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3話 私の義務

 シノさんはレセニア王国の現状を話した。


 大きな食糧危機に陥っていること。


 大国に戦争をふっかけられていること。


 食糧危機のほうが深刻なそうで、すでに5000人以上が餓死してしまった。城のある王都は、食料備蓄があったので、まだ大丈夫だが、農村の被害が顕著である。稀に見ない冷害だ。


 でも、いずれ備蓄もなくなってしまうので、このままでは存続の危機。


 植民地となるか、戦争をするかは三ヶ月後までに選択を迫られているそうだ。レセニア王国の軍力は大きい訳ではないので、普通に戦争をすると十中八九負けてしまう。


 ……らしい。


 絶望じゃん。せっかく異世界に生を受けたのに。


「ですから、王国の危機に対処するために異界人であるあなたを召喚したのよ」


 そうか、私はその期待に応えられなかったんだ。なら、私にできることをするしかない。


「期待には応えられませんが、私にできることがあれば」


「では、この国の食糧危機の解決に、協力してほしい。頼む。」


 まぁ、職業:農民、だしね。勇者は異界人は結構持ってるってことかな?


 ほんとは、私が強かったら、大国に勝利して、なんとかなるみたいな感じだと思うのだが、生憎そうは行かない。


 自分の職業に従うしかない。私は、この国を飢饉から救わなければならない。私の義務だ。


「はい、よろしくお願いします」


「本当に、感謝している。ありがとう」


 まだ成果を出したわけではないので、そこまで感慨深い表情にならなくて大丈夫です。


「ありがとう。では、農業に長けた者を手配するわ」


 そんな人員余裕はあるのだろうか、いや、私のためにいろいろな役職の人を集めていたのかもしれない。


 そういえば、どうして日本語が伝わって、相手も日本語を話しているんだろう。お決まり補正かな?


 少し待っていると、茶髪でショートの、16くらいの女の子が来た。


「ルリ、異界人の農民です。丁寧にサポートしてさしあげて」


「は、はじめまして。ルリ・シチリアです。王都の学校で、農業を学んでいます」


「ミカ・タカハシです。よろしくお願いします」


 私もルリもペコリとお辞儀をした。シチリアか、……イタリアの地名? よく覚えていない。


 てか、学校とかあるんだな。まだ城の外には出ていないけど、結構な都市なのかな?


 ……この人と一緒に、レセニア王国を。

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