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リベラティオ・コロナ  作者: 白黒 猫助
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初任務8 VSセルバ

 ~凛side~

 蓮夜と別れた凛はベンの部屋へと向かっていた。その手には六花が二丁握られている。


(ドレスウザい、走りにくい……ん?)


 前方から男が二人走ってくるのが見えた。走るのに必死過ぎるというか、それにしても普通の人に形相とは思えない男たちが走ってくる。


「おーい、そっちは今大へ、ん…てもう聞こえてないか」


 横を通り過ぎる男たちに声をかけてみるが聞こえていなかったのか、何も反応することなく走り去ってしまった。

 凛は再び走り出す。そして長い廊下を走り、ベンの部屋の前まで付いたのだが、


(奥にいるな)


 凛は部屋の中に二人の気配を感じた。一人はベンの物だろうがもう一人は知らない気配だが、殺気も交じっている異質な気配だ。凛は意識を集中させ、警戒する。


「よしやるか」


 そう呟いて凛は魔力で強化した足で目の前に扉を蹴り破った。破砕音とともに視界に暗く部屋の奥が映る。明るかった廊下からいきなり薄暗い部屋を視認しようとしても暗順応の影響でそれが困難になっている。

 それもだんだんと目が慣れてきて中の様子が見えるようになってくる。


(ん?、あいつは)


 その中には見たことのある人物がそこに居た。


「昼間振りだなぁおっさん。ウチのサポーターに何してんだよ?」

「おやおや、猫かと思えば獅子が来ましたか」

「ふん……ベーン、生きてるかー?」

「見りゃ分かんだろ、さっきまでこの執事、セルバに襲われてたんだ」

「セルバと申します」

「お前とは話してない」「あらら」


 セルバは正した姿勢をそのまま傾けて名前を名乗るが、凛がバッサリと切り捨てる。凛もこの男の異質さには気付いているが、努めていつも通りに振舞っている。


「凛、こいつだぞ、今回のターゲットは」

「そうだろうな、魔法も魔道具も知っている奴じゃないとここにはいないはずだ。魔力を感じられるという事はお前もこちら側の人間だ。セルバ、お前を拘束する」

「私にも()()がありますし、あなたに構っている時間が惜しいのです。なので私はあなたを殺します」

「ハッ、やってみろよ!」


 瞬間、セルバから強烈な殺気を向けられる。凛も負けじと殺気を放つ。

 互いに火花を散らす中、先手を打ったのは凛だった。六花の引き金を引き、氷魔法の弾丸を発射する。狙いは完璧。僅か五メートルという超至近距離からの狙撃は外せと言われる方が難しいだろう。


「!」


 しかし、セルバの右肩と左足を捉えるはずだった弾丸は二発とも外れ、一発はセルバの手前の床に着弾し、もう一発はセルバの横を通り過ぎ、後方の壁に着弾し氷塊を発生させるだけに終わる。

 凛は表には出さないものの内心動揺していた。こと命中率に関して、凛は同じく銃を扱うジルよりも優れている。であるにも関わらず、たった五メートルの狙撃に失敗したという事実に自分のミス以外の要因を疑うほかなかった。


「何しやがった、お前?」

「はて、自分のミスを他人の所為にするのですか所為

「チッ」


 相手に聞こえるように舌打ちをして再度発砲するが、やはりセルバには当たらず横を通り過ぎてしまう。


「しまっ」

「そこです!」


 セルバは足に力を入れ強く床を蹴り一気に凛へと距離を縮めてくる。暗く狭い部屋では距離感が掴みづらく、セルバの接近を許してしまう。さらに構えていた六花を掌打で弾かれ、ガラ空きとなってしまった腹部に腰のひねりが加わってさらに鋭い掌打を撃ち込まれる。


「カハッ」


 凛の体から無理矢理空気が押し出され、壁に叩きつけられる。衝撃がそのまま返ってきてバウンドするように体が前のめりに傾く。一瞬歪んだ視界には、横から薙ぎ払うような蹴りを放とうとするセルバが映り、いまいち働かない頭を必死に動かして体に命令を送る。

 腕を交差させて防御態勢を取る凛にセルバは蹴りを叩き込む。蹴りを受けた腕はミシリと軋み、すさまじい衝撃とともに凛の体は吹っ飛ばされる。何とか受け身を取った凛だったが、立ち上がる時に謎のふらつきが起こった。


「やっぱりおかしい、ここに来るまで体調に異常はなかった」


 しかし、今の凛は頭痛、めまい、吐き気に感覚のズレ、平衡感覚の異常や脳が正常に動かないなど、病気を疑いたくなるような不調に見舞われていた。


「どれも奴の能力の影響なんだろうが、私の身に起こっている状態異常が多すぎてどんな能力なのか分からん……やばっ!?」

「何を一人でブツブツと」


 セルバの能力を考察するために頭を回そうとするが、そんな暇を簡単には与えてくれない。セルバはまた蹴りを放ってくる。


(くそ、集中力も低下してやがる。いつもならもっと冷静に立ち回れるのに)


 回避行動をとりつつ何とか反撃に出るがそのどれもがセルバには当たらない。段々と凛の中で焦りと苛つきが蠢き始める。

 もう何度目になるか分からない舌打ちをして、床に向けて発砲する。魔法が着弾したと同時にそこから氷の柱が生成されてセルバに襲い掛かる。


「こんなものいくら作り出しても変わらないでしょう…」


 しかし氷柱はいとも容易く砕かれた。飛び散った破片によってきらきらと彩られた世界を見て凛は、は初めて不安を覚える。


(私一人じゃこいつに勝てないかもしれない………蓮夜は大丈夫かな?)


 もしも、箱の能力者の実力がセルバと同レベルかそれ以上だったとしたら。そんなことが頭によぎるが、押されている状況ではすぐに意識をセルバに戻さなくてはならないのだった。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

出来れば評価【☆☆☆☆☆】していただければ幸いです。

いいねもよろしくお願いします。

めっちゃ久しぶりの投稿です。テスト明け一発目の投稿ですね。

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