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SARU QUEST  作者: charenger
3/22

第3話

「あ〜、行った行った!あんまりしつこいと用心棒を呼ぶぞ!」

バタン!と戸を閉める音。あ〜あ・・分け分からん呪いでサルにされたせいで行く宿全てこの

調子で、俺は途方に暮れていた。

街灯には灯りが灯りはじめ、少し肌寒くなってきた。外を出歩いてるのも、冒険者風の輩ばかりだ。

あ〜、人の視線が痛い、痛い、痛い!

こいつらも物見遊山で来てるわけじゃないだろうに・・

(まぁ、言葉を話す猿なんて珍しいからな)

俺は言葉を話す剣も珍しいよ・・とテュールに突っ込もうとしたが、あまりに馬鹿馬鹿しくてため息をついた。

と、その時。途方に暮れ、影に覆われはじめた通りを歩いていると、人がまばらだったはずの広場に、何やら人だかりが出来ている。

(何かに集まっているようだな)

人の視線を気にしながら生きている身分なだけに、つい俺は訝しげな視線を送った。

「まさか・・「言葉を喋るサル生け捕りにしろのお触れ」とかだったりして・・。」

あながちないとは言い切れなかった。俺は警戒しながら人だかりを見つめる。

するとその視線に気付いてか気付かずか、若い男がこちらを振り向く。

思わず後ずさりする俺。

が、男は俺がサルだと言う事すら気付かないような、ひどく興奮した口調で語りはじめた。

「お、キミ!!キミ冒険者かい??俺もなんだけどさぁ〜、見てみなよこれ!!」

なんだか勢いに圧倒され、俺は立て札を見に行った。

「姫の呪いを解いた者に金1億を与える」

い、一億!?一・・いちいち・・一・・億!?一億!!!!!??????

一億ったらバナナが一、ニ、三・・いかんいかん、例えまでサルだよ俺!

あれも買って・・これも買って・・

(欲にまみれた勇者は惨めだぞルーク)

テュールに言われて現実に舞い戻った俺は、咳払いを一つした。一億も払うなんて、

国王だからって随分気前がいいなぁ・・ん?

俺は一つのキーワードに注目した。・・呪い??

「一億だぜーすげーよなーほんとさーカンベンしてよーナハハハハ〜」

まだ興奮状態にあるさっきの男に、俺は訊いた。

「姫の呪いって、どーゆーことだ?」

「え?知らないのか?」

男はさも珍しそうに俺を見る。・・サルであることに対しては普通なのに、なんか調子狂うなぁこいつ・・。

そして急に声を低めた。

「どんな呪いかは秘密って事らしいが・・俺は盗賊なんでね、つい聞いちゃったんだよ〜。なんでも、姫は呪いで犬に変えられてるらしいんだよ〜。」

「な・・なんだって!?」

俺以外にそんな不遇の運命を背負った奴が・・しかも一国のお姫様!?


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