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駆逐艦『雪風』 ~小さき不沈艦~  作者: 伊東椋
昭和十四年~十六年
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第二話 駆逐艦『雪風』




 ――駆逐艦『雪風』。彼女が何故、奇跡の艦などと呼ばれてきたのか。




 明治維新以降、近代国家として歩み始めた日本は日清、日露戦争と勝利を収め、列強の顔ぶれに猛然と加わり始めた。

 特に日露戦争の勝利の決定打となった日本海海戦でその強さを知らしめた日本海軍は、米英に次ぐ世界三大海軍国にまでのし上がり、欧米諸国に畏怖を、ほとんどが欧米の植民地であったアジア諸国に希望をもたらした。

 そして島国である日本は国力を維持するために、必然的に海軍力の増強に力を注ぐようになった。

 しかし日本を含む世界各国の建艦競争は苛烈を極め、世界経済すら混乱させた。この状況を打開すべく、各国は建艦を規制する条約などを相互に結び合うようになった。

 日本も当然その制約の例外ではなく、必然であった海軍力の増強に歯止めが掛かる結果となった。

 しかし日本はそれらの制約の中でも、その優れた技術力を活かし、次々と多くの艦を生み出した。

 やがてその枷も無くなり、日本は更に優れた艦を生み出していく。

 その中で誕生したのが、彼女――『雪風』であった。


 当時最新鋭の駆逐艦として建造された『雪風』は、陽炎型駆逐艦の八番艦として、佐世保のドックから生まれた。


 全長は百十八メートル、排水量は僅か二千トンという小柄な艦でありながら、数多くの姉妹と共に主力として激戦区に投入され、十数回以上の主要海戦に参加しながらも、唯一ほとんど無傷で生き残った。

 

 それこそが、彼女が栄光に満ちた艦として語り継がれる所以。


 そんな彼女がどうやって戦い、生き延びてきたのか――


 それは彼女自身、そして彼女と共に戦った男たちの生き様が関係していた。

 

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