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俺はジャイアン  作者: りっきぃ
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1  幸田孝の生涯 その1

 幸田孝コウダタカシは肉屋を営む両親の元に長男として生を受けた。4年後には妹も生まれ、タカシは商売を営む両親に代わって妹の面倒をよくみるお兄ちゃんであった。


 幸田精肉店は唐揚げやコロッケ、メンチカツといったお惣菜も扱っていて、自然とその様なお惣菜が毎日のおやつや食事となり、またタカシも大好物であった。


 幼稚園に通う頃になるとお惣菜の影響か、他の同年代の子供達よりも頭ひとつ長身となり、比較的太っちょと言える体格となっていた。


 妹を可愛がるお兄ちゃんは近所の子供達に対しても面倒見が良く、大きな体格からも自然と近所の子供達にも慕われる存在となっていった。


 幸田精肉店のある商店街はそこそこの規模で、幼稚園に通う同級生も商店街の自営業の子供が多かった。幼稚園から帰ると近所の空き地で野球やサッカーの真似事をし、楽しんだ後は皆を家に招いてお惣菜をおやつにしてゲーム等を楽しんだ。


 こうしてタカシは小学校に上がる頃には、近所の子供達のリーダー的な存在となっていったのである。





 そして小学生となる訳であるが、その初日にしてタカシの生涯を左右する事件が起こったのである。



 入学式も終わりに近づいたクラス分けでの事である。


「幸田孝君」


 1組から順番に担任となる先生が自分のクラスの生徒の名前を呼んでいく。その後担任に引率されてそれぞれの教室に分散するのだが、タカシが呼ばれて立ち上がると体育館全体からクスクスと嘲笑が湧いたのである。



 担任の先生の滑舌が悪かったのもあり、「コウダタカシ」と呼ばれてもタカシは自分が呼ばれている事に気付かなかった。その為先生は滑舌の悪い「コウダタカシ」を3回も呼ぶ事となる。幼稚園からの友達から「タカシちゃん、呼ばれてるよ。」と諭されて立ち上がると…



「………」


「……ン」


「…アン」


「ジャイアン⁉️」



 担任の先生の滑舌の悪さとタカシの体格を目の当たりにして入学式に参列していた人達には、「コウダタカシ」が「ゴウダタケシ」と聞こえてしまい、かの国民的アニメの登場人物とタカシのイメージがダブってしまったのであった。





 

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