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オタクの俺と問題児たち  作者: 赤とんぼ
3/3

入部

「ようこそ、DGS部へ。あなたの悩みは何かしら?」

突然、目の前の女子が放った言葉だ。

俺は女子が苦手な為、少し怖かった。

けれども意味不明なこの状況を打破すべく、

「き、君は、い、一体何者なんだ」

声が震えており上ずった声になってしまった。少し恥ずかしい。

「私の名前は睦月蒼葉だ。そして、この『DGS部』の部長だー!」

は?DGS部?なんだそれ、こんな部活があるのか?

少し戸惑ったが、すぐに冷静になった。これはアニメでもよくあることだと思ったからだった。

すぐに思考を切り替えて、

「3つ、質問していいか?」

「いいだろう」

「まず1つ目、どうして俺を誘拐したんだ。」

少し怯えながらも、それを悟られないよう質問した。

そして返ってきた答えは、

「たまたま、目の前を通りかかった人を拉致しただけだけど、それ以外に理由ある?」

たまたまだと⁉︎そいつたまたまで人を誘拐するのか!

待て、ここは冷静にだ。

「では2つ目、この『ディージーエス部?』と言う部活は何をする部活なんだ?」

ここは重要である。もしくは、それに誘拐した理由があるかもしれない。

「この『DGS部』は

D、大好きな

G、学園を

S、支える

部活、と言う建前目で活動している。」

建前目と言うことは、本当の意味があるのだろう。

「本当は?」

俺は真実を知る為聞いてみた。

しかし、それを口にした途端、嫌なか予感がしてきた。

「D、ダラダラ

G、ゴロゴロ

S、する

部活。と言うのが本当の意味である!」

こいつ言い切りやがった。

この部本当何なんだよ。何がしたいんだよ。

俺は呆れ果てていた。

まぁ、3つ質問すると言った手前後には引けず、

「じゃあ、3つ目ダラダラゴロゴロする部活なのに、何で俺の悩み事を聞いたんだ?」

俺はもとから予想していた。

この部が真面目に部活をするとは思えない、と。

そしてその答えが

「それはね、悩みを月に2回解決しないとこの部は解散されちゃうからだよ。だから君の悩みを聞いて、ノルマクリアって言うことなんだよ。」

そう睦月蒼葉が答えたのと同時に部室のドアが空いた。

「早いね、部長。もう、1人確保したんですね。」

そこにいたのはさっきの入学式で在校生代表で発表していた

水無月楓だった。

「遅いよ、カエ。この人が入部希望者です!」

「入部希望なんてしてねーよ!」

急に入部希望者扱いしてきたのでつい突っ込んでしまったのと、タメ口になってしまった。

「ほほう、入部しないだと、新入り。私は柔道黒帯に、合気道や空手も全国レベルだぞ。売られた喧嘩は買おうじゃないか。」

そう水無月楓が、鬼のような顔、いやもはや鬼が睨んできた。

内臓を鷲掴みにされてるみたいでメッチャ怖い。

「い、い、いや、けけ喧嘩なんて売ってないですよ。」

「そうか、ならいい。で、当然この部に入るよな。」

笑顔を作っているけど笑ってない。

「い、いやー、入る気はないです。」

俺はこんな面倒くさい部活に入るなんてありえないと思っている。

それに女子が、この部にいる女子が、メッチャクチャ怖い。

「あ、悩みを言えば解放してくれんですか?」

冒頭にあった悩みは何かしら、と言う質問があった。

だからそれを達成すれば解放してくれると思った。

「まぁ、悩み事を解決すれば解放してやっても良いだろう。」

そう部長が答えた。

「俺の悩みは、今捕まっていることです。」

俺はこの悩み事を解決すると言うことは、俺を解放すると言うことである、と考えてそう発言したのだが、

「それは無理だ。その悩みは今できた悩みではないか。昔からの悩みを言ってごらん。」

この水無月楓は厳しい。

昔からの悩みは、ある。

けれどこれを言うのは少し抵抗があったのだが、言うしかないみたいだな。

「俺の悩みは・・・女子が苦手なことだ!」

俺はそう答えると、そこにいた部長や水無月楓が口を開けて呆然と立ち尽くしていた。

そしてそのあと、俺に聞こえないよう2人で会議をしているようだった。

「それは多分、1日では解決しないだろう。だから、この部に入ってみたらどうだ。部員も全員女子だ。君の悩みを解決できるかもしれない。」

俺は断ろうとしたが、それを言った部長の顔と声に何も言い返せなかった。

顔はとても真剣な顔だった。

真っ直ぐに俺の方を向き、それが最善の一手だと言ってるようだ。

声もさっきまでのふざけた感じではなく、俺に寄り添って考えくれてるようだった。

俺はそう言ってくれる部長が少し嬉しくもあり、少し怖いと思ってしまったことに自分が嫌いになりそうだった。

「俺・・・この部に入ります。」

それを言った俺の眼の前で2人は大喜びした。

「ありがとう!入ってくれてとても嬉しいよ。」

と、部長が言ってくれた。

「君をこの部に歓迎するよ、後輩くん。」

その次に水無月さんがそう言ってくれた。

2人がそう言ってくれて内心ホッとした。


と言う訳で俺はこの

『DGS部』に入ることになった。

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