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『初級魔術しか使えない俺が、なぜか最強に近づいている』  作者: 北こたろう


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18/19

違和感

模擬戦が終わったあと。


 訓練場の空気は、少し妙だった。


「今の見たか?」

「炎槍に初級ぶつけたぞ……」

「意味分かんねぇ……」


 周囲がざわついている。


 でも一番静かだったのは、

 レオンだった。


「……レオン?」


 ガルドが恐る恐る声をかける。


 レオンは黙ったまま、

 こっちを見ていた。


「何」


「お前」


 レオンが少し眉を寄せる。


「本当に初級だけで戦ってたのか」


「だからそうだって」


「あり得ん」


 即答だった。


 でもその声は、

 馬鹿にしてる感じじゃない。


 本気で理解できてない声だった。


「普通、中級を覚えた直後は制御が乱れる」


 レオンが続ける。


「だがお前は違う」


「そうなの?」


「違和感がない」


 その時。


「……それ」


 リアが小さく口を開く。


「多分、熟練」


 レオンが頷く。


「初級を積みすぎたせいで、中級が既に身体に馴染んでいる」


「いや怖ぇよ」


 ガルドが引いた顔をする。


「そんなことある!?」


「普通はない」


 レオンが即答する。


「だから変なんだ」


 最近ずっとそれだ。


 変。


 変。


 変。


「お前ら失礼じゃない?」


「でも事実」


 リアが静かに言う。


「ユウト、自分で思ってるより変」


「リア最近辛辣じゃない?」


「正直」


 否定できないのが嫌だった。


 その時。


「おい」


 教師の声。


 実戦担当だった。


「第三班、少しいいか」


 空気が少し変わる。


 教師は俺達を見る。


 特に俺とレオン。


「……お前達、来月の学外演習へ回される可能性がある」


「学外?」


 ガルドが固まる。


 高等部の学外演習。


 実際の魔物討伐。


 模擬戦とは違う。


「まだ正式決定じゃない」


 教師が続ける。


「だが上から話が来ている」


 その言葉に、

 レオンが少しだけ目を細めた。


「……随分早いな」


「ああ」


 教師も同じ顔だった。


「本来なら高等部後半だ」


 つまり異例。


 教師の視線がこっちへ向く。


「特にユウト」


「はい」


「お前の件で、上が少し騒いでる」


 嫌な予感しかしない。


「四属性同時適合なんて前例がない」


「……そんな大事なんですか」


 教師が少し黙る。


「正直、俺達も分からん」


 静かな声だった。


「だから調べたい奴らが出てくる」


 その言い方だけ、

 少し重かった。


 リアが小さくこっちを見る。


 レオンも黙っていた。


 ガルドだけが、

 一人で顔を青くしている。


「いや待て待て」


「何」


「学外演習って、普通に死ぬ可能性あるやつだろ!?」


「ある」


 レオンが即答する。


「即答すんなよ怖ぇよ!」


 でも。


 不思議と嫌じゃなかった。


 むしろ少しだけ、

 胸が高鳴っていた。


 その瞬間。


「……やっぱり」


 リアが小さく呟く。


「ユウト、今ちょっと笑った」


「え?」


「ほんと変」

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