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断罪者 零 〜月光の機神〜  作者: 佐脇(吐血)
第一章:月の覚醒
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【10】不安と決意


穂国(ホノクニ)市。

穂原(ホノハラ)市の南部に隣接する街である。

東部は柿が有名な山の地域であり、西部は海に面していて港になっている。また港近くには輸出入が便利と言う理由から埋め立て地が作られてそこに大きな企業の工場が沢山建てられている。

そして、俺は今その港にある倉庫の一つに来ている。

「んー、いるねー」

隣で各務さんが呟く。彼の視線の先にはいかにも裏稼業な方々が集まっている。

「…各務さん。」

「ん〜?」

「……どうやってあの強面(ヤクザ)の集団の中に行くんですか?」

「……そうだねぇ、君があそこに殴り込みに行ってる間に俺は逃げようかな?」

おい。

新人にいきなりキツい事を…!

鬼だこの人。

「今俺を鬼だと思ったね?」

「ソ、ソンナコトナイデスヨー」

「冗談だって。正式には君の人形(ツクヨミ)に殴り込みを掛けてもらい、その間に拐われた娘達を救出しようかな。さっき見たと思うけど、僕の聖具(マテリアル)は戦闘向きでは無いんだよ。」

確かにそうだった。

「え?じゃあ今まではどうやって?」

「ん。まあ銃とかナイフで。俺は隠密向きなんだよ。」


数分後

「…よし。」

コンテナの陰にて小さな声で周りの(ヤクザ)達に気づかれないように気合いを入れる。

内ポケットから人形(ツクヨミ)を取り出し、先程各務さんに言われた事を思い出す。

『いいかい?人形(オートマタ)(テイマー)は人形を操って闘うわけだけど、問題は本体(きみ)を倒されたら終わりという弱点がある。』

その後に各務さんは『…だから武闘派聖具持ちには見下されるんだよね…俺のもだけど』と呟いていた。

だから護身用にとナイフ1本と拳銃を一丁渡された。

場を支配する緊迫感に気圧され身体が震える。ただ臆してはいけない。

『力があるなら(ソレ)を行使しなければ宝の持ち腐れ。ただし、その力の行使する方向を誤るな。』

その後の各務さんの言葉を思い出し、人形(ツクヨミ)を軽く握りしめ決意を固めた後、思いっきり上に放り投げる。

「俺がやらなくちゃいけないんだ…!

だから…!行けツクヨミ!!」


宙に投げられた人形(ツクヨミ)は人間ほどの大きさになり地面に着地する。

「なんだコイツは!?どこから現れた!?」

「侵入者だ!!撃て撃てぇ!」

突然のツクヨミの来襲に慌てふためく(ヤクザ)達。拳銃を懐から取り出してツクヨミに向けて一斉に発砲をする。

しかし、装甲を纏ったツクヨミには無意味である。

(ヤクザ)達は恐怖で引き攣った顔を見せ、口々に叫ぶ。


「ば、化け物じゃ…!」

拳銃(チャカ)が駄目ならドスで行け!」

「マシンガンならどうじゃ!」

「ワシのセクシーポーズならどうじゃ!」

1人アホがいる気がするなぁ…

さてさて反撃しますかね…!


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