【3】運命の月②
「きこうかみがたにんぎょう つき…?
読めないな…」
…あの歴史マニア過ぎる古文の教師なら読めるかな?
持って行ってみるか…。
「脚立を下ろしたから早く上がってこんの馬鹿孫!」
「悪ぃ悪ぃ。」
俺は木箱を抱えて、その空間を後にした。
結局その後、流石の祖父も床が抜けたから危険と判断したのか、蔵の掃除は中止となった。
俺は自室に戻り、改めて木箱を見た。
人形と書いてあるから呪いの道具では無いだろう。
でも何故これだけあんな地下に置いてあったのだろう…。
何か特別な人形なのだろうか…。
中の人形を確認したくなってきた…。
沸き立つ好奇心を抑えきれず、俺は木箱の蓋を開けた。
その中には、白い布に包まれた手の平程の大きさの人形が入っていた。
「…?古い人形にしては形が現代的…?」
その人形は現代の漫画などで見る装甲を纏ったロボットのような見た目をしていた。
「う〜ん?爺さんの悪戯なのか?」
どう見ても蔵に保管されている他の人形とは形が異なる。
「まあいいか…。寝よ。」
深く考えるのをやめてベッドに寝転がる。
落ちた時の衝撃で身体が疲弊したのか、もう起きているのが限界だった。
そして、すぐに眠りに落ちたのであった。