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暮らしの科学  作者: クレヨン
エネルギー保存の法則
3/3

上下だけなら瞬間移動ができます

孤立系のエネルギーの総和は、どんな形に変化しても一定である。

 リュックの中の2Lペットボトルに入った水の熱エネルギーを15℃(ぶん)消費して俺と亜里沙は110m程上空にワープした。

(ちょっと高過ぎたかな……)

 そう思って、40mくらい分の位置エネルギーを水に戻す。これで大体上空70mくらいだ。その後20m分の位置エネルギーを南東方向の運動エネルギーに変換して空を飛ぶ。水平投射の要領で空を飛ぶ俺たち2人は、当然下に落ちていく訳だが、下向きの運動エネルギーは都度――位置エネルギーに変換して高度を維持しているし、空気抵抗で落ちた速度は、それによって発生した熱エネルギーを運動エネルギーに戻しているので速度も維持できている。空の旅はお手のものである。

 非番の今日は、久々に亜里沙とデートを楽しむ予定だ。

 上空50mを71km/hで飛んでいると、夏真っ盛りでも少々寒い。そしてそれ以上に問題なのが、亜里沙が何を言っているのか全く聞こえないことだ。大口を開けて必死に何かを訴えかけてくるが、まったく何を言っているのかわからない。

 仕方なく俺はエネルギーの操作をやめ、水平投射に身を任せた。グングンと地面が近づいてくる。着地地点は空きだらけのショッピングセンターの駐車場だったのでちょうど良い。地面に激突する寸前、運動エネルギーをリュックの水に熱エネルギーとして変換した。


「んで……どうした?」


「『どうした?』じゃないよ!怖いよ!それに寒いし!」


「んなこと言っても俺車とか持ってないし、ってか、なんなら車より速いし。」


「いつも言ってるでしょうよ!怖いって!」


「そろそろ慣れたかと思って。」


特殊能力が与えられて8年。たまに出かけるときはいつもこうして飛んでいるのだが、いつまでたっても亜里沙は全く慣れてくれない。

このページでは

亜里沙の体重を51kg

健吾の体重を65kg

重力加速度を9.8m/s^2

水の比熱を温度帯に関わらず4.2J/g・K

水の密度を温度帯に関わらず1000kg/m^3

として計算し、有効数字2桁で表記しています。

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