息子さんのプチケーキ
あやしいと思われるケーキがどんなものか、よく見えないのでちょっとだけ近くに寄ってみる。
「ちいさくてかわいいケーキだねー」
開けて中身を取り出すひかりさん。
「デコレーションがかわいいでしょ」
お皿を広げる息子さん。
「たしかに、模様が面白いねえ」
フォークをお皿にのせるかのじょ。
見た目が鮮やかなプチケーキ。
ゴルフボールよりちょっと大きいサイズの丸いケーキ。
これが6つあるようだ。
ひとつはさわやかな赤色。スイカのような色。
高さがまばらに波打つ横波の模様があって、太いオレンジ色と細い小麦色が、交互に3段あるのが見える。
上にはツンツンした揚げパスタみたいなものが、ケーキの上に10本くらい刺さっている。
ケーキの高さと同じくらいの長さで刺さっているから、ツンツンが目立つ。
ひとつはさむーい感じの深い藍色。
それに真っ白の斑点が雪が降ったように広がっている。
ケーキは、ひとまわり大きい丸いビスケットの上に乗っていて、ケーキとビスケットの隙間はクリームで飾られている。
なんとなく夜の空が雲の上に浮いているみたいだ。
ひとつは酸っぱそうなレモン色。見ため一番美味しそうだけど、酸っぱいなら僕は苦手かも、、。
鮮やかな黄色に、コスモスの葉のようなギザギザした模様が、淡い黄緑色で広がっている。
上の方にはパステルカラーの金平糖が、王冠のように乗っていて、春の優しい草原、という感じだ。
ひとつは空色。僕の好きな色。選ぶならこれかな。
濃淡のある水色がベースに、薄紫と薄黄色でマーブル模様ができている。
その回りを桃色の細い線で、リボンで3~4周ぐるぐるして結ばれているように描かれている。
上にサクサクの丸い、カラメルのかかった格子状のクッキーが刺さっている。