第20話
運命の再会・・とまではいかなかったが、ハーディンにここで会うなんて俺は
息が止まるかと思う程驚いた。
それは相手も同じようで、あの不思議な顔立ちで、なにを考えているか分からないハーディンが
はっきりと、目をまるくして驚きをあらわしている。
「君はあの時の・・」
ハーディンが、違う。
どこが、と聞かれたら答えに詰まってしまうが。
何となく感じが違う気がした。
(凄い偶然だな)
「ペンダントも付けているね・・。」
「そ、それより、ここには魔獣が出るんじゃないのか。」
「魔獣?虫の気配すらしないが・・。」
「え?」
(確かに、気配がしないな。ハーディンのもの以外は。)
「かつがれたのか??」
(いや、彼らにその利点はないだろう。)
俺は考えこんだが、ハーディンが話についてこれないようだったので、
俺はとりあえずこれまでのことを説明した。
と、引き換えに、ハーディンの側の話を聞く。
謎が多かったからな。
「あの時、偽国王には、神殿と、キャンプを襲撃すると言われた。
私は教主としてそれは許す事が出来なかった。もちろん、人間としても。
だが、何故か陰の術は発動し、この有様・・。
一体何故発動できたのだ・・。」
「じゃぁ、あれが陰の術!?」
「そうだ。」
「あ!」
術の話をしてて、俺はふと思い出した。
「そうだ、陽の書があるんだ!元の身体に戻してくれ!!!」
唐突だなぁ、といいたげにハーディンはこちらを見る。
暗闇の中だとはいえ、すっかりお互いの微細な表情まで見て取れるほど、
目はなれていた。
「それは無理だ。」
ハーディンは残念そうにうつむく。
「何でだよ!?」
「陰の術の効果のほうがはるかに強い。私をも凌ぐレベルだ。
打ち消されてしまうのだよ。」
(あれを何とかせねばならないのか・・やはりあのお方の・・)
「だーーーーっ!こーゆー展開かよ!」
何だか面倒事増える一方だよな、まぁチャージを助けるつもりだったから
もともとあれを目指していたわけだが。
こう理由付けされると面倒に感じる。
「ふー、この洞窟の中じゃ気分が暗くなるよ。外に出よう。」
ハーディンの提案で、俺らは日の光を拝む事にした。
出口にむかい、光のカーテンがゆっくり俺らを包みこんだ、その時。
あの老サルの一声が。
「魔獣と共に出てくるとはどういうつもりじゃ!!!」
「へ?」
俺の背中に・・なんかついてます?
それとも・・・?