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駆逐艦『雪風』 ~小さき不沈艦~  作者: 伊東椋
昭和十七年~十八年
31/64

第三十一話 悲愴の別れ

 夜戦をお家芸とする日本海軍では、旗艦が探照灯を照射して味方に攻撃目標を示す事が、夜戦の定法となっていた。

 危険を覚悟して照射した旗艦『比叡』は、二回の斉射を行い敵艦に損害を与えたが、自らも照射と同時に敵の集中砲火を浴びた。探照灯を照らした『比叡』は敵の攻撃目標となり、上甲板は滅茶苦茶に破壊され、高角砲も全壊する程の猛撃を受ける事となった。

 余りの被害に電路が不通になり、主砲、副砲までが一時的に発射不能に陥った。

 敵の砲弾は艦橋にも命中し、火災が生じ、先任参謀の鈴木正金中佐が戦死、阿部司令官も負傷した。

 その後、舵機室に不発弾が貫通し、その大穴から海水が流入した事で、『比叡』は操舵不能になり、現在に至っていた。


 漂流するように海の上に浮かぶ『比叡』の艦上は、見るも無残な有様であった。瓦礫が散乱し、あちこちで火の手が上がっている。乗員たちが必死に消火を試みるが、鎮火にはまだ時間が掛かりそうだった。

 傷だらけの艦の化身もまた、その身を赤茶色に晒していた。体の至る部分が火傷や切り傷に覆われ、大部分が血だらけだった。髪にまで血が付着し、ベトベトと顔に張り付き、包帯が巻かれた頭は赤黒い血で染まっている。

 ひどく悲しそうな顔で包帯を巻き終えた霧島は、そっと傷だらけの姉から離れた。

 比叡は、無残な頭を気休めでも隠してくれた妹に、感謝の言葉を捧げた。


 「……有難う、霧島。助かったよ」

 「……比叡姉さん」


 泣きそうな瞳で、霧島は比叡の名を呼ぶ。比叡はゆっくりと微笑んだ。

 比叡の視線が、妹から他の者たちへと移っていく。『比叡』の傍にいた駆逐艦――その艦魂、雪風がジッと比叡の方を見据えていた。


 「……雪風、霧島の事よろしくね」

 「何を言っているのですか、比叡殿。しっかりしてください!」


 雪風は思わず声を上げる。まるで子供が駄々をこねるようだった。


 「比叡殿は、私達の旗艦です! 私は最後まで比叡殿の事をお守り致します!」

 「良い、良いの。雪風。貴女は……十分に戦ってくれたわ」


 比叡の言葉に、雪風は悲しくなる。

 敵の集中砲火により大破した『比叡』は、機関が健在なために前進こそ可能だったものの、舵が壊れていたため操舵が効かない状態だった。だからと言って、三万二千トンの戦艦を、僅か二千トンしかない駆逐艦が曳航できるはずもない。

 まるでもうもたないと言わんばかりの比叡の調子に、雪風は霧島の存在も構わずに声を上げた。


 「比叡殿……比叡さんは日本の、私達の誇りです! 比叡さんは私にとっても大切な……」

 「雪風!」


 その時、新たな来訪者が現れた。転移の光から飛び出してきたのは電だった。

 ひどく狼狽した様子で、電は雪風の両肩を掴んだ。


 「雪風! 暁お姉ちゃんを知らない!? どこにもいないの!」

 「い、電さん……?」

 

 まるで周りが見えていないように、泣きそうな顔をした電が、必死に雪風に取っ組み合うように訊ねる。

 電が話すには、姉の『暁』の姿がどこにもいないと言う。戦闘後、『暁』の所在を求めた『長良』からの問い合わせを発端に、『電』は『暁』の姿を捜したものの確認が取れなかった。

 実はこの時点で、『電』の艦内では『暁』が沈没したのではないかと推測していた。その艦魂である彼女はその現実が受け入れられず、必死に他の艦に回って姉の所在を捜し求めていた。

 しかし同じ姉妹艦の『雷』もまた、『暁』の存在を確認できていなかった。

 だが、各艦の証言から『暁』は沈没した可能性が高い事は、自ずと知れた――

 

 「暁お姉ちゃんだけじゃない! 天津風もいないの!」

 「――えっ!?」


 電の発言に、今度は雪風が愕然とする。

 戦闘前は『雪風』と同じく『比叡』を護衛していた『天津風』だったが、戦闘前後は行方知れずとなっていた。

 それだけ、あの戦いは乱戦の限りを尽くしていた。所在がわからない艦が、この時点で複数いたのだった。

 

 「暁お姉ちゃんがいなかったら、私……うっ、ううっ」


 泣き崩れる電を前に、雪風は呆然と立ち尽くす。

 『暁』と『天津風』の所在、尚モ不明――艦隊は、戦艦『比叡』の損害に続き、二隻の駆逐艦を失ったと思い込んだ。


 実際――駆逐艦『暁』は彼女たちの推測通り、既に鉄底海峡の新たな住人となっていた。戦闘の劈頭で、『暁』は敵艦に向けて探照灯を照射、そのため敵艦隊からの砲弾が『暁』に集中し、一瞬にして航行不能に陥った。しかしその状態で米艦隊の隊列に突入し、その刹那、赤黒い火焔を噴出し一瞬にして沈没した。

 後に『暁』は沈没されたものと断定し、一ヶ月後の十二月十五日に除籍。第6駆逐隊の初戦没艦となる――


 そして『天津風』だが、こちらも戦闘の際に損害を被っていた。

 乱戦の最中、『天津風』も探照灯を照らしながら獅子奮迅の働きを見せるも、やがてその姿は味方にも見失われ、その所在は戦闘が終わると行方不明になっていた。

 『暁』の沈没により、艦隊は『天津風』も沈没したものと推測した――



 戦闘中、炎上する様を目撃した『夕立』もまた鉄底海峡の底へと消えた。敵機の攻撃を予想し、放棄された『夕立』は敵重巡の砲撃を浴び、沈没した――


 

 結果、この戦いで駆逐艦二隻(『夕立』『暁』)が沈没。戦艦『比叡』が大破した。

 『天津風』はこの時点で、ほとんど沈没したものと推測され、並行して行方不明として扱われた。

 負傷した阿部司令官の指示により、第10戦隊司令官の木村中将に指揮権が移譲された。木村中将は、夜が明ければ敵基地から飛び立った航空部隊が襲ってくる危険を考慮し、戦艦『霧島』と『長良』、他駆逐艦九隻に北西への避退を命じた。

 この時まだ『雪風』は『比叡』の傍にいたが、やがてこの応援のために駆逐艦三隻(『時雨』『白露』『夕暮』)が回ってきた。

 通信機能を失った戦艦『比叡』から中将旗が降ろされた。旗艦移譲が決定されたのである。

 新たな旗艦となるのは――『雪風』であった。


 「わ、私が旗艦……ですか」


 雪風は中将旗と同じ模様をした旭日の布を、傷だらけの比叡から手渡された。身を壁に寄せている比叡から、雪風はそっと中将旗を手に離れた。


 「そう。貴女を、挺身部隊の新たな旗艦として任命します……」

 「ですが、私なんかより照月さんなどの方がふさわしいかと思います」


 駆逐艦『照月』は排水量が約二千七百トンと、二千トンの『雪風』より大きい。更に『照月』は今年竣工したばかりの新鋭艦で、おまけに防空駆逐艦として設計された最優良艦だ。今後、敵機に襲われる危険がある状況下で彼女に旗艦の役目を譲る方が最適だと考えていた。

 だが、一艦魂の思惑など関係なく、旗艦は『雪風』に移譲する方針が固まった。


 「貴女に託す事が最良だと、司令部は判断したの。自信を持ちなさい、雪風……」


 掻き消えそうな声で、比叡は言葉を紡ぐ。雪風は申し訳ない気持ちになり、承りました、と頷いた。

 その腕に、中将旗を模した布を、霧島に巻き付けてもらう。

 霧島は優しげな微笑みで、言った。


 「よく似合ってますよ」

 「……ありがとうございます」


 雪風は少し照れ臭そうに微笑み返しつつ、穏やかな表情で自分を見守る比叡に向かって敬礼を掲げた。



硝煙に煤けた中将旗が『比叡』のマストから降ろされ、『雪風』のマストにその中将旗が掲げられた。その後、艦隊は再び再編成を終えて、ガ島へと進撃を再開する。

 しかし、都倉はマストにはためく中将旗を見て、不安に駆られていた。


 「(……あの中将旗を見て、敵が『雪風』を集中的に狙ってこないだろうか?)」


 それは不安であり、兵士としての懸念だった。それは決して臆病風に吹かれた者の思考ではなく、今まで鍛え上げた都倉の兵士としての防衛本能がそう叫んでいたのだ。

 しかし司令部の判断なのだから、一士官が具申するわけにもいかない。

 都倉は先程、『比叡』から乗り込んできた阿部司令官を始めとした司令部の幕僚の面々を一瞥した。

 

 「ガタルカナル島はもうすぐだ」


 阿部司令官の言葉に、艦橋にいた誰もが心の中で頷く。

 都倉も前を見据えた。

 日の出が、南太平洋の海を照らし始めていた。



 ――その時だった。



 「……おい、何だあれは」


 誰かがそう言った。艦橋の中が緊張感に包まれる。

 見張り兵が即座に、水天の彼方を見た。

 耳を澄ませると、都倉の耳にゴゥン、ゴゥン……と、遠くから響くような轟音が聞こえてきた。

 その音は、昇り始めた太陽の光によって浮き出てきた島の方から聞こえてくる。

 都倉が、その影を見つけたのはその時だった。


 「敵機来襲!」


 見張り兵の叫びが、艦橋に響いた。




 日の出と共に現れたのは、挺身部隊が今正に砲撃に向かっていた目標のヘンダーソン飛行場から飛び立った米軍機、七十機余りであった。

 濃紺色の機体が、朝日に照らされて明るみになる。それらが、一直線にこちらへと突っ込んでくる。


 「対空戦闘!」


 菅間の叫びと共に、都倉は艦橋の時計を見た。午前五時五分を指していた。

 『雪風』を始めとした各艦は直ちに戦闘速度まで増速し、主砲から機銃まで、全ての武器をフル稼働させた。

 『雪風』の後方から、胃にまで染み渡るようなズドンという重々しい轟音が鳴り響いた。操舵すらままならない『比叡』の渾身の主砲斉射だった。

 更に続いて『霧島』からも主砲が放たれる。二隻の砲弾が、突っ込んでくる敵機群の中央へと飛び込んでいく。

 その直後、盛大な花火が二つ咲き誇った。三式弾の炸裂により、十数機の敵機がバタバタと墜落していった。

 だが、その後ろや周囲から、三式弾の火の粉と硝煙がこびり付いた空を避けるように、艦隊へと向かってくる。三式弾の威力を目の当たりにしても、敵機は突撃を止めようとはしなかった。

 三式弾による攻撃をすり抜けた敵機に対して、今度は各駆逐隊の駆逐艦たちが対空射撃を始める。『雪風』も砲だけでなく、25mm機銃を空に向かって連射した。


 「敵機直上!」


 見張り兵の叫び声が上がった直後、真上から急降下してきた敵機が爆弾を落としていった。

 その爆弾は、『雪風』の右横に落ち、大きな水柱を作った。

 更にまた、何本もの水柱が林立される。この時の『雪風』は明らかに敵機の人気者となっていた。


 「敵機はやけに、この艦を狙ってくるな」

 「まさか、司令官がお乗りになっているなど知る由も無し……」


 司令部の幕僚たちがそう話す中、都倉は自分が懸念していた事がやはり当たったと思った。

 幕僚の一人が、都倉と同じ思惑に至った。


 「あの中将旗だ。あれが目立つんだ」


 そう、『比叡』に掲げられていた中将旗は、駆逐艦の小さなマストには余りにも大きく目立つのだ。

 それを認めた敵機が、『雪風』に集中攻撃を仕掛けてくるのだろう。

 その後、阿部司令官の指示によって、『雪風』のマストからは中将旗が降ろされた。

 しかし尚も『雪風』の艦上には、何度も海水の雨が降り注ぐ。

 彼女たち駆逐艦は素早く敵機の攻撃を躱し、弾幕を張り続けるが、そのおかげで敵機は実に仕留めやすそうな獲物を見つけてしまった。

 疾駆する駆逐艦たちの近くに、ノロノロと前進する戦艦が一隻。しかもよく見れば、構造物もボロボロだ。降り注いだ爆弾や機銃に対し、その戦艦は何故か舵を切ろうとはしなかった。

 いや、切れないのだ。その事に気付いた敵機が、次々とその戦艦――『比叡』に襲い掛かった。

 敵機の矛先が『比叡』に向かれた事に気付いた雪風が、必死に声を上げる。


 「だ、駄目……! 比叡さんが……」


 雪風が手を伸ばすが、機銃弾が『比叡』に向かっていく敵機の後を追うが、間に合わない。

 やがて艦隊の中で一番傷だらけだった『比叡』には、無数の敵機が蜂の大群のように襲い掛かった。『比叡』は群がる敵機に対し、必死に抵抗を試みるが、遂にその艦体に大きな火柱を立ち昇らせた。


 「比叡さあああぁぁぁんッッ!!」


 雪風の悲鳴に近い叫び声は、『比叡』から響き渡る爆発音によって掻き消された。




 波状的に襲ってきた敵機の爆撃は熾烈を極め、戦艦『比叡』に爆弾三発が命中した。

 最早、巨大な構造物には大穴が開き、小さな炎が鎮火されず燻り、気息奄々の状態となっていた。

 二派、三派と波状攻撃を受けて、その艦体は右に大きく傾斜していた。艦橋にまで高波が押し寄せている。誰の目が見ても、沈没は免れなかった。

 乗員たちが艦長たちを残して駆逐艦四隻に分乗している頃、『比叡』の艦上では、艦魂たちが最後の顔を合わせていた。


 「――比叡殿に、敬礼!」


 雪風の号令に続くように、集まった艦魂たち一同が比叡に敬礼を捧げる。

 傷だらけの身を晒した比叡は、その敬礼を微笑ましそうに見詰めていた。

 だが、その唇からも赤い血が流れている。

 少女たちはそんな痛々しい姿の比叡に辛そうな顔をするが、誰も泣き言など許されなかった。

 そしてもう一人、許されていないのが。


 「……霧島、後の事は頼んだよ」

 「は。霧島、必ず任務を果たしてみせます」


 そのやり取り。姉妹ではなく、軍人としての姿を見せる二人に、周りにいる彼女らも何も言わない。

 雪風は辛そうに、だが堪えるように、ジッとその二人のやり取りを見詰めていた。


 「私はここまでです。でも、私がいなくても霧島が……金剛姉さんや榛名、大和総旗艦方もいらっしゃる。きっと、大丈夫です……。私がここで死んでも、貴女方は最後まで戦ってください」

 「………………」

 「だから……もう泣かないで、霧島」

 「……ッ!」


 少女たちの視線が、彼女に集まる。

 霧島は――その瞳から、ボロボロと大粒の涙を零していた。

 比叡に言われて、遂に堪え切れなくなったのか。ダムが決壊したように、泣き出した。


 「……姉さんッ! 比叡、姉さん……! 私は……ううっ」

 「……霧島、貴女はいつになっても泣き虫なんだから。でも、貴女は私がいなくても大丈夫……」

 「そんな事、ない……! 私は、比叡姉さんがいなくちゃ、生きて……」


 泣きじゃくりながら、霧島は姉の傍に崩れ落ちる。そんな妹に、比叡がそっと手を伸ばした。

 その手を、霧島が掴む。そして、抱き寄せるように包んだ。


 「貴女にはまだまだ金剛姉さんたちや、ここにいる皆、大勢の仲間たちが居る。だから私が居なくなっても、貴女は一緒に皆と戦い続けなければならない。この戦争に勝つためにも……ここで泣いてちゃ、いけないでしょ?」

 「……ね、姉さんッ!」

 「……大丈夫。私はいつでも貴女と一緒にいるわ。どこでも、ね」

 「う、うう……ッッ」


 姉の手を掴み、嗚咽を漏らす霧島に、周りからもすすり泣くような声が聞こえてくる。

 雪風も――その瞳から、一筋の涙を流していた。

 既に暁や夕立が沈み、妹の天津風も安否がわからない。そしてまた一人、大切な仲間がいなくなろうとしている。


 「貴女達に介錯されるなら本望だわ。頼むわね」

 「……は!」


 沈没寸前に陥った『比叡』には雷撃処分の命が下っていた。実行するのは、応援に駆け付けたはずの駆逐艦たちであった。

 雷撃処分の準備を行うため、駆逐艦たちは去らねばならない。霧島も次の行動がある。これが最後の別れであった。

 比叡は、既に泣くのを止めた勇ましい戦友たちの敬礼を、見渡した――



 その後、『比叡』は阿部司令官の判断により雷撃処分の命が下ったが、連合艦隊司令部より処分の保留が言い渡された。

 実は連合艦隊司令部内では、『比叡』の処分に関して賛否が飛び交っていた。

 論戦の結果、『比叡』の処分命令は撤回された。これは十三日夜の船団に対する攻撃を吸収するため――つまり、『比叡』を囮に活用するために処分が見送られたのだった。

 乗員たちの総員退去が終わった後も、自らは残り続けようとした西田艦長を半ば強制的に回収し、もぬけの空となった『比叡』を放置した挺身部隊――『雪風』を始めとした五隻の艦(『照月』『時雨』『白露』『夕暮』)はガ島砲撃に向かう外南洋部隊支援隊と同士撃ちに陥るのを避けるため、一旦西方に退避しようと行動を始めた。


 霧の中へと薄れていく彼女たちの背を見送りながら、比叡は一人空を見上げた。

 灰色に近い雲に覆われた空に、比叡はポツリと呟いた。


 「……皆、元気でね」


 比叡は、ゆっくりとその瞼を閉じた。



 夜、命令を受けた『雪風』たちが再び現場へと立ち戻ってみると、その海域のどこにも、あの威容を誇った戦艦『比叡』の姿はどこにもなかった。人知れず、沈没したのであった。

 雪風は、『比叡』が眠っている海の方に向かって、手を合わせた。


 「……比叡さん、私が貴女に憧れたのは開戦する前の最後の観艦式……陛下を乗せた貴女の姿を見た時からです。恥ずかしくて言えなかったですけど、あの時の貴女は本当に格好良かった。比叡さん、安らかに眠ってください」


 雪風は海の底で眠っているであろう彼女に向かって、言葉と共に中将旗の布を海に投げ入れた。


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