上空モンタージュ
でっかい積乱雲の横を
飛んでみるのは
気流や温度で
どれくらい
捻じ曲げられないかを
確かめる為
太陽を背にして
雲を見ると
なるほど
途轍もなく面白い
熱波の如く
メーターは振り切れる
無理をして飛べば
そのうち落ちる
いや
そもそも望む所か
波風立たぬ
大地には住めない
人が居てこその
あのときめき
一つの事を
一つで切り出すのなら
切り身が泳いでいると
思ってしまう子供達を
非難する事は出来ない
鱗雲も空から剥ぎ取れる
思っていたとしたら
面白いと言っては
新しく考えよう
飛行機雲みたいに
あの青は水の中
飛んでいるけれど
水中の意識
雲一つ無い世界ほど
面白くはない
太陽の光だけなら
影の居場所は無い
周りの人間が
正しいと思わない方が良い
考えて君が決めるのだ
点が大事だと言うのであれば
点以外も考えるべきだ
スーパーの魚の切り身で
どれくらい語れるだろうか
それはそれで
面白い世界だが
それはそれで
悲しい世界だ
物体のある空だから
見上げてみようと
思った事があるのだろう
僕は飛ぶ事を
選んでみたけれど
これはこれで
面白い世界だが
これはこれで
厳しい世界だ