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暮らしの科学  作者: クレヨン
プロローグ
2/3

地球が復活しました

 よろけて危うく転びそうになった。

 神が言うには、小惑星の接近が発表される1日前に戻されたようだ。

 その日、俺は亜里沙と買い物に来ていた筈で、隣では亜里沙が転んでいた。よく見れば周りの誰もが転ぶか、転びそうになるかしている。当然だ。神が『戻すぞ。』と言った瞬間、今の時間に戻されたのだ。

 その時間軸では身体は歩いていたのであろうが、意識は戻って来たばかりだ。意識と身体が交錯して足がもつれるのも当然と言えよう。

 きっと地球の裏側、アメリカの人々はベッドから目覚めるだけという最高の復帰を果たしたのだろうが、日本人には最悪の復帰だ。


 目の前で事故が起こった。車を運転していた人は、どうしようもないだろう。

 日本全国で同時にこんなことが起こっているとすれば、せっかく生き返ったのに、何百人か死んでいそうだ。


 ちなみにだが、小惑星も元通りになっている。『能力を与えたのだから、自分たちでどうにかできるだろう。』とのことだ。


 後日、実際に何とかなったときは驚いた。

 生き返る前、まだ能力がなかった時も小惑星を何とかしようとして、ハリウッド映画のようなチームが組まれて小惑星に向かい失敗したのだが、今回はそのチームの中に、『運動量保存の法則(無視改変)』を連れていったのだという。

 運動量保存の法則とは、『外部から力が加わらない限り、運動量の総和は一定である。』という法則で、その無視改変能力である(くだん)の人物は、小惑星の着陸寸前に、パチンコ玉を投げつけ、小惑星に衝突させた。

 普通であれば、それによって何かが起こることは無いが、運動量保存の法則が無視され、パチンコ玉という小質量の物体が、ただ投げつけただけという極低速でぶつかり、その極わずかな運動量が全く保存されずに何倍にも膨れ上がって小惑星を弾き飛ばし、地球に衝突するコースから逸らした。ということらしい。


 それを聞いたときは、小惑星より恐ろしい人間が世界中にあふれてしまったことに恐怖した。

 世界中の人々が、これだけの力を持っているのだとすれば、犯罪はもっと凶悪で、危険なものになるかもしれない。


 元々警官を目指していた俺は、より一層精進しようと決意を固めた。

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