四人の花嫁 7
白い石を敷き詰めて作られた広場は陽の光を反射し眩しく輝いていた。
目を細めながら、狭い輿に押し込められて強ばった身体を思い切り伸ばす。
こんな乗り物二度と乗りたくない、というか乗る機会もないだろう。
自分と同じ生贄達が次々と輿から降りて来たものの、皆一様に外套を身につけ薄布で顔を覆っている為、誰が誰なのか全く見分けがつかない。
側近の男が慌てて自分にも被るよう身振りで指示をされたので渋々薄布で顔を隠す。
頭から爪先までをすっぽりと覆う色鮮やかな外套も
顔を覆う布も本来、女性が嫁ぐ際に貞淑の証として身につけるものだ。
それをわざわざ男に着せるとは悪趣味なのか嫌がらせなのか、自分の優位を示すためなのか。
どんな理由にせよ、あまり性格は良くないらしい。
良くないといえば姿形についても、様々な噂が流れていた。
顔が驚く程長く馬のようだとか、熊のように毛むくじゃらの巨漢だとか、指が六本生えているだとか、風呂嫌いだとか、好物が処女の生血で毎日飲んでいるとか。
総括するとただの化け物ではないか。
そして巨漢とは男だ。
どんな人物なのか父に聞いておくべきだったと、今更ながら後悔していると先触れの太鼓の音が響く。




