カザー星系の所有する観光用トレインの旅... 1番目の惑星でのショッピング(5)
1番目の惑星へと移動する。
移動してからすぐに、電飾を販売しているところへ行く。
建物の中へ移動したのでまだ外には出ていない。
「うわぁ。これ。派手だね…」
ユキは太い尻尾用の電飾を手に取った。
「ほんと…」キララはユキからその電飾を受け取る。
わっかになっている電飾がしましましっぽの黒いところにくっつくかのような形になっている。
キララのしっぽはしましまのしっぽではない。
シマ君のも同じ。ミケア・ミレイちゃんのも…そしてギンちゃんのも…
でも…
「わしはこれが気に入ったのじゃ」
電飾が派手に波打つように光っている部分が移動しているしっぽアクセサリと耳につけるもの。
「うわぁ。派手だね…」ユキはそれを見て苦笑いをした。どうしよう。僕につけるものは…
電飾を捜しているユキにキララが「ねえ。これは? 一本の電飾でシンプルなの…これは頭にかぶって、すごく長いポニーテールみたいに一本の電飾を頭の後ろから背中に垂らすの」
「うん。それにしようかな? ねえ。キララは?」ユキはキララに聞く。
「そうだね…」と言い、キララは「これかな…」頭には耳の先端に付ける電飾と、しっぽに巻き付けるように付ける電飾を手に取る。
「うん。いいかも」
ミケア・ミレイちゃんは「ねえ。シマ君。これ。君のお耳の中に入れていい?」
ピカピカの電飾をおおきな耳の中に入れるタイプの電飾。ミケア・ミレイちゃんは手にもっていて、シマ君がうんと言う前に、シマ君の耳の中へ電飾を入れた。
「うわぁ。なんかあったかいよ…」
シマ君の耳の中でぴかぴか光る電飾。そしてシマ君は自分の耳に手をあてる。
「ぷっ」キララはそれを見て吹いた。
「何? そんなに変なの?」シマ君は鏡を見ようとした。
「面白いからそれでいいよね」ミケア・ミレイちゃんは勝手に言う。
「えー。なにこれ… 変だよ…」
「お。わしはこれも追加でつけるぞ…」
ギンちゃんは言いながら蝶かトリの羽みたいな形の電飾をつける。子供用だ。
「うわぁ。ごーじゃす」ユキとキララは見た。
お狐様のギンちゃんは派手になった。
「ねえ。あんたにはこれでいいじゃない」
ウサギの丸い尻尾に埋めるような形で電飾というか電球みたいな1個のアクセサリ。
「は? ずいぶんこじんまりしている電飾…でも。これだと目立たないわよ」
「いいのよ。あんた重いし…きっと持ち上がらなくて大丈夫よ…」
ミミちゃんはラミちゃんに言う。
「重いって言っても大人の人も連れていかれるじゃない。あたしが食われてもいいの?」
どん。ミミちゃんの足を踏もうとする。その直後に足を避けたミミちゃんを見て「ちっ」と言うラミちゃん。
「大丈夫よ。きっとぶよぶよの脂肪は嫌いかもしれないから…」
「だれがぶよぶよですってこのクロネコ…あんたは黒いから電飾つけなくていいんじゃない?
試しに食われてみなさいよ…」
「いやよ…あたしはこれ」
ミミちゃんは細いねこ尻尾に巻き付けるようにするアクセサリとミミに付ける。
「あたしはこれにするわ」
ラミちゃんは体と耳にまきつける形の電飾。色はオレンジ色。
ちなみにララお姉さんはいない。ミミアと一緒にトレインに残っている。
「あたし。これー」幼稚園児のララちゃんはオレンジ色のかわいらしい電飾を手に取る。
「あたしも。これ。お揃いね」12歳のララちゃんは幼稚園児のララちゃんが持っているものと同じタイプの電飾を身に着ける。
「あたしはこれね…羽につける電飾…色も桃色や淡い赤になっていて可愛いでしょ」
ヒメルがみのるお兄さんに言う。
「そうだな。いつも可愛いけど…それを付けるといっそう可愛いな」
みのるお兄さんは、ユキが身に着けているものと似ているのをかぶる。
そして、ヒメルの頭をなでなでする。
なでなで…
それからみのるお兄さんとヒメルはまた2人の世界へと入っていった。
「みんな付けたね…」キララはみんなを見回す。
「じゃあどこ行く?」ユキはキララを見る。
シンプルに電飾でピカピカしている。
ギンちゃんが一番派手だった。
☆☆☆
「地球では売ってない製品でも見てショッピングでもする? 面白いものがあるよ…」
キララはユキとみんなに言う。
「うん。そうだね…」
「お買い物… サンマ製造機とかあるかなぁ」
ネコミミのトラが言い、それに続けて「むげんサバ缶とか、ネコ缶とか…」ミルクも言う。
「あはは。サバ缶はきっとないけど、お魚の缶詰製造機とかはあるかな。海に設置しておくと、勝手に作ってくれるとか…」
とキララが言う。
「じゃあね。じゃあね。ツナ缶」
「缶詰ばっかりじゃない…」
ミミちゃんも言葉を挟む。
「じゃあ。無限ニンジンジュースせいぞうきは? 水道みたいに、にんじんジュースが出てくるの。上にニンジン畑があるの」
幼稚園児のララちゃんも言う。
「じゃあ。頭なでなでする機械。いいところをかきかきしてくれるの」
幼稚園児のシロちゃんも続けて言う。
「お菓子の家製造機とかは…」
「いいね」
レオが言った後、ココも続けて返す。
「ダイエット用の器具とかないかしら…長続きするものね」
ミアお姉さんが言い、続けて「そうね。あたしはいらないかもしれないけど…万が一というのもあるし…」12歳のララちゃんも言う。
「あ。あれ。ダイエット器具じゃない?」ミミちゃんは尻尾で指をさす。
「ほんとね。行ってみましょう」
ミアお姉さんとミミちゃんがお店のほうへと歩いて行く。
「ユキ君は必要ないよね」キララはユキのお腹をさわりながら言う。
ぺったんこだ。その後ユキは「キララもね」ぽんぽんとキララのお腹をさわる。その後お尻もさわる。そしてすぐにキララのふかふかのしっぽをさわる。
お尻を触ったのは、キララのしっぽをさわりたかったから…
「行ってみよ」キララはユキの手をにぎり連れて行く。
「なになに…体にまきつけて…発汗作用でダイエット+ 重力制御により重くなるため運動用が増えます」
「へー。いいんじゃない?」
ミミちゃんが言う。
「あんた。つけてみなさいよ…あたしがつけてあげるから」
ラミちゃんが巻き付けるものを手にとり、ミミちゃんの腰にまきつける。
その後両足にも巻きつける。その後あまった部分をしっぽに巻き付ける。
「あたしにも巻いて頂戴」ミアお姉さんがラミちゃんに言う。
「いいわよ…」ラミちゃんはミアお姉さんの腰と太ももに巻き付ける。
「すいっちはどれ?」ミミちゃんがスイッチを捜している。
「じゃあ。あたしが押してあげる」
ぽちっとスイッチを押す。
「あ。なんか温かくなってきたわ… いいかも…」
ラミちゃんはミアお姉さんのスイッチも押す。
ラミちゃんはスイッチの隣のダイヤルを見た。1Gから3Gまであり、その先には5Gまでの目盛りが書いてあった。
試しにラミちゃんはミアお姉さんのダイヤルを3Gに合わせた。
「うぉ。重くなったわ。これ効きそう」
「そう…あんたにもやってあげる」ラミちゃんはミミちゃんのダイヤルを4Gまでまわした。
「ぎゃあ。急に重たく…って…つ。つぶれるわ…」地面によつんばいになって、しまいには支えきれなくて、地面に寝そべってしまう。
「じゃあ。5Gにしてみよう」ラミちゃんは目盛りをいじろうとする。
「だめ。つぶれるから…冗談でもやらないで…本気でお願い…」
ミミちゃんが苦しそうにしていたので、ユキは目盛りを1Gに戻す。
「あ”ー死ぬかと思った」
「踏まれたクロネコみたいになってたわよ…」
ラミちゃんは言う。
ミアお姉さんは勝手に5Gまで目盛りをまわしていた。
「結構重たいわね。これが5G」ダイエット用品を巻き付けて5Gにしたまま、あたりをどすどすと歩き回るミアお姉さん。
「す。すごいわね。良く歩けるわね」ミミちゃんはまだ地面に座ったまま言う。
「これで1時間ぐらい歩いていたらいいかもね。じゃあこれいくらするの?
あ。共通マネーあたし持ってないわ」
ミアお姉さんがキララに言う。
「あ。私が立て替えてあげる。たぶん7000円ぐらいだから…」キララはミアお姉さんに言い、決済用の機械がないかを見回す。
「7000円? 安いわね…」
「ねえ。あたしの分もいい?」ラミちゃんが言う。
「あたしはいいわ。パス。間違って5Gにしたら死ぬから…」
ミミちゃんが言う。
ダイエット器具は2つお買い上げになった。
「ねえ。ユキ君? 体を鍛えるために2Gにして歩いてみたらどう?」
キララがユキに言う。
「2G。どのぐらいなんだろ」ユキが言うと…
キララはユキの後ろへまわりこみ…ユキにおんぶしてもらうことにした。
「大丈夫?」キララはユキの背中におんぶされている。
「ま。まあ大丈夫かな…」
「足にも巻きつけるから結構つかれると思うよ。いつかミアお姉さんか、ラミちゃんのを借りてやってみたら?」
「そうだね…」ユキは後ろのキララをおんぶしたまま言う。
それを見て「えーい」ミケア・ミレイちゃんはシマ君の背中に飛びつく。そしてそのままおんぶ。
「やると思ったよ…」シマ君はミケア・ミレイちゃんをおんぶしながら、くるっと回る。
「えへへ。シマ君のお耳びよーん」ミケア・ミレイちゃんはおんぶされたまま、シマ君のきつねミミを両手でびよーんとする。
「やめて。耳びよーんは…」
じゃれている狐っ子達。
「次行こうか…ちびっ子達は別のお店に行ってるよ…」キララはユキの背中から降りて言う。
「うん。支払いも終わったから行くよ」
ユキは地面に座っているミミちゃんに手を伸ばす。
「あ。ありがと…」
やっとのことでミミちゃんは立ち上がる。
☆☆☆
「これ。どうやって遊ぶのじゃ」
ギンちゃんはおもちゃを手にとっている。
ボタンがついていて、押すたびに形が変わるおもちゃ。
何回か押してみるギンちゃん。
それを、トラちゃんが奪い、ボタンを押す。
がおー。ものすごく怖い顔が出てきた。
「ぎゃー」びっくりしておもちゃを落とし、しっぽをカチカチにしてその場に固まるトラ。
「なんじゃ。急に怖くなったのじゃ。よしわしが…拾うぞ…」
拾いながらボタンを押す。
押すと別の形に変わる。何かの動物みたいだ。
「へー。『びっくり造型機』たまに怖いものに形が変わりますってさ」
ユキは隣で見て言う。
とんとん。ミミちゃんがラミちゃんの肩をしっぽでとんとんする。
「ん? 何よ」ラミちゃんがミミちゃんの顔を見る。
ミミちゃんはお面をかぶっていた。怖い顔のだ。
「どう? あれ? びっくりしないのね」
わんこに似た。怖い顔のお面。びっくりすると思ってたのに…
ミミちゃんはお面を外す。
「…」
「あ。立ったまま気絶してるわ…」ミアお姉さんは横からラミちゃんの顔を覗き込んで言う。
「え? そうなの? 目も開けたままじゃない…」
たしかに動かなかった。
そのままだと倒れてしまいそうなので、ミアお姉さんはラミちゃんを抱きかかえる。
そのころトリのハーフ組は「ねえ。これ背中につけるとちょっと浮くのよ…これいいじゃない…飛べそう」
シロがソラに言う。
ソラは「あ。ほんとだ。ちょっと浮かんでみて…それから羽を動かしてみて…」
ばたばた背中の羽を動かすシロ。
「うん。本当に飛んでいるみたい…あたしこれいい。ねえキララ買って」
「あたしも」シロとソラはキララに言う。
「う。うん。まあいいよ…」やさしいキララはOKした。
「うわぁ。なにこれ…すごくほしい」
ユキの声。
キララは決済を終えると、ユキのところへ行く。
「気に入ったの?」キララはユキの後ろから覗き込む。
「良くわからないんだけど…きっといいと思う。これ…」
どうやらドローンみたいに空中へ飛ばす物と、コントローラー。そしてコントローラーにはディスプレイが付いている。立体映像式ではなくて液晶パネルみたいなもの。でも奥行があるみたいに見える。
「ああ。これね。このターゲットを宇宙空間に飛ばして遠くの天体を撮影するの。
TMRの技術を使っていて。最低100倍から10万倍までにできるの。
どう? ほしいの?」
「う。うん」
「きっとユキ君が持っている共通マネーの残高だと足りないから買ってあげる」
「いいの?」
「うん。ここのは高性能だから…きっと未来の地球でも売ってないよ…」
ユキもキララに買ってもらった。
キララのTMRの宅配ボックスの中にそれぞれ買ってもらったものを入れる。
幼稚園児組や子供たちはおもちゃを買い、ラミちゃんは隣のお店の畑に取り付ける日照量を増やす機械。ララお姉さんへのお土産として、いつまでも冷え冷えのグラスと買った。
ミケア・ミレイちゃんは色が自由に変えることのできるお洋服を買い、シマ君は落としても戻ってくる財布を買った。
「さて。次は3番目の惑星へ移動するよ…そこでご飯にしようね」
いろいろ見ているうちに時間がたってしまった。




