詩「初夏の海」
その穏やかなスケートリンクのような海原を
海鳥は滑らかに滑る
それをめくることができたなら
うねるほどの潮流に
僕らはドン引きするだろう
冬の海
その荒々しいじゃじゃ馬のような海原を
海鳥はカウボーイ気分で乗りこなす
それをめくることもせず見える
うねるほどの潮流に
僕らは単に怯えるのだ
海の血液型はAB型かもしれないなんて言ったら
それこそ海を平たんにとらえていると
ポセイドン様やネプチューン様や恵比寿様から
クレームを受けるだろう
色即是空が仏の言葉なら
色即是海を人の言葉にできないか
海を見つめる僕の詩を
海鳥は馬耳東風で海に乗る