第7話
「ぶえっ!!!??!?」
会ったばかりのロルトの家で、俺は飲みかけたお茶を驚きのあまりぶちまけてしまった。
(ルーク・・マナーが悪いぞ・・)
テュールが注意する。
チャージはひたすら笑っている。
ロルトは・・呆然としている。
何に驚いたかと言うとロルトの言った言葉に対してだ。
驚き・・と言うか、絶望感。
ロルトの言った言葉は、
「動物に変えられた人間を元に戻す方法は・・ない。」
ここまで来て・・俺も王女も例の俺の人生設計も全部ダメになるってか!?
くっそ〜・・
「あ、でも・・」
俺が絶望感にさいなまれていると、ロルトが言葉を続けようとした。
「方法は・・なくは・・ないと言いますか・・」
あ〜、ハッキリしない奴だ!!
しかし俺は期待して聞き入る。
「あの・・エーテル教の教祖様が残された、秘術書があってですねぇ。
「陰」と「陽」の両の局面があると聞きます・・「陽」の局面に記された術ならば
どんな呪いでも解けるとか。」
おおおお〜っ!ナイス教祖様!!!そ、それさえあれば俺と王女は人間に、そして・・
(ルーク・・)
俺の邪な考えを感じたと言わんばかりに、テュールがたしなめる。
「しかし・・」
ロルトの顔色が曇る。
俺に不安がよぎる。
「仮にそれを手に入れたとしても、その秘術を使えるかどうかは別問題でしてねぇ・・」
何〜〜〜っ!?しゅ、修行が足りんっっ!!
使えっ!
「まぁまぁ、手にいれときゃさ、いい事あるかもしれないぜ〜。
俺の盗賊としての本能も騒いでるしさ〜」
「チャージ、頼りになるなお前〜」
俺は思わず声をあげた。
(ふむ、真理だな・・)
テュールも満足気だ。
「しかし・・手がかりも・・あると言えばあるのですがちょっとですねぇ・・そのですねぇ・・」
ま〜たロルトは俺を不安にさせようと・・・。
「現教主のハーディン様は教祖様の子孫にあたるとかあたらないとか言う話もきいたような
きかないような・・」
とことんまどろっこしい奴だな〜、こいつは。
「よし、じゃぁそのハーディンだか何だかにコンタクト取ろうぜ〜」
それに比べてチャージは直球ど真ん中・・。
この二人の存在こそまさに陰と陽だな・・。
「ハーディン様とお会いになれるかどうか・・。まぁ、わかりませんが・・」
まだ一人で優柔不断なロルトだったが、俺らは教主に接触することを決めた。