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隻腕の魔法使い  作者: 木三並
第1部
4/65

第3話

前話のあらすじ:太一、クラスメイトの圧力に屈する


※設定の一部を修正しました

「ちなみに鎖藤君はどこに住んでいるんですか?」


「なぜそれを聞く」


「それはもちろん、石島君が生徒会の会長選挙に出ることになった時の選挙応援に、鎖藤君がサボらないように迎えに行くためです。もちろん、私の家から近かったら、といった条件は付きますけど」


「だったらなおさら教えるわけには...「白崎さん、この学校の近くにある洞宮寺っていうお寺は知ってるかい?」...おい順一郎、お前何を...」


「洞宮寺ってたしか、駅からこの学校に向かう途中の商店街にあるお寺でしたっけ?」


「そう、その商店街入ってすぐのところにあるお寺。太一が住んでいるのは、そのお寺の入口の隣に建っているマンションだよ」


「...俺、もう泣いていいかな」


本人そっちのけで話を進める二人を前に、太一の心がついに折れた。


しかし、これは授業を常習的にサボるやつに問題があるのであって、決して二人が悪いわけではない。


もう一度言うが、悪いのはサボり魔( 太一 )である。


「そこだったらそんなに遠回りする必要もないですね。いつもより10分くらい早く出れば間に合うかな?」


「ちなみにこれが太一の部屋番号で、こっちがマンションのオートロックの鍵」


「えっと...ありがとうございます?」


「もうこの際、お前らが俺のことについて、本人そっちのけで話を進めることや、順一郎、お前が俺の住所を知っていたことはまあよしとしよう。だが、何で俺の家のカードキーまで持っている。とりあえず、そのキーを渡したやつ(バカ)を教えろ。それから白崎、お前も何食わぬ顔でカードキー( それ )をもらうな」


「どうして俺がカードキー( これ )を持っているかって?それはお前が学校を休んだ時に、どうしても渡さなければいけない資料があって、マンションに行ったことがあったんだが、その時に保護者の方から渡されたんだよ。『もしかしたら太一が理由もなく学校を休む(サボる)ことがあるかもしれないから、その時のために持っておいてくれ』って言われてね。ちなみに鍵は2つもらったから、白崎さんに1つ渡しても、俺の分は別にあるから心配はいらない」


「その心配なんてしてないわ。しかし、あの野郎...またしても勝手なことを」


「ダメですよ、鎖藤君、ご両親のことをそんな風に言ったら」


「白崎さんの言う通りだ。お会いした際に少し話もしたが、非常に素晴らしい人だったぞ」


「いやいや、それは見た目と口調に騙されてるだけだから」


「それはまず、鏡を見てから言うべきだな」


「石島君の言う通りですね」


「ひどい言われよう」


「「これだけ授業をサボれば仕方ない(当然です)」」


「ちくしょう、言い返せない自分が悔しい」


「とりあえず、鎖藤君の部屋の鍵は落としたりしないように定期券入れで一緒に管理するとして、石島君は何の用事があって鎖藤君の家に行ったんですか?」


「太一がまだ進路選択票を提出していなかったから、それをもって行ったんだよ」


「進路選択票ってたしか、秋からの授業に関係するからってことで、先生からGW前までには必ず出してほしいって言われてた資料ですよね?」


「それを太一(こいつ)は5月中旬になっても出してなかったんだ」


「鎖藤君、ちゃんと出さないとダメじゃないですか!進路選択票を出さなかったら、人気のないところとか希望と異なる場所に配属されちゃいますよ」


「最初は魔法術式学で出そうとはしてたんだけど、それ関係の授業を受けてみたら、俺が思ってたものと違ったから、であればいっそ、抽選に任せてもいいかなて思って」


「だとしても先生が困るので出してください」


「ちなみに太一は、どの科目で提出したんだ?」


「話聞いてて一番マシな気がした魔法工学で提出したな」


「選択した理由があまりにも適当なのに突っ込みたいところではあるんだが、特進(この)クラスにいて魔法工学( それ )を第一希望に選んだってのは珍しいな」


「石島君の言う通り、このクラスだったら普通、魔法使いの花形とも言われている魔法戦学か、鎖藤君が最初に選ぼうとした最新魔法の研究を行う魔法術式学を選ぶ人が多いですよね。これは、魔法戦学や魔法術式学のほうが、他の選択科目に比べて大学や就職といった卒業後の進路の選択肢が多くて有利...ということもありますけど。鎖藤君ってフィールド演習とか、そんなに苦手でしたっけ」


「これまでの演習の成績から考えると、太一の順位は中の上~上の下あたりになるけど、実際の実力は恐らく、もう少し上かな」


「そんなことはない」


「どっちが本当のことを言っているのかわからないけど、仮に石島君が言っていることがが事実、というかたぶんその通りなんだと思うけど、もしそうだとしたら、鎖藤君は本気を出していないってことになりますよね?」


「信用されてない感が半端ない」


「太一、それは日頃の生活態度が悪いんだから仕方ない。白崎さんの疑問はもっともだけど、太一の場合は本気を出していないというか、基礎訓練の成績があまりよくない(やる気がない)のが原因なんだよ」


「要するに、めんどくさいものに熱心に取り組まないから、相対的に成績が下がって見えるってことですか?」


「そんなところかな、今日の午後の演習は実戦形式での訓練だから、それで太一の実力が多少わかるんじゃないかな」


「魔法のスタイルが違う人たちの訓練の様子って、これまであまり見たことがなかったんですけど、何か得られるものもありそうなので、今日はもう少し、その点を気を付けて見てみようと思います」



第3話の投稿、なんとか間に合いました...


本当は午前中にアップしたかったんですが、投稿前に再チェックしていると、気になるところがチラホラ出てきてしまい...


第4話も現在執筆中ですが、もう少し文才がほしいです(´・ω・`)

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