夏 炎雄 2
解決しなければならない問題は山積みだか、旧後宮については早くどうにかしてやりたい。
本日何度目か分からない溜め息をついているうちに夏宮に到着した。
「扉が開いていませんね。」
主に扉を閉めるのは宮の主が外出する際と、就寝する際だ。
外出の予定などないはずだし、そろそろ昼餉の時刻だ。
寝ている訳でもあるまい。
英俊が金属製の扉叩きを鳴らす。
三度大きく叩き、もう三度小さく叩くのは皇の来訪を知らせる合図である。
通常ならば何を置いてもすぐにでも駆け付けるものなのだが。
もう一度同じ様に叩くが、反応がない。
「何かあったのかもしれないな。」
扉を破るには道具が必要になる、誰かに持ってこさせようかと相談を始めた頃、ようやく青い顔をした男が顔を覗かせた。
「大変、大変、申し訳ございません。只今、障りがございまして。」
「障りとは?」
いえ、あの、その、と男の発言は要領を得ない。
「とりあえず、生きてはいるのか?」
と男に玉蘭が問うと小さく頷く。
なら良いと、宮に入ろうとすると更に障りがと繰り返し拒もうとする。
英俊が睨み付けると転げるように平伏す。
庭には皆、先程の男のように青い顔をして一様に平伏していた。
一体何があったというのだ。
「何があった?」
男達は顔を隠したまま、居室を指差す。




