表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/105

第8話 引っ越し

俺がコーガス家の執事として働き出して一月ほど経つ。

新居も用意できたので、今日は引っ越しを行う。

まあ新居とはいっても、今の屋敷より真面な中古品を俺が多少手直しした程度の物だが。


え?

侯爵邸なのに新築じゃないのかだって?


まあ所詮は腰掛けだからな。

後々領地に屋敷を建てて本邸にする事を考えると、領地でもない場所の住居に必要以上に金をかける意味は薄い。


「では荷物を送ります」


引っ越しに当たり、荷物は全て転移魔法でパパっと新居へと送ってしまう。

それ程量がある訳ではないが、一々運んだのでは無駄に時間がかかってしまうからな。


「す、凄いですね。転移魔法というのは……」


「便利だねぇ」


魔法で荷物が消える様を目の当たりにしレイミーとバーさんが、目を丸める。

まるで手品を始めて見せられた子供の様な反応だ。


「では、レイバン様の部屋へ参りましょうか」


荷物を送り終えた俺は、手をパンパンと払う。

その行為に意味はない。

なんとなく手癖的にやってしまった感じだ。


まあそんな事はどうでもいいか。

残すはレイバンだけなので、3人で彼の部屋へと向かう。


「レイバン様。ユーシャーです。引っ越しの準備が終わりました。失礼してもよろしいですか?」


「入っていいよ」


外からノックして声をかけると、ちゃんと返事が返って来た。


良い傾向である。

可能な限り、バーさんに同行して食事を運ぶ手伝いをしてきたからな。

コミュニケーションの成果といえるだろうだ。


因みに、屋敷の食事は可能な限り俺が作っている。

料理にはかなり自信があったので。


現にレイミーには好評だ。

それとは対照的に、バーさんは最初少し悔しそうだったが。

まあ彼女も料理には自信があったのだろう。


こちとら100年間、魔界の糞不味い料理を少しでも何とかしようと頑張って腕を磨いて来た身だからな。

バーさん程度の小娘には負けんよ。


「失礼します」


部屋に入ると荷物がまとめてあった。

昨晩、レイミーと一緒にレイバンが纏めた物だ。


「ではまず、荷物から送らせていただきます」


「すごい……本当に転移魔法が使えるんだ……」


魔法を使って纏められた荷物を新居へと送ると、レイバンが被っている毛布から顔を出してその様子を凝視する。


彼の顔を見るのはこれで二度目だ。

俺が訪ねた時は、いつも頭からがっちり毛布を被っていたからな。


「私はけっして嘘を申し上げません」


「どうだか……」


声をかけると、また亀の様に頭から毛布をかぶってしまう。

まだまだ先は長そうである。


「それでは、最後にここにいる全員を転移させます。宜しいですか?」


「あの、転移ってどんな感じなんでしょうか?」


自分達の番になって急に不安にでもなったのか、レイミーが尋ねて来た。

まあ初めての体験だから、直前でしり込みするのも無理はない。

バンジージャンプとか、途中までテンションアゲアゲだった奴が飛ぶ直前でしり込みしたりするって聞くしな。


「目を閉じて開いたら、違う場所にいる。そんな感じになります。まあ一瞬の事ですし、害も全くありませんのでご安心ください」


「そうなんですね」


「では、魔法を使わせて頂きます」


魔法を唱え、俺はこの場にいる全員と共に新居へと転移した。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


『面白い。悪くない』と思われましたら、是非ともブックマークと評価の方をよろしくお願いします。


評価は少し下にスクロールした先にある星マークからになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作宣伝
スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~
『現代ファンタジー』ユニークスキル【幸運】を覚醒したダンジョン探索者が、幸運頼りに頂上へと昇りつめる物語
天才ですが何か?~異世界に召喚された俺、クラスが勇者じゃないからハズレとして放逐されてしまう~だがやがて彼らは知る事になるだろう。逃がした魚が天に昇る龍であった事に
異世界に召喚されたがハズレクラスだったため異世界に放棄された主人公。本来なら言葉すらも通じない世界に放り出されれば絶望しかない。だが彼は天才だった。これは持ち前の超学習能力で勇者を越える存在へと昇りつめる天才の物語
ブラック企業務だった前世に懲りて転生先で俺はスローライフを望む~でも何故か隣の家で生まれた幼馴染の勇者が転生チートを見抜いてしまう。え?一緒に魔王を倒そう?マジ勘弁してくれ~
転生先でスローライフしようとしたらお隣さんは勇者で、しかも鑑定でチートクラスを見抜かれてしまう。魔王を一緒に討伐!?冗談じゃねぇ!俺は一市民としてやっていくから放っておいてくれ!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ