5 ヴァルシュタッド家の依頼
最後のプロローグです
もう一人の主人公のお話です
私はギルドカードを眺めながら机に突っ伏していた。
勇者の孫娘、領主の孫娘、アイアンプレート級の冒険者、それが私、アナスタシアことアーシアの肩書である。
祖父である、『ハシモト・タカユキ』は女神から特別な加護を受けて異世界より呼び出した勇者と言われている。
四百年近く世界を苦しめた最悪の魔王を倒しただけでなく、邪神と呼ばれる神をも殺し世界を脅威から救った英雄である。
異世界の知識を活かし、ノーフォークとか言う技術を伝え小麦の収穫量を増やしたり、ジャガイモを発見し世界に広め食料の生産量を増やした。
平和になった世界の復興が早かったのも、人口が増えても人が飢える事が無かったのも祖父の功績だろう。
そんな祖父の事は勿論尊敬しているし、祖父の様になりたいと子供の頃から憧れていた。
だから12歳ですぐに訓練場に入り、十五歳になってすぐに冒険者になった。
だって早くお祖父様の様になりたかったんだもん。
訓練場で仲の良かったみんなとパーティを組み、幾つかのクエストをこなした。
異例の速さでアイアンプレート級の冒険者になれたのも勇者の孫という評価もあってだろう。
しかし、今は依頼が無くて暇していた。
お金もあまり無いので、お腹を空かせても水を飲みながら机に突っ伏していたのである。
そんな私の横でジャガイモを揚げた物を食べている仲間に話しかける。
「ねぇティア、なにか良い仕事とか無いの?」
「あら?私は仕事しているわよ」
「何の?」
「布教活動と治療よ」
ティアと呼ばれた女性、セレスティアは私とパーティを組んでいる聖職者で、布教活動も仕事の内である。
スタイルが良く、流れるような長い黒髪は同性から見ても綺麗だと思う
聞いた所によると、セレスティアの勧誘した信者の数は三期連続でトップらしい。
やはり胸か、胸なのか、ぐぬぬぬ……
「セシリアはどうなの?」
「私は午後からコブラー男爵家の次男坊の剣の稽古の仕事を受けてますわ」
「そ、そうなの?」
セシリアと呼ばれた女性は少しクセのあるブロンド髪の騎士の格好をした女性で、おそらく貴族の様な気品を漂わせているが、家名を名乗らないので貴族である事を隠したいのだろう。
「アリシアとエミリーは?」
「アリシアは写本、エミリーは木工ギルドの人達と森林に行ってますわ」
「え?え?もしかして、仕事してないのはボクだけ?」
「そうね」
「そうですわ」
アリシアは賢者を名乗っているが、そんな大層な魔法を使うのを見たことはない、しかし物知りなのでパーティの頭脳として頼りにしている。
エイミーはレンジャーで、周りをよく見て行動できる仲間だ、トラップの設置や解除、隠密行動など器用に立ち回る事ができるし、森など外での知識も経験も豊富なので木工ギルドとも仲が良い。
「うぅ、いいなぁみんな自分の特技活かした仕事が出来て」
「アーシアもご自分の特技を活かせる仕事をしたら良いのですわ」
「私の特技って?」
「「……」」
え? なんで二人共黙ってるの? 泣くよ? 泣いちゃうわよ私?
「勇者……かしらね?」
「そ、そうですわ、勇者なんて誰にでもなれるものじゃありませんわ、立派な特技ですわ」
「じゃぁ、勇者の出来る仕事って?」
「魔王討伐かしら?」
「……ですわね?」
「居ないじゃん!」
魔王の居ない平和な世界では冒険者の仕事は減りつつある。
あれ? 私このままやっていけるの?
「そもそもアーシアは勇者様の能力を何も受け継いでないではありませんの」
「うっ……」
「ならば魔王とか拘る必要もないですわ、出来る事だけを頑張れば良いのですわ」
「そうね、出来る事を増やしていきましょう」
お祖父様の子や孫である勇者はみんな女神の加護の能力を何かしら受け継いでいる。
その分お祖父様はもうかつての能力は使えなくなっていっている。
だが私には何も受け継がれなかった。
世間では能力の無い勇者【能無し】と言われているのは知っている。
私は泣きそうになった
「仕方無いわね、ほら、私のポテトを分けてあげるから機嫌を直してね」
そう言ってティアはポテトを私の口元に運んできてくれる。
「ありがとティア、愛してる」
ティアはいつも優しい、ポテトを食べる私の頭を優しくなでてくれる
─ チリン♪ ─
お店のドアにつけられたベルが心地良い音を鳴らして扉が開く、誰かお客様が来たようだ。
ここは新人からシルバープレート級の冒険者がよく利用する宿屋だ。
冒険者のランクで分けているわけではなく、そういう人達が集まるそういう宿屋なのだ。
宿泊だけでなく、昼は食堂、夜は酒場としても営業していて、冒険者への仕事の仲介や斡旋も行っている。
良い宿には良い冒険者が集まり、良い冒険者が集まる宿には良い仕事や依頼が集まり、そういう宿はやっぱり良い値段がする。
世の中うまく出来ているものだと思う。
入店してきたのは身なりの良い格好をした人達だ。
おそらく貴族だ、こういう所に貴族が来るのは珍しい
仕事の依頼だろうか?カウンターにダンディーな髭を蓄えたガタイの良い貴族の男性が向かう。
「護衛を探しているのである、見ての通り女子供ばかりなので護衛も女性が良いのだが」
貴族の男性の話を聞いた店の店主がこちらをチラッと見る
紹介しても良いかの確認のようだったので私は頷いた。
────
店の店主は護衛を探している貴族との話し合いの場を用意してくれた。
依頼主の貴族様は鋼のような鍛え上げた肉体をしており立派な髭を蓄えていた、連れているのは四人の若い女性。
貴族様の娘らしき女性二人と、侍女と、侍女の格好をした幼女
なんだろう物凄い違和感を覚える。
「吾輩はアルベルト・レーヴェン・ヴァルシュタッド・ハインリーヴである」
うん、長くて覚えれない。でも名前からわかるのはハインリーヴ領の領主様と言うことだ。
「はじめまして、ニーナ・レーヴェン・ヴァルシュタッドと申します」
「はじめまして、ほーりぃーべる・しゃーりぃーです」
二人の小さな幼女が一生懸命挨拶をしてくる。
なにこれ? かわいい! 持ち帰りたい!
年齢を聞くとニーナ様は六歳、ホーリーベルは四歳だと一生懸命指を立てながら教えてくれた。
「うむ、よく挨拶できたぞ二人共」
貴族様が二人の幼女をデレデレした顔で頭をなでながら褒めている、もうさっきまでの威厳は完全に無くなっていた。
「こほん」
後ろに控えていた侍女の咳払いによって我に返った領主様は話の続きを始めた。
「んっんっ、話がそれたであるな、」
うん、今更ごまかしても手遅れですよ?
「吾輩の隣りに居るのが妻のリサと、その後ろで控えているのが侍女のマリアベルである」
これが経産婦だと? 奥方様と紹介されたリサ様はどう見ても私より若く見える、アルベルト様の娘かと思ったぐらいだ、ニコニコした顔で手を降っていた。
次に紹介された侍女のマリアベルは洗練された動きでペコリと頭を下げた、この中では一番しっかり者のようだ。
うん、間違いない、アルベルト様はロリコンだと確信した。
「それで、依頼の内容なのであるが……吾輩の妻のリサと娘のニーナ、そして侍女のマリアベルとホーリーベルの護衛である、目的地はハインリーヴ、見ての通り女性が多いので、護衛は女性にお願いしたかったのである。期間は30日を考えているのである」
「ねぇティア、ここからハインリーヴまでって魔物も出ないし、野盗の目撃情報もないよね?」
「そうね、比較的安全のはずよ? アルベルト様、その護衛は野盗を想定してのものかしら?」
「うむ、二組の相手を想定しているのである。まず相手は『腐蝕の勇者』なのである」
その名前を聞いて身体が硬直する、何であいつが?
「もう一人は『スターク』と言う見所のある奴なのであるが、どちらも我が娘ニーナを狙う不届きな輩なのである」
あれ? そのスタークって人を微妙に褒めてる?
「それで、準備が整い次第すぐにでも出たいのであるが」
その言葉にセシリアが難しい顔をする
「私は、別の依頼があるので夕方まで出られませんわ」
「あ、そうか、ティアは良いとしてもアリシアとエイミーも戻るまで出られないよね?」
この辺は魔物も出ないし、野盗も少ない、しかし女性ばかりの護衛対象を私とティアの二人だけで護衛するには心もとない。
狙われているのならなおさらだ。
「明日の出発では駄目ですの?」
「それではダメであるな、吾輩の可愛い娘達が危険にさらされてしまう! 吾輩は我儘であるからな」
今『吾輩の可愛い娘達』って言ったよね?
侍女は娘じゃないよね? 四歳ぐらいの幼女を侍女にして連れ歩くのもどうかと思うが、突っ込みたくなる衝動を抑えて飲み込んだ
「でしたら私はアリシアとエイミーを連れて半日遅れて出ますわ、夜には合流出来るはずですわ」
旅で危険なのは夜だ、首都の近くは他所に比べて安全なのだが、セシリアの提案では半日とは言え護衛対象の安全は完璧とはいえない。
「うむ、それで行くとしよう、半日程度ならば吾輩が家族を守るのである」
筋肉をアピールしたかったのだろう、アルベルト様はダブルバイセップスを決めると上半身の服がはじけ飛ぶ。
アルベルト様はクマでも片手で倒せそうなムキムキの筋肉を見せつけていた。
訂正、ロリコンではなく変態領主だった……後でちゃんと服着てくださいね?
────
荷物の確認を念入りにする、途中で何か不足しても引き返すわけにも行かない。
目的地まではおよそ一〇日の行程だから少し多めに用意しておく、契約もたっぷり三〇日の契約をしてくれた。
アルベルト様は二台の馬車と食料を用意してくれた、一台は後で合流する仲間が予備の物資を積んで乗る予定だ。
「アリシアとエイミーには連絡済みですわ、私達が合流するまで決して無理してはいけませんわよ」
「わかってるよ、無理はしない、勿論合流した後もね」
「わかってればよろしいのですわ」
「うむ、吾輩がしっかり守るので安心するのである」
あれ? 違うよね? ボク達が護衛するんだよね?
アルベルト様はサイドチェストで筋肉をアピールする……
「あなた、こんな所でシャツを破いたら私たちは別行動するわよ」
奥方様のリサ様の言葉にシュンとするアルベルト様、髭まで一緒に垂れ下がってトボトボと引き下がってしまった。
リサ様に尻に敷かれてるのかなぁ?
そんなことを考えていると突然声をかけられた。
「おいおい、もう出発しちまうのかよ」
声をかけてきたのは、気を許してしまいそうになる屈託のない笑顔をした大柄な男だ。
三十~四十ぐらいの年齢だろうか? 黒髪の短髪で精悍な顔つきをしていてガッシリと鍛え上げた体型をしている。
大剣を背負い、マントをつけていた。
それともう一人、漆黒の全身鎧に深紅のマントの騎士を連れていた。フルプレートなのでわからないけど男性かな?
「スターク! 何の用だ? 言っておくが吾輩の大切な娘は渡さないのである!」
一瞬でピリッとした空気が流れる。この男がニーナ様を狙う男? 私たちは臨戦態勢で状況を見守る。
「待て待て、別に無理やり連れて行くつもりじゃねぇって……おっかないお嬢ちゃん達を雇ったんだな」
「無理やりでなくとも連れて行くつもりなのは違いないのであろう?」
「まいったな……」
頭をポリポリとかきながらそんな事を言うが、本当に困ったようには見えない。
「ま、俺達も準備整えるからよ、少し待っててくれや、行くぜカイン!」
そう言うとスタークと言う男はカインと言う黒ずくめの騎士を連れて去っていった。
「誰が待つものか、今の内に出るのである!」
準備は整っているので早速出発することにする。
「私達もすぐに追いつきますわ、ティア!くれぐれもアーシアの事は頼みましてよ」
「大丈夫よ、アーシアには決して無茶はさせないわ」
「え? ボク信用ない?」
「私達を心配させている自覚は無いんですのね?」
「うっ……」
そんな事を言われてしまうと何も言えなくなる。
「大丈夫だ! 吾輩がしっかり守ってみせるのである!」
アルベルト様はサイドトライセップスを決めながら言ってきた。
シャツが破けない様に気をつけているようだ。
リサ様には頭が上がらないらしい。
それでもやっぱり私は守られる側なの?
────
王都を出てからおよそ三時間、特に危険もなく順調に進んでいた。
ニーナ様とホーリーベルは馬車の屋根に登って燥ぎながら旅の情景を楽しんでいる。
「申し訳ありません、旦那様」
マリアベルは妹のホーリベルの事を申し訳なく思っているのだろう、恥ずかしそうに頭を下げていた。
「はっはっはっ、元気で良いではないか、子供は少々わんぱくなぐらいで良いぐらいであるからな、今は特にする事もあるまい? マリアもゆっくり足を伸ばすと良いのである」
「お気遣い有難う御座います、ですが大丈夫です」
「お前は何時も良く頑張ってくれている、私はお前の事も家族……娘のように思っているぐらいであるからな、私の事をパパと呼んでくれても良いのであるぞ?」
「全力でお断りさせていただきます」
アルベルト様の髭がまた元気がなくなってきている。
なんだろう、このコントは?
そんな事を思っていると、屋根の方からコンコンと叩く音がしたと思えば、ニーナ様が上からぶら下がるようにして顔を出してきた。
「ぱぱー、おねぇちゃん、ベルがね、この先に倒れている人がいるってー!」
私は目を凝らして見てみるが全く見えない、ホーリーベルはどれだけ目が良いの?
「あ、見えた! あそこだよー」
ニーナ様にも見えたらしい、しばらくすると私にも見えてきた。
────
「見過ごす事も出来ないであるな、見てやって欲しいのである」
雇い主が許可を出したので倒れている人の元へ向かう
「怪我はしていないわね、気を失っているだけだと思うわ」
「ねぇティア、どう思う」
「不自然……と言うより、色々おかしすぎるわね」
「だよね?」
其処に居たのは皮の鎧を着た少年……いや青年かな? 気を失ったまま倒れていた。
それだけならば冒険者が魔物にでも襲われたのだろうと納得できる。
しかし青年の手にあるのは……
「何で鍬と鎌を持ってるの?」
「農民の方なのかしら?」
「いやいや、これ、オリハルコンで出来てるよ? お祖父様の屋敷でオリハルコンの剣を見たことあるもん」
何もかもおかし過ぎる状況に警戒心を強める。
「アーシアは、そこのカバンと荷車を見てくれるかしら? 何か身元がわかる物があれば良いのだけども……」
おそらく青年の物であろうカバンと荷車を調べるのだが……
「ねぇーティア、これマジックアイテムだよ! カバンも開かないし、荷車もカバーを開けられないよ! 壊す?」
「ちょっと待って、アーシア! そんなマジックアイテムが有ったとしたら国宝級よ! 壊したらダメよ」
「えー何でそんな物がこんな所に有るのさ?」
「アーシア、これは私達に判断できる事ではないわ、アルベルト様に相談してアリシア達を待ちましょう」
念の為に、青年の手足を縛って置いて、荷物は預からせてもらう事にして、少し早いが、そのまま休憩にする事にした。
────
なかなか青年が目を覚まさないので、ニーナ様が頬をペチペチと叩いてみるが反応はない。
何度か繰り返すうちにホーリーベルまで馬乗りになって少年の顔をペシペシと叩くのに参加し始めた。
キャッキャッと楽しそうにペシペシ叩いていると青年が目を覚ました様だ。
「ぱぱ~、おねぇちゃ~ん、目を覚ましたよ~」
わーっと二人が駆けて戻ってくる。
うん、すごく楽しそうだったよ君たち。
青年は呆気にとられている、うん、状況わからないよね?
ここからは打ち合わせ通りに進める。
マリアベルが前に出る
「お目覚めでしょうか? 倒れていた所を介抱したのですが、失礼ながら素性が解らない為、このような措置をさせていただきました」
マリアベルはニーナ様とホーリーベルの背中を軽く押す
「ほら、頑張ってくださいませ」
マリアベルは優しいね、ティアと同じぐらい。
「はじめまして、ニーナ・レーヴェン・ヴァルシュタッドと申します」
「はじめまして、ほーりぃーべる・しゃーりぃーです」
自己紹介を終えると、お二人はマリアベルの後ろに照れくさそうに隠れてしまった。
「はじめまして、マリアベル・シャーリィと申します。ヴァルシュタッド家の侍女をしております」
私達もそれに続いて自己紹介をする
「ボクはアーシア、今はヴァルシュタッド家の護衛の依頼を受けて同行している」
「私はセレスティアと申します。同じくヴァルシュタッド家の護衛をさせていただいております」
アルベルト様とリサ様は念の為少し離れた所で見守っていてもらっている。
「それで、君の事を聞きたいんだけど」
青年は状況を理解したようだ。
「あのぉ、ここはどこで? 俺は誰なのでしょう?」
え? それって……、まさか……
「「「「「えええええええええええ」」」」」
────
青年は川に顔を洗いに行った、アルベルト様が鍬も鎌も荷物も預かっているので危険はないと判断した為だ。
私達は緊急会議だ。
「困りましたわね、あの青年記憶喪失みたいだけど」
「あのお兄ちゃん可哀想だよ~」
「うむ、そうであるな、関わってしまったからには捨てては置けん、ニーナは優しい娘に育ったのであるな」
アルベルト様はニーナ様をなでながら褒める
「ベルも!ベルもかわいそう!」
うん、それだとホーリベルが可哀想って意味になっちゃうね?
「うむ、ベルも優しい良い娘であるぞ」
アルベルト様はホーリーベルの事も優しく撫でる
「それで、どうする?」
記憶喪失なのは可哀想に思うが、護衛の事を考えるとこのまま連れて行くわけにも行かない……のだが
「ねぇ~、あのお兄ちゃん連れて行ってあげないの? 助けてあげないの?」
「うむ、そうであるな、あの青年を安全な街まで連れて行ってあげるべきであるな」
あ、しまった、決定権はニーナ様とホーリーベルに有るのか
川の方に行った青年をチラッと見る
「ステータスオープン」「鑑定」「スキル」「コール」
何やらわけのわからない事を叫んでいた
「頭を強く打ったのであろうな」
「優しくしてあげましょ」
「うん、そうだね」
本当に色々可哀想な青年だと満場一致で思ったのだった。
戻ってきた青年は名前を思い出したらしく、『ブラス』と名乗った。
────
その様子を遠くから見つめる一団があった。
「リリス様! 魔王様が人間に捕まってしまいました!」
リリスは驚きのあまり固まっていた。
指輪が指し示すのは人間の青年だったからだ。
「まずは魔王様に接触するわよ! スターリィーワイザーとアルヴィスは一定の距離で監視よ、そして別命あるまで待機! シャドウアサシンは私とチャムの影に潜みチャムとともに私と同行しなさい!」
これにてプロローグは終了です
次回から本編が始まります。
登場人物が多いので、あとでネタバレにならない程度の簡易版の人物紹介を出す予定です。
ブックマークくださった方、ありがとうございます。
遅筆ですが、じっくりと物語を進めていきたいと思います。