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暮らしの科学  作者: クレヨン
プロローグ
1/3

地球は滅びました

 地球は滅びた。

 もうどうしようもない位に。

 小惑星が衝突コースに入って、パニックになって自殺者なんかも出て、そんでもってドーンでバーン。

 滅びた。


 というわけで俺、いや我々人類の目の前にいるのが、自らを神と呼ぶ初老の男性。

 キリスト教の信者だと思われる外国人達は祈りをささげ、他の宗教の人々は何やら怒っている様子。宗教にあまり関心がない日本人は、目の前の神と名乗る男よりも、自分が死んだことの方に意識が言っている。


 全世界70億人もの人が一堂に会していれば、端の人など砂粒より小さく、その端の人から見ても、この神は砂粒のようにしか見えていない上に、声など聞こえない筈だが、何故だか端の人には聞こえていないような様子は無いし、そもそも自分が意識を向けた方の人の姿は、苦も無く見ることが出来、声も聞こえる。

 俺は日本語以外話せないし理解できない筈だが、外国人の会話も理解できてしまっているし、その外国人が日本語を話している訳ではないこともわかる。


 そんな不思議な空間で、神は言う。

「汝らを、再び元の世界に戻してやろう。」と。

 ただし、完全に元に戻すことは出来ないらしい。正確には、神々のルールで、それが禁止されているのだとか。

『完全に同じ世界を作ってはいけない。』と。


 建造物、地形、動植物、人間は元通りにできる。ただ、世の(ことわり)は、世界を作る毎に変えなければならないらしい。

 つまりは、地球の人類史の中で築き上げられてきた科学の歴史が無に帰るということだ。

 そして、その理が変化してしまったら、建造物や地形、動植物や人間を元通りにしても、適応できずに崩れてしまう。死んでしまう。

 世の理が変われば、生まれてくる生物も、それに対応したものになってくるのである。


 しかし、それでは我々人類はこのまま死ぬしかない。そこで神は考えた。『科学の歴史を崩さずに、世の理を変えれば良いのだ。』と。

 その結果、人類の一部から無作為に選ばれ与えられたのが、特殊能力である。しかも我々人類にわかりやすいように、地球の法則に対応している。


 俺、長崎健吾(ナガサキケンゴ)は能力を与えられた側の人間で、その能力は、『エネルギー保存の法則(強制執行)』、俺の幼馴染、千葉亜里沙(チバアリサ)は能力を与えられなかった。

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