うんだ。それに面白いしな。あたしは2個食べるぞ」


「そう。じゃああたしも2個…」

 火をはくと言われているゆでたまごをお皿にとる。


☆☆☆


 料理を運びテーブルにつく。

 お米もあるかを捜したら似たものがあった。ごはんだ。

 ミミアはパスタみたいなものを持ってきていた。


 ミミアは店員を呼ぶ。

「はい。御用はお酒ですね。料理に合ったものを持ちいたします。こちらの方は未成年ですね。それにあったものをご用意させていただきます」


「よろしくね」


 ミミアはフォークに似たものを手に取る。

「じゃあいだたこう」

「いただきます」

 お箸はなかったのでミミアと同じものを手にとって食べる。


 まずはニワトリの卵に似たものを口に運ぶ。

 ミアお姉さんは「あ。ちょっと違う。果物のかおりがする」


「それはだな。その生物の食べ物にあるんだ。柑橘類が好みでな…そのかおりが卵にうつるんだそうだ」


「へー。こんなのもあるのね」とミアお姉さんは言ったあとお肉を食べてみる。最初に培養したほうを、つぎに天然の物を…そして「味は両方かわらないわね」


「まあ。そうだろう。そういうふうに作っているからな…お。これ。うまいな。

はじめて食べるんだ…この外側が黄色っぽい卵。中身はオレンジだな」


「どれどれ」

 ミアお姉さんも同じたまごを持ってきていたので食べる。

「うん。たまごって感じ。黄身のトロットした感じと後味。ちょっとだけ酸っぱい」

 お肉をその後に食べる。


 そのとき店員の人が長方形の箱に入ったちっちゃいグラスが並んだ入れ物を持ってきた。

「こちらがミミア様のものでございます。こちらが未成年用のものでございます。

どれも合いますが、小さい卵から大きい卵の順で合うお酒を並べました」


「おお。そうか。ありがと。お代わりをするときにまた呼ぶ」


「かしこまりました」

 礼をして店員は下がる。


「じゃあ。このすごくちっちゃい卵をいただくか。こっちのお酒だな。

さあ。ミアも…同じものから食べよう」


「うん。まずはたまごを食べてから。お酒を呑むのね」


「そうだ。一気にのまずにちょっとずつだ」


 魚卵のようにちっちゃい卵。何かのソースとからめてある。

 ミミアは食べ、お酒をひとくちのむ。


 ミアお姉さんも同じようにする。


 卵もぷちぷちしていておいしい。それとソース絶品だ。

 その後お酒をくちに含む。さらさらしている。

 辛くはない。苦くもない。

 ちょっとだけ甘い。そしてその後からほろ苦さ。

 さらさらしているので、ぷちぷちしている卵を喉の奥へとあらいながしてくれる。


「いいわね」

「そうだろう」

 ジュースとは違って甘くはない。水よりは味もあり、ちょっとだけ甘いが後からくるほろ苦さ。


 ミミアは次に小さいたまごをフォークでつっつく。


 ミアお姉さんはお肉を食べてからさっきのお酒をのむ。

 これもいい。


 そして…ウズラの卵より小さいものをフォークでつっつき食べるミアお姉さん。 

 隣のグラスの中の液体を呑む。

「うん。いいわね」あっさりした卵。味は薄い。だが、お酒を呑むとちょっとしょっぱい。

 お酒の味付けとたまごの味が調和し、いい感じになる。


 体はちょっとだけほてってきている。


「じゃあ。これに行くか。ミア。動画をとってくれ。あたしが食べるから…」


「うん。準備するわね」


 ミミアが真っ赤なゆでたまごを食べる。黄身はとろっとしているみたい。

 そしてろうそくを手にとってふーをした。


 ぼぉ。黄色っぽい炎。その炎が口からでる。

 それを動画でとる。

 ミミアはフォークにつきさした卵をカメラへ見せて、また食べる。その後3番目のお酒をちょっとだけ呑み、ふーをする。

 ぼー。今度は真っ赤な炎。お酒の成分がまざり真っ赤な炎になった。


「あはは。何それ。面白い。超辛い卵をたべて口から炎を吐いているみたい…赤の。

赤の傑作だわ」ミアお姉さんは自分の膝を手で叩いて笑う。


 ミミアも笑う。

「面白いだろ。ほら。お前も食べてみろ。動画をとってやる」

 ミミアはミアお姉さんが食べるところを動画でとる。


 ぼぉ。ふーをすると、黄色の炎。3番目のお酒をちょっとだけのんだあと、ふーをすると真っ赤な炎が口からでる。

「辛い卵をたべて口から火をはく女だ。傑作だな…」


 面白い。

 真っ赤なたまごは2個持ってきていたがすぐに無くなってしまった。

 味もちょっとだけ辛くておいしい。


 各惑星のたまご料理。それとお酒。


☆☆☆


「なんか。体がほてってるわね。これが酔っぱらうというものなの?」

 ミアお姉さんが、服をぱたぱたさせて言う。


「まあな。この後。夜の街をちょっとだけ散歩してからトレインへ戻るか…明日はまた別の星系だ…」


「そうね。そのほうがいいわね。気温がちょうどいい」

 夜の都市。夜風がちょうどいい。

 ミミアもほろ酔い。ミアお姉さんも気持ちがいい。


「なあ。ミア。地球のお酒は大人になってから呑むのだぞ。ここのお酒だけだからな」


「わかったわよ…ララお姉さんではないし…」


「ああ。ララちゃんか…ウイスキーボンボンを食べているんだったな。こっそり」


「そうよ。なんか顔が赤いときがあるから…熱でもあるんじゃないかと思って熱を計ったりするんだけど…ゴミ箱にね。包み紙がすててあるの。あたしが聞いたら『知らない』て言うんだけど…」

 ウィスキーは呑んでないのは確認しているんだけど…たまに、ララお姉さんが飲んでいるウイスキーのグラスのにおいをかいでいることあるし…

 そのまま呑んじゃうんじゃないかと思ってはらはらしていることもある。

 でも。ララちゃんはララお姉さんの隣にいて、テレビを見ながらウィスキーを一口呑んじゃったことがあったっけ。すぐにお水を飲ませたけど…

 目がとろんとして、ユキ君の目の前で服を全部脱いじゃったことがあった。


「あの子達やユキ君達はどうしているのかしら…」ミアは思う。


「たしか撮影だったな。ユキは宇宙が好きだからキララと一緒に楽しんでいるよ」


「そうね…」


「ちびっこ達は子供用のイベントだな」


「喧嘩していないかしら…ラミちゃんとミミちゃん」


「ああ。あの2人か…ネコだっけ? それとウサギ。仲が悪いな…」


「そうなのよ。気が付くと口喧嘩。そのうちラミちゃんがミミちゃんの足を踏んで…

その後ミミちゃんが尻尾で目つぶしをして…で喧嘩になるの。煮干しを横取りしたり、ニンジンスティックをどこかに隠したり」


「ずっとああなのかな…仲が良いのか悪いのか…」


「ほんとね…あたしはネコのハーフ。なんともないんだけどね」


「そっか」


 都市の夜風を感じながら散歩し、仲間のことを話して歩く。

 ここは地球から遠く離れた星系。



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