Mission 6.ケモミミ嫁との快適住まい空間をつくろう!~ケモミミ少女を嫁に貰ったジェルンの最初のミッション その3
バトルエンジニアという、罠や飛び道具や爆弾などを作って戦う、戦う技術屋を生業にする男、ジェルンは、時として大量破壊を伴う仕事も多々こなすことから、冒険者や町の人から怖れられ、敬遠されているため、遠く離れた山の中に住んでいる。
そんな彼は、またひとつ大きな仕事をこなして戻ってきたとき、家の前の小屋に迷い込んで眠り込んでいたケモミミ少女・ソフィーを見つける……。
ソフィーを保護し、二人での生活が始まると、ソフィーはジェルンにどんどん懐いていって、彼女はジェルンへの恋慕を隠さなくなる。
可愛らしい少女の好意をむき出しにしたアタックに、徐々にジェルンもグラついていき……。
そして、ジェルンはついにソフィーを妻にすることにしたのだった。
ソフィーを妻に迎えたことで、家庭を持つことになったジェルンは、本格的に今後を見据えた住環境の整備に取りかかる。
主人公:ジェルン
バトルエンジニアという、その辺にあるもので何でも武器にして戦える戦闘のエキスパート
直接的に戦うと言うよりも罠や飛び道具や爆弾などを作って戦う
他、薬などを使った回復にも長けている、戦う技術屋さん
ダンジョン踏破には欠かせない職業
ただ、時には大量破壊を伴う仕事も多々こなすこともあり、町の人からは怖れられていて、あまり町での居心地はよくないらしい……
ソフィー
主人公の暮らす山の中に迷い込んでしまった獣人族の女の子
種族の中では発育が良くないらしく、きょうだいからもイジメに遭って、逃げ出したら気が付いたら知らない場所に出てしまっていたらしい
さまよった挙げ句、主人公の小さな家に迷い込んでいたところをジェルンに見つかり、拾われた。
以降、こちらの土地の言葉が分からないソフィーに言葉から山での生活に必要なことまで、優しく教え、保護してくれたジェルンに好意を抱くようになる。
町に出た時、変な噂の出ないようにと、ジェルンは建前上彼女を妻……ということにしていたのだが、その結果、逆にジェルンもソフィーを妙に意識し始めることに。
そして、二人は自然と一緒になることに……。
「ん……」
瞼の向こうに眩しさを感じて、俺は目覚める。
朝の太陽の光が窓のカーテンの隙間から、顔に当たっていたようだ。
昨夜は……ゆっくりと二人で溶け合うような時間を過ごし、そのまま眠りに落ちたんだったな……。
「おはよ、ジェルン」
隣から優しい声がかかる。
「ソフィー。起きてたのか」
「うん、ちょっと前に」
ソフィーはそう言って少し笑う。
そんなソフィーは、昨夜のままの姿で……。
俺のシャツを裸の上に一枚だけ羽織っただけで、昨夜、俺が彼女を抱いた時に外したボタンはそのままで、胸の谷間からおなかまでのなだらかなラインが惜しげもなくさらけ出されたままだ。
「ゆうべは……ありがとね、ジェルン……」
嬉しげな顔で、そう言うソフィー。
「ありがとうはこっちの台詞だよ。一昨日よりも……なんか、すごい良かった」
「そっか……。わたしも、いっぱい感じちゃった……えへへ……」
確かに、昨夜、最後の方はもう、ソフィーは俺に見られていることも忘れたかのように、乱れてしまっていた。
「ああっ、だめ! 思い出さないでぇ! 恥ずかしすぎるよぉ……」
そんな俺の想像を読み取ったか、彼女は真っ赤になって俺の回想を止めに入る。
「いや、そんな姿でやめてと言われても……」
視線を下に向けると、そこには俺の一糸纏わぬ股間に……。
まあ、元気になっちまって。
「きゃあっ!」
俺につられて一緒にそれを見てしまったソフィーは、慌てて両手で顔を覆う。
そして。
「ねえ、ジェルン……?」
「ん?」
「今、……シたい?」
困ったような顔をして、ソフィーはそう俺に聞いてくる。
まあ、シたくないっていったら嘘だけど。
まだ十分慣れてもいない今の段階から、朝、寝起きから相手させるのはちょっとレベルが高すぎる気がする。
「まあ……したくないといえば嘘になるが、今はやめておくよ」
そんな俺の返答を聞くと、思わずホッとした顔になるソフィー。
が、すぐにいけないと気付いて慌てて弁解する。
「あ、ち、違うの! ジェルンとするのが嫌っていうんじゃなくて……!」
「わかってるって。俺が考えたって、まだ今の段階でそんなこと要求するのは酷だと思ってるから。まあ、そのうち、自然にそういう時も来るだろ」
「うん……ごめんね、ジェルン……」
「謝る必要ないって。まあ、少しずつ、な」
「うん」
俺の言葉に掛け布団を掴んで半分顔を隠しながら、頷くソフィー。
「でも、男の人って、朝からそんな感じにしたくなっちゃうの?」
「ん? ああ、これか?」
軽く布団の上から俺の股間の辺りを指すと、ソフィーは小さく頷く。
「これな、男はいつも、朝、こうなっちゃうんだ」
そう説明すると。
「え……そうなの? 男の人、大変じゃない? いつも朝からしたくなっちゃうんじゃ……」
「まあ、慣れてるからいいが……いや、今は目の前にそんな姿のソフィーがいるから、ちょっと我慢するのが大変かも」
「もう、ばか……」
ソフィーはまた恥ずかしさのあまり、掛け布団で顔を完全に隠してしまった……。
朝食後はいつものように今日の作業を始める。
昨日のうちに新しい部屋の外装は完成したので、今日から内装に着手だ。
しばらくして、ソフィーも朝食の片付けを終えてこちらの方にやって来ると、部屋の入口の外側に椅子を置いてそこに腰を下ろし、メモ帳を片手にああでもない、こうでもないと、メモ帳にざっくりと図面を書いたり消したりしながら、眉を寄せて頭を悩ませる。
部屋の用途が急に変わることになってしまったため、中の配置を考え直さなきゃならなくなってしまい。
そこで、改めてソフィーに部屋の中に置く予定の家具などの配置を考えてくれと頼んでおいたのだ。
他の部屋から持ってくるか、先日町で注文しておいた新しい家具の類いの寸法はあらかじめソフィーには伝えてあり、それを元に、部屋のレイアウトを考えているというわけだ。
彼女がそうしている前で、俺は床材と腰壁の板を順に打ち付けていく。
入口側から順に床材を打ち付けていって、入口側半分弱の床材を打ち付け終わると、ソフィーは座る位置を部屋の中へ移してまだまだああでもないこうでもないと頭を悩ませ続けている。
「どうした? まだ決まらないか?」
彼女が手にしているメモ帳を覗き込んでみる。
もう幾つもページが繰られていて、結構いろいろ考えてみて、没になっているっぽかった。
「結構悩んでるか?」
そう尋ねてみると。
「悩んでるというか……あれこれ考えてみるのが楽しくて。だから、なかなか決められないという方が正しいかも」
「そうか」
部屋の内装のカーテンとか置く予定のテーブルにかけるクロスとかの準備は終わっているし、ゆっくり悩む時間はたっぷりある。
「今日は好きなだけ悩むといい」
「うん、そうする」
ソフィーはそういって頷き、またうんうんと悩んで唸り出す。
でも、その様子は眉を寄せたどこか不快感みたいなものがあるでもなく、むしろどこか楽しそうだ。
まあ、楽しんでいるならそれはそれでいい。
とりあえず、俺はさっさとこっちの作業を終わらせてしまわなければ、ソフィーがいろいろ頭を悩ませてみてもなにも始まらない。
さ、作業を続けようか。
昼食を挟んで午後早い段階で床板と腰壁板貼りの作業は完了し、すぐに腰板に塗料を塗り、床にも奥の方から入口の方に向かって順次ニスを塗って綺麗に仕上げ、今日の作業はおしまいだ。
「よし、これで終わり……っと。あとは、今夜いっぱいはこの部屋は立ち入り禁止な」
あとは、一晩じっくりかけて乾くのを待つ必要がある。
一応念のため、真新しい部屋の扉に「入室禁止」と紙を貼っておく。
ちなみに、ソフィーのこちらの言葉の言語力なんだが、今日の会話を見ても普通に会話する分にはもうあまり不自由もないし、ある程度は読み書きもできるようになって、このくらいの書き付けなら彼女ももう問題なく読めるところまで言葉を覚えてきていた。
「明日まで入っちゃダメなんですね。結構乾くまで時間かかるのね」
「余裕も見てはいるけどな。明日の朝くらいまでかければ、キッチリ乾いてピカピカになってると思うよ。生乾きだと、もしかすると入った時に足跡が付いちゃったりするかもしれないから」
「うん、わかった」
ソフィーは頷いた。
「で、部屋のレイアウトは決まったのか?」
今日一日、ソフィーがじっくり頭を悩ませていた件について尋ねてみる。
すると。
「うん。だいたい決まったよ」
「どんな感じだ?」
「うん、これ」
ソフィーが採用案にしたらしい図のページを開いて、俺に見せてくれた。
「どれ……」
南東の窓際に俺のベッドを移してきて、ドアの近くに化粧台、ベッドの対面の壁際に衣装箪笥。
南西のテラスと庭に続く大きな窓際は大きくスペースを空けて。
部屋の真ん中にはちょっとしたお茶を二人で楽しめる程度の小さな丸テーブルと2人分の木製椅子。
ふむ。
なかなか良い感じのレイアウトだな。
思ったよりも置く家具が少なめな、空間にゆとりのあるレイアウトに落ち着いたんだな。
「うん、いいんじゃないか?」
「ホント? ない家具追加したり、買ったのに使わない家具とかあったりとかしてるよ?」
「まあ、ないヤツでも必要なんだろう? 化粧台とか」
「うん……。やっぱり、寝室に欲しいなって思って……。これからはちゃんとお肌のお手入れとかもしっかりしときたいし……」
「普通に綺麗だと思うけど?」
俺としてはそう思うのだが。
「やっぱり、ジェルンに見せるんだから、ちゃんと綺麗な肌にいつもしておきたいな……って」
顔の前でちょっと恥ずかしそうに両手の指を合わせながら、照れたような顔をするソフィー。
「そうか。じゃあ、それは今度ラファエルのところで探そうか。それと、使わなかった棚とかはベッドを出した後、俺の部屋で使うからいいよ」
「大丈夫?」
「ああ、問題ない」
ソフィーに頷き返す。
「ホント? よかった……」
俺の反応に、ソフィーは胸をなで下ろす……といった感じだった。
「一応ね、買ってある家具も全部運び込む場合のレイアウトも考えてはあったんだけど……やっぱりちょっと窮屈で」
そう言って、メモ帳のページを繰って、別に用意していたらしいレイアウトを見せてくれたが……まあ、彼女の言う通り。
どうしてもちょっとごちゃっと感があるよな……。
ソフィーの提案通りの方が寝室内の空間にたっぷりゆとりがあるし、近い将来、俺たちのベッドの枕元にベビーベッドのひとつふたつくらい並べてもまだまだ余裕がある。
これからの生活空間のことをを考えたら、これくらい余裕があった方がいいだろう。
「そうだな。ソフィーの言う通りだと思う。君の思う通りにやるといい」
「うん、ありがと」
ソフィーは安心したように頷いた。