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俺はジャイアン  作者: りっきぃ
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5 幸田孝の生涯 その5

「俺、自衛隊に行こうと思ってる。」


 タカシは友人のこの言葉を聞いた瞬間に自分も自衛隊に入隊することを即決した。自衛隊に入れば衣食住は全て面倒見てもらえる上で給料ももらえる。贅沢さえ考えなければ給料のほとんどを両親に仕送りしても生活は成り立つのである。タカシと違って真面目に学生生活を送って来た妹には最低でも短大ぐらいは卒業してもらいたいと思っていた。自衛隊の任期は2年ごとの更新なので最低6年勤めれば妹の学費を出してあげることができる。中卒のタカシには他に選択肢がなかったと言ってもいいほどの好条件であった。


 似たような境遇の幼なじみ達にとっても高校卒業まで育ててもらって現在窮地に立たされている両親に恩返しができる手段が見つかったのである。なおかつ恩人として慕っている幼なじみのタカシが自衛隊に入隊すると決めたのである。仲間達も迷うことなく全員がタカシについていくことを宣言するのであった。


 こうして市内でも有名な不良グループと目されていた集団が全員同時に自衛隊に入隊し、今まで面倒をかけられていた学校関係者や警察関係者、地元の他の不良達はほっと胸をなでおろすこととなる。地元商店街の人間達にしてみれば、幼少期から可愛がって来た悪ガキ連中ではあるが屈強な商店街の若い男手がごっそりといなくなることに寂しさと不安を覚えるのであった…。



 家族を養うという明確な目的意識を持って臨むタカシ達は教育訓練過程でも優秀であり、陸自の特殊レンジャー部隊に配属されることとなる。パラシュートで富士樹海のど真ん中に降下し、指定期日までに数十キロ離れた目的地を目指すと言ったサバイバル訓練、市街地制圧訓練、無人島奪還訓練…等、特殊部隊としてハードな訓練をこなしていくのである。米軍との合同演習ではタカシ達幼なじみがチームとしてアメリカに派遣され、仮想訓練でテロリストのアジトから人質救出するという任務において、本場米海兵隊の特殊部隊よりも早いタイムで人質救出に成功しただけではなく、仮想テロリストとして30人の米軍兵を配置していた敵アジトをたった4人で制圧してしまったのである。


 タイムを競い合った米海兵隊特殊部隊達からは「サムライアーミー」と賞賛され、ライバルとして次回の合同訓練への参加を熱望されるのであった。しかし仮想敵テロリストとして配置された30人からは全く別の二つ名で呼ばれることとなるのである。



「魔王とその配下達」と…。



 

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